Nearest Faraway Place nearestfar.exblog.jp

好きなリンク先を入れてください

Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno
プロフィールを見る
画像一覧

<   2018年 07月 ( 18 )   > この月の画像一覧



久しぶりに大村雅朗さんのことを。

ちょっと確認したら昨年のこの時期にも大村雅朗さんのことを書いていましたね。昨年の七夕に『作編曲家 大村雅朗の軌跡 1951-1997』という本が出て、それに触れる形で長々と書いていました。

そういえばその本が出る前に僕が作った大村雅朗作品集を紹介しました。大村雅朗さんが松田聖子に提供した曲を集めたもの。こういうの、出してほしいなと。

さらには大村雅朗さんがアレンジした曲のカラオケ集も出してほしいと書きました。


で、まず、前者に関していえば今年の2月に出ました。タイトルは『SEIKO MEMORIES ~Masaaki Omura Works~』。3枚組の大作。

でも、このブログでは取り上げませんでしたね。理由は、なんとなく納得のいかない作りになっていたので。大村さんが作編曲した曲と編曲した曲が時代順でもなくごちゃ混ぜになっていて、しかも編曲した曲では好きな曲で選ばれていないのがいくつも。例えば「ナイーブ 傷つきやすい午後」「ピンクのスクーター」「SUNSET BEACH」「未来の花嫁」「モッキンバード」「電話でデート」「マイアミ午前5時」「今夜はソフィストケート」「MAUI」…、CDをもう1枚増やせばたぶんコンプリートにできたはずなのに。

ってことでせっかく出たのに辛口のコメントを書くのがいやだったんで、結局書かないことにしたんですね。


さて、カラオケのこと。アレンジャー大村雅朗を本当に評価しようと思えばやはりカラオケが一番。とりわけ大村さん自身が作曲した「真冬の恋人たち」と「セイシェルの夕陽」はどうしてもオリジナル・カラオケで聴いてみた胃と思っていました。

ところがなんと、この2曲のオリジナル・カラオケを収録していたアルバムが出てたんですね。6年も前に。びっくりでした。それは『SEIKO STORY~80's HITS COLLECTION~オリカラ』と題されたこの作品。

a0285828_15041098.jpg


ジャケットひどいですね。松田聖子の作品はときどきはAmazonでチェックしていましたが、ジャケットでスルーしていたんでしょうね。いくらコアな聖子さんファンでも、こんなジャケットでは購買意欲をなくさせると思うけど。

でも内容は結構すごいです。

シングルで発売された曲のいくつかはそれ以前に出ていたCDに収録されていたようですが、このCDにはアルバムにしか入っていない曲のカラオケもいっぱい収録。大村雅朗さんがアレンジした曲で言えば「真冬の恋人たち」と「セイシェルの夕陽」のほかに「未来の花嫁」や「マイアミ午前5時」も。それから松任谷正隆アレンジのユーミン作曲の曲のカラオケも嬉しいですね。とりわけ大好きな「小麦色のマーメイド」は最高です。

もちろん大瀧さん作編曲の「風立ちぬ」も入ってますが、もう何曲かアルバムに収録されている曲、たとえば「一千一秒物語」や「冬の妖精」なんかが入っていたら最高だったのになと。


収録された曲は発表された年代順。通して聴くと「風立ちぬ」のカラオケはすごいですね。異質。音の厚みがこの曲だけ飛び抜けています。やはりナイアガラ・サウンドは半端ないです。

改めて思ったのは僕にとっての松田聖子は1981年から1983年の3年間だったなぁと。

ってことで2枚組で全部で38曲収録されていますが、1981年から1983年の曲を18曲集めた自分用に編集したカラオケ集を作りましたがちょっと悩んで最後に1984年の作品を一つ入れました。佐野元春作曲の「ハートのイアリング」。アレンジは大村雅朗さん。

1曲目は「真冬の恋人たち」。

最高にロマンチック。真冬の歌だけど、歌詞がないので真夏の今でも聴くことができます。

何よりもうれしいのは杉真理さんの「可愛いね君」「ねぇひとりきりなの」もそのまま入っていること。この時期に聞けばビーチでナンパしてる感があります。


そういえば『SEIKO STORY~80's HITS COLLECTION~オリカラ』のブックレットは結構充実。歌詞のそばにはオリジナルシングルに使われた写真のアウトテイクが添えられています。これは「風立ちぬ」。実はまだ「風立ちぬ」のシングル、手に入っていません。

a0285828_15045059.jpg


[PR]
by hinaseno | 2018-07-31 15:05 | 音楽 | Comments(0)

