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Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno
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<   2018年 10月 ( 13 )   > この月の画像一覧



もう半月くらい前になるんですが、ある店から1冊の本と1枚のCDが同時に届きました。

本のタイトルは『彗星の孤独』。著者は寺尾紗穂さん。

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CDのタイトルは『なんいもいらない』。アーティスト名は〈冬にわかれて〉。冬にわかれてのメンバーは寺尾紗穂さん、伊賀航さん、あだち麗三郎さん。

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本とCDが同時に届いたのは同じ店に予約注文していたから。注文したのはもちろん武蔵小山のペットサウンズ。いつものようにおまけもどっさりと入っていました。


いずれも待ちわびたもので、本とCDの両方のことを書くにはたぶんかなりの時間がかかりそうだったので、書くのを後回しにしていました。そして今週金曜日からのイベントのことを考えると、またしばらくブログを中断することになりそうなので、今日書くのはさわりだけ。

でも、先に言っちゃうと、本のほうは今年の読んだ本のベスト3に、そしてCDのほうも今年出たアルバムのベスト3に入ることは間違いありません。とにかくどちらも素晴らしいの一語。

といってもCDはすでに100回くらいは聴いたけど、本はまだ3分の1ほどしか読んでいないのですが。


とりあえずまずはCDのことを。

バンド名の冬にわかれてについてですが、「冬にわかれて」という言葉は紗穂さんが好きな作家尾崎翠の詩から取っているんですね。そして尾崎翠は、紗穂さんが花田清輝の楕円幻想に出会うきっかけにもなっています。

実は花田清輝の楕円幻想との出会いについては、8月の加古川でのライブの後、紗穂さんと話ができたのでそこで少し聞いていましたが、今回『彗星の孤独』の「楕円の夢」というエッセイでより詳しく知ることができました。

紗穂さんが何かと出会うのも偶然、たまたまが多いようですが、鳥取というのがポイントかなと。鳥取というのはこれから強く意識する県になりそうです。


表題作の「なんにもいらない」は加古川でのライブで披露された曲。このアルバムの代表曲といってもいいですね。

これがそのPV。日常の、少しだけ喪失感の感じられる風景がたまらないです。




紗穂さんの曲というのは第一印象はそれほどでなくても何度も繰り返して聴くうちに好きになる曲が多いんですね。5回くらい聴くうちに好きになる曲、それから10回も20回も繰り返して聴いているうちにある日突然その素晴らしさに気づく曲…。


今の段階で一番好きなのは2曲目の「耳をすまして」。

そういえば女性1人、男性2人というユニットを紗穂さんが作ったと知ったときに最初に思い浮かべたのがキャロル・キングがダニー・コーチマーとチャールズ・ラーキーとつくったThe Cityというバンドでした。そのバンドの唯一のアルバム『Now That Everything's Been Said』(邦題は『夢語り』)の1曲目に収められた名曲「Snow Queen」にどこか雰囲気が似ています。




ちなみに第一印象で一番良かったのはポップな「月夜の晩に」。これも最高です。

考えたら昨日紹介した青葉市子さんの新しいアルバム『qp』で最初に気に入ったのも月がタイトルについた「月の丘」。昨日紹介しそびれたので貼っておきます。




月の曲っていい曲が本当に多い。


さて、紗穂さんのエッセイ集『彗星の孤独』について。僕はミュージシャンとしての寺尾紗穂という人と文章家としての寺尾紗穂という人を同時に惹かれて好きになったんですが、今回『彗星の孤独』を読んで、エッセイスト、文章家としての紗穂さんの力量に感服しました。

とりわけ最初に読んだ「楕円の夢」は言葉を失うほど素晴らしい。平川克美さんの『21世紀の楕円幻想論』と重なる部分もいっぱい。生きて助かって戻ってきたジャーナリストに対して「自己責任」という言葉で批判している人たちの何人かに届いてほしい言葉がちりばめられています。


そして、その次に読んだ最後の「長いあとがき」も心打たれるエッセイ。そのエッセイは今年の8月16日の出来事から始まります。その日亡くなったのが以前紹介した吉原聖洋さん。で、このエッセイが書かれたのがその5日後の8月21日。僕が行った加古川のライブはその4日後のことでした。


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by hinaseno | 2018-10-31 15:17 | 音楽 | Comments(0)

平川克美さんが岡山にやってくる日が刻々と迫ってきました。それだけでもたまらなくうれしいんですが、今回、僕にとってもう一人大切な方がいっしょに来てくださるんですね。そう、アゲインの石川さん。長年、勝手に思い続けていた夢がついに実現することになって、何も手につかない状態です。


