Nearest Faraway Place nearestfar.exblog.jp

好きなリンク先を入れてください

Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno
プロフィールを見る
画像一覧

<   2018年 08月 ( 17 )   > この月の画像一覧



寺尾紗穂さんが告知していたんですが、この10月に東京の南青山の梅窓院で行われる「りんりんふぇす2018」というイベントに、寺尾紗穂さんとともに先日紹介したふちがみとふなとさんが出演すると書かれているのを見て、おっ!と。

ということでふちがみとふなとというグループのことを少し。このグループのことを知ったのはアゲインの石川さんでした。ブログでもふちがみとふなとさんのことは何度も書かれていたし、折に触れてふちがみとふなとさんの話をしてくれていました。

きっかけは石川さんが2006年に自費出版した『バートン・クレーン作品集』。そのバートン・クレーンの曲をいち早くカバーしたのがふちがみとふなとさん。なんと「威張って歩け」と「ニッポン娘さん」の2曲もカバーしてるんですね。石川さんから送っていただいたCD-Rには、『バートン・クレーン作品集』を出した直後くらいに行われたふちがみとふなとさんのライブで歌われたものが収録されていました。そのときのMCで石川さんの話も出ているんですが、例によって石川さん、こっそりとライブに行って、こっそりと録音してたんですね。


ところでここに『バートン・クレーン作品集』を出した頃に石川さんが書かれていた文章をまとめたものありました。そこに、こんな話が。

「発送準備に入ったところ、更に申込みメールが増えてきました。「平川さんのブログをみて」といった添え書きがしてあるものが多く、平川くんが彼のブログで取り上げてくれたのでした。早速そのページをチェックして驚いてしまいました。いや、しばらくしてボロボロ涙が出てきました。最近嬉しくなると涙が出てしまうのだ。素晴らしい紹介文だ。もし自分がこのブログを読んだらきっと申込んでしまいたくなるような素晴らしい文章だ。ちょっと恥ずかしさを通り越して感動してしまった。やはりあの人の書く文章は人を引き付ける魅力を持っている」と。

確かに素晴らしい文章。石川さんとの出会いの話もたまらないですね。


さて、『バートン・クレーン作品集』を出したいきさつを読むと「自分がSP盤を収集し出してから、一番面白いと思った昭和初期の人で、本職は歌手ではない」ということが書かれていました。僕は石川さんのSPのライブラリーについてはあまり詳しくは知らないのですが、「本職は歌手ではない」というのも結構キーワードなのかなと思っています。

で、話は寺尾紗穂さんのことに。

石川さんと何度か電話で寺尾紗穂さんのことを語っていたら、石川さんが寺尾紗穂さんならぜひ読むべきだと言って教えてくれたのがこの『評伝 川島芳子 男装のエトランゼ』でした。

a0285828_16072412.jpg


紗穂さんが出されている本は以前から本屋などでいくつか見ていましたが、『評伝 川島芳子』(文春新書)は目に入っていませんでした。というか川島芳子ってだれ? でした。

実は紗穂さんはアゲインで昔ライブをしたことがあって、そのときにどうやら石川さんは川島芳子の話をされたようです。石川さん、川島芳子の古いSPを持っていて、それを紗穂さんに見せたんですね。紗穂さん、ずいぶん驚かれたようです。この「十五夜の娘」、あるいはこちらの「蒙古之唄」でしょうか(紗穂さんの本によればほかに「なんですてましょ」、「涙の王」という曲もレコーディングしているようです)。

それでは読んでみようと、本屋に行ったら『評伝 川島芳子』はなくてどうやら絶版。ネットの古書サイトで注文して、読み始めたんですが紗穂さんのライブには読み終えることができず、ライブの翌日くらいに読了。

実はこの『評伝 川島芳子』は紗穂さんの修士論文なんですね。ということもあって修士論文ならでのとっつきのにくさがありました(仕方ないですね)。


この本を読む前に川島芳子のことをネットでざっと見て、かなり数奇な人生を送った女性であることを知り、いったい紗穂さんは川島芳子という人のどこに惹きつけられたんだろうかと思いながら読み進めました。

で、見つけたのがこんな言葉。


「中国と日本の和平への万感の思いを込めて、狭間に立つ自らを…」


あるいはその少し後のページでも、


「常に、中国と日本の狭間におかれた不安定な自らが…」


「狭間」。

狭間といえば、あの『楕円の夢』で、何度か繰り返されるこの印象的なフレーズを思い起こしました。


「明るい道と暗い道 狭間の小道を進むんだ

紗穂さんは狭間的なもの、狭間的な生き方をしている人に惹きつけられるのかもしれませんね。

と、自慢げに自分が発見したように書こうとしたら、こちらに掲載されていた紗穂さんのインタビューでこんなことを語っていました。


ずっと川島芳子を追っかけてきたのも、結局あのひとって狭間にいるからなんですね。日本と中国、男と女、日本人と満州族の狭間。その狭間にいてどっちとは言い切れない中途半端さを持っているんですよ。そこが追いかけてきた理由なのかなって最終的には思うんですけど。