武蔵小山のアゲインの、ってこのブログでは何度も書いていますが、そのアゲインの上にある、とびっきり素敵な街の小さなCD店であるペットサウンズ・レコードから、注文していたものが届きました。

a0285828_14393949.jpg


先日紹介した寺尾紗穂さんの「二つの彗星ーー父・寺尾次郎の死に寄せて」に出てきた「ねえ、彗星」が収録された『御身』と、紗穂さんが編集された『音楽のまわり』という新書サイズのエッセイ集。

『御身』は紗穂さんのデビュー・アルバム。レコード会社は現在のP-VINEではなくMIDI。ジャケットの絵を誰が描いているんだろうと思っていたんですが、SATOSHI DATEというロンドン在中の画家とのことでした。「御身」の「身」という字もよく見たら葉っぱがついたデザインになっていますね。

「ねえ、彗星」の1つ前の「かくれてないで」もなかなかいい曲。ギターもかっこいいなと思ってクレジットを見たら星野源くんでした。そういえば星野源くんのことで書こうと思ってることがあるけど、まだ書けてません。いろいろと興味深い存在なんです、星野源くん。


『音楽のまわり』は「音楽以外のことを音楽家に書いてもらう」ということで、紗穂さんを含めて10人のミュージシャンがエッセイを寄せています。うれしいのはそこに浜田真理子さんの名前があったこと。でも、他の人はほとんど知りません。知ってるのは青葉市子さんと一時期一緒に活動していたユザーンさんくらい。

紗穂さんが書かれた「あとがき」の最後にはこんな言葉が書かれていました。


個人的な話ですが、ずっと遠かった父に、
でも最近やっと向き合うことができました。
明日、父はホスピスに入ります。
2018年5月 寺尾紗穂


紗穂さんのお父さんの寺尾次郎さんが葬式で、『ねえ、彗星』を歌ってと言ったのはホスピスに入る3日前のことでした。


さて、その寺尾紗穂さんがなんとなんと、来月末の土曜日、加古川でライブをするんですね。その日は加古川にたった1日だけ「楕円マルシェ」というのがオープンして、そこで歌うようです。「楕円マルシェ」という名前はもちろん紗穂さんのCDタイトル『楕円の夢』からとられてるんですね。

素晴らしい。これは絶対に行かねば、です。

考えたら塩屋で世田谷ピンポンズさんがライブをするちょうど一週間前。これも縁ですね。楕縁です。


楕円といえば...、

ペットサウンズからはいつも購入したもの以外にあふれるほどのプレゼントが贈られてくるんですが、とりわけうれしかったのが紗穂さんが「東京新聞」に連載している「愛し、読書」という書評エッセイのコピー。5月31日に掲載された、平川克美さんの『21世紀の楕円幻想論』の書評もありました。紗穂さんがこれを書かれたのはおそらくお父さんがホスピスに移られた頃だったんでしょうね。


「「信じながら疑い、疑いながら信ずる」ことがますます必要な時代のように思う」という言葉で締めくくっていますが、その言葉、『音楽のまわり』に寄稿された紗穂さんのエッセイ(「ドトールと私」)にも通ずるところがあります。


そういえばペットサウンズ、そしてアゲインのある武蔵小山には小山台高校というのがあって平川さんの母校なんですね。それから関口直人さんの母校でもあります。その小山台高校、高校野球の東東京大会で決勝まで行っていて、これを書きながらチェックしてたんですが、どうやら負けてしまったようです。残念。


[PR]
by hinaseno | 2018-07-29 14:40 | Comments(0)

大瀧さんが西城秀樹に書いた「ロンサム・シティー」という曲の元ネタとしていくつかのサイトに上がっていたのは、リップ・コーズ(The Rip Chords)のこの「Beach Girl」という曲でした。テリー・メルチャーとブルース・ジョンストンが書いたサーフ・バラードの名作。




最初の♫ロンサム・タウン、ロンサム・シティ~♫の部分はモロ、そのままのメロディが使われていますね。これは間違いないって感じ。


ところで僕が「Beach Girl」という曲を初めて聴いたのはリップ・コーズではなくパット・ブーンが歌ったこちらのバージョンでした。




かかったのは例の新春放談。

新春放談?