そんな中、つい先日、超弩級のうれしいことが起こったんですね。それは大瀧さんとともに僕の人生で最も大きな影響を受けた方からの手紙。ポストから取り出した封筒に直筆で書かれた差出人の名前を見たときの興奮と言ったら…。

それにしてもこんなにすごいことが立て続けに起こって、恐いくらい。また、話せる人にはこっそりと教えます。


さらにさらにうれしいことが重なってるんですね。

その平川さんが岡山に滞在されるのとほぼ重なるように、なんとあの青葉市子さんが岡山でライブをするんです。しかもなんと岡山で3日間も。新作『qp』の発売をかねての全国ツアーのひとつなんですが、ライブスケジュールを見ても3日間もライブをするのは岡山だけ。どうやら青葉さんには岡山への特別な思いがあることは確かなようです。

ってことで平川さんと石川さんを見送った後、青葉さんのライブに行きます。彼女のライブに行くのは6年ぶり。都合が合わなかったり、気がついて連絡した時には満席だったりとかが続いていたので、ようやく。


そういえば6年前、初めて彼女のライブを見たのは姫路のハルモニア。今回の全国ツアーでも12月6日にライブを行うようです。そっちも行けたらなと思っているんですが、もう満席かな。

この日のブログでちょこっとそのライブに行った日のことを書いていますね(平川さんの話も出てきてます)。ライブに行ったのは3枚目のアルバム『うたびこ』が発売されて間もない時期。本当はその場で買ったアルバムだけにサインをもらえるというルールだったようなのですが、持参した3枚のアルバムを差し出したら1枚1枚にサインをくれて、さらにアルバムの背に「・」「・・」「・・・」という印を。

その日のブログでこう書いていますね。


3枚のアルバム、一枚一枚にサインをしてもらったあとで、最後に彼女はアルバムを三つ重ねて、その背の部分に黒い点を打ったんですね。「・」「・・」「・・・」って。この数がいくつもいくつも増えていくことを願っています。


結局、その後「・・・・」「・・・・・」を打ってもらうことができないままでいたのですが今回ようやく。でも、「・・・・・・」まで打ってもらうチャンスがあるのかな。それから5枚目の『マホロボシヤ』は真っ黒なジャケットだから、打ってもらってもわからない気もするし。

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ところで市子ちゃんが一昨日にライブを行ったのがあの森岡書店!

森岡書店といえば…。

去年の5月に東京に行った時、時間がない中でどうしても行っておかなくてはならないと思って向かったのが築地の新富橋。そこに行く途中、かなり駆け足で歩いていた中で目にとまった建物を写真に収めたんですね。そこに写っていたのが森岡書店。それを教えてくれたのはやはりその森岡書店で絵本の展示会をされた高橋和枝さんでした。青葉市子さんが実際にライブをしたのはその森岡書店の入っている鈴木ビルの3階のスペースだったようですが、行ってみたかったな。


ところで高橋さんといえば先日まで伊豆にあるギャラリーnoir/NOKTA(写真で見たらなんとも素敵な場所)で、『トコトコバス』の展示会をされていたんですね。ギャラリーnoir/NOKTAには行けなかったけど、12月に姫路のおひさまゆうびん舎で高橋さんの『トコトコバス』の展示会が開かれるので、それは必ず行きます。好きな絵がいっぱいあるので、原画を見られるのが楽しみです。


そういえば高橋さんのブログにギャラリーnoir/NOKTAで開かれていた展示会の時の写真が貼られていたんですが、よく見たら『トコトコバス』の前に楕円の(卵型をした)石ころのようなものが3つ置かれていて、おっ! でした。

ここにも楕円の夢がありました。


ってことで次回は「楕円の夢」、そして寺尾紗穂さんの話になります。書けるのかな。


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by hinaseno | 2018-10-30 13:20 | 雑記 | Comments(0)

ほぼ半年くらい悩まされ続けていた〈煩わしいこと〉が昨日ようやく無事終わりました。あとは1週間後に迫った、とびっきりうれしい出来事のことだけを考えていけるのでほっとしています。

煩わしい方のことというのは僕が引き受ける必要がないようなことでもあったんですが、めぐりあわせというか、まあ、これも縁だと思って引き受けることにしました。でも、この過程で起こった面倒くさいことの数々。他人に話しても絶対に信じてもらえられないだろうな。本当にうんざりすることの連続でした。

でもまあ、その煩わしいことを手放さなかったことで、結果的には煩わしいことと嬉しいことが2つの焦点になった楕円が描けていたのかもしれないなと。そのおかげで、1cmくらいは大人になれたかな。