やはり。

ところで『評伝 川島芳子』の冒頭には「川島芳子という女性を知ったのは、十年以上前に李香蘭と共にテレビ番組で取り上げられたのを見て、であった」と書かれていて、そこはさらっと読み流してしまったのですが、このインタビューを読んだらなんとそれは中1のときだったんですね。「中1のときに『驚きももの木20世紀』で、「川島芳子と李香蘭とラスト・エンペラー」みたいな回をたまたま見て、「これは調べなきゃ」と思い立って翌日から図書館へ通いました」と。

驚いた。


ここで再び、明日、世田谷ピンポンズさんのライブが開かれるジャンクションカフェの喫茶余白の話に。

余白珈琲の大石くんから「昼下がりから夕方に、コーヒーを飲みながら聴きたい音楽」をセレクトしてほしいと連絡をもらったときに最初に思い浮かべたのはアン・サリーのこの『moon dance』というアルバムでした。僕自身が「昼下がりから夕方に、コーヒーを飲みながら」一番よく聴いた音楽だったので。

a0285828_16084101.jpg


このアルバム、とりわけレコードであればA面にあたる1曲目から6曲目は素晴らしい曲ばかり。全てカバーだったんで、あとでオリジナルの音源を集めて聞き比べをしたものです。オリジナルがいいものもあれば、アン・サリーの方がいいものもありました。

ちなみにその1曲目から6曲目はこんな曲。


1 I Wish You Love

2 Onde Eu Nasci Passa Um Rio

3 Haven't We Met

4 蘇州夜曲

5 Peaceful

6 Only Love Can Break Your Heart


素晴らしい曲のオンパレードですがとりわけ衝撃を受けたのが4曲目の「蘇州夜曲」。このアルバムで初めて知った曲でした。

作詞西條八十、作曲服部良一。李香蘭主演の映画「支那の夜」で歌われたんですね。僕のパソコンには霧島昇・渡辺はま子が歌ったものが入っています。ちなみに李香蘭が歌った「蘇州の夜」もパソコンに入っていてこちらは仁木他喜雄が書いた素晴らしい曲。


さて、紗穂さんの話や本の中に李香蘭のことが出てきたのでちょっと調べたら、川島芳子生存説というのがあって、川島芳子は処刑されないで、方おばあさんと名乗ってずっと暮らしていたと。どうやら紗穂さんが『評伝 川島芳子』を出した直後くらいに騒がれるようになったようです。2010年に出た『川島芳子 生死の謎』という本によれば、方おばあさんの隠居生活における趣味の一つは李香蘭のレコードを聞くことで、とりわけお気に入りだったのは「蘇州夜曲」と「蘇州の夜」だったと。へ~、でした。

結局、「蘇州夜曲」は喫茶余白用に用意したCDには入れなかったんだけど。


ということで昨日から書き始め、話が逸れに逸れて、めちゃくちゃ長い話になってしまいました。

See you in September!


[PR]
by hinaseno | 2018-08-31 16:12 | 音楽 | Comments(0)

昨日の「魔法」につなげてというわけではないけれど、先日の寺尾紗穂さんのライブでは、6曲目に歌われたこの曲からまさに魔法にかかったような感覚になってしまいました。今も抜け出せない。




曲のタイトルは「魔法みたいに」。10年前の2008年に出たセカンドアルバム『風はびゅうびゅう』に収録されています。上に貼ったYouTubeの映像、舞台の上で踊っているのは「楕円の夢」のPVで踊っていたソケリッサさんですね。

「魔法みたいに」をライブ会場で聴いていたときに思ったのはバカラックっぽい曲だなと。カーペンターズが歌った「Close To You」とかの雰囲気。曲もいいし歌もいいし、もちろん詞も素晴らしい。で、このライブで気が付いたのは紗穂さんのピアノの演奏の素晴らしさでした。いくつかの曲の間奏やエンディングでの演奏には心を揺さぶられるものがありました。この「魔法みたいに」もそう。

ということで朝からこの「魔法みたいに」をリピートしながらこれを書いています。本当にいい曲。大好きになりました。


ところで昨日から読んでいるのが会場で買った寺尾紗穂さんの『愛し、日々』というエッセイ集。朝、一編ずつ読んでいます。このエッセイ集は絶版になっていてネットでは手に入らないことがわかっていたので、会場の売り場に置かれているのを発見して、まっさきに手に取りました。確か2冊くらいしか置かれていなかったはず。

