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Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno
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カテゴリ:音楽( 433 )



平川さんと石川さんが岡山にいた日々から一週間が過ぎ、その時の喜びや興奮、そして三石でお別れした後の、まさに彗星の孤独のようなさびしさを感じていた状態からようやく抜け出して、少し冷静にその時のことを振り返れるようになりました。明日くらいから書き始める予定です。


考えたらちょうど一週間前のこの時間は、岡山大学の控え室となった教室で平川さん、石川さん、そして松村さんと弁当を食べながら、その日の毎日新聞に載った松村さんの『うしろめたさの人類学』の毎日出版文化賞特別賞受賞の話をしていたところでした。実はそのことは松村さん本人だけでなく平川さんも何日か前に知っていたという。それを秘密にして前日のスロウな本屋さんでのトークイベントをされていたわけです。スロウな本屋さんの小倉さんも知っていたということだったので、せめて打ち上げのときくらいに教えてくれたらよかったのに。

ってことで僕は行儀が悪かったけど、買ってきたばかりの新聞を読みながら弁当を食べていました。で、平川さんの岡大での講演が終わった後、牛窓に向かったんですね。


さて、平川さんと石川さんの岡山滞在のことを書き始めたら、相当長い話になりそうなので、後で書いてもいいかなという話を忘れないうちに先に書いておくことにします。

それは三石駅でお別れする前に石川さんから渡された1枚のCDのこと。何枚かあるCDからタイトルを見て選んだような気がします。タイトルは内緒にしておいたほうがいいかな。僕が音楽的に信頼している方がセレクトしたCD。石川さんからは5曲目の曲と8曲目の曲が特にいいよって聴いてたんですが、お別れしてカーステにセットしたら1曲目からツボ。これは最高だなと思っていたら、1曲目の終わり頃で突然ストップ、2曲目以降全く読み取れなくなったんですね。

家に戻って何台かのデッキやパソコンで聴こうとしてもどれもだめ。ってことで、石川さんにメール。暇ができたら送ってくださいと書いたら速攻で翌日送ってくださったんですね。The WillowsのCDの贈り物も付いて。


改めて聴き直したら、どれもいい曲ばかり。中でも一番気に入ったのが15曲目に収録された「Look For The Silver Lining」という曲でした。Rebecca Kilgoreという女性シンガーが歌っているんですが、伴奏のギターが最高なんですね。

ちなみに「Look For The Silver Lining」は僕の愛聴盤の一つであるチェット・ベイカーの『Chet Baker Sings』に収録されているので何度も聴いていました。調べたら、作曲はあのジェローム・カーン。いい曲のはずだ。


YouTubeでRebecca Kilgoreの「Look For The Silver Lining」を調べたらありました。




でも、これ、いただいたCDに入っていたものとは全然違うんですね。僕の聴いたのは伴奏がギター1本。YouTubeに上がっているのはたぶんピアノトリオをバックにして歌っているもの。曲のリズムも全然違う。

実は石川さんから送られたCDの曲目リストではアーティスト名が「Rebecca Kilgore and Jo…」と、最後が省略されていたんです。この「Jo」で始まる人がギターを演奏しているに違いないと。


で、調べたらすぐにわかりました。

僕がいただいたCDに入っていたのは2000年に出た彼女の『It's Easy To Remember』というCDに収録されているバージョン。CDのアーティスト名はBecky Kilgore and John Miller。

John Miller? どこかで聴いたことがあるぞと思ったらこのアルバムの人でした。

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「Biding My Time (John Miller Plays George Gershwin)」。このアルバム、一時期どっぷりとつかりました。CDも何年か前に出てるんですね。

「Look For The Silver Lining」のギターはジョン・ミラーが弾いていたのか。いいはずだ。

ってことで『It's Easy To Remember』というCDを即ポチ。日本のアマゾンでは星がひとつもはいっていなかったけど、ネットを見たら何人かの人が高い評価をしていました(アマゾンの星よりも数段信頼がおける)。