楕円といえば...、

とりあえずこの写真を。

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これは祖母の家があった場所に1本だけ残っている柿。毎年10月くらいには見にくるようにしてるんですが、今年はバタバタしていてこの柿のことをすっかり忘れていました。で、急に思い出して行ってみたら、たくさんの実をつけてたんですね。父親が元気な時には肥料も与えていたんですが、ここ数年はそれもしていなくて、昨年はまったく実をつけていなくてもうダメかなと思ってたら、なんとなんと、でした。


柿の種類は西条柿。岡山近辺で取れる柿なんですが、実はこれは渋柿。何も知らずに硬い実をとってそのまま食べたら大変です。で、普通はこれをつるし柿にして食べます。それももちろん美味しい。

でも、とびっきりおいしいのは真っ赤な完熟の状態になった柿なんです。この状態の柿のことを「じゅくし」と言ったり「づ(ず)くし」と言ったりします。うちの家族や親族は「づくし」と言っていますが、こうやらこれは「じゅくし」がなまったもののようですね。漢字で書けば「熟柿」。「熟柿がき」ということもあります。

この熟柿、糖度がすごいんです。親が子供の頃にはとにかくこれを楽しみにしていたようで、母親なんかはいまだに口の周りをドロドロにして何個も何個も食べています。


でも、この「熟柿」のこと、岡山にいても知らない人が多いんですね。先日、我が家に工事に来てくれていた若い3人(20代から30代くらい)にこれを勧めたらだれも食べたことがないと言っていました。一人は遠慮。あとの二人は食べてその甘さにびっくりしていました。

食べ方にもコツがあって、先の方の皮を歯でちょっと噛んでとってあとは吸い込みます。するとタネと一緒に完熟した実がドロドロと入ってきます。それでも口の周りや手はベトベト。


で、先日その柿を取っているときに気がついたことを。

この西条柿は実がまだ青くて硬いときには4本の溝が入ってるんですが、熟柿になるとその溝がなくなって。そう、綺麗な楕円形になるんですね。

真っ赤な楕円の実がなっている風景って最高です。

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鳥たちはこの熟柿が最高においしいことを知っているので、高いところになっている実は苦労して取ってもたいてい鳥につつかれています。しかも皮が破れやすく、ちょっとした力の入れ具合ですぐに裂けちゃうんですね。

ってことで、熟柿がお店に並ぶことはめったにありません。綺麗な状態で並べてもすぐに裂けるので。


さて、話はころっと変わって先日「The Beatle Classics」というCDを作ったので、その勢いでこんなCDを作りました。やはり2枚組。

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タイトルは「She & Him Classics」。すぐお分かりの通り「The Beatle Classics」の写真と文字を入れ替えただけのものです。

で、知っている人はすぐに「She & Him Classics」ってアルバム、あるじゃん! ってツッコミが来そう。

そう、こんなアルバムが4年前に出ていました。

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このアルバム、全曲カバーなんですね。

これが出たときにそのオリジナル(に近いもの)を集めてパソコンのプレイリストには入れてたので、Disc 1はそれがそのまま。

で、Disc 2には他のアルバムに収録されたカバー曲とそのオリジナル(に近いもの)を集めました。

She & Himは彼女と彼らのオリジナルも素晴らしいんですが、とにかくカバーのセンスが抜群なんですね。ビーチ・ボーイズやビートルズを始め、キャロル・キング、エリー・グリーニッチ、バリー・マンというアメリカンポップスの3代作曲家、あるいは僕の大好きなNRBQなんかもカバーしていてとにかく趣味が合いすぎ。で、ジャズのスタンダードなどもさらりとカバーしている。最高ですね。


で、こういうのを作ったけど、今、家で一番よく聴いているのは青葉市子さんの新しいアルバム『qp』、そして車に入れっぱなしで聴いているのは冬にわかれての『なんいもいらない』。

この話もしないといけないですね。


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by hinaseno | 2018-10-28 12:01 | 雑記 | Comments(0)

The Beatle Classics


なかなかゆっくりブログを書けない状態が続いています。この状態、たぶん11月上旬までは続きそう。書きたいことはいっぱい溜まっているけど、ネタがどれもタイムリーじゃなくなりますね。まあ、そこはお許しを。


そう、タイムリーといえば、タイムフリー。

最近はすっかりこれのお世話になっています。

先日の「村上RADIO」、19:00からの放送だったのに、気がついたら30分ほど時間が過ぎていて、やばいって一瞬思ったんですが、でも、大丈夫。タイムフリーで最初から聴けました。前回はメールを出していたので読まれるか読まれないかでどきどきしながら訊いていたけど、今回はゆっくりと。

