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Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno

ちょっと前のことですが。

久しぶりにギター(クラシックギター)を弾いていたら、弦が切れてしまったので楽器店に持って行って弦を全部張り替えてもらいました。クラシックギターの弦の張り替えはちょっと難しいので、多少お金がかかるけどいつもそうしてもらっています。ついでにネックの部分も綺麗に掃除してもらってびっくりするくらいに綺麗になりました。

で、そのギターを背中に担いで、近くで開催中だった古書店に立ち寄って一時間ほど。ギターを担いで古本を眺めるというのは世田谷ピンポンズさん的な風景だなと思いながら古本を漁っていました。収穫ゼロだったけど。

リニューアルしたギターでいちばんよく弾いているのはやはり世田谷ピンポンズさんの「早春」。前に紹介したのはキーがGでしたが、今はCDと同じFのキーにしたもので演奏。でも、ジャンジャン弾くのではなく、あくまでポロンポロン。歌もジョアン・ジルベルトのように(?)つぶやくような歌い方。

ポロンポロン ギター鳴らして_a0285828_14413620.jpg

それからときどき気分転換に弾いているのがブライアン・ウィルソン作曲の「サーファー・ムーン」とジャック・ケラー作曲の「Don't Ask Me To Be Friends」。今、いちばんはまっている2曲。この2曲についてはまた改めて書こうと思っています。


さて、「早春」といえば小津安二郎の『早春』。小津の『早春』といえば三石。

先日もおひさまゆうびん舎での世田谷ピンポンズさんのライブの後は三石を通って三石駅の近くに車をとめて早春の三石の風景を眺めました。もちろんピンポンズさんの「早春」を口ずさみながら。

まずはこちらの風景。

ポロンポロン ギター鳴らして_a0285828_14421723.jpg

まだ、固いつぼみのついた桜の木の向こうに見える白い煙突は、『早春』のラストシーンで映ったこの煙突。

ポロンポロン ギター鳴らして_a0285828_14430970.png

淡島千景が「行くわ、汽車」と見送るシーンですね。でも、実際にはこの汽車は三石駅から出て行くのではなく、三石駅に入るところ。ちなみにこの写真はまさに三石駅に入る寸前の上りの電車から眺めた風景。向こうに見えている煙突が上のシーンに写っている煙突です。

ポロンポロン ギター鳴らして_a0285828_14433330.jpg


それから、駅の近くから撮ったもう一枚がこの写真。

ポロンポロン ギター鳴らして_a0285828_14434588.jpg

ちょっと白黒にしてみました。

ポロンポロン ギター鳴らして_a0285828_14435485.jpg

ここから見える2本の煙突が、まさに『早春』のこのシーンで池部良の後ろに見えている煙突なんですね。

ポロンポロン ギター鳴らして_a0285828_14442386.png

今も残っているなんて何度も言いますが奇跡。なくならないうちに是非

と思っていたら、なんと1月8日に放送された『!鉄腕DASH!!』で、まさにこの煙突と、この煙突のある工場が写ったんですね。それだけでなく…。

詳しい話はまた次回に。


# by hinaseno | 2017-04-07 14:45 | 雑記 | Comments(0)

今日は他のことを書く予定でしたが、急遽別の話を。

今日(実際には昨日の深夜)アップされたアゲインの石川茂樹さんのブログ。読んでびっくりだったのでそれをリンクしておきます。

石川さんのブログはたった1日で消えるので(どこかのお役所がやっているような証拠隠滅ではありません)、見ることができるのは今日の深夜まで。

消えた後のために簡単にその話を。

昨日、どうやら高橋和枝さんが武蔵小山のアゲインを訪ねられたようです。高橋さんが石川さんと会われるのは、昨年のクリスマスの、武蔵新田のティールグリーンでのあの奇跡の出会い以来ですね。それだけでもうれしいことなのに、そこについ先日かなり大きな手術をされたばかりの平川克美さん(隣町珈琲の店主ですね。最近の話題で言えばミシマガジンで「隣町探偵団」を連載されていた人です)がいらっしゃったと。なんともはや。そのときの様子を想像するだけでわくわくします。