実は数年前から毎朝、女性のエッセイを基本的に一編ずつ読むというのが習慣になっています。高峰秀子、向田邦子、幸田文、武田百合子、それから小泉今日子さん…。

で、寺尾紗穂さんの『愛し、日々』の前に読んでいたのが石牟礼道子さんの『魂の秘境から』というエッセイ集。そうしたらライブでその石牟礼道子さんの詩に曲をつけた歌が歌われたんですね。「白い虹」というタイトルだったように思いますが、石牟礼さんにそんな詩があるのかどうかまだ調べられていません。

曲を書いたのは確か2、3年前と言われていたので、石牟礼さんが亡くなってから書かれた曲ではないようです。まだ、どのCDにも収録されていないのかな。素晴らしい曲だったのでぜひ次のCDに入れてほしいと思います。考えてみるとその石牟礼さんも含めて、今回のライブでは何人かの人の死が語られました。ただ、その人が別れて遠く離れて行ってしまったというよりも、逆にすぐ目の前にいて語りかけている感じでした。でも、その人には声が届かない深い哀しみのようなものが感じられたけど。


というような感じで今回はとてもライブ・レポートのような書き方はできそうにないので、心にうかんだことを、いろんなつながりを意識しながら書き連ねていこうと思います。楕円的なふくらみを感じられるようなものになればいいけど。

ただ、書きたいことがありすぎて、書き連ねていくうちに、塩屋のジャンクションカフェで開かれる世田谷ピンポンズさんのライブの日(9月1日)がやって来ちゃうけど、ま、いいか。

そうだ、極秘情報ですが(!?)ピンポンズさんといえば寺尾紗穂さんと同じP-VINEから出る新しいアルバムがそのライブの日に先行販売される可能性があるようです。こんなことになろうとは思いもよらなかったな。


a0285828_14573026.jpg


[PR]
by hinaseno | 2018-08-29 14:58 | 音楽 | Comments(0)

今日から先日の寺尾紗穂さんのライブの話を書く予定でいましたが、昨夜、さくらももこさんの訃報が飛び込んできたので、取り上げないわけにはいかないですね。

僕にとってさくらももこさんといえばやはりこの『ちびまる子ちゃん』のテーマソングということになります。タイトルは「うれしい予感」。歌っているのは渡辺満里奈さん。




作詞はさくらももこさん、作曲は大瀧詠一さん、そして編曲は大瀧さんの変名としては久しぶりに使われたCHELSEA。

さくらももこさんは大瀧さんの大ファンで、ずっと大瀧さんに主題歌を作ってほしいと思っていたんですね。で、『ちびまる子ちゃん』の第2期がスタートする前年の1994年のたぶん年の初めくらいに大瀧さんにダメ元で依頼します。すると大瀧さんからはこんな返事が。

「もし今年、ジャイアンツが優勝したら、ちびまる子ちゃんのテーマソングを作ります」

と。

このナイアガラー的には有名なエピソードについて、さくらももこさんが語っている話がネットに貼られていたので紹介しておきます。『おめでとう』という本に書かれているようです。


「大瀧さんは大の長嶋ファンなのだ。長嶋さんが一度ジャイアンツを去り、そして復帰してまたジャイアンツの監督になるという事はジョン・レノンが生き返ってビートルズが再結成するのと同じくらいあり得ない事なのにそれが起こったのだからすごいのだ、と熱弁していた姿を思い出す。それで私も、いつもの年よりも必死でジャイアンツを応援した。あんなに白熱して野球を観た事はない。どうか勝ちますようにと神に祈りながら観た。祈りが通じ、ジャイアンツが優勝した。するとすぐに大瀧さんからFAXが届き、『約束通り、まる子ちゃんのテーマソングを作ります』と書かれていた」

ちなみにジャイアンツが優勝を決めたのはかの有名な「10.8」。優勝を決めた後、すぐにレコーディングを開始します。で、その年の暮れに収録された新春放談ではシングル・バージョンとテレビバージョンの両方を流していたので、大瀧さんとしては驚くほど早い仕事になっています。個人的には、前にも書いたかもしれないけど、曲は(あるいはオケは)かなり前に書かれていたのではないかと考えています。もしかしたら『EACH TIME』の前の、『NIAGARA TRAIANGLE VOL.2』を作っていた頃に。ちなみにいえば『A LONG VACATION』と『EACH TIME』のアレンジャーは多羅尾伴内という変名を使っていますが、『NIAGARA TRAIANGLE VOL.2』のアレンジャー名はCHELSEA。「うれしい予感」と同じなんですね。