ところが、タイムフリーって番組によっては聴取可能期限が違っているのがわかりました。3日後くらいに録音しようと思ったら、なんと期限切れ。唖然呆然。やっぱりタイムフリーなんてものに頼ってあぐらをかいていたらダメですね。


それはさておき初回もそうでしたが、番組でかかった曲の多くはカバーでした。先日の放送でも「僕はオリジナルよりもカバーが好きなんですね」って語っていました。カバー好きというのは大瀧さんと同じですね。僕もいつも間にかカバー好きになりました。今回かかった曲の中でとりわけ気に入ったのはビートルズの「ゲット・バック」のカバー。演奏していたのは大西順子さん。

で、ビートルズのカバーといえば、先日、こういうのを作りました。

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『The Beatle Classics』。2枚組、全58曲。

簡単にいえばビートルズのカバー集。といってもビートルズのメンバーが作った曲をカバーした曲を集めたものではなく、ビートルズがカバーした曲を集めたもの。

って、実は少し前に紹介した、昔、P-VINEから出た『The Beatle Classics』というCDに収録された曲に、ビートルズが歌ったものを交互に並べただけのもの。敬意を込めてタイトルはそのままいただきました。曲順は結構変えているけど。

ビートルズというと、彼らの歌った全ての曲がオリジナルだと思っている人が結構多いようなんですが、とりわけ初期はアメリカン・ポップスやR&Bのカバーをいっぱいやってるんですね。そのオリジナルなんかを集めたP-VINEのアルバムは1988年当時としては素晴らしい企画。

でも、その企画を大瀧さんがすでに「ゴー!ゴー!ナイアガラ」で1975年にやってたんですね。何曲かはビートルズの曲を他のアーティストが歌ったものですが、あとはビートルズがカバーした曲のオリジナルをずらりと。


僕が作った1枚組CDの1枚目の1曲目に収録したのは「Anna (Go To Him)」。ビートルズがカバーした曲で一番好きな曲です。




歌っているのはアーサー・アレキサンダー。

アーサー・アレキサンダーなんて知ってる人、いないですね。でも、先日、まだ若い余白珈琲の大石くんがInstagramで、アーサー・アレキサンダーを聴いている、なんて書いているのを見て腰が抜けそうになりました。まあ、ナイアガラ的には「恋するカレン」の下敷きになった「Where Have You Been (All My Life)」を歌っているアーティストとして何人かの人は心に留めているはずだけど。これですね。




ちなみに2曲目に入れたのはドクター・フィールグッド&インターンズの「Mister Moonlight」。




この2曲を初めて聴いたのは記念すべき第1回目の新春放談の2日目の放送。大瀧さんが喜ぶだろうと思って達郎さんがかけたんですね。曲がかかったときの大瀧さんのちょっとしたコメントがよかったな。


さて、僕が作ったアルバム、曲順も含めて全曲紹介したいんですが、そういうわけにもいかないので最後、つまり2枚目のラストに収録した曲の話を少し。

それはこの「Act Naturally」。歌っているのはバック・オーウェンズ・アンド・バッカルー。




で、ビートルズがカバーしたバージョンがこれ。

リード・ボーカルはリンゴ・スター。




並べて聴いてわかったんですが、リンゴの声も歌い方もバック・オーウェンズそっくり。区別つかない。

ところでビートルズの「Act Naturally」といえば、大瀧さんを交えた面白い論争があったんですね。

「Act Naturally」は「イエスタデイ」のA面かB面か論争。

論争の火種を作ったのはアゲインの石川さん。そこに参加していたのは大瀧さんと内田樹先生、そして平川克美さん。最高だったのは最後に放った平川さんの「それ、パチモンじゃねえのか」って言葉。


実はこの話にはとびっきり素敵な後日談があるんですが、それはアゲインの石川さんに訊いてください。


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by hinaseno | 2018-10-26 14:31 | 音楽 | Comments(0)

今日は10月22日。

10月22日といえば、去年は半年くらい10月22日という日のことを考え続けました。きっかけはこれ



益田ミリさんの『今日の人生』の最終ページ。この余白の部分にどんな言葉を入れるかってことで、2か月くらい考えて、ようやく書いたのがこの日のブログに書いたものでした。

書いたのは70歳になる前日のシリア・ポールさんの今日の人生。これを書いたときには、今年、シリア・ポールの『夢で逢えたらVOX』が出るなんて考えてもみませんでした。


で、去年の10月22日になる少し前に、読み終えたばかりだった松村圭一郎さんの『うしろめたさの人類学』に激しく触発されてもう一つの「10月22日の今日の人生」を書いたんですね。