高橋さん、あの階段を降りてお店に入られるときは、少し、いや、かなりの勇気がいったでしょうね。




# by hinaseno | 2017-04-06 13:45 | 雑記 | Comments(0)

4月20日に発売される益田ミリさんの『今日の人生』についてもう少し。みんなのミシマガジンでは『今日の人生』特設ページというのが作られて、『今日の人生』に関する興味深い話がちょっとずつ明かされています。

かつて大瀧さんの『EACH TIME』が出るときに、その発売の数ヶ月前から「EACH TIMES」という新聞が出て少しずつ内容を明かしていたことを思い出しました。こういうのって、ただ発売される日を待つだけとは違う楽しみを味わうことができますね。


昨日アップされた空白のセリフ(スピーチ・バルーンですね)が描かれた少しだけ未来の「今日の人生」も面白くて、しばらく考えていました。

「今日の人生」は基本的に話の最後は「…だと思った今日の人生」という形で終わるので、その形にしようと思うのだけどなかなか難しい。でも、本が発売されて手に入るまでには一つくらいは考えておきたいですね。


一昨日にアップされているのは予約特典の写真のこと。

ミリさんは写真もいいんですね。たとえばこれは『47都道府県 女ひとりで行ってみよう』の中に収録された「思い出アルバム」。

益田ミリさんの『今日の人生』のことをもう少し_a0285828_12151154.jpg

エッセイを読んだあとで、写真を見ると結構面白いです。兵庫県は「たんば黒豆入りくずもち ふと見かけて、買ってすぐ食べた」と。

ミリさんが兵庫県に来たのは2005年7月中旬。場所は姫路! 

ミリさんは新幹線で姫路にやって来て姫路駅から姫路城に向かいます。ということなので、おひさまゆうびん舎の前を通っていますね。ただし12年前なのでおひさまゆうびん舎はまだできていないけど。今のおひさまの場所にあったツリーハウスはできていたんでしょうか(窪田さんは働いていたのかな?)。

お城を見た後に行ったのが県立歴史博物館と姫路市立動物園。なんと、あの動物園に行ってるんですね。ただし残念ながら動物園の感想はありません。

僕はこの動物園のすぐ近くに住んでいたことがあるので、平日に、客の全くいない動物園にもちょこちょこ行っていました。あるいはそばの美術館の庭のベンチに腰掛けて本を読んだりCDウォークマンで音楽を聴いたりしていました。なぜかハリー・ニルソンとクローバーズを聴いていたことだけよく覚えています。ああ、なつかしい。

ミリさんはこの後商店街を歩いて「果物屋の2階のフルーツパーラー」に入ってフルーツサンドを食べ、デパ地下に行って惣菜を買ったりしたようですが「たんば黒豆入りくずもち」の話はどこにもなし。どこで買ったんだろう。


ということで、『今日の人生』の特典の写真もとても楽しみ。収録されているマンガと関係のある写真なのかどうかも気になります。

で、ミシマガジンにはこんなことが書かれていました。


この限定365部を運良くゲットされた方はぜひ、「今日の写真」をTwitter、Facebook、instagramなどSNSにアップして、共有してもらえるとうれしいです。
 いったいどんな365枚なんでしょう? 1年分をまとめて見てみたいですね!
 どの写真がどの方の手にわたったのか...こっそり、益田ミリさんが覗いているかもしれません。
 さてSNSでの共有のときですが
 #今日の人生
 とハッシュタグをつけてもらえると、よりわかりやすくてうれしいです。ミシマ社メンバー、かならずコメントいたしますよ!(えっ、いらないですか?)

