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Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno
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カテゴリ:ナイアガラ( 322 )



それにしてもよく降りますね、雨。今もかなり激しく降り続いています。昨夜は近隣の町から避難に関する緊急速報が何度も入ってきました。この雨、日曜日まで降り続くとのことなので、近くを流れている川、大丈夫なのかな。この土日には行こうかと思っていたところがあったけど、やめといたほうがよさそうです。

雨はきらいではありませんが、こうひどいといろんな心配をしなくてはなりませんね。ちょっとお日様が、青空が恋しくなりました。ということで青空の話。


先日、母親を病院に連れて行ったときには久しぶりに気持ちのいい青空が広がっていました。で、そこの病院に行くと、雨が降っていなければ診察後に必ず近くの商店街に行きます。

奉還町商店街。

病院の検査ついでとはいえ、母親にとってもそれは半年に一度の楽しみになっているようです。とはいえ足の悪い母が立ち寄るのは病院から一番近くにある昔ながらのお菓子を売っている店だけ。そこに母を置いて、僕はひとりでスタスタと西に向かいます。そこをまっすぐに商店街を抜けて行くと、昭和20年に永井荷風が住んでいた三門の町にたどり着きますが、そこまで行く時間はないので、立ち寄ったのはわりと最近できた書店。今回で3度目かな。

そこは小さなセレクトショップ。並んでいる本は全部で300冊もないはず。でも、なかなかいい本を置いています。最初に立ち寄ったときには鷲田清一先生の『京都の平熱』を買いました。その店、鷲田先生関係の本が結構多くて、それだけでも店への信頼度は高くなりますね。


で、棚をざっと眺めていてぱっと目に留まったのがこの本。

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きれいな青空と、その青空が映り込んだ湖面を静かに走るカヌーの先端をとらえた写真の表紙ですぐにわかりました。

大竹英洋さんの『そして、ぼくは旅に出た』。

大竹さん(今、間違って「大瀧さん」と入力しそうになってしまった)は先日、塩屋に行ったときに余白珈琲の大石くんから教えてもらった塩屋在住の写真家&探検家。大石くんたちと別れた後大石くんたちが立ち寄ったジャンクションカフェにたまたま大竹さんがいらっしゃっていて、サイン入りの本をいただくことになったんですね。強い縁を感じてしまいました。


塩屋から戻って大竹さんのことを調べて、この本も読んでみようと思っていくつかの書店に行ったけど、どこにも見当たらなかったんですね。また、どこかで出会う縁があるだろうと思っていたんですが、すぐに読んでみたくなって結局注文して手に入れたばかり。その日は病院に持ってきていて、母親が検査をしていたときに読んでいたんですね。それと同じ本が、ややさびれつつある商店街の小さな書店に表紙をこちらに向けて置かれていたのでびっくり。思わずもう一冊買おうかと考えました。

本は今、3分の1くらい読んだところ。大竹さんと北米のノーズウッズとの出会いを書いたものですが、そのきっかけとなった偶然の出来事とか、ちょっと行き当たりばったりな行動とか、なんだか共感を覚えることばかり。

そういえば本を読む前に最初に見たのが本の最後に収められた「この本に出てくる書籍や雑誌のこと」だったんですが、そこに並んでいる本が興味深いものばかりだったんですね。まずは予想通りというか星野道夫の『旅をする木』があってにっこり。ほかにもジャック・ロンドンやサン・テグジュペリ、あるいはスロウな本屋で河野通和さんと松村圭一郎さんのトークが行われたときに、スロウな本屋の小倉さんが河野さんにスロウな本屋で行なっている読書会で読むおすすめの本をたずねられて後日河野さんから紹介されたヘンリー・ソローの『森の生活』が入っていたり。これだけでも本を読みたくなりますね。ただ、ジャック・ロンドンの本の”使われ方”にちょっとびっくりするんですが、でも、逆に大竹さんに好感を持ってしまいました。


その書店を出て戻ろうかと思ったんですが、久しぶりにもう少し西にある主に映画関係のものを売っている店に行ってみることにしました。その店先にシングル盤のレコードが置かれてるんですね。以前来た時よりもいいものを置いているなと見ていたらなんと、このレコードを見つけて大喜び。

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クリフ・リチャードの「いつも青空」。

これも思い出のレコードで、いつかは手に入れたいと思っていたものです。思い出、というのはこのブログに書いたかどうかは忘れましたが、昔、アゲインの石川さんと知り合って、確か最初に石川さんから電話がかかってきたときに話に出てきたのがこの曲でした。

この曲を聞かされて、さて、この曲を下敷きにしている大瀧さんの曲は? というナイアガラ度を測る質問をされたんですね。そのときちょうど外で買い物中だったので、あとで家に戻って落ち着いて聞いてみてわかりました。

ああ、「青空のように」だなと。

チャチャっというハンドクラッピングがそのまま使われてるんですね。早速メールで返事を送ったら「大正解」と。この正解がなければ、石川さんとのその後もなかったかもしれません。

ちなみにその正解という言葉をいただいた時のメールを見たらこんなことが書かれていました。


あのクラッピングを「下敷き」にしたとご本人(大瀧さん)に教えてもらいました。メロディだけじゃないんだよ、と諭されました。クリフ・リチャードは「俺が育てた」という平川くんにも繋がりますので是非沢山聴いてください。

「クリフ・リチャードは「俺が育てた」という平川くんにも繋がります」という興味深い話はおいといて(笑)、実は僕はクリフ・リチャードをこのときまでまともに聴いたことがなかったんですね。大瀧さんの曲の中にクリフの要素が入っていることすらあまり考えたこともありませんでした。ということでこの時以来、少しずつクリフの曲を聴くようになってあの「ネクスト・タイム」につながっていくわけです。