それは、とある場所に掲載されることになったんですが、改めて考えてみるとそちらのほうも、シリア・ポールさんのことと並ぶほどに大きなことにつながっていったような気がします。


ところでこちらは2017年の10月22日当日に書かれた益田ミリさんの今日の人生。

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そう、あの日は確か総選挙で、で、関東の方に台風が直撃したんですね。選挙の結果は話にならなかったけど、でもまあ、あの選挙でまっとうな政党が一つ生まれたのはよかったかな。


さて、すでに3分の2くらい終わった平成最後の2018年の今日の人生。ここまで何もなかったわけではないけど、残りの今日の人生でなにかおっというようなことが起こるでしょうか。


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by hinaseno | 2018-10-22 15:44 | 雑記 | Comments(0)

人の縁と時の運(あるいは時の縁と人の運)のことを考える日々。

基本的に計画性というものがほとんどなく思いつきで行き当たりばったりなことばかりをやっていて、しかもたいした行動力もないけれど、不思議なほどに人の縁ができ、時の運にめぐまれることがあるんですね。最近もいろいろとあって、われながらその不思議さに驚いています。

まあ、なんのこっちゃですね。また、いずれ書ける時が来たら。


ところで先日、契約している衛星劇場の番組表を見ていたら、ある映画のタイトルが目に飛び込んできました。


『血煙高田の馬場』

おお、「ケツエンタカダノババ」!!

「ケツエンタカダノババ」といえば、昔、新春放談でちょこっと「ケツエンタカダノババ」に触れる話が出てきたんですね。それ以来、ずっと気になっていました。

せっかくなのでその話が出てきたところを探そうとしたんですが、どうにも見当たらない。どういう文脈でその話が出てきたかがわかれば、いつ頃の新春放談かは判断できるのですが。

ということであくまで僕のつたない記憶の中での対話ですが、紹介しておきます。


達郎:そういえば以前、好きな映画は、というアンケートがあって、みんな真面目に答えているのに、ひとりだけ「ケツエンタカダノババ」って答えている人がいましたね。
大瀧:だれでした〜(笑)。ああいうアンケート、真面目に答えるの嫌いなんです。
達郎:知ってます。

とまあ、これだけの会話。つまり大瀧さんはふざけて「ケツエンタカダノババ」と答えていたんですね。

「ケツエンタカダノババ」なんて映画、もちろん知りません。で、何度か調べました。「タカダノババ」が「高田の馬場(高田馬場)」であることは間違いないにしてもその前の「ケツエン」って何? でした。

一度はその映画を観たいと、その日の放送を聴き返すたびに調べたんですが本当にそんな映画が存在するかどうかすらわからなかったんですね。

大瀧さんはウケを狙ったはずだけど、その狙いがどれまでの人に届いたんだろうと。


さて、先日、ついに見ることのできた『血煙高田の馬場』。これ「血煙」は「ケツエン」と音読みするのではなく「ちけむり」と訓読みするようです。調べてもわからないはずだ。

主演は大河内傳次郎。原作・脚本・監督は伊藤大輔。1928年の作品。無声映画で、はっきり言って画像、かなり悪いです。

で、映画は、というとあっという間に終わりました。なんとたったの6分。収録時間は35分だったんですが、残りの時間は大林宣彦さんの解説のような話。そう、これは「大林宣彦のいつか見た映画館~クラシック映画の世界~」という特集で放送されたものなんですね。確か本にもなっていたはず。


ところで『血煙高田の馬場』について調べてみようとウィキペディアをチェックしたら、なんとそっちに載っていたのは別の監督の作品。阪東妻三郎が主演で1937年に製作・公開されたもの。監督はマキノ正博。

大瀧さんがアンケートで答えたのは、マキノ正博が監督をした方の可能性が高そう。

『血煙高田の馬場』の2年後に公開されたのがあの『鴛鴦歌合戦』。2005年に出たその「コレクターズ・エディション」で大瀧さんが解説を書かれているんですね。その解説のタイトルは『人の縁と時の運』(時の縁と人の運)。この解説、今では『大瀧詠一 Writing & Talking』で気軽に(でもないか…)読めるようになりましたが、これがもう最高で。何度読み返したことやら、です。今回、また久しぶりに読み返しました。縁って、やっぱり、「たまたま」という「時の運」によるところが大きいのがよくわかります。


いつかマキノ正博の『血煙高田の馬場』を見てみたいです。


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by hinaseno | 2018-10-18 14:04 | 映画 | Comments(0)