その「うれしい予感」が『ちびまる子ちゃん』の第2期の最初の放送日に流れます。1995年1月8日。この日のお昼にはこの年の新春放談の第2回目の放送があった日。『ちびまる子ちゃん』の放送に先駆けて「うれしい予感」のテレビバージョンと、番組の挿入歌である植木等さんの歌う「針切じいさんのロケン・ロール」が本邦初公開という形でかかっています。

そしてこの2曲のカップリングしたシングル盤が2月に発売ということになるんですが、放送の翌週の1月17日に阪神淡路大震災が起こります。シングル発売に向けてのプロモーションを前日に始めたばかりだったんですが、大瀧さんとしてはシングルの発売やプロモーション活動を続けることに悩むんですね。大きな災害が起きたときには、一度きちんと立ち止まった方がいいと。「うれしい予感」というタイトルも、大震災や、さらに3月に起こった地下鉄サリン事件を考えると、相当に戸惑ったようです。


とまあ、いろいろと「うれしい予感」が生まれた年にはいろいろと考えさせられることが多かったんですが、曲はとにかく抜群にいいです。久しぶりに聞き返したら、この曲の歌詞には「天使」が登場してたんですね。

「まほうかけてくれた天使が ここにいるんだよ」と。


そういえば昨日さくらももこさんについていろいろと調べていたら、さくらももこさんは大瀧さんの「魔法の瞳」が好きだと。この曲への意識から「まほうかけてくれた天使」という言葉が生まれたのかもしれませんね。

以前、天使ソングをいろいろと探していたときに大瀧さんが「天使」と歌っている曲はないかと探して見当たらなかったんですが、あったんですね。ってことで、今朝から『DEBUT AGAIN 』に収録された大瀧さんの歌う「うれしい予感」を追悼の気持ちでずっと聴いています。


ああ、もう一つ、天使といえば、村上RADIOに出した僕の質問というのは村上さんの好きな天使ソングを教えてくださいというものでした。ちょこっとエンジェルスの大谷くんの話を添えて。

大谷くん、1994年生まれですね。さくらももこさんが巨人の優勝を願い続けていた時に生まれていたんだ。


これは「うれしい予感」をレコーディングをしていた頃の写真。右からさくらももこさん、大瀧さん、そして渡辺満里奈さん。写真が載ったのは『ミュージック・マガジン』という雑誌。

a0285828_13315204.jpg


[PR]
by hinaseno | 2018-08-28 13:32 | ナイアガラ | Comments(0)

「楕円の夢」を聴きに


昨日は久しぶりに遠出。

この人のライブを見るために加古川に行ってきました。

a0285828_13230406.jpg

寺尾紗穂さん。

本当に素晴らしいライブで、いろいろと感動しすぎてしまって、今はまだ言葉になりません。またゆっくりと。

紗穂さん、いくつか見ていた写真や映像から、おでこを出した、いつもすました表情の、凜とした雰囲気のイメージしかもっていなかったのですが、今回は前髪を下ろしていて、こういってはあれですが、すごくかわいかったな。笑顔もとってもチャーミングでした。

ということでいっぺんに紗穂さんの大ファンになってしまいました。これから追っかけます。CDも全部集めます。




[PR]
by hinaseno | 2018-08-26 13:25 | 音楽 | Comments(0)

三時の子守唄


昨夜の台風20号、予報では直撃という状態が続いていたので最大限の警戒をしていましたが、近づくにつれて少しずつ東に逸れていき、結果的にはほとんど影響がありませんでした。

でも、通過したのは知り合いの多い姫路や神戸方面。塩屋の余白珈琲さんも前日くらいにはジャンクションカフェで行っている喫茶余白の休業を決めていたようですが、やはり相当強い風が吹いたようですね。被害はなかったようでなによりです。

さて、今は3時。といいたかったけど、4時になってしまいました。今日もジャンクションカフェではこの曲から店がスタートしているはず。




ついでにいうと午後の6:30くらいにかかっているはずの曲が個人的にはちょっと特別な思い入れを持っています。もしよかったらその時間に行ってみてください。

その曲については改めて書いてみようと思っています。


[PR]
by hinaseno | 2018-08-24 16:06 | 音楽 | Comments(0)

Dewayne Blackwell


毎朝のぞいている京都の善行堂さんのブログ「古本ソムリエの日記」を見たら、「ふちがみとふなと」というミュージシャンの名前が書かれていて、おっと。

今回書いている話は、1週間ほど前にアゲインの石川さんから送っていただいたライブの音源集を収めたCDRの最初に収録されている大瀧さんの「別れのコラージュ」に端を発しているのですが、実はそのCDRには「ふちがみとみなと」さんの曲も2曲収録されていたんですね。2曲とも、石川さんと関係の深い曲。それについてはまた改めて書いてみます。