そういえばなんか気になるやりとりがあったぞ、と思って、確認してみたらやはり。そうだったのか。


パット・ブーンの「Beach Girl」がかかったのは1988年1月7日に放送された新春放談。この年は達郎さんがラジオ番組を持っていなかったので萩原健太さんがパーソナリティを務めていた番組に大瀧さんと達郎さんがゲストで呼ばれて新春放談が行われました。

それぞれが用意してきた曲を紹介する中、達郎さんが紹介したのがパット・ブーンの「Beach Girl」。達郎さん、シングル盤を手に入れたばかりだったようです。

曲がかかった後、健太さんが「というわけで、パット・ブーンの…」といいかけたら大瀧さんが「いい曲ですね~」とどこか含みのある発言をします。健太さんは苦笑。で、大瀧さんがこう言います。


「萩原健太さんが、なんかどっかで聴いたことがある曲だなあと言ってましたけどね…」

ここで達郎さんが大爆笑。健太さんも「まずいなあ~」と。


そうか、これ「ロンサム・シティー」のことだったんだ。

このやり取りを聞いた当時、きっと大瀧さんがこの曲を元にした曲を作っていたんだろうと思ったんですが、でも、浮かばなかったんですね。当時は「ロンサム・シティー」をまだ聴いていなかったので。

今、改めてパット・ブーンの「Beach Girl」を聴いたら、達郎さんの「DREAMING GIRL」にどこか似てますね。達郎さん、意識したかな。




ところでパット・ブーンの「Beach Girl」つながりでおもしろいことを発見。例によってたまたま。

パット・ブーンの「Beach Girl」の前に達郎さんがかけたのが黒人の女性シンガー、アーマ・トーマスが歌った「Time Is On My Side」という曲。「去年一番好きだったCD」に収録された曲として紹介したんですね。

実は達郎さんは当時CDというものにかなり抵抗感を持っていて、あんまりCDを買っていなかったんですね。でも、これは素晴らしいCDだと紹介したのが『ローリング・ストーン・クラシックス』という、ローリング・ストーンズのカバーした曲のオリジナルを集めたCDでした。

「日本のあるレコード会社が編集して発売したんですがこれは素晴らしくいい企画だと思ったんですね」と達郎さんが言うと、大瀧さんがすかさず「ビートルズにもありましたね」と。

そう、そのレコード会社は同じ企画で『ビートル・クラシックス』というのを出していました。

というわけで僕はすぐに『ローリング・ストーン・クラシックス』と『ビートル・クラシックス』の2枚のCDを買って、それを出しているレコード会社このことを調べました。ブルース・インターアクションズ、別名P-Vine(Pヴァイン)。

Pヴァイン、そう、今度ピンポンズさんのCDを出す会社です。

前に、Pヴァインを知ったきっかけは新春放談だったと書いたときに、いつの新春放談だったか調べたけどわからなかったんですね。パット・ブーンの「Beach Girl」につながっていたとは。


というわけで、塩屋→西城秀樹の「ロンサム・シティー」→パット・ブーンの「Beach Girl」→Pヴァイン→世田谷ピンポンズさん→塩屋とぐるっと楕円的につながりました。おもしろいですね。


さて、今日は大瀧さんの誕生日。生きていらっしゃったら70歳です。

颱風13号ではなく颱風12号が接近中。かなり心配。なにごともなければいいけど。


[PR]
by hinaseno | 2018-07-28 13:44 | ナイアガラ | Comments(0)

ちょっとブログが後回しの日々。たまに書いておかないと僕のブログなんて忘れ去られちゃいますね。

この酷暑の中、ず~っと聴いているのはロニー&デイトナスの『SANDY』。

a0285828_10541260.jpg


このLP、ようやく手に入れました。何年か前に出た紙ジャケは持っていたけど、やっぱりLPがいいですね。ジャケットもいいし。なんたって曲が全曲素晴らしいんです。

『SANDY』といえば以前に紹介した『レコードの本』(1977年)という雑誌の「ぼくの愛聴盤10」という特集で、大瀧さんが2枚目に取りあげていましたね。

改めて大瀧さんのコメントを。


ロニー&デイトナスは最近ようやく手に入れたもの。以前から欲しかったのだが、なかなか見つからず、バーゲンで手に入れた時には大声を挙げたい気分だった。ティーンエイジャーの淡い恋を唄ったバラードだけでアルバムを固めているのも珍しい。

大瀧さんも「手に入れた時には大声を挙げたい気分だった」と書いてます。僕も同じ。全曲、ビーチ・ボーイズの「Please Let Me Wonder」タイプのバラード。たまらないです。

とりわけ好きなのがLPではA面の最後の収められた2曲、「Be Good To Your Baby」と「If I Had My Way」。いずれもあのボビー・ラッセルが曲を書いています。「Be Good To Your Baby」は松田聖子の「一千一秒物語」の下敷きになっている曲ですね(「Hold Me My Baby」のイントロも使ってます)。