ところで石川さんが大瀧さんから言われたという「メロディだけじゃないんだよ」という言葉。手拍子以外にもうひとつ「いつも青空」から「青空のように」に引用しているものに気がつきました。

それは歌詞。「いつも青空」のジャケットの裏に載っている歌詞対訳を読んで気がつきました。

「いつも青空」の原題は「I Could Easily Fall (In Love With You)」。歌詞を読んでもちっとも「青空」と関係がないんですね。「青空」と関係のある言葉なんてどこにも出てこない。で、読んでいたらこんな部分が。


君のその微笑みを消さないでおくれ


「微笑み」「~ておくれ」といえば「青空のように」のこの部分ですね。


青空のようにさわやかな気分にさせてくれるほほえみ投げておくれ

これ、まちがいなく引用したはず。

こうなるとデイヴ・クラーク・ファイヴの邦題に「青空」とついた曲の日本盤のレコードの対訳が気になりますね。きっとなんらかの引用があるはず。

ということで青空を願ってクリフの「いつも青空」を。




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by hinaseno | 2018-07-06 14:45 | ナイアガラ | Comments(0)

先日ある方に送っていただいた新春放談を録音したものの中で、とりわけ楽しみにしていたのが2009年1月11日に放送されたものでした。この時の放送、ブログでも何度か紹介していて、大瀧さんの話も長々と引用しているのに、なぜだかわからないけど音源がなくなっていたんですね。

ブログで最初に紹介した頃はMDに録音したものを少しずつパソコンに取り込んでいた時期。ある日、改めてその回を聴こうと思ったら、パソコンにも落としてないしMDもなくなっていることに気づきました。


この日の放送はなんといってもジャック・ケラーの話が出たこと。

達郎さんが、大瀧さんの作風はジャック・ケラーやヘレン・ミラーに近いと指摘したことで大瀧さんが答えたんですね。

「おれはジャック・ケラーなんだ」

「産湯はね、ジャック・ケラーなんだよ。体質にも合うんだね~」

で、極め付けが

「その他好きなんだよ、オレは」

「実は、その他が好きなんだよな~、これがねえ、一番のポイントなんだよ」

ジャック・ケラーとの出会いはこれが最初。この日からジャック・ケラー集めが始まりました。翌年放送された、達郎さんの「サンデーソングブック」の「ジャック・ケラー特集」、さらにその数年後に聞くことができた大瀧さんの「ゴー!ゴー!ナイアガラ」の「ジャック・ケラー特集」に狂喜したことはいうまでもありません。

その後のジャック・ケラーがらみの話は繰り返しになるのでここには書きません。


さて、先日紹介したもの。ようやく手元に届きました。ついに出たジャック・ケラーの作品集!

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本来であれば諸手を挙げて喜びたいところですが、予想した通り内容は寂しいものでした。値段も3枚組60曲なのにたった1500円くらいですから仕方ないんでしょうけど。

ブックレットはもちろんありません。こんなふうにケースの下の方に作詞作曲者と制作年が書かれているからましでしょうか。

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音もそんなに良くはありません。世界初CD化の曲はおそらく20曲くらいはあるはずですが、これを外しちゃダメでしょという曲がいくつもありました(特にKenny Karenの「Sixteen Years Ago Tonight」とLittle Evaの「Let's Turkey Trot」と「The Trouble With Boys」)。曲順も意味がよくわからない。

ちなみに初めて聴けた曲は4曲。その中で良かったのはThe McGuire Sistersの「Have A Nice Weekend」とDebbie Stuartの「When Does Friendship End And True Love Start」。

いずれにしてもこのCDでジャック・ケラーの火がつくことはなさそう。いろんな意味でこれを超えるものを出してもらうしかありません。宮治さん、よろしくお願いします。


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by hinaseno | 2018-07-05 16:20 | ナイアガラ | Comments(0)

昨日は母親を連れて家から車で30分ほどの場所にある病院へ。特にどこかが悪いというわけでなく半年毎の定期検診。その行き帰りの車の中で、あることを試してみました。それは2000年の1月2日に放送された「新春放談」を聞かせること。

実は先日、ある方から送っていただいたもののひとつがこの日の放送を録音したものでした。新春放談は1984年1月12日に始まった第1回目の放送からよっぽどのことがない限り、というかよっぽどのことがあっても聴き続け、そして録音してきました。

でも、何度か録音を失敗したり、あるいは録音したものを失くしたり、あるいは録音したテープに別のものを録音して消してしまったりしてたんですね。個人的にはそれも縁だと考えてきました。縁がなかったんだと。


縁のこと、縁の大切さを何度も語っていた大瀧さんがいつだったか、自分の放送を聴きそびれたり、大瀧さんのサイトAmi-go Gara-geでやっていた怒涛を見そびれた人(僕です)に対して「縁がなかったんだよ。あきらめろよ」と言ったんですね。

僕も縁を大切に思うが故に、その言葉をずっと受け入れてきました。でも、過去に一度だけ、聞くことも録音することもできなかった回のものをアゲインの石川さんに送ってもらっていただきました。このブログを書くのにどうしても必要なものだったので。


さて、2000年の1月2日に放送された「新春放談」のこと。正月に実家に戻っていて、この日は自分の部屋で持ち帰っていたラジカセの前に座っていました。番組が始まると同時に録音ボタンを押して、最初の方を聞いていたら、急に用事が入って外出しなくてはならなくなったんですね。