ということですが、やっぱり実物を見せ合いたいですね。

おひさまゆうびん舎で買った人だったらそれが可能だと思うので、ぜひぜひおひさまで300冊くらい注文して、みんなで写真を見せ合いましょう。「『今日の人生』を語り合う会」というのをやってもいいかもしれないですね。あの空白のセルフをそれぞれが自分なりに考えてきて披露し合うとか。


といういろんな楽しみを考えていた今日の人生。


# by hinaseno | 2017-04-05 12:19 | 文学 | Comments(0)

『NIAGARA 45RPM VOX(ナイアガラ 45 ヴォックス)』に合わせるように発売された『大滝詠一読本 完全保存版 2017 EDITION』。大瀧さんのインタビューなどが載っているわけではないのでどうしようかと思っていましたが、立ち読みでいくつか読んでいたらおもしろそうだったので結局買ってしまいました。

「僕のキャリアの節目には、必ず大滝詠一という人がいるんです」_a0285828_14433759.jpg

巻頭の特集は「周辺アーティスト&スタッフ最新インタビュー」。大瀧さんの”書生”というか”丁稚”をしていた湯浅学さんが大瀧さんの身近にいた5人の方々にインタビューをされています。5人の中には名前だけ見ただけでは誰だろうという人も。もちろんよく知っている人もいますが、大瀧さんが亡くなって以後いろいろ出た本の中では、たぶんそれほど大きく取り上げられることがなかった人たちばかり。松村邦男、駒沢裕城、後藤博、吉田保、中村欣嗣、子安次郎。

村松さんと駒沢さんはナイアガラ・サウンドを支えた重要なミュージシャン。村松さんはエレキ・ギター、駒沢さんはペダルスティールを演奏。ちなみに『多羅尾伴内楽團』の『Vol.1』は駒沢さん、『Vol.2』は村松さんをフィーチャーしています。

吉田保さんは『ロンバケ』以降のエンジニア。あのナイアガラサウンドに欠かせない人。後藤さんはそのロンバケの一つ前の『レッツ・オンド・アゲン』のエンジニアをされていたんですね。知りませんでした。しかも『レッツ・オンド・アゲン』に収録された「ピンク・レディー」という曲を歌っていたようです。グループ名はモンスターですが、『レッツ・オンド・アゲン』の解説(書いたのは大瀧さん)には「正式には『後藤博とモンスター』といい、メンバーは後藤(32才)を中心に全5人で平均20才のグループ。全員がピンクレディーの大ファンで、さるアマチュア・コンテストで、ピンクレディーの曲を歌い、その熱狂ぶりがプロデューサー大瀧の目にとまり、大瀧は一週間眼科へ通うはめになった。…」と書かれていますね。まあ、遊んでいるというかなんというか。これがあの『ロンバケ』の一つ前のアルバムなんですから。

子安さんは湯浅さんと同じく大瀧さんの”書生”だった人。のちにディレクターとなってウルフルズを担当されていたようで、ウルフルズがらみの興味深い話がいっぱい。

中村欣嗣さんはオーディオショップのスタッフとして大瀧さんの家のオーディオ・システムを長く見てきた人とのことですが、実はこの中村さんのインタビューが一番面白かった。大瀧さんの”人となり”がよく出ているエピソードの連続。「(大滝さんは)”良い音”の一歩手前がお好きなんです」という言葉には、ひざを10回くらい打ってしまいました。


さて、最後に一番いい話を。それは駒沢さんのインタビューの中の言葉。駒沢さんは先ほどの『レッツ・オンド・アゲン』でも「ピンク・レディー」という曲をはじめとしてほとんどの曲でペダル・スティールを弾いているんですが、実は駒沢さんはこの後、しばらくミュージシャンとしての活動から離れられるんですね。