忘れないうちに書いておく話をもう一つ。昨夜、寺尾紗穂さんの『彗星の孤独』を読んでいたらおっという人の名前が「高知」の話に出てきたんですね。

昨日、「高知といえば、」ということで書こうかと思っていた人。僕にとって高知といえばなんといっても上林暁、そして上林の本を僕に教えてくれた夏葉社の島田潤一郎さんの出身地でもあります。

その上林暁の名前が紗穂さんのエッセイに出てきてびっくり。エッセイのタイトルは「戦中の上林暁」。上林が戦時中の昭和19年に書いた「東京に在りて」というエッセイを紹介しています。紗穂さんも上林を読んでいたんですね。上林を引用して紗穂さんが書かれていたことには深く共感。別のエッセイで書かれていた「みかんは早生の青っぽいものが好き」ということにも激しく同意。

でも、紗穂さんが一番好きな果物といえば桃。

桃といえば岡山は…

長くなるのでやめておこう。桃のことを書き出したらきりがない。


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by hinaseno | 2018-11-11 13:13 | 音楽 | Comments(0)

先日、毎日覗いているペットサウンズのブログの「今日のこの1曲コーナー」を見たら、The Willowsという女性3人組のグループの『Tea For Three』というCDが紹介されていました。

知らないグループだけど、しゃれたジャケット。きっとこれは東尾沙紀さんが紹介したものに違いないと思ったらやはり。実はずいぶん前から僕とアゲインの石川さんの間で東尾さんが紹介するCDが注目の的になっているんですね。

東尾さんが紹介するのはほとんどが知らないアーティストの作品なんですが、紹介された曲をYouTubeかなんかで聴いてみたらたいてい僕のツボ。今回もiTunesで聴いてみたらめちゃくちゃ好みでした。

ってことで石川さんに別の話ついでにメールで書いたら、なんと翌日にそのCDが僕の手元に。

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石川さん、旅行後の忙しさの続く中、すぐにペットサウンズに行って買って速達で送ってくれたんですね。なんだかおねだりしたような形になったみたいで申し訳なかったんですが、でもうれしかったです。

ってことで今、車でずっと聴いています。いい曲ばかりで、ジャジーなコーラスもたまりません。特に気に入っているのはラストに収録されたアンドリュース・シスターズのカヴァー「(I’ll Be With You) in Apple Blossom Time」。


さて、その東尾さんが宛名書きをして送ってくれたはずの小包で届いた寺尾紗穂さんのエッセイ集『彗星の孤独』は第4章に入りました。この章はタイトルに県名が入ったエッセイが並んでいて、その県でライブなどをやった時のエピソードを書いています。

最初目次をぱらっと見たときには、一つの県で一つのエッセイかなと思っていたんですが、そうではありませんでした。高知県がずいぶん多いんだなと思って、巻末を見たら高知新聞に掲載されていたものだということがわかりました。残念ながら岡山のエッセイはなし。いつか書いてほしいですね、岡山のこと。


で、昨日読んだ中で一番反応したのが熊本の話でした。タイトルは「熊本 日本の中の異国」。

実は昨日のブログで紹介した松村圭一郎さんは熊本の出身。今まであまり縁のなかった熊本に関心を持ち、とりわけ石牟礼道子さんの本を読むきっかけを与えてくださったのも松村さんでした。

その松村さんと平川さんが今年の3月21日に(ナイアガラデイです!)に隣町珈琲で対談した話の中で熊本の話になるんですね。これの(1/2)の54:00あたりから。

松村さんが「私、熊本出身なんですけど」と言うと、平川さんが「そっか、熊本かあ…。熊本かあ...、熊本なんだ」と感慨深そうに返事をされて、そこから石牟礼道子さんや熊本出身の詩人の話になるんですね。伊藤比呂美、渡辺京二、そして平川さんのエッセイでしばしば登場する谷川雁。

その谷川雁も熊本の人だとわかって、平川さんが一言、

「やっぱ、熊本は変だわ」


この「やっぱ、熊本は変だわ」という平川さんの言葉が僕の中でインプットされていたところに今回の紗穂さんの「熊本 日本の中の異国」だったので、思わずにっこり。


その紗穂さんのエッセイですが、これが嬉しいことに「楕円の夢」の話が出てくるんですね。ああ、おもしろい。

寺尾紗穂さんが熊本で初めてライブをしたのが2011年の秋。で、ライブ後の打ち上げのとき、その会場でDJがダンスチューンの曲をかけたらなんと会場にいた人全員が踊り出したと。これには紗穂さんもびっくり。