番組が終わってしばらくした頃に戻ってきたら母親が満面の笑顔で「ええ曲がかかっとったよ~」と。たまたま僕の部屋の前を通りがかっていた時に流れていた曲がとってもよかったようです。僕が日頃聴いている曲に母親がそんな反応をするのはめったにないことだったので、いったいどの曲に反応したのか確認しようと思ったら、なんと、一時停止ボタンを押したままになっていて全く録音されていなかったんですね。ガ~ン、でした。


その日かかった曲はその日のうちにネットに上がったのですぐにわかりました。全部で5曲。


1. Rock'n' Roll お年玉(大滝詠一)

2. Angel(山下達郎)

3. 禁煙音頭(竜ヶ崎宇童)

4. レッツ オンド アゲイン(細川たかし)

5. 幸せな結末(大滝詠一)


このうち最初の「Rock'n' Roll お年玉」がかかったときには僕はまだ部屋にいたので可能性があるのは残りの4曲。


しばし考えました。

まず英語の歌の「Angel」はないだろうなと。それからいくらなんでも「禁煙音頭」も違うはずだと思いながらも母親はそれを冗談音楽と認識しなかった可能性もあります。

一番可能性が高いのは細川たかしさんの「レッツ オンド アゲイン」かなと思いつつも、「幸せな結末」がすごく気に入ったのかもしれない。


この長年の疑問を晴らす日がついにやってきたんですね。「いい曲」だと思う感覚はそんなに変わっていないはずなので、この日の放送をかけてどの曲に母親が反応するかを試してみようと。結果は…。

どの曲にも無反応、でした。

一番可能性のある細川さんの「レッツ オンド アゲイン」がかかるときは、ちょっとボリュームを上げて固唾を飲んで反応を見ていたんだけど。

20年の歳月は、母親の何かを失わせてしまったのかとちょっとだけ悲しくなってしまいました。


それはさておき細川さんの「レッツ オンド アゲイン」は今まできちんと聴いたことがなかったのですが、オリジナルの布谷さんに負けず劣らずすばらしいですね。

もう何回か母が車に乗っているときにこの日の放送をかけてみようと思います。


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by hinaseno | 2018-07-03 15:30 | ナイアガラ | Comments(0)

Summer Motelのスケッチ


ある方から、立て続けに大瀧さんに関する貴重な音源を送っていただきました。全く聴いたことがないものもあれば、録音したテープをなくしてしまったもの、間違えて録音していたものを消してしまったもの、あるいは録音したつもりが録音できていなかったものまでいろいろあって、ただただ感激しています。

そんないろいろなものの中から、最初、これはいったい何? と思ったものを紹介します。送られた2つのファイルには「Summertime Side A」、「Summertime Side B」とだけ記載。それぞれきっちり25分間収録されています。


そのSide A。最初に流れていたのは聴き覚えのある「オリーブの午后」のストリングス・バージョン。『NIAGARA SONG BOOK1」に収録されているものですね。そして、途中から『NIAGARA TRIANGLE VOL.2』に収録された大瀧さんの歌入りのバージョンがメロディをきちんとつなぐ形で流れてきました。次は「カナリア諸島にて」。同様のパターンがメドレーで続きます。

ストリングス・バージョンとオリジナルの歌入りのバージョンをつなぐといえばすぐみ思い浮かぶのは1985年6月に発売された『B-EACH TIME L-ONG』。

でも今回送っていただいたものは曲のつなぎ方が違っているので、『B-EACH TIME L-ONG』の編集盤、あるいは短縮盤のようなものかなと思いながら『All About Niagara 1973-1979+α』をペラペラとめくっていたら目に留まったのがこれでした。

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作品のタイトルは『Niagara Memory, Melody, Medley “Summertime, Each Time ’84”』。リリースされたのは1984年6月。『B-EACH TIME L-ONG』のちょうど1年前にカセットのみで出たもののようです。ただしどうやら非売品。手に入れようと思ったら、かなりの努力と費用が必要となりそうな、大瀧さん関連のものでもとびっきりレアなものでした。


写真のカセットテープをよく見るとSIDE 1(A)には曲のタイトルとしてこんな言葉が記されています。


オリーブ諸島のペーパーバックSummer Motelのスケッチ×4のナックルボールの昼の夢

で、SIDE 2(B)にはこんな言葉。


雨のジェットColorの中の恋するペパーミントの夢で逢えたら

収録された曲もメロディを部分的に切り刻んでメドレー形式でつなげているのですが、タイトルもそうしているんですね。でも、その刻み方がすごい。大瀧さんのファンでない人が見たらなんのこっちゃ、です。

曲のタイトルをつなげるといえばSpanky & Our Gang『Like To Get To Know You』のLPのレーベルに書かれているものが浮かびます。あのアルバムも曲がメドレー形式でつなげられているので、タイトルもつなげて書かれているんですが、ただしそちらのほうはタイトルはきちんと書いてその間を別の言葉でつないでるんですね。でも、大瀧さんの方はタイトルの刻み方が半端ない、です。とりわけSIDE 2(B)の「の中の」には大笑い。「ガラス壜の中の船」の一部をとってるんですが、いくらなんでもそこをとらなくてもねえ。


そんなふうにタイトルも面白いんですが、曲の刻み方、つなげ方は本当にすごい。しかも、両面ともきっちり25分にしているんですから、やはり大瀧さんの編集力たるや恐るべしです。