五反田物語


昨日ブログで「今日は『東京暮色』のことを書いた日のブログへのアクセスが増えるのかな」と書きましたが、やはりそうなりました。

あの五反田あたりのロケ地の話にアクセスがどどっと。今、「東京暮色 ロケ地」で検索したら、なんとトップに僕のブログが載っています。びっくりですね。三石は何度も行った場所ですが、五反田は一度だけ。ただ五反田は『東京暮色』だけではなく『早春』の舞台にもなっているので、『早春』がらみで結構貴重な写真を集めたので、それが大きかったのかな。


それはさておき「三石(みついし)」という地名が他県に住む人にとってはどこ? だったように、『早春』を最初に見た頃に、どこかの会話に出て来た「ごたんだ」という地名は僕にとっては「どこ?」だったんですね。今となっては五反田から蒲田にかけての池上線沿線には相当詳しくなってしまったけど。

ちなみに『早春』では、池部良の奥さんの淡島千景の母親役をしている浦辺粂子が営んでいる小さなおでん屋が五反田にあるという設定。最近『早春』のシナリオを読み返したら、そのおでん屋は「荏原中延界隈」となっていてびっくり。荏原中延は平川克美さんの隣町珈琲がある所。そういえば淡島千景も平川さんの生まれ育った久が原あたりに住んでいたとか。

縁ですね~。


五反田といえば思い出したことがありました。この『五反田物語』という本。

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五反田について調べていた時に目にとまった漫画ですが、実はこれおひさまゆうびん舎の本棚の世田谷ピンポンズさんのコーナーに置かれていたんですね。買ったまま重ね置きしてたので忘れてました。

で、今朝、読みました。

ちょっと切ない話。ピンポンズさんの歌の雰囲気とちょっと重なっている感じ。

五反田の風景も少し描かれていました。五反田駅のホームの絵もありましたが、残念ながら池上線ではなく山手線。

最後のページに鉛筆書きされた値段のそばにはピンポンズさん手書きの絵がありました。これだけで価値がありますね。

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そういえばその同じピンポンズさんの棚に置かれていたのが田村隆一の『ぼくの人生案内』。
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田村隆一というのは平川さんの大好きな詩人ですね。この本の中にもいくつかいい詩が収められていました。田村隆一の写真もいっぱい。この本で初めて田村隆一という人の顔を知りました、




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by hinaseno | 2018-10-13 12:52 | 映画 | Comments(0)

いろいろとせわしない日々が続いています。ゆっくり本も読めないし、映画もほとんど観れない。

映画といえば、昨日外出先から家に戻って、一息つこうとテレビをつけたら見覚えのあるシーンが流れていました。登場していたのは大好きな三井弘次と加東大介のコンビに池部良。もちろん小津の『早春』のワンシーン。NHK-BSで放送されていたんですね。

一昨日から小津の特集が続いているようで、一昨日が『お茶漬けの味』、昨日が『早春』、そして今日が『東京暮色』。


実は来月、ある方々を三石にお連れしようと考えていて、久しぶりに『早春』を観ようと思っていたところだったのでグッドタイミングでした。というわけで途中からでしたが映画を最後まで観ました。まあ、DVDは持ってるけど。

「三石」という言葉が映画に最初に登場するシーンは何度見てもたまらないですね。耐火煉瓦会社の上司である中村伸郎が池部良を呼び出してこう告げます。


「君に三石に行ってもらいたいと思うんだけど…ああいう生産の現場を見てくるのも、君の将来のためにいいと思うんだ」

当時も、今も、このシーンを見た人のほとんどが「三石」ってどこ? ってなるはずだけど。


そういえば昨日、このブログのアクセス数がものすごくはねあがったので何があったんだろうと調べたら『早春』と三石がらみのことを書いた日のブログへのアクセスでした。NHK-BSで放送された映画を見て、そのロケ地を確認しようと思った人が多かったようで、で、ネットで検索して僕のブログのサイトにたどり着いたようでした。

今日は『東京暮色』のことを書いた日のブログへのアクセスが増えるのかな。


そういえば、このブログで映画の話を書くのも久しぶりで、前回は牛窓を舞台にした想田和弘さんの『港町』についての話でした。その時のブログのタイトルは「牛窓暮色」。

そう、暮れなずむ牛窓の風景も、あの方々に見てもらいたいと思っています。できればあの場所で。


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by hinaseno | 2018-10-12 15:43 | 映画 | Comments(0)