ところで話はころっと変わって5月に塩屋に行ったときに聴いていた曲のことを。

昨年の11月、はじめて塩屋に行ったときには太田裕美さんの「海が泣いている」をずっと聴く形になったんですが、今回もあるひとつの曲をずっと聴いていました。

もともと用意していたのは太田裕美さんの大好きな夏のアルバム『手作りの画集』と『こけていっしゅ』でした。1曲を除いて曲は全て作詞松本隆、作曲筒美京平。どこか懐かしい夏休みを風景を思い起こさせてくれるような曲が並んでいて、海を見ながら一足早く、夏を感じることができるだろうなと。ところが、電車に乗るとすぐに聴き始めたのがYouTubeにあったこの曲でした。




西城秀樹さんの「ロンサム・シティー」という曲。作詞が松本隆さん、そして作曲は大瀧さん。

ちょうど塩屋に行く2日前に西城秀樹さんが亡くなられて、で、YouTubeで何度か聴いたのがこの曲でした。YouTubeで、というのはこの曲、僕のiTunesに入っていないんですね。なぜだかわからないけど、この曲、何種類か出ている大瀧さんの作品集のどれにも収録されていない。

大瀧さんは『ロンバケ』を出した1981年に、その夏に発売された『ポップンガール・ヒデキ』というアルバムに2曲提供していました。B面1曲目の「スポーツ・ガール」と2曲目の「ロンサム・シティー」。いずれも作詞松本隆、そして編曲はやはりはっぴいえんどのメンバーの鈴木茂。

でも、この曲の存在を知ったのはずいぶんあとのこと。この2曲のために西城秀樹のLPを買ってもな~(上半身裸の西城さんのジャケットにも、西城さんの声や歌い方にも抵抗があったし)、いずれ何らかの形で大瀧さんの作品集に入るだろうと思いながら時が経って今に至っていました。曲はYouTubeに上がったり、また消えたりを繰り返していたような気がしますが、今までじっくりと聴いたことはありませんでした。「ロンサム・シティー」がいい曲であることはよくわかっていたけど。

今回、電車に乗ってイヤホンをつけて「ロンサム・シティー」を聴いたら、改めてその素晴らしさに気づいて、例によって延々と聴き続けたわけです。

で、例によってこの曲の下敷きになっている曲を考えました。最初に浮かんだのがまさにロニー&デイトナスの『SANDY』に収録された曲。とりわけこの「If I Had My Way」に似てるかなと思ったんですが、家に帰って2曲続けて聴いてみたら、似ているのは雰囲気だけでした。




で、ちょっとネットを検索(続く)。


[PR]
by hinaseno | 2018-07-25 10:56 | ナイアガラ | Comments(0)


 見棄てられそうな時間に、
 やさしい風が吹くように、
 共鳴した時、
 なんだか少しだけ温かい気持ちになる。

 コーヒーとフォークソングは、
 生活によく馴染む。


Come September、9月になれば、これです。

a0285828_14100811.jpg


9月の最初の1日の土曜日に神戸の塩屋の、不思議で魅力的なつながりを作ってくれる店、ジャンクションカフェ(784JUNCTIONCAFE)で、世田谷ピンポンズさんのライブが行われることになりました。

いつか塩屋で世田谷ピンポンズさんのライブをと願っていたので、本当にうれしいです。しかもニューアルバム『喫茶品品』が発売される直前というタイミング。


今回のライブを主催するのは余白珈琲さん。

余白珈琲さんはこの夏、ジャンクションカフェで3週間、喫茶店を開くんですね。題して「喫茶余白」。期間は8月15日から9月2日。期間中はいろんな企画を考えているようですが、その最終日の前日に開かれるのが世田谷ピンポンズさんのライブ。

名付けて「コーヒーとフォーク」。


実はこの企画にほんの少しだけ関わっていたんですが、そのときにはピンポンズさんの喫茶店をコンセプトにした新作が9月に出るなんて思ってもみなかったので、これもやっぱり縁というしかありません。余白珈琲さんの縁を呼び寄せる力は本当にすごいなと、ただ驚くばかり。

ジャンクションカフェは純喫茶ではありませんが、余白珈琲さんのコーヒーとピンポンズさんの喫茶店ソングのコラボってたまらないですね。しかも場所は小さな海街、塩屋。

お近くの方、あるいは少し遠くの方でも、ぜひ、ぜひ、ご参加を。もちろん僕も行きます。


それから時間があれば期間中の夏の夕暮れに喫茶余白に立ち寄ることができたらと思っています。


世田谷ピンポンズさんのライブと喫茶余白のこと、詳しくは余白コーヒーさんのHPをご覧ください。


[PR]
by hinaseno | 2018-07-21 14:12 | 音楽 | Comments(0)