とりわけはまったのはSIDE 1(A)の「Summer Motelのスケッチ」。

まず最初に流れてくるのは『NIAGARA SONG BOOK1」に収録された「Velvet Motel」のストリングス・バージョン。アルバムでは「Summer Breeze」という原題で収録されています。で、『ロング・バケーション』に収録された歌入りのバージョンがちらっと流れて、再びストリングス・バージョンに戻る。そのまま終わるかと思いきや、ドラムのタカタカという音のあとになんと「木の葉のスケッチ」のストリングス・バージョンに移るんですね。これにはびっくり。で、『EACH TIME』に収録された歌入りのバージョンへとつながっていきます。それで終わるのかと思ったらドラムのタカタカをつなげる形で「Velvet Motel」のストリングス・バージョン(「Summer Breeze」)へと戻るんですね。ここは鳥肌ものでした。


それにしてもどちらかといえば別タイプの曲と思っていた「Velvet Motel」と「木の葉のスケッチ」がこんなに相性がよかったとは。この発見だけでもこのテープを聴いた甲斐がありました。

というわけで『大滝詠一 初期作品集』のCDを作ったばかりでしたが、今はずっとこれを聴いています。

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by hinaseno | 2018-07-01 15:04 | ナイアガラ | Comments(0)

「夏が過ぎても」


超ビッグなニュースが飛び込んできたり、貴重な音源をいただいたりで書きたいことがいっぱいですが、とりあえず前回の続き。

前にも書いた通りハリー・レベルという作曲家に興味を持ったのはリンダ・スコットのこの「Never In A Million Years」という曲でした。




きっかけはやはり「ゴー!ゴー!ナイアガラ」。リンダ・スコットのCDはベストものも含めて何枚か持っていましたが、どのCDにも収録されていなかったので知らない曲でした。

この曲やハリー・レベルという作曲家について調べていた頃、この曲が日本盤のシングルとして発売されていたことを知りました。大瀧さんもたぶんシングル盤をかけたはずなので、これは入手せねばということで、ちょっと苦労して。

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ペパーミント・ブルーのジャケットが夏っぽくていいですね。

「Never In A Million Years」の邦題は「いついつまでも」。夏っぽいといえば、このレコードのB面は夏の曲。タイトルは「Through the Summer」。邦題は「夏が過ぎても」。この曲がまたいいんです。




曲を書いたのはルディ・クラーク(Rudy Clark)。

ルディ・クラーク? どっかで聞いたなと。

どっかで聞いたとなると、やはり大瀧さんのラジオ番組だろうなと。確認してみたらやはり。

ルディ・クラークの書いた曲が最初に「ゴー!ゴー!ナイアガラ」でかかったのは1976年3月15日に放送されたサーチャーズの特集のとき。

かかったのはこの「It's In Her Kiss」。




で、この続けてオリジナルのベティ・エヴァレット(Betty Everett)の歌う「The Shoop Shoop Song (It's In His Kiss)」をかけています。ただしこの時には曲を書いた(作詞作曲)ルディ・クラークのことには触れていません。




次にルディ・クラークの曲をかけたのは1976年12月7日放送のリクエスト特集。かかったのはジェームス・レイ(James Ray)の「If You Gotta Make a Fool of Somebody」。この曲に強く反応したのでそのあとに語られたルディ・クラークの名前を覚えていたんですね。




曲をかけた後の大瀧さんの言葉。


これの作曲者はルディ・クラークといいましてね、この人は非常にいい曲を作る人なんですよね。ベティ・エヴァレットの「The Shoop Shoop Song」。サーチャーズの特集の時に「It's In Her Kiss」をかけましたが、あの曲なんです。ああいう曲を作ったり、いろんなもん作ってます。

こんな言葉を聞くとルディ・クラークの書いた曲を調べたくなりますね。でも、そのときにはリンダ・スコットの「Through the Summer」は僕のiTunesにはなし。ただし同じリンダ・スコットの「I'm So Afraid Of Losing You」という曲がありました。こちらもなかなか素敵なバラード曲。でも、R&B色が強いルディ・クラークの曲の中では異質ですね。こういうロマンチックな曲もかけたということです。


ところでジェームス・レイの「If You Gotta Make a Fool of Somebody」を聴いた時に、どこかで聞いたことあると思ったんですね。しかもジェームス・レイではなくて大瀧さんが歌ったもの。

調べたらわかりました。それは記念すべき第1回目の新春放談が放送された1984年の2週目の放送の時(放送日は1984年1月19日)。自慢じゃないけど、このころの放送は一言一句記憶しています。

このとき達郎さんがムーディ・ブルースがカバーしたベシー・バンクス(Bessie Banks)の「Go Now」をかけます。これいい曲。




曲の後、大瀧さんが言ったのがこの言葉。


この「Go Now」のこの曲は「If You Gotta Make a Fool of Somebody」からきてるとわたしは踏んでるんですよ。

で、一節、口ずさむんですね。

でも、このあとこんな会話が続きます。


山下:あれ、誰の曲でしたっけ。
大瀧:あれはね、昔のジャズの曲なんだけども。
山下:一番売った人は誰?
大瀧:一番売った人は50年代の歌手なの。女の人だな。う~ん、忘れた。

ルディ・クラークの名もジェームス・レイの名も出ないんですね。別の何かの曲と勘違いしたのかな。ジャズの曲でもないし、ジェームス・レイがヒットさせたのは1961年。ジェームス・レイは男だし。


それはさておき、この曲の前後で語られている、いろんな曲がどういうふうにつながっているかという話は本当に興味深い。で、この言葉。


続かないと、意味がないんだよ。


本当にその通り。


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by hinaseno | 2018-06-29 13:04 | ナイアガラ | Comments(0)