それにしても「ふちがみとふなと」さん、善行堂さんとどんなつながりがあるんだろう。


さて、クリント・イーストウッド監督主演の映画『センチメンタル・アドベンチャー』(「HONKYTONK MAN」)のこと。この映画は1982年に公開されているのですが、最近サントラのCDが発売されていたことがわかりました。発売は2013年。気づかなかったな。

早速、入手。クレジットを見たらいろいろと驚くことばかり。

まず、一番驚くのはこの映画の音楽プロデューサー。

なんとスナッフ・ギャレット!

a0285828_14362318.png


と、初めて知ったように書いてしまいましたが、おそらく昔映画を見たときに、このクレジットを見て気づいていたはず。すっかり忘れてました。

とはいえスナッフ・ギャレットが活躍していたのは1960年代。厳密に言えば1960年から66年ごろまで。その後は目立った活動はしていなかったはずですが、そういう人を引っ張ってくるのがクリント・イーストウッドのすごいところですね。音楽のことをよくわかっている人をよぶ。

そういえば大瀧さんは「ゴー!ゴー!ナイアガラ」のリヴァティサウンド特集でスナッフ・ギャレットがいかにプロデューサーとして優れているかを説明する中で、才能のある作曲家を発見する能力が飛び抜けていることを語っていました。

考えてみるとジャック・ケラー特集で、ジャック・ケラーが素晴らしいアメリカンポップスを書くようになったきっかけとなったのはボビー・ヴィーの曲を書くようになってからだと言ってましたが、そのジャック・ケラーにボビー・ヴィーのための曲を書かせたのはまさにスナッフ・ギャレットなんですね。


さて、サントラに収録された曲。いくつかのカントリーソングのカバーと、この映画のために作られた曲があります。

カバーで目を引くのはジミー・ロジャースのこの「In The Jailhouse Now」。




この映画がジミー・ロジャースへのオマージュであることの証拠ですね。でも、この曲、映画のどこで歌ってたっけ。多分、イーストウッドが牢屋(Jailhouse)に入れられたシーンだと思うけど。


で、この映画のために作られた曲ですが、とりわけ重要なのがクリント・イーストウッドが映画の中で歌った「When I Sing About You」とエンディングでマーティ・ロビンスがイーストウッドのあとを引き継いで歌った、映画の主題歌でもある「Honkytonk Man」。これです。




「Honkytonk Man」はこの曲が発表された1982年にカントリーチャートでなんと10位まで上がってるんですね。すごいな。


さて、この「Honkytonk Man」と「When I Sing About You」の2曲を書いた人がDewayne Blackwellという人。

Dewayne Blackwellという名前を見てピンとくる人が果たしてどれだけいるんでしょうか。僕も知らなくてパソコンで調べたら、大瀧さんにとってかなり重要な曲の作曲者であることがわかりました。

あの「別れのコラージュ」を歌ったLET'S DEBUT AGAINのライブでは『ロンバケ』の曲以外はカバーを7曲歌っているんですが、その最初に歌っていたのがフリートウッズの「Mr Blue」のカバー。翌年、達郎さんとやったスタジオライブでも歌っています。そのスタジオライブはエヴァリー・ブラザーズの曲をカバーするという企画だったんですが、でもあえて「Mr Blue」を歌ったんですね。大瀧さんがいかに「Mr Blue」を愛しているかがわかります。で、その「Mr Blue」を書いていたのがまさにDewayne Blackwellだったんですね。

ところでDewayne Blackwellは「Mr Blue」以外、そんなに曲を書いていないことがわかりました。「Mr Blue」の次にそこそこ有名な曲といえばエヴァリー・ブラザーズの「The Ferris Wheel」くらいでしょうか。

興味深いのはボビー・ヴィーに何曲か曲を書いていたこと。いずれもプロデューサーはスナッフ・ギャレット。その頃からスナッフ・ギャレットとDewayne Blackwellはつながりがあったんですね。

この「Hickory, Dick And Doc」がちょこっとヒットしてます。




ま、でもやっぱりDewayne Blackwellはなんといっても「Mr Blue」。これを書くためにずっと聴いてたんですが、本当に素敵な曲。シングルレコードが欲しくなりました。レーベルも可愛いし。また手に入れたら紹介します。

ってことで最後に、大瀧さんと達郎さんのデュオによる「Mr Blue」を聴いてみてください。このYoutubeの音源の6:25からです。この前後の会話を聞くと、大瀧さん、本当に「Mr Blue」が好きなのがわかりますね。




[PR]
by hinaseno | 2018-08-23 14:39 | ナイアガラ | Comments(0)