「九月になれば」の話をいくつか書こうと思っていますが、♪三月に入ったら~♪の季節、つまり「早春」も僕にとって9月と並んで大事なとき。

以前「早春コレクター」ということを書いて、いくつか集めていた「早春」というタイトルの作品を紹介しましたが、実はそのとき、最後にちょっとだけ秘密という形にした話を載せたたんですね。別に秘密にする必要はなかったんだけど、なんでだろう。

その日のブログ、タイトルは「「早春」をあつめて」。

暇を見つけてはジャック・ケラーの未聴曲をチェックしては集めているように、「早春」というタイトルの作品も探しています。で、ある日見つけたのがこれでした。

a0285828_12362485.jpg


小沼丹の「早春」。

載っていたのは1958年に出た『女学生の友』という雑誌の3月号。まさに早春ですね。

その日のブログではこの写真を載せただけでコメントは何も書いていません。すごい発見をしたぞ!って気分だったんです。写真の下には秘密めかした形でこう書いています。


この作品が掲載されていたのは少女向けの雑誌。可愛らしいイラストもついていてびっくり。
内容は女子高校生のほのかな恋心を描いたたわいもないもの。ちょっと調べたら全集にも入ってないし年表の作品リストにも入っていない。
この作品のことをあの人に伝えたらきっとびっくりするだろうな。

というわけで早速「あの人」、つまり小沼丹の大ファンである龍野のYさんにお見せしようと思ったんですが、いろいろと用事が立て込んで、その雑誌もどこかにしまいこんで忘れてしまっていたんですね。


で、今年のゴールデンウィーク前にYさんから連絡があって、岡山に仕事で来ているということで、そんなに遠くない場所だったので久しぶりにお会いしましょうとなって、ときにその雑誌のことを思い出しました。もちろんYさんにプレゼント。かなり驚かれていました。


ところがそれから間もなく、びっくりするような情報が飛び込んで来たんですね。2年前に木山捷平の未収録作品を集めた短編集を2冊出した幻戯書房から小沼丹の未収録作品を集めた短編集が2冊出るという情報。

目にとまったのは副題についている「小沼丹未刊行少年少女小説集」という言葉。もしやと思ったらやはり。まさにあの「早春」をはじめ『女学生の友』に掲載された作品や同じく若い女性向けの雑誌である『それいゆ』に掲載された作品を集めた作品集。すごいのがすごいタイミングで出るんだとびっくりでした。

その2冊、先日ようやく入手しました。

a0285828_12381757.jpg


で、さらに驚いたことに、幻戯書房からは今月末にはもう1冊『不思議なシマ氏』というタイトルの小沼丹の短編集が出るんですね。こちらもたぶん全集に入っていない作品を集めたもののはず。

こんな本が出るなんてって感じですが、理由があるんですね。実は今年は小沼丹の生誕100年。今回出た3冊も「生誕百年記念」となっています。


小沼丹生誕百年といえばこのときのために早くから動いていた人がいます。それが龍野のYさん。

Yさんは相当前から小沼丹生誕百年祭をすることを言われていたんですね。でも、それは遥か先のように思っていたんですが、ついにその年が来たんです。

小沼丹が生まれたのは1918年9月9日。

ということで今年の9月9日から龍野にあるYさんの九文庫でその小沼丹生誕百年祭が開かれます。お近くの方、ぜひ足を運んでください。もちろんお近くでない方も。龍野は本当にいい町です。

a0285828_12383364.jpg


[PR]
by hinaseno | 2018-07-20 12:38 | 文学 | Comments(0)

それにしてもあっついですね。

🎵あっつさでのぼせぁがった心は宙に浮いたまま~🎵 妙におこりっぽくなっています。なんでもシャクの種…。

考えたら「シャクの種」って最近使われることってないですね。なんで「シャクの種」っていうんだろう。


さて、ゆっくり書きたいことがいくつかあるんですが、時間と気力がないのでさらっと。

今朝、海外のオークションサイトで買ったレコードが届きました。これです。

a0285828_15403951.jpg


先日、最近発売された『The Jack Keller Songbook』を入手したので、久しぶりにこのジャック・ケラー自身によって作られたソング・リストを見ながら未聴の作品をチェックしていたんですが、そのときに目に留まったのがこの作品でした。もちろんCD未収録。YouTubeにも音源は貼られていません。