ゆっくりとブログを書く時間がないので、短い話を。

最近作ったCDのこと。

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タイトルは『EIICHI OHTAKI Early Years 1970-1973』。

大瀧さんの初期作品集です。はっぴいえんどの3枚に収録された大瀧さんの作品とファースト・アルバムに入っている曲、それからその時期のシングル曲。

これだけでちょうど1枚のCDに収まるような時間になったのですが、ふと金延幸子さんの曲を入れたくなって「時にまかせて」「空はふきげん」「あなたから遠くへ」を入れたら時間オーバー。さあ、何をカットしようかと。金延さんの「あなたから遠くへ」は大瀧さんの作曲ではないのでこれを外そうかと考えましたが、大瀧さん色が濃いので外すのはやめました。

とりあえずシングル・バージョンとアルバム・バージョンが違っているものはシングル・バージョンを優先ってことで「12月の雨の日」「はいからはくち」「五月雨」のアルバム・バージョンはカット。

でも、あと、3分くらいオーバー。何か1曲カットしなければといろいろ考えて結局外したのが「春よ来い」。


で、CDが出来上がったわけですが、変なもので最後に外したものって何か外したことに罪悪感が残っちゃうんですね。後ろめたさというか。

そうしたらその日の晩、ある方から大瀧さん関係のレアな音源を送ってもらったんですが、その中に「春よ来い」のめずらしいバージョンがあって思わずニッコリ。何かが届いたんでしょうね。

それにしても金延さんの「空はふきげん」っていい曲ですね。こればっかりリピートしています。


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by hinaseno | 2018-06-25 15:44 | ナイアガラ | Comments(0)

タイムマシンで現れたの


神戸の塩屋の余白珈琲さんから、雨のウェンズデイに焼かれた珈琲豆が届きました。

今日、その塩屋の旧グッゲンハイム邸で浜田真理子さんのライブ。

あ~行きたい。

それから明日は神戸の元町の元町映画館で想田和弘さんの『港町』の上映&想田さんと内田樹先生のトーク。

あ~行きたい。


ところで話はころっと変わって。

ここ数日、車であちこち行く機会が多かったんですが、車でずっと聴いていたのはこの音源をCDに落としたものでした。




1983年7月24日に西武球場で行われた大瀧さんの貴重なライブ。1983年7月28日日発売予定だった『EACH TIME』が発売延期になって罪滅ぼしにやったとか。

大瀧さんのライブやイベントには結局一度も行くことはできなかったけど、どれかひとつタイムマシンで行かしてあげるよと言われたら、迷わずこの日のライブを選びます。

このライブが行われた当時はもちろん僕はかなり熱心な大瀧さんファンになっていたのですが、でも残念ながら大瀧さん関係の情報はそんなに入ってこなくて、このライブも後で知りました。もちろん共演がサザン・オール・スターズとラッツ&スターだったわけですから、ライブがあることを知っていても、たぶんチケットなんか入手できなかっただろうけど。


この日のライブ音源がちょこちょことYouTubeなんかにはあがっていたことは知っていましたが、大瀧さんがライブで歌った全曲を収めているものがアップされているとは知りませんでした。びっくり。

ということで、ちょっと音が悪くて、できればもう少しいい音のものをオフィシャルで発売してもらえないかなと思いつつ聴き続けています。興味深い音源がいっぱいですね。


ライブのふた月前の5月末に発売された薬師丸ひろ子さんの「探偵物語」「すこしだけやさしく」は、大瀧さん自身がつい先日までその曲に携わっていたこともあってか、すごくナチュラル。

『DEBUT AGAIN』に収録された「探偵物語」「すこしだけやさしく」はこの日のライブのために大瀧さんのキーに合わせた形で録音したものが収録されていますが、元をただせば大瀧さんはこちらのキーで自分で歌いながら曲を書いたわけだから、しっくりくるのは当たり前。自作のカバーというよりもこちらがオリジナルのよう。

ところで1983年7月といえば、この日のライブで共演したラッツ&スターに「Tシャツに口紅」をレコーディングしたばかり。まだシングルは発売される前だけど、ラッツ&スターはその日歌ったんでしょうか。


それからちょっと、おっと思ったのは、いくつか歌詞を間違えて歌っているもの。ざっと聴いて気がついたのは「ハートじかけのオレンジ」と「FUN×4」。明らかに歌詞が違っていました。

で、今日書くのは「ハートじかけのオレンジ」。本来の歌詞(作詞はもちろん松本隆さん)では「タイムスリップで現れたの」となっているところを大瀧さん「タイムマシンで現れたの」と歌ってたんですね。最初は、あっ。間違えたな、大瀧さん、でした。でも、単に歌い間違いと言えないところが大瀧さんにはあるんですね。

前にも紹介したようにこの数年前に大瀧さんは「ナイアガラ・タイムマシン・ミュージック」というタイトルで雑誌に連載をしていました。大瀧さんとしては「タイムマシン」のほうがしっくりきたんじゃないかなと。つまり間違えたんじゃなくて、あえてそう歌ったと。

で、それを証明するものがあったんですね。この音源。




これはライブを編集してのちにラジオで放送されたものなんですが、ライブをそのまま曲を減らして収録したものかと思ったら、どうもそうではない。全部は確認していませんが、何曲かは明らかにラジオの放送のために歌い直しているんですね。「ハートじかけのオレンジ」は間違いなく歌い直されたもの。すぐにわかります。

で、その歌い直して入れたものも大瀧さん、やはり「タイムスリップ」ではなく「タイムマシン」と歌ってるんですね。

確信犯でした。別に犯罪じゃないけど。

この2年後に「タイムマシン」を使ってロックンロールの誕生した年に行くSF映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が公開されます。この映画に大瀧さんがときめかないはずはありませんでした。