今年、もっとも衝撃を受けた曲はやはり寺尾紗穂さんの「楕円の夢」。もう何度聴いたかわからない。

その3番からの歌詞をときどき口ずさみます。こんなふうに。


楕円の話を聞きたいの
ほんとはどちらか知りたいの
どちらもほんとのことなんだ
そんな曖昧を生きてきた

明るい道と暗い道
おんなじひとつの道だった
あなたが教えてくれたんだ
そんな曖昧がすべてだと

明るい道と暗い道
スキマの小道を進むんだ
あなたが教えてくれたのは
楕円の夜の美しさ

楕円の夜に会いましょう
月の光で踊りましょう
世界の枯れるその日まで
楕円の夢を守りましょう

明るい道と暗い道
スキマの小道を進むんだ
あなたが私においてった
楕円の夢をうたいましょう

実はこの歌詞、いくつかの部分が本来の歌詞と違っています。

最初の「楕円の話を聞きたいの」は本当は「私の話を聞きたいの」。でも、いつのまにか僕の中では「楕円の話を聞きたいの」になってしまっていて、ずっとそう口ずさんでいたんですね。間違えて歌詞を覚えていたんです。

間違えていたといえばそのあと「ほんとはどちらか知りたいの」。ここ、歌詞カードを見たら「ほんとはどちらか聞きたいの」となっていたんですね。でも、紗穂さんはそこでははっきりと「知りたいの」と歌っています。どうやら歌詞カードの方が間違えたようです。


いずれにしても、


楕円の話を聞きたいの
ほんとはどちらか知りたいの
どちらもほんとのことなんだ
そんな曖昧を生きてきた

って歌詞。悪くないですよね。紗穂さん、ごめんなさい。


もうひとつ、僕が口ずさんでいる歌詞と本来の歌詞と違っているのは「明るい道と暗い道/スキマの小道を進むんだ」の部分。「スキマ」は本当は「狭間」。でも、僕のブログの流れ的には「狭間」ではなく「スキマ(隙間、透き間)」という言葉を使いたくなってしまうんですね。


さて、「楕円の話をききたいの」といえば、やっぱり平川克美さんですが、なんとその平川さんが来月、岡山にいらっしゃって講演を、さらに「スキマ」の松村圭一郎さんとスロウな本屋さんで対談することが決まったんですね。超ビッグニュース。

昨年の秋にミシマ社から出版された松村さんの『うしろめたさの人類学』を読んで深い感銘を受け、さらに今年の初めにやはりミシマ社から出版された平川さんの『21世紀の楕円幻想論』で衝撃を受けたわけですが、僕がなによりも驚いたのはほんの数ヶ月の時を隔てて出版された2つの本に、あまりにも重なる部分が多かったことでした。それぞれの著者が本を書くまでは面識がなく、専門分野も全く違い、親子ほどの年の差があるにもかかわらず、これほど似たようなことを考えている人がいることに感動すら覚えました。

しかも興味深いのは松村さんは現在岡山に住んでいて、平川さんは以前から岡山に関心を持たれていること。

さらに言えば、僕は松村さん経由でスロウな本屋のことを知ったんですが、そこで初めてスロウな本屋さんのサイトを覗いた時に最初に目に飛び込んできたのがこの写真だったんですね。

そこには平川克美さんの『言葉が鍛えられる場所』が飾られていました。

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2016年に大和書房から出たこの本の「嘘 ーー 後ろめたさという制御装置」という章で僕は「うしろめたさ」という言葉をキーワードとして捉えるようになったんですね。

なんというつながり。でも、すべて「たまたま」。


たまたまにしてはあまりにも運命的すぎるこの不思議なつながりを考えたとき、これはぜひスロウな本屋で平川克美さんと松村圭一郎さんの対談をやってもらわなくてはならないなと、勝手な願いをこのブログのどこかに書いたはずですが、それが実現することになったわけです。感涙。


ということで、こちらが11月2日の夜にスロウな本屋さんで開かれるトーク・イベント。

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詳しくはスロウな本屋さんのサイトで確認してください。予約受付は今日の20:00からです。平川さん、松村さんそれぞれの人間的な魅力はいうまでもありませんが、それぞれの対話から楕円とスキマが膨らんでいくのを目の当たりにできる機会はめったにないです。

ということで、楕円の夜に会いましょう。高橋和枝さんの「トコトコバス」に登場した月が出ていれば最高だけど、残念ながらその日は満月ではありません。


それから、もうひとつ、平川さんは翌11月3日には岡山大学で講演もされるんですね。講演のタイトルは「考えるための文学 ~移行期的混乱を生き抜くために~」。

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こちらは無料で見ることができます。

僕はもちろんどちらも参加します。

いや、参加どころか追っかけ以上ストーカー未満のようなことになりそうだけど。ああ、楽しみすぎる。


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by hinaseno | 2018-10-10 13:40 | 文学 | Comments(0)

楕円の贈り物


昨日の朝、いつもよりも早い時間に郵便局の人がやってきました。なんだろうと思って見たら、手にしているのは見覚えのある箱。余白珈琲さんが毎月珈琲豆を送ってくれるのと同じものでした。

でも、僕が定期便をお願いしている日とは10日以上もずれている。何かの間違い? と、ちょっといぶかりながら箱を受け取って中を開けてみたら…。

箱の中にはふたつの袋に入れられた贈り物が。

ひとつは喫茶余白のときに美味しい食事を作られていた紫都香さんが作ってくれたクッキー。で、もう一つはこれでした。

楕円の皿!