曲のタイトルは「Congratulations」。作詞はジェリー・ゴフィン(Gerry Goffin)。でも、レーベルにはGerryではなくJerryとクレジットされています。リストでは制作年が1959年となっていますが1960年の7月にリリースされているようです。

歌ってるのCarol Hughesという女性シンガー。Carol Hughesというシンガーのことは知りませんが(女優?)、僕のパソコンには「Hello Heartbreak」という曲が1曲入っていました。歌はそこそこうまいけど、あまり好みの歌い方ではありません。


この作品に興味を持ったのはもちろんジャック・ケラーとジェリー・ゴフィンの作品ということがありますが、他にも気になる名前がいくつもあったんですね。

まずはプロデューサーがHugo&Luigiのコンビ。Hugo&Luigiのコンビは確か大瀧さんのアメリカン・ポップス伝でも登場していたはず。優れたソングライターチームでプロデューサーチームです。

そしてこの曲のアレンジがなんとテディ・ランダッツォ。悪かろうはずがありません。


とここまで書いて、レコードに針を下ろしました。一番ドキドキワクワクする瞬間です。


(リスニング・タイム)


ん~ん、曲はまずまず。でも、女優ということもあってか大袈裟な歌い方が鼻についてしまいます。歌い上げる人、苦手です。もう数年待ってジョニー・ソマーズかシェリー・フェブレーが歌っていれば、きっと素敵な曲になったのに。コニー・フランシスでもよかったけど。


[PR]
by hinaseno | 2018-07-17 15:41 | 音楽 | Comments(0)

9月5日発売予定の世田谷ピンポンズさんのニューアルバム『喫茶品品』について、1つ書き忘れていることがありました。それは「すみちゃん」という曲のこと。Pヴァインの告知を見ると、どうやら1曲目に収録されるようです。

ただ、アルバムは純喫茶がテーマなんですが、「すみちゃん」って曲、純喫茶と関係あったっけ?

それはさておき「すみちゃん」こと松本穂香さんが主演を務めるドラマ『この世界の片隅に』が昨日から始まりました。気がついた時には番組が半分くらい終わっていたんですが、録画しているので改めて観ます。少し観たけど、松本さん、いい演技しますね。予告編のようなものがあったので貼っておきます。




世田谷ピンポンズさんの「すみちゃん」という曲がきっかけで松本穂香さんという女優を知ったんですが、今ではすっかり彼女のファンになってしまいました。Instagramの「週刊 松本穂香」というのがなんとも面白いんですね。ドラマなんてほとんど見ないので偉そうなことは言えませんが、彼女は独特の個性を持っています。

実は『この世界の片隅に』がドラマになるのがわかったとき、当然「のんちゃん」こと能年玲奈さんが主演の「すずちゃん」役を務めるべきだと思っていたんですが、そうでないことを知ってかなり不満な気持ちでいました。

でも、ある日、その主演を務めるのが松本穂香さんだとわかったんですね。これも不思議な縁。


『この世界の片隅に』の舞台は広島県の呉市で映画の撮影も呉で行われていたので、呉の商店街や古い町並みをとらえた写真を何枚もInstagramに投稿されていたんですが、その呉も今回の豪雨災害で大きな被害を受けたんですね。もしかしたら撮影した場所も被害を受けていたかもしれません。松本さんもきっと心を痛めているはず。


その松本さんをモデルにした「すみちゃん」も今回のCDに収録されることになったので、ぜひ松本穂香さんの耳に届いたらと思っています。考えたらこの曲もバンド演奏に合いそうですね。どんなサウンドになっているか楽しみです。松本さんもこれを聴いたらきっと元気が出るはず。


[PR]
by hinaseno | 2018-07-16 14:56 | 音楽 | Comments(0)

400ページあまりある大竹英洋さんの『そして、ぼくは旅に出た』も残すところあと100ページほど。2日ほど前に読んだ、大竹さんがはじめてノースウッズに行って、旅の目的であるジム・ブランデンバーグという写真家に出会う瞬間の話はこの本の白眉でした。

ジムの家でいろんな話をする中、あるときを境に会話のトーンががらりと変わる。それは、大竹さんが写真に興味をもたきっかけを語り始めたときのこと。ジムになぜ自然の写真に興味を持ったのかと聞かれて、その時に大竹さんが口にしたのが星野道夫の名前。


するとジムは、はっと大きく目をみひらきました。そして、「ああ、ミチオ……」とため息を吐き出すようにつぶやくと、両の手のひらを顔の近くにもっていき、そのまま祈るように目の前で握りました。