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by hinaseno | 2018-06-22 15:23 | ナイアガラ | Comments(10)

暇をみつけては(まあ、いつも暇です)『新春放談』を2011年に放送されたものから順番に遡って聴いていて、ようやくある会話をみつけました。映画の話がひとしきり終わった後、大瀧さんがある人の名前を口にします。

寺尾次郎。

その部分から。


大瀧:寺尾次郎みたいなのもいたしね。でも、(映画の話を)あんまりしなかったんだよ、そのころね。
山下:寺尾とか、一回も映画の話、したことない。
大瀧:そうなの。
山下:言わないんだもの、あいつ。
大瀧:う~ん、知りすぎてっからね。
山下:おそらく。くっくっ、おかし。
大瀧:人に歴史ありだよね。
山下:字幕書いちゃうんだもん。
大瀧:書いちゃったんだよね。寺尾次郎とか出ちゃうんだよね~、字幕が。
山下:今聴くとベース上手いんですよね、結構。
大瀧:なかなかね。ランニングなんかね。
山下:ろくすっぽ聴いてやしなかった。
大瀧:(笑)。あの鰐川くんがゴツいベース弾いてたからね。非常に寺尾君がスマートな感じに聴こえたよね。
山下:うん。なんか多彩というかね。
大瀧:う~ん、確かにね。すごい人だったんだよね。
山下:(笑)
大瀧:ぞんざいに扱った今はちょっとね、過去を反省しなきゃいけないね。
山下:(笑)どっかでクシャミしてますね。
大瀧:(笑)いろんな人が集まったんだよね。才能は呼ぶんだね。
山下:だけど人の出会いというのは不思議なものですよね。本当に今から考えても、なんかそこで出会うべくしてたぶん出会ったんだろうけど…
大瀧:後になるとそう思うんだろうけれども、ねえ。
山下:その時はなんの別に…
大瀧:意図があったわけでなく。
山下:ドラマ性もない。
大瀧:ないないない。ほんとに、簡単に、偶然としか言いようがない。
山下:日常の一コマでパッとやって、それがだんだん肥大していくという。不思議ですねえ。
大瀧:不思議だねえ、歳をとればとるだけ。
山下:つくづく思ってきますね。


「What A Diff'rence A Day Made」と題して塩屋でのことを書いた最初の日のブログで、「楕円」と「楕円」がつながる、ということで紹介したのが寺尾紗穂さんでした。その紗穂さんのお父さんである寺尾次郎さんが、それを書いた3日後の6月6日に亡くなられました。


僕が紗穂さんのことを知ったのは寺尾次郎さんの娘さんとして。寺尾次郎さんは達郎さんがいたシュガーベイブのメンバーで、もちろん大瀧さんとも交流がありました。

もうかなり前になって、いつだったか忘れましたが、たぶん10年くらい前のサンデーソングブックで、達郎さんが自分といっしょにやっていたミュージシャンの2世がデビューして活躍するようになっているという話をしたんですね。そのときたぶん紹介したのが寺尾次郎さんの娘さんである寺尾紗穂さんと、それから土岐英史さんの娘さんである土岐麻子さんでした。


寺尾次郎さんのことはこのブログでも何度も書いているので繰り返しませんが、僕が寺尾さんに興味を持つことになったのは『レコード・コレクターズ』2012年4月号に収録された大瀧さんと佐野さんと杉さんの対談。テーマはもちろん『ナイアガラ・トライアングル VOL.2』。でも、ここで大瀧さんが語っていたのは一言で言えば「縁」の話。対談というよりも、大瀧さんが佐野さんと杉さんに事実確認をしている感じ。

とにかく興味深い話の連続で、僕が「縁」のことを強く意識するようになったのはまちがいなくこれがきっかけでした。ってことなのでこのブログでもこの時に大瀧さんが語った話はなんども引用しています。そしてとりわけ関心を持ったのが寺尾次郎さん。たぶん語り手である大瀧さんが寺尾次郎さんという人の存在に関心を持っていたからこそ、僕も寺尾さんに興味を持ったんだろうと思います。

ナイアガラ・トライアングルのおもしろさは、ただ単に『VOL.1』と『VOL.2』に参加したそれぞれ3人ずつのアーティストのつながりだけでなく、大瀧さんを除いた『VOL.1』の2人と『VOL.2』の2人にも不思議なつながりがあるところなんですね。佐野さんをプロデュースしていた銀次さんはいうまでもないけど、杉さんが学生時代にやっていたバンドに達郎さんと結婚することになる竹内まりやさんがいたとか。大瀧さんも『VOL.2』をやるときにあらかじめ知っていたこともあれば、あとになってそうだったのかとわかったこともある。そんな中で一番興味深いのが佐野さんのバンドにいたけれど達郎さんのシュガーベイブに引き抜かれてしまって、佐野さんがしばらくソロで活動することを余儀なくされる原因となった寺尾次郎さん。佐野さんにとっては「にっくきシュガーベイブ」「にっくき寺尾次郎」なんですね。もちろん今となっては「(笑)」をつけることもできる話。結果的には佐野元春というアーティストを成長させることにもなり、そのさらなる成長があったからこそ大瀧さんとの縁も生まれたわけなので、その意味では寺尾次郎さんというのは見えにくいけれどもとても重要な存在だと大瀧さんは思ったんでしょうね。