私はあっけにとられて、どこを見たらいいかわからなくて、そのうち笑い出してしまった。こんな風景を見たのは初めてで、カルチャーショックを受けた。熊本は日本の中の異国だった。

で、2015年に熊本で行われたのが楕円の夢ツアーの熊本公演。このときに紗穂さんと一緒に全国を回ったのが例のソケリッサ。

ライブの後半、ソケリッサが踊っていると、客の中から踊りに加わる人が次々に出てくたんですね。ソケリッサの人がこれはという人を踊りに呼び込むことはあっても客が自発的に踊りに加わってくるというのは初めてのこと。で、熱気が最高潮の中、アンコールへ。

この日、紗穂さんがアンコール用に用意していたのが僕が紗穂さんの曲の中でとりわけ好きな曲の中の一つである「夕まぐれ」。でも、この曲、すごく静かでしんみりとした曲なんですね。ここからは紗穂さんでなくても笑ってしまう展開。


静かな「夕まぐれ」が始まると、踊りに参加した人たちは、今度は彼らなりのしんみりしたスタイルで踊りに再び加わったのだ。私はアップライトの黒いピアノの体に映る、お客さんの、静かながら表現豊かな踊りをみながら、なんだか面白くなってしまって、笑って音程を外さないように、最後は目をづぶって歌っていた。

想像するだけで面白い。

「やっぱ、熊本は変だわ」。


でも、ライブをした翌年の4月、熊本で地震が起こり、最初に紗穂さんを熊本に読んでくれた人の店も被害を受ける。

エッセイはこんな言葉で結ばれています。


もし次に呼んでもらった時は、光のような歌を歌いたい。闇から明かりさす世界に向かう、光のような歌を。


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by hinaseno | 2018-11-10 12:24 | 音楽 | Comments(0)

まさに楕円の夢の中にいたような3日間が終わり、翌日は放心状態。昨日も放心状態が続く中、ずっと放置していたこと、中断していたことをいくつかやりました。近日中にどうしても仕上げたいことがあるので、このブログもしばらくは中断して、ゆっくりと夢の日々のことを書こうかなと考えています。


…なんて思っていたら、ちょっと書きたいことができたので、やはり中断していた寺尾紗穂さんに関する話を少し。

紗穂さんの『彗星の孤独』は時間がない中でも1日に最低ひとつはエッセイを読んでいました。で、昨夜は3つほど。一気に読むのはもったいないので、2つか3つずつくらい読むのがいちばんいい。


昨夜読んだのが「FMヨコハマに行った日のこと」。このエッセイにおっ思うような話が出てきたので、どうしても書いておきたくなりました。「楕円の夢」のPVで踊っているソケリッサの人が登場するんですね。

ラジオの番組にソケリッサの4人と一緒に出演した後の駅に向かう途中でのこと。ソケリッサのKさんが紗穂さんにこんなことを言うんですね。

「寺尾さんの歌を聴いているとキャロル・キングを思い出すんですよ」


僕は「楕円の夢」に出会って以来、紗穂さんのCDを買い集めていくつも曲を聴いたんですが、キャロル・キングを思い出すことはありませんでした。でも、今回の冬にわかれてというユニットの形、そしてとりわけ「耳をすまして」を聴いてキャロル・キングにつながるものを感じたところだったので、おっとなってしまったんですね。それとともにソケリッサの人がキャロル・キングの名前を口にされたことにも驚きました。

エッセイではそのあとソケリッサのIさんやYさんは登場する話になったので、Kさんのキャロル・キング話はそれで終わるのかと思ったら、再びKさんとの話に戻ったんですね。

帰りに乗る電車が紗穂さんとKさんだけがいっしょということになるんですが、そこからの話がなんとも素敵で。ちょっと引用。


ホームで電車を待っている時、Kさんは『キャロル・キング・ミュージック』というアルバムについて、1曲ずつ解説をしてくれた。そして一番最後に「どうだろうか、私、これを日本語訳してみたのだけど、寺尾さんよかったらどれか歌ってみてくれないだろうか」と控えめに言った。言葉は好きに変えてもらっていいとのことだったのでOKした。