そしてジムと星野道夫の話になる。ジムは「彼は、ほんとうにスペシャルだった」と繰り返す。


改めて塩屋で余白珈琲の大石くんから大竹さんの話をされたのは、大竹さんにとって星野道夫が特別な存在であること、そして僕にとっても星野道夫が特別な存在であることを大石くんが知っていたからなのかもしれません。まあ、たまたまだったのかもしれないけど。


ところで大竹さんの本を読んでいたらあることが気になって久しぶりにこれを取り出しました。星野道夫を特集した『コヨーテ』の2004年9月号。

a0285828_14050934.jpg


この本は星野道夫が住んでいたフェアバンクスの家に置かれていた本のリストが載っているので、その中にジム・ブランデンバーグの本があるかと思って調べたんですが見当たりませんでした。

でも、そのリスト、久しぶりに見たんですが以前気づかなかった本がいくつも。

例えば今、読んでいる(というか中断している)石牟礼道子さんの『苦海浄土』が今西錦司の『進化とは何か』のそばに置かれていたりとか。

で、今回、一番驚いたのはこの本。

a0285828_14060155.jpg


中井貴惠さんの『父の贈りもの』。

中井貴惠さんの父というのはもちろん佐田啓二。こんな本が出ているなんて知らなかったので早速取り寄せました。

最初の「序」に書かれていたのは「父の死んだ日の記憶」というエッセイ。佐田啓二が亡くなった日の話ですね。ちなみに佐田啓二が亡くなったのは昭和39年8月17日。当時貴惠さんは小学校に上がったばかり。弟の貴一くんはまだ3歳になるちょうどひと月前。このエッセイはこんな言葉で終わります。


 昭和39年、東京オリンピック開催、東海道新幹線の開通と昭和の新たな歴史に、日本が大きな一歩を踏み出そうという矢先、父はそれを何も見ずにこの世を去った。
 37歳という短い生涯だった。
 残された母36歳、私6歳、弟2歳、神様はいたずらにも私たちにこんな運命を与えられた。
 暑い夏の日のことであった。

こんなふうに何かを読んでいても、それを中断して別の本を読んで、さらにそれがきっけけで別の本を取り寄せては読んでいるのでなかなか先に進みません。まあ、これが僕の読書。

それにしても映画に関係する本などほとんど置かれていない星野道夫の本棚になぜこの本があったんでしょうか。すごく気になります。


それはさておき久しぶりに『コヨーテ』のこの号を眺めていたらいろいろと興味深いことが。

たとえば写真ではなくイラスト付きで星野道夫の本棚にあった本を紹介しているこのあたりのページ。

a0285828_14072015.jpg


イラストを描いているのは赤井稚佳さんというイラストレーター。実は赤井さんは平川克美さんの『言葉が鍛えられる場所』の表紙のイラストも書かれているんですね。すごくいいイラストです。


それからこの特集の最初のページのこの写真とか特集のタイトル。なんだか大竹さんの本の表紙と重なってますね。

a0285828_14073889.jpg


その大竹さん、Instagramをされているのがわかりました。とりわけ気に入ったクマの写真を2つほど貼っておきます。

a0285828_14075926.jpg


a0285828_14080964.jpg


[PR]
by hinaseno | 2018-07-15 14:08 | 文学 | Comments(0)

ときどき、あっと驚く人の言葉を紹介してくださっている鷲田清一先生の「折々のことば」(朝日新聞朝刊連載)、昨日はなんと寺尾次郎さんの言葉。びっくり。鷲田先生はいったいどういうルートで寺尾次郎さんのことを知ったんでしょうか。

鷲田先生が引用していたのはネット上に公開されていたこちらのインタビューの、「ゴダール作品を翻訳する上で大切にしたことは?」という質問者に対してのこの答えの言葉からでした。


翻訳者はイタコのようなもの。監督が言いたいことを最長6秒しか映らない文字でどう表現するかが勝負です。普通の作品ならできるだけ観客のわかりやすい言葉に置き換えればいいのですが、ゴダールでそれをすると、監督を裏切ることになる。だから、この2本の字幕も、初めて観る人にはよくわからないものになっているでしょうが、そのわからなさを持ち帰って自分の中で時間をかけて咀嚼してくれたらなと思います。それこそが映画の楽しさだと思うので。