僕なりのイメージとしては2つのトライアングル(それぞれ3つの焦点をもつ楕縁)をつないでいる人でした。


映画の世界にどんどんとのめり込んでいっていた大瀧さん、いつか寺尾次郎さんと映画の話をしてみたかったんじゃないかな。いや、今頃、いろんな話をしているはず。

まずは「ぞんざいに扱った」ことをわびたかもしれません(笑)。


明日のサンソンはきっと寺尾次郎さんの追悼特集のはず。聴き逃さないようにしよう。

これは第2期のシュガーベイブ。一番右が寺尾次郎さん。

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by hinaseno | 2018-06-16 15:00 | ナイアガラ | Comments(0)

延び延びになっている話の一つ。このCDの話。

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大瀧さんが作詞作曲した「夢で逢えたら」をカバーも含めて86曲収録したもの。発売されてすでに2ヶ月ってことで、さすがにターンテーブルには載らなくなりました。みなさん(といいつつこのブログを読んでいる人でこのCDを買われた方がどれだけいるかわからないけど)も同じでしょうか。

というわけでネタとしてはちょっと古くなっているかもしれませんが、「夢で逢えたら」のカバーのベスト10を紹介しておきます。

その前に改めて言うまでもありませんが「夢で逢えたら」のオリジナルはこの4枚組のCDのDISC1の1曲目に収録された吉田美奈子さんの1976年のバージョン。それからシリア・ポールさんの歌ったものも限りなくオリジナルに近いので今回のベスト10から外しました。それから大瀧さんが歌ったものは別格なので除外。


さて、選んだ曲を並べてみるとジャズやボサノヴァ・テイストの曲が多いですね。そして10曲中9曲は女性アーティストで男性アーティストはただ一人。やはりこの曲は(大瀧さんは例外として)女性が歌った方が似合います。

では曲順はCDに収録されている順に紹介します。YouTubeに音源があれば貼っておきます。

1曲目はアン・ルイス。




英語で歌われていて「Dreams」という英語のタイトルがつけられています。アレンジは大瀧さんの『ロンバケ』でも弦アレンジをしている前田憲男。

収録されているのは『Cheek II』というアルバム。このアルバムは大好きで、といってもレンタルで借りたものをカセット・テープに録音していたものしか持っていなかったんですが、昔は本当によく聴きました。このアルバムには「DREAMS(夢で逢えたら)」にそっくりな「DREAM BOY」という曲を大瀧さんが提供しています。

ところでちょっとチェックしたらタワー・レコードでこのアルバムを含むアン.ルイスのアルバムが昨年再発されていて、それについている応募券を送ったらA面に「DREAM BOY」、B面に「DREAMS」を収録したシングルが当たるということになっていたみたいですね。ただ、応募の締め切りは先月。すでに当選した人には送られているみたいです。ほしかったな。


2曲目は平野文。『Call me Funny Minx』というアルバムの最後に収録されています。平野文ってだれだろうと調べたら声優。『うる星やつら』のラムちゃんの声をやっている人のようです。この平野さんのバージョンで歌われているのは曲の最初の部分だけ。でも、アレンジも含めてなかないい雰囲気。ちなみにアレンジはナイアガラ・レッキング・クルーの村松邦男さん。


3曲目はビビ(Vie Vie)。フランス語で歌われてるんですが、これもかなりいいです。


4曲目は石川ひとみ。




これは以前紹介したことがありますね。ボサノヴァ調のアレンジが心地いいです。ちなみにアレンジャーの山田直毅は石川ひとみさんのご主人だそうです。


5曲目は土岐麻子。




選んだ10曲の中では最も明るい「夢で逢えたら」ですね。この曲が収録された『WEEKEND SHUFFLE』は持っていました(過去形になっているのは手放してしまったから)。アレンジもいいし、声もいいし、「夢で逢えたら」以外にもいいカバーが多かったな。

たぶんこのアルバムが出た頃に土岐麻子さんのライブにも行きました。背が高くってびっくりでした。


6曲目は村上ゆき。




基本的にピアノひとつで演奏されていますが、これもすごく気に入っています。村上ゆきという人はジャズ・ピアニスト・ボーカリストということなのでこれは彼女の弾き語りなんでしょうか。


7曲目は南佳孝。先日紹介したように今回の数あるカバーの中で一番のお気入り。佳孝さんの声ってたまらないですね。日本人の男性ボーカリストの中では大瀧さんの次に好きかもしれません。ギターも佳孝さんのはずだけど、ジャジーでかっこいいですね。


8曲目は、たなかりか。




たなかりかというアーティストも知らなかったんですが、ジャズ畑の人のようです。というわけでこの曲、最高にジャジーな感じに仕上がっています。


で、9曲目は太田裕美さんのこのライブからとられた音源。




1981年6月1日に行われた『大滝詠一 ALONG VACATION コンサート』にゲストとして太田裕美さんが出演して、大瀧さんのバンドをバックに歌ったものですね。出だしを間違え、さらに歌詞を間違えちゃってるんですが、でも太田裕美さんの声は大瀧さんの曲との相性抜群。歌った後で裕美さんが「アガりますね~。歌詞間違えちゃった最初。出だしも間違えたけど」と大瀧さんに言っているのがなんとも可愛いです。

できればきちんとした形でレコーディングしておいてほしかったですね。


そして最後は吉田美奈子さんがこのCDのために新しく録音したバージョンですがこれが最高に素晴らしいんです。こんなの目の前で聴いたら号泣しますね。


さて、おまけとしてちょっと興味深いバージョンを2つ。

一つは岩崎宏美さんが歌ったもの。1981年11月発売の『すみれ色の涙から…』というアルバムに収録されています。




もう一つは北原佐和子さんが歌ったもの。1984年1月にシングルCDとして発売されています。残念ながらYouTubeにはありませんでした。


この2曲、なぜ興味深いかといえばいずれもアレンジが萩田光雄さんなんですね。萩田光雄さんといえば太田裕美さんのほとんどの曲のアレンジをしている人。2年余りの時を隔てて同じ曲を2度アレンジしているわけです。で、どちらもいいんですね。