今月初めに放送された村上RADIOで、僕が一番反応した曲は、ブライアン・ウィルソンでもなく、エリック・バードンとジ・アニマルズの「スカイ・パイロット」でもなく、ジョージ・ハリスンのこの曲でした。ウクレレの演奏による肩の抜けた歌がたまりません。




2002年に発売され、ジョージ・ハリスンの遺作となった『Brainwashed』というアルバムに収録された「Between the Devil and the Deep Blue Sea」。

この曲、放送で村上さんも言われていましたが1932年にハロルド・アーレンが作った古いスタンダードソング。僕はブロッサム・ディアリーのバージョンで知りました。




収録されているアルバムは彼女のアルバムの中でもとりわけ人気のある『Give Him the Ooh-La-La』。

a0285828_14350761.jpg


このアルバム、ブロッサム・ディアリーの数あるアルバムの中で一番よく聴きました。いい曲が多いんですね。とりわけ「Like Someone in Love」、「Try Your Wings」(『死ぬまでにしたい 10 のこと』という映画の中でかかったときにはびっくりでした)、「I Walk a Little Faster」の3つのバラードは最高。

「Between the Devil and the Deep Blue Sea」は聴き流していたというわけではありませんが、でも「悪魔と深く青い海」というタイトルも含めて、詞をじっくり考えて聴いていなかったので、村上さんの話を聴いて、へえ~っでした。


さて、「マスターの自由自在Vol.3」の翌日だったかアゲインの石川さんから電話があり、ひとしきり村上RADIOの話になりました。そのときに石川さんから一番反応したのはアニマルズの「スカイ・パイロット」だと聞いて、へえ~っとなったんですね。

で、僕がジョージ・ハリスンの「Between the Devil and the Deep Blue Sea」がよかったと言ったら、石川さんがその曲もいいけど、同じアルバムの「Between the Devil and the Deep Blue Sea」の次に収録されている「Rocking Chair In Hawaii」もいいんだとおっしゃったんですね。この2曲の流れが好きだと。




そう石川さんはリンゴ・スターのファンであるけれども、ジョージの『Brainwashed』を持っているんですね。それからポール・マッカートニーの新作が出るたびに購入されてそれをブログで取り上げています。前回石川さんを「その他好き」って書きましたが、全部聴かれてるんですね。


で、電話の2日後のブログで、石川さんは本当はアニマルズの「スカイ・パイロット」を取り上げる予定だったのを急遽変更してジョージ・ハリスンの「Between the Devil and the Deep Blue Sea」と「Rocking Chair In Hawaii」を取り上げられたんですが、そこで「Rocking Chair In Hawaii」は、石川さんの印象ではジミー・ロジャースへのオマージュ・ソングに思えると書いていたんですね。

ジミー・ロジャース!

っと激しく反応。

「Rocking Chair In Hawaii」はジョージのオリジナルですが、聴けば確かにジミー・ロジャース的な要素が散りばめられています。

で、ジミー・ロジャースといえば、クリント・イーストウッドの『センチメンタル・アドベンチャー』(原題は「ホンキートンク・マン」)。

a0285828_14364058.jpg


ってことで、『センチメンタル・アドベンチャー』のことを書こうと思ったら以前、この日のブログで少し書いてましたね。でも、今回ちょっと面白いことを発見。それは次回に。


[PR]
by hinaseno | 2018-08-22 14:37 | ナイアガラ | Comments(0)

その他好きの人


1980年12月16日に行われたLET'S DEBUT AGAINのライブのセットリストを見たら、いろいろと興味深いものがありました。アンコールを除いた全15曲で、最初の5曲と最後の3曲は『A LONG VACATION』に収録された曲。残りの7曲はカバー。今日はそのカバーされた曲につながる話になりそうです。


ところで先日の「マスターの自由自在Vol.3」の話の続きになりますが、平川克美さんの次に登場されたのが小田嶋隆さん。

a0285828_12552520.jpg


小田嶋さんも来てくださるなんてすごいですね。その小田嶋さんの話も最高でした。石川さんを持ち上げることになったかどうかはわからないけど、小田嶋さんらしい視点での石川さんやアゲインの評価をされています。

最初に平川さんの言われた「ショボクレたコミュニティ」という言葉の「ショボクレた」を別の「こぢんまり」という言葉に変えて(ちなみに僕は平川さんがおっしゃった「ショボクレたコミュニティ」という言葉をすごく気に入っています)、話はこのイベントの最初の方で石川さんが紹介されたデイヴ・クラーク・ファイヴのことから(イベントのテーマソングもデイヴ・クラーク・ファイヴの「Theme Without a Name」でした)。ちなみにいうと小田嶋さんは音楽にかなり詳しい人。その小田嶋さんをして、デイヴ・クラーク・ファイヴは、ビートルズを中心にしてブームになったリバプール・サウンドの中でも、意識としては外れの方の、そんなのいたかなって思えるようなグループだと。