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     *       *       *


さて、話はその前日(一昨日)の晩のこと。

その日、出たばかりの川本三郎さんの新刊『あの映画に、この鉄道』を買いに書店に行きました。いっしょに買ったのがやはり川本三郎さんが先日の毎日新聞の書評で紹介されていた野崎歓『水の匂いがするようだ 井伏鱒二のほうへ』と川本さんの連載エッセイ「東京つれづれ日誌」が載っている『東京人』。

で、家に戻ったらひとつの小包がポストに。開けてみたら『尾崎翠と花田清輝 ユーモアの精神とパロディの論理』という本。

この本、寺尾紗穂さんが花田清輝の楕円幻想に出会うきっかけになった本なんですね。尾崎翠のファンであった寺尾さんがたまたま出会ったのがこの本。この本で花田清輝の楕円幻想のことを知り、それに強い影響を受けて、あの「楕円の夢」という曲が生まれたんですね。

でも、この本、すぐに探したけど、なかなか見当たらなくて。あれこれと手を尽くしてようやく入手できたんです。


といううわけでいろんな本がいっぺんに集まったわけですが、まず最初に手に取ったのは『あの映画に、この鉄道』。なにはともあれ最初に探したのは三石の『早春』の話。もちろん載っていました。

で、次に『東京人』(特集は吉原)を取って、最初に「東京つれづれ日誌」を読み、巻頭に掲載されたタモリさんの対談を読みました。対談相手はブラタモリの吉原編に登場した方。ここまで読んでしばらく中断。


で、夜、『尾崎翠と花田清輝 ユーモアの精神とパロディの論理』を手に取って、目次をざっと眺めて、とりあえずは楕円幻想について書かれている部分を最初に読みました。

そのあと再び『東京人』をパラパラ。武蔵野の話が出てきたので、おっと。最初のページには岩井俊二監督の『四月物語』にも登場する国木田独歩の「武蔵野」。ちなみに僕が武蔵野に興味を持ったきっかけは以前書いたように『四月物語』でした。

『東京人』で武蔵野のことを書いていたのは東北学で有名な赤坂憲雄さん。赤坂さんがなぜ武蔵野を、と思って読み始めたら、なんと花田清輝が出てきたんですね。これにはびっくり。花田清輝が武蔵野に住んでいたとか、武蔵野について何かを書いているわけでもないのに思わぬ形で花田清輝がつながりました。楕円幻想の話は出てこなかったけど。


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読み終えた後、ちょっと気になって花田清輝の出身地をチェック。生まれは福岡市でした。

ということまでのことで眠りにつきました。もちろん楕円の夢を見ながら。


さて、翌朝に届いた余白珈琲さんからの贈り物に話はもどります。

楕円の夢を見ながら眠りについたら、楕円の皿が贈られてきたことにもびっくりしたんですが、驚いたのはもう少し。

同封されていたカードにはsabieと書かれていました。「さびえ」?

裏を見たら「錆枝」と漢字で。そしてその下に製作者の名前が。


花田勇樹 花田智枝子


「花田」!

と、昨夜からの花田つながりに、おっ、となったんですが、その下の住所を見たらなんと福岡市。

これ、たまたま? それとも錆枝の花田さんは、あの花田清輝とつながりがあるんでしょうか。

こうつながってしまうとなんだか運命的なものを感じずにはいられないですね。すべては平川克美さんの『21世紀の楕円幻想論』から始まったことだけど。


それにしても余白珈琲さんとの間では、こんな不思議なことがよく起こる、というか起こりすぎるんですよね。

ところで紫都香さんのクッキー、昼食後に余白珈琲さんの珈琲を飲みながらいただきました。

相性抜群!

紫都香さんのメッセージには「楕円ではないですが」との言葉。でも、2つの丸いクッキーが並んでいる姿を見ていたら、それぞれがいい感じで楕円の焦点になっていて、見事なほどの楕円的風景になっていました。

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by hinaseno | 2018-10-07 12:32 | 雑記 | Comments(0)