この話、調べたら紗穂さんのブログの2013年10月8日に書かれていました。まだ「楕円の夢」が生まれる前のこと。Kさんというのは、この「楕円の夢」のPVで踊られている小磯松美のようです。ブルーの服を着て踊っている男性ですね。




ところで『キャロル・キング・ミュージック』といえば、僕がキャロル・キングがソロのシンガーソングライターになって出したアルバムの中ではいちばん好きなもの。このアルバムです。ジャケットも最高です。

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好きな曲がいくつもありますが、いちばん好きなのは「It's Going To Take Some Time」、かな。もちろん「Music」も大好き。でも、紗穂さんが歌ってくれることを考えたら1961年にドリフターズに提供した曲の自作カバーである「Some Kind Of Wonderful」がいいかな。


さて、紗穂さんは小磯さんの訳詞したキャロル・キングの曲をライブで実際に歌ったのかなと調べたら見つかりました。2014年3月25日に渋谷のライブハウスクアトロで行われたソロのライブで披露したようです。

歌ったのはこの「Too Much Rain」。




ちょっと意外でしたが、もちろんいい曲。小磯さんはどんな訳詞をして、そして紗穂さんはどんな感じで歌ったんだろう。ああ、聴いてみたい。

それはさておきこのエピソードを知ることができたことで「楕円の夢」の中に大好きなキャロル・キングが入り込んだようで、なんだか嬉しくなりました。

紗穂さんのエッセイはこんな言葉で終わります。いい言葉だ。


公園で手製の家に横たわってキャロル・キングを日本語訳し、日々販売し、ソケリッサの練習をし、人生の終着点を見つめるKさん。オンリーワンの人生の後半生、素敵としか言いようがない。

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by hinaseno | 2018-11-07 14:46 | 音楽 | Comments(0)

平川さんと石川さんが岡山にいらっしゃる日がいよいよ明日になりました。

天気もよさそう。どきどき、わくわく、そわそわ、にこにこ…


ところで加古川でのライブの後、寺尾紗穂さんと話をしたときに、実は紗穂さんに平川さん宛てのメッセージを頂いてたんですね。ちょっと強引ではあったんですが、平川さんの『21世紀の楕円幻想論』に書いてもらいました。明日、そのメッセージを平川さんにようやくお見せできるんですが、僕としてはそのメッセージに書かれていることが実現する日を楽しみにしています。いや、きっと近いうちに実現するはず。


さて、前回、さらっと書いた寺尾紗穂さんの『彗星の孤独』の「楕円の夢」のこと。

心に残った言葉をいくつか紹介できればと思っているんですが、とりあえずその一つを。尾崎翠の「こおろぎ嬢」という作品を紹介した後でこんなことを書かれています。


「社会の役に立たないからなくてもいい」「レベルが低くて中途半端だから価値がない」。こういう硬直した考え方を前に、しなやかに返答し続けるものが、芸術であり文学ではないかとも思う。私はだから、産婆になろうとする女を前に、ためらいがちに逡巡するこおろぎ嬢をいとおしく思うし、確(しか)と出ることのない答えを探してうろうろしている姿にエールを送らざるを得ない。私が尾崎翠を好きなのは、ひとつには食や味覚、嗅覚と感情に訴える表現が多いことがあげられるけれど、ちょっと踏み込んで述べるなら、こういう遠慮がちで鈍くさい人物を描きながらもにじみ出てくる、知性のようなものに共鳴するからだ。

これを読んで思い浮かべたのが平川克美さんの『21世紀の楕円幻想論』に書かれたこの部分でした。


「ためらい」とか「言いよどみ」だとか「恥じらい」だとかそういうことがこの社会の中になければ、社会は実は、平穏な人間の住処ではなくなってしまうということです。確かに、きれいごとの社会は、それが永遠に実現できないかもしれないということで、ごまかしなのかもしれない。
 このごまかしをやっているといううしろめたさは、非常にネガティブな、「自分はひょっとしたら間違ってるんじゃないか」とか「これはつくり事じゃないか」という自覚ですね。でも、この自覚が自らの欲望の歯止めになり、生活に規矩を与える。
 よくよく考えてみると「文化」ってそういうことなんだと思うのです。文化の異名は「ためらい」なんです。「うしろめたさ」ということです。