僕は個人的に「夢で逢えたら」のアレンジのキモは、オリジナルの吉田美奈子やシリア・ポールで浜口茂外也が吹いているフルートのあのフレーズだと思っているのですが、萩田光雄さんはそれを上手に活かしています。さすがだなと。

その萩田さんの本がまもなく発売されます。タイトルは『ヒット曲の料理人 編曲家・萩田光雄の時代』。ようやく萩田さんにもスポットが当たる時代が来たんですね。おそすぎだけど。


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by hinaseno | 2018-05-31 12:15 | ナイアガラ | Comments(0)

ちょっとブログが空いていました。「牛窓暮色」の続きを書きかけているのですが、ゆっくりとまとめる時間がないまま日が経ってしまいました。


今日もあまり時間がないので、別の話題を。久しぶりに大瀧さん関係の話を書くことにします。家ではいろんなものを聴いていますが車では基本的には大瀧さん関係のものばかり聴いていて、そこから気がついたことなどを。


まずは『伊藤銀次 自伝 MY LIFE, POP LIFE』を読んだつながりで「ゴー!ゴー!ナイアガラ」の1975年9月29日と10月6日の2回に分けて放送されたNiagara Special特集を聴いたのでそれについて。ゲストは山下達郎さんと伊藤銀次さん。興味深い話満載です。

そこで達郎さんのシュガー・ベイブがカバーした「指切り」(作詞松本隆、作曲大滝詠一)をかけるときに、大瀧さん、こんなことを言ってたんですね。


僕もたいして作曲能力のない男だけど、カバー・バージョンがほとんどないんだよね。 要するに後世の人たちに全然カバーされてないのよ。どういうわけか。それでシュガーベイブが「指切り」やってたけども、シュガーベイブが本当に最初で最後のカバーじゃないかという気がするんだ。

カバーというものを愛し、それをオリジナル以上に評価しているがゆえに、いつかは自分の曲がカバーされたらとずっと願っていたんでしょうね。で、身内とはいえ初めて自分の曲がカバーしてくれたことがすごく嬉しかったんだとは思いますが、例によって照れ屋な大瀧さんらしい言葉になっています。

でも、今では数え切れないほど大瀧さんの曲はカバーされていて、その最たるものが「夢で逢えたら」。

その「夢で逢えたら」のカバーを86曲も収めた4枚組のCD『EIICHI OHTAKI Song Book III 大瀧詠一作品集Vol.3「夢で逢えたら」(1976~2018)』もぼちぼち聴いています。近日中には「夢で逢えたら」のカバーのBEST10を発表しようかなと考えていますが、ざっと聴いていちばんのお気に入りは南佳孝さんのギター1本で歌ったカバー。これ、最高です。


それから昨日、急に須藤薫さんの「レモン・シャワー」と「あなただけI LOVE YOU」が聴きたくなって、それが収録されている『EIICHI OHTAKI Song Book I』を久しぶりに聴き聴きました。久しぶりに聴いたのでちょっと新鮮。そこで耳をとめたのが山口百恵さんが歌ったこの「哀愁のコニー・アイランド」でした。




この曲、『ロンバケ』前夜に作られた曲で、曲として悪くはないんですが(『ロンバケ』で多用されているコード進行が使われています)、でもあんまり好きではないんですね。はっきりいえば百恵さんの個性が強すぎて大瀧さんの曲には合わないなと。それから森雪之丞の詞もやっぱり違和感があります。


ということで、この曲を松本隆さんか大瀧さん自身の詞で(松本さんは松田聖子さんに「雨のコニー・アイランド」という詞を書いています)、で、須藤薫さんか太田裕美さんが歌っていればどうなっていたんだろうと脳内変換しながら聴いていました。

で、ふと、おっと思ったのがそのイントロのアレンジ。どこかで聴いたことがあるぞと。

これですね。




このブログで何度も書いてきたクリフ・リチャードの「ネクスト・タイム」。イントロの、とくに最初の1小節はキーも同じですね。


この曲のアレンジは大瀧さんでないことは知っていましたが、調べたら萩田光雄さん。

萩田光雄さんといえば「木綿のハンカチーフ」をはじめ、1970年代後半の太田裕美さんのほとんどの作品のアレンジをしていた人。

大瀧さんの解説を読むとアレンジは萩田さんに「全てお任せ」だったと。実は太田裕美さんが歌った「さらばシベリア鉄道」も萩田光雄さんなんですが、そちらは大瀧さんが自分で歌うために作っていたオケを渡したそうなので、基本的には『ロンバケ』に収録されたものに近いアレンジがなされています。

でも、これは「全てお任せ」ということなので、おそらく大瀧さんがギター1本で歌ったデモを渡したはず。はたしてどこまでベーシックなアレンジがなされていたのかはわかりませんが、この類似はちょっと気になるところ。なんせB面は「バチェラー・ボーイ」ですから。


そういえば連休の最初、1年ぶりに中古レコード市に行ってきました。で、そこで手に入れた1枚がクリフ・リチャードのこのLP。「ネクスト・タイム」と「バチェラー・ボーイ」が収録されています。

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by hinaseno | 2018-05-06 13:34 | ナイアガラ | Comments(0)