「最長6秒しか映らない文字でどう表現するかが勝負」という映画の字幕の世界は、同じ翻訳といっても時間や字数制限のない本の翻訳とは全然違うんですね。映画の字幕はとんでもない訳に驚かされることが多々ありますが、「最長6秒しか映らない文字」で表現する大変さは容易に想像がつきます。
昔、知り合いに字幕と言葉を追いかけるのは大変だから、字幕と吹き替えの両方があれば絶対に吹き替えの方を見ると言っていた人がいたんですが、僕は絶対に字幕。その俳優の実際の声を聞けない吹き替えなんて考えられません。

ところで寺尾次郎さんは字幕翻訳家とともに元シュガーベイブのベーシストとして紹介されるんですが、実はシュガーベイブの『SONGS』のレコーディングには参加していないんですね。追悼ということで『SONGS』をかけてもそこには寺尾さんの音は入っていないんです。『SONGS』の40周年盤などにボーナス・トラックとして入っているライブ・バージョンでは寺尾さんがベースを弾いていますが。

ってことでナイアガラ関係の曲で寺尾次郎さんがベースを弾いているのを確認しておきます。きちんとレコーディングされたものはそんなに多くありません。

まずは大瀧さん関係。調べたらたった4曲。

「ナイアガラ・ムーン」

「ナイアガラ・ムーンがまた輝けば」

「Cider ‘77」

「土曜の夜の恋人に」


で、達郎さん関係のものは全部で4曲。すべて『ナイアガラ・トライアングル VOL.1』に収録されています。

「ドリーミング・デイ」

「パレード」

「遅すぎた別れ」

「フライング・キッド」


ということなので、代表曲となると達郎さんの「ドリーミング・デイ」か「パレード」ってことになりますね。達郎さんの番組で寺尾さんの追悼特集がされたらまずなんといってもこの2曲がかかりそうです。


ところで大瀧さんがプロデュースした『SONGS』の30周年盤(2005年発売)のブックレットには寺尾次郎さんのコメントが載っていました。字幕翻訳家らしく短い言葉です。


なんともはや30年とは…。いつの間にかプロとなり、大瀧さんから「学生アルバイト」というミドルネームを頂戴、その予言どおり卒業とともに足を洗ってしまった。今でも活躍するクマやター坊や村松くんやユカリの消息を知るたびに「継続は力なり」の言葉は偉大だと思う今日この頃です。


「クマ」とは山下達郎、「ター坊」とは大貫妙子さんのことです。


ところでここ数日、寺尾さんが字幕をされたジョン・フォードの『太陽は光り輝く』を見ていました。映画の最後にこの映画のタイトルの元となっているフォスター作曲の「My Old Kentucky Home」が歌われるんですが、その歌詞の一部が字幕に出ていたので紹介しておきます。


太陽は光り輝く
わが故郷 ケンタッキーに
夏の日差しの中
子供たちははしゃぎ回る
トウモロコシはよく実り
牧草地は花盛り
鳥たちが飛び交い
日がな一日 歌を歌う…

この歌を捧げよう
わが懐かしきケンタッキーに
今や 懐かしきケンタッキーは
はるか彼方


ちょっと興味深かったのは「My Old Kentucky Home」の歌詞を見たら「子供たち」って言葉は出てこないんですね。本来の歌詞に出てくるのは「darkies」、つまり黒人たち。ところが1986年にこの曲が ケンタッキー州の州歌となった時にこの部分は「people」に変えられているんですね。

ちなみにジョン・フォードの映画が製作されたのは1953年。南北戦争の傷とともに黒人差別も題材になっているこの作品で、フォードもあの部分を黒人の差別用語である「darkies」と歌わせたくなかったようで、歌詞をよく聴いたら確かに「children」と歌っていました。ちなみに映画で「My Old Kentucky Home」を歌うのは黒人の人たち。

次郎さんがここを本来の歌詞ではない「子供たち」となっていることに気がついて訳したときに、紗穂さんたちのことを思い浮かべたでしょうか。心の中では遠く離れてしまった家に暮らしている娘たちのことを。


さて、「My Old Kentucky Home」の歌詞の最後は「far away」。次郎さんはそこを「はるか彼方」と訳していました。

a0285828_15023147.jpg


寺尾紗穂さんが寺尾次郎さんが亡くなったときに書いた「遠くて遠い」という言葉につながりますね。

次郎さんが亡くなる前、紗穂さんに葬式で歌ってほしいと望んだ紗穂さんの「ねえ、彗星」にはこんな歌詞が出てきます。


やたらに涙もろいとか 遠く旅するところとか
君と僕とは似ているよ ずっと前から思ってた


[PR]
by hinaseno | 2018-07-14 15:03 | 雑記 | Comments(0)