平川さんと紗穂さんが花田清輝の「楕円幻想」に、恐らくは運命的に出会ったのは、それぞれがそれまでに体験したことと、こうあってほしいという理想の社会の姿があってのことだろうと思いますが、僕はそれぞれが書かれていることに深く共感を覚ると同時に、それぞれのどちらがどちらの文章を参照にしたわけでもないのに、言葉と言葉が重なり、響き合っているのを面白く感じています。


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by hinaseno | 2018-11-01 15:26 | 音楽 | Comments(0)

もう半月くらい前になるんですが、ある店から1冊の本と1枚のCDが同時に届きました。

本のタイトルは『彗星の孤独』。著者は寺尾紗穂さん。

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CDのタイトルは『なんいもいらない』。アーティスト名は〈冬にわかれて〉。冬にわかれてのメンバーは寺尾紗穂さん、伊賀航さん、あだち麗三郎さん。

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本とCDが同時に届いたのは同じ店に予約注文していたから。注文したのはもちろん武蔵小山のペットサウンズ。いつものようにおまけもどっさりと入っていました。


いずれも待ちわびたもので、本とCDの両方のことを書くにはたぶんかなりの時間がかかりそうだったので、書くのを後回しにしていました。そして今週金曜日からのイベントのことを考えると、またしばらくブログを中断することになりそうなので、今日書くのはさわりだけ。

でも、先に言っちゃうと、本のほうは今年の読んだ本のベスト3に、そしてCDのほうも今年出たアルバムのベスト3に入ることは間違いありません。とにかくどちらも素晴らしいの一語。

といってもCDはすでに100回くらいは聴いたけど、本はまだ3分の1ほどしか読んでいないのですが。


とりあえずまずはCDのことを。

バンド名の冬にわかれてについてですが、「冬にわかれて」という言葉は紗穂さんが好きな作家尾崎翠の詩から取っているんですね。そして尾崎翠は、紗穂さんが花田清輝の楕円幻想に出会うきっかけにもなっています。

実は花田清輝の楕円幻想との出会いについては、8月の加古川でのライブの後、紗穂さんと話ができたのでそこで少し聞いていましたが、今回『彗星の孤独』の「楕円の夢」というエッセイでより詳しく知ることができました。

紗穂さんが何かと出会うのも偶然、たまたまが多いようですが、鳥取というのがポイントかなと。鳥取というのはこれから強く意識する県になりそうです。


表題作の「なんにもいらない」は加古川でのライブで披露された曲。このアルバムの代表曲といってもいいですね。

これがそのPV。日常の、少しだけ喪失感の感じられる風景がたまらないです。




紗穂さんの曲というのは第一印象はそれほどでなくても何度も繰り返して聴くうちに好きになる曲が多いんですね。5回くらい聴くうちに好きになる曲、それから10回も20回も繰り返して聴いているうちにある日突然その素晴らしさに気づく曲…。


今の段階で一番好きなのは2曲目の「耳をすまして」。

そういえば女性1人、男性2人というユニットを紗穂さんが作ったと知ったときに最初に思い浮かべたのがキャロル・キングがダニー・コーチマーとチャールズ・ラーキーとつくったThe Cityというバンドでした。そのバンドの唯一のアルバム『Now That Everything's Been Said』(邦題は『夢語り』)の1曲目に収められた名曲「Snow Queen」にどこか雰囲気が似ています。




ちなみに第一印象で一番良かったのはポップな「月夜の晩に」。これも最高です。

考えたら昨日紹介した青葉市子さんの新しいアルバム『qp』で最初に気に入ったのも月がタイトルについた「月の丘」。昨日紹介しそびれたので貼っておきます。




月の曲っていい曲が本当に多い。


さて、紗穂さんのエッセイ集『彗星の孤独』について。僕はミュージシャンとしての寺尾紗穂という人と文章家としての寺尾紗穂という人を同時に惹かれて好きになったんですが、今回『彗星の孤独』を読んで、エッセイスト、文章家としての紗穂さんの力量に感服しました。