それから、最近小田嶋さんは石川さんや内田先生、平川さんがずっと続けられている箱根の温泉旅行に同行されていて、そのときの話も。

旅館で麻雀をしているときに流す音楽はたいてい石川さんが用意されているんですが、そのときに延々と流しているのがリンゴ・スターのアルバムだったと。たいていビートルズを好む人であればジョン・レノンかポール・マッカートニーを聴いているのに、石川さんはリンゴ・スター。

ここから石川さんがいかに中心から外れたものを好んでいるかを指摘したんですね。そう、大瀧さんの言葉を使えば「その他好き」。

もちろん石川さんはそれをよくわかっているんですね。中心嫌い、というか中心への抵抗感を持っていることを。というよりも中心しか見ようとしない人に対しての反発といってもいいのかもしれません。で、あえて石川さんは意図的に「その他」のメッセージを送り続けているんですね。

すると面白いことに、そのメッセージに反応してくる人が必ずいると。そう、中心ではない「その他」のような場所で小さなコミュニティのようなものがいくつも生まれる。そういえば僕も例えばハリー・ウォーレンやジャック・ケラー、あるいはボビー・ラッセルなんかで石川さんと小さなコミュニティを作りました。それが「ショボクレたコミュニティ」かどうかはわからないけど、でも、ときに思わぬようなことが起こったりするんですね。


そういえばLET'S DEBUT AGAINのライブで大瀧さんはビートルズの「I Call Your Name」を歌っていました。例によってレノン=マッカートニーの作品となっていますが、実際はジョン・レノンの作詞作曲だったようです。このライブのちょうど1週間前にジョン・レノンが亡くなったので、追悼の意味を込めて歌ったようですね。でも、「I Call Your Name」というのはちょっと、というかかなり意外。ジョン・レノンの中でもどちらかといえば「その他」に属しているんじゃないでしょうか。僕はジョン・レノン作詞作曲のビートルズの作品集を勝手に作ってるんですが「I Call Your Name」は入れていませんでした。


さて、話はリンゴ・スター同様、ビートルズの「その他」の人(こんなこと書いたら怒られるでしょうね)になるのかどうかわからないけどジョージ・ハリソンの曲のことになりますが、時間がなくなったので今日はここまで。


[PR]
by hinaseno | 2018-08-20 12:55 | ナイアガラ | Comments(0)

「青い影」の「白い影」


ある方からいろんなアーティストのライブ音源を集めたCDRを送っていただきました。全てご自身が行かれて録音されたもの。その1曲目に収められていたのが大瀧さんの曲でした。タイトルが「別れのコラージュ」。

「別れのコラージュ」?

聞いたこともないタイトル。

このライブが行われたのは1980年12月16日。調べたら『A LONG VACATION』発売の3ヶ月前に行われたLET'S DEBUT AGAINと題されたライブ。


どきどきしながら曲を聴いたら聞き覚えのあるイントロが流れてきてすぐにそれが「スピーチ・バルーン」だとわかりました。歌詞も『A LONG VACATION』に収録された「スピーチ・バルーン」の詞とほぼ同じ。作詞はもちろん松本隆さんです。

ちなみに「スピーチ・バルーン」は大瀧さんが「スピーチ・バルーン」というタイトルで歌う前にスラップスティックが「デッキ・チェア」というタイトルで歌っていますが、そちらの森雪之丞さんが書いた歌詞とは全く違います。


ちょっと気になってネットを調べたら、このときのライブの音源がYouTubeに貼られているのがわかりました。




このYouTubeの音源はもう少し前のMCから収録されていて、そこで大瀧さん、こんな発言をしてるんですね。


次もバラードで、最初は「スピーチ・バルーン」ってタイトルで、そのあと「別れのコラージュ」っていうタイトルになりましたけど、どっちにするかいまだに迷ってる、っていうか決めかねております。アルバムを買ってお確かめいただきたいと思います。

ということで、このライブでは「別れのコラージュ」というタイトルで歌われたと。でも、歌い終えた後は「『スピーチ・バルーン』でした」って言ってますね。

それはさておきポイントは歌詞。さっき、『A LONG VACATION』に収録された「スピーチ・バルーン」の詞とほぼ同じだと書きましたが、実際違うのはただ一つの単語だけ。「スピーチ・バルーン」を聴き慣れた人であればすぐにわかります。それは曲の出だしの最初の言葉「白い影は人文字」。後にアルバムに収録された「スピーチ・バルーン」は「細い影は人文字」。「細い」が「白い」と歌われてるんですね。