駒沢:(大滝さんは『レッツ・オンド・アゲン』で)やり尽くした感じがあったんでしょうね。でも、今から思えば大滝さんがコロンビアでナイアガラを閉めたタイミングと、僕が足を洗ったタイミングはほぼ同じ。どこか運命的なものを感じますね。
湯浅:どうして足を洗おうと思ったんですか?
駒沢:業界の俗っぽい感じとか、いろんなことに嫌気がさしてしまったんです。その間は農地を開墾したり無農薬の野菜を育てて売ったりしていました。7年ぐらいそんな生活をして、85年の12月にまた戻ってきたんですけど。湯浅:復帰後、大滝さんとも再会したんですか?
駒沢:それがね、またしても運命を感じないではいられなかったんだけど、音楽をやめていた後、最初に電話してきてくれたのが大滝さんだったんですよ。「頼みたいことがある」と。
湯浅:復帰のきっかけが大滝さんだったんですね。
駒沢:具体的にどんな仕事だったかは忘れてしまったけど、誰かへの提供曲のレコーディングだったのかな。とにかくそれが復帰後最初の仕事。だから僕のキャリアの節目には、必ず大滝詠一という人がいるんです。
湯浅:そういう時に閃くんですよね、大滝さん。関わりの深い人の節目、節目に出てくる。
駒沢:つい先日、武蔵小山のAgainで安宅浩司くんとダブル・ペダル・スティールのライブをやったんです。そのアンコールで「空いろのくれよん」を演奏してね。いろんなことを思い出しました。大滝さんのことは、亡くなってからずいぶん考える時間が増えた気がします。僕は村松くんのように近年まで一緒にやっていたわけではないけど、あれほど濃密な時間を過ごした人は他にいません。
湯浅:コロムビア時代には、左チャンネルから駒沢さんのペダル・スティールが聴こえる曲が本当に多いですね。いつも駒沢さん用のトラックを空けて待っていた。大滝さんにとっては、自分の中にある得も言われぬ感覚を音にしてくれる要人だったんだと思います。
駒沢:そう思ってくれていたなら嬉しいけど。

音楽を離れていた時に、農業をされていたという話に驚きました。川上哲治みたいですね。

そして駒沢さんの話の最後にはアゲインのこともちらっと。以前、そのアゲインの石川さんから駒沢さんの『私のモーツァルト』という素晴らしいアルバムを録音したものを送っていただきましたが、他のアルバムも聴いてみたくなりました。


# by hinaseno | 2017-04-03 14:44 | ナイアガラ | Comments(0)

前にも書きましたが、設立当初から応援している出版社の一つであるミシマ社がウェブ上で毎日更新しているミシマガジンは、始まった当初からほぼ毎朝のぞいています。当初はなんといっても内田樹先生の「凱風館日乗」と平川克美さんの「隣町探偵団」が更新されるのを楽しみにしていましたが、このサイトを通じて何人もの人を知っていきました。

なかでもとりわけ好きになったのが、毎月、月末に更新される益田ミリさんの「今日の人生」。益田ミリさんというマンガ家のこともこれで知りました。今では大ファン。


つい先日、3月30日に更新されたのがこれ

ここで、「今日の人生」が単行本になって4月20日に発売されることが書かれていたんですね。わおっ、でした。

それだけでなく、ミリさんが撮った写真を365部限定で発売記念の特典として付けるというようなことが書かれていて。これは絶対にほしいと。

益田ミリさんの『今日の人生』_a0285828_15422163.png

↑ということなので、待っていたら昨日ミシマ社から告知。ここでまたさらに驚き。

予約できる店が全国で16書店限定ということで店のリストをみていたら、大書店や超有名書店がずらりと並ぶ中に、なんと! 姫路のおひさまゆうびん舎の名前が。兵庫県でただ一つ。岡山には一つもなし。

こんなことを言ってはあれですが、おひさまはミシマ社の本を常時扱っているわけではないし、ミシマ社の本を常設している店でもリストには載っていないのに…。

ミシマ社の人はよくわかっているんですね。なんだか自分のことのように嬉しくなりました。

ということで、みなさん、ぜひ、おひさまゆうびん舎に予約しましょう。素晴らしい本であることは僕が保証します。

店ごとの予約数の振り分けは特にないみたいなので、全国でいちばん予約の数が集まる店になったらいいですね。


# by hinaseno | 2017-04-02 15:44 | 文学 | Comments(0)