YouTubeのコメント欄を見ると、こんなコメントが。


細い影は人文字~だろ!頼むよ。(^^♪


白い影は~ 歌詞間違えてますねw


こんなふうに歌われた歌詞の違いをすぐに”間違い”と判断してわざわざ指摘する人ってなんなんでしょうね。時系列的に考えればこちらのライブの方が先なのに。「w」をつけるのも死ぬほど嫌い。


とはいえ、僕も聴いた瞬間、時系列を忘れて、おっ、間違ってると思いました。でも、すぐにこれが『A LONG VACATION』発売前のライブであることを思い出して、歌詞を確認しながら聴きました。で、結局違っていたのは「白い」だけ。

大瀧さんのそれなりのファンであれば、松本さんが書いた詞を大瀧さんが”歌い間違えて”レコーディングしたものがそのままアルバムに収録されたというのがいくつもあることはよく知っているはず。実際にはただ単に歌い間違えたというよりは、歌いやすさを考えてか、あるいは場合によっては詞の内容に納得がいかなかったりしてのことだろうと思います。


で、この「白い影」のことを考えながら、数日聴き続けて、はっとあることに気がついたんですね。これってあれじゃん、と。

それはこの曲のイントロのアレンジ。基本的には『A LONG VACATION』に収録された「スピーチ・バルーン」とほぼ同じですが、ちょっとだけ違うというか、どこかで聴いたことのある曲のイントロに似ていると。なかなか出てこなくて、それがようやく今朝わかりました。

誰もが聴いたことのあるはずの、プロコル・ハルムのこの曲。邦題は「青い影」。原題は「A Whiter Shade Of Pale」。「White Shade」は「白い影」。




ということで歌詞間違いでもなんでもなく、あの段階では「白い影」という歌詞で歌われる曲だったわけです。果たして本来の松本さんの歌詞が「白い影」だったのか「細い影」だったのかはわからないけど。

さて、『A LONG VACATION』に収録された「スピーチ・バルーン」。歌詞が「細い」になったこともありますが、プロコル・ハルムの「青い影」っぽさは薄められています。おそらくレコーディングは終わっていたはずなので、ミックスの段階で「青い影」っぽい演奏をしていた楽器の音を外したのではないかと思います。

でも、ほんのりと残ってますね。「青い影」の「白い影」が。


[PR]
by hinaseno | 2018-08-18 12:47 | ナイアガラ | Comments(0)

武蔵小山のアゲインの石川さんから、先日8月11日、石川さんの誕生日に行われた「マスターの自由自在 Vol.3」を録画したDVDを送っていただきました。

今回は、会場に来ていた人を呼び込んで話をする時間をこれまで以上に長くとられていたんですが、そのときのゲストとのやりとり(それを聞いている他のお客さんたちの様子を含めて)なんともいい雰囲気だったんですね。アゲインという場で石川さんが築き上げられてきたコミュニティの素晴らしさに感動すら覚えました。

今から11年前の2007年の暮れに行われた大瀧さん、内田樹先生、石川茂樹さん、そして平川克美さんとのトークで、その年の3月に店を始めたばかりの石川さんに司会の平川さんから「どうですか? アゲイン」と訊かれて、石川さん、こう答えられてたんですね。


地元っていうキーワードが出てきたの。地元の人たちが、なんかいい感じでここを使っていただけるというのがあるんで、これをもうちょっと伸ばしたいなっていう気がしているんですけれど。

このときから10年たって、アゲインでイベントをし続けられている人たちとのトークをしながら、きっと石川さんもご自分のされてきたことは間違いなかったという確信のようなものを抱かれたはず。

で、石川さんがそんな感慨に浸っているはずの状況で登場されたのが平川克美さん。主役の石川さん、あるいはアゲインとそこに集う人たちのことを賞賛とまではいかなくてもそれに近いような言葉を期待していた石川さんを見事に裏切るような言葉のオンパレード。会場は爆笑に次ぐ爆笑。石川さん「呼ぶのを間違った」と言ってましたが、正直言えば、僕としてはこれぞ期待通りの平川さんでした。

ってことでその平川さんの話のとりわけよかったところを貼っておきます。平川さんってほんとうに類まれなエンターテナーですね。

これがその1。



で、こちらがその2。楕円の話が出てきます。



「ショボクレた店」「ショボクレたコミュニティ」って表現が最高ですね。石川さんの複雑な表情がなんとも笑えます。

ところで「ショボクレ」といえばクレイジー・キャッツの「ショボクレ人生」。先ほど紹介した2007年のトークで、アゲインの話の前に大瀧さんが「ショボクレ人生」の話をしています。ってことで「ショボクレ人生」を。




[PR]
by hinaseno | 2018-08-16 14:28 | 雑記 | Comments(0)