とりわけ最初に読んだ「楕円の夢」は言葉を失うほど素晴らしい。平川克美さんの『21世紀の楕円幻想論』と重なる部分もいっぱい。生きて助かって戻ってきたジャーナリストに対して「自己責任」という言葉で批判している人たちの何人かに届いてほしい言葉がちりばめられています。


そして、その次に読んだ最後の「長いあとがき」も心打たれるエッセイ。そのエッセイは今年の8月16日の出来事から始まります。その日亡くなったのが以前紹介した吉原聖洋さん。で、このエッセイが書かれたのがその5日後の8月21日。僕が行った加古川のライブはその4日後のことでした。


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by hinaseno | 2018-10-31 15:17 | 音楽 | Comments(0)

The Beatle Classics


なかなかゆっくりブログを書けない状態が続いています。この状態、たぶん11月上旬までは続きそう。書きたいことはいっぱい溜まっているけど、ネタがどれもタイムリーじゃなくなりますね。まあ、そこはお許しを。


そう、タイムリーといえば、タイムフリー。

最近はすっかりこれのお世話になっています。

先日の「村上RADIO」、19:00からの放送だったのに、気がついたら30分ほど時間が過ぎていて、やばいって一瞬思ったんですが、でも、大丈夫。タイムフリーで最初から聴けました。前回はメールを出していたので読まれるか読まれないかでどきどきしながら訊いていたけど、今回はゆっくりと。

ところが、タイムフリーって番組によっては聴取可能期限が違っているのがわかりました。3日後くらいに録音しようと思ったら、なんと期限切れ。唖然呆然。やっぱりタイムフリーなんてものに頼ってあぐらをかいていたらダメですね。


それはさておき初回もそうでしたが、番組でかかった曲の多くはカバーでした。先日の放送でも「僕はオリジナルよりもカバーが好きなんですね」って語っていました。カバー好きというのは大瀧さんと同じですね。僕もいつも間にかカバー好きになりました。今回かかった曲の中でとりわけ気に入ったのはビートルズの「ゲット・バック」のカバー。演奏していたのは大西順子さん。

で、ビートルズのカバーといえば、先日、こういうのを作りました。

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『The Beatle Classics』。2枚組、全58曲。

簡単にいえばビートルズのカバー集。といってもビートルズのメンバーが作った曲をカバーした曲を集めたものではなく、ビートルズがカバーした曲を集めたもの。

って、実は少し前に紹介した、昔、P-VINEから出た『The Beatle Classics』というCDに収録された曲に、ビートルズが歌ったものを交互に並べただけのもの。敬意を込めてタイトルはそのままいただきました。曲順は結構変えているけど。

ビートルズというと、彼らの歌った全ての曲がオリジナルだと思っている人が結構多いようなんですが、とりわけ初期はアメリカン・ポップスやR&Bのカバーをいっぱいやってるんですね。そのオリジナルなんかを集めたP-VINEのアルバムは1988年当時としては素晴らしい企画。

でも、その企画を大瀧さんがすでに「ゴー!ゴー!ナイアガラ」で1975年にやってたんですね。何曲かはビートルズの曲を他のアーティストが歌ったものですが、あとはビートルズがカバーした曲のオリジナルをずらりと。


僕が作った1枚組CDの1枚目の1曲目に収録したのは「Anna (Go To Him)」。ビートルズがカバーした曲で一番好きな曲です。




歌っているのはアーサー・アレキサンダー。

アーサー・アレキサンダーなんて知ってる人、いないですね。でも、先日、まだ若い余白珈琲の大石くんがInstagramで、アーサー・アレキサンダーを聴いている、なんて書いているのを見て腰が抜けそうになりました。まあ、ナイアガラ的には「恋するカレン」の下敷きになった「Where Have You Been (All My Life)」を歌っているアーティストとして何人かの人は心に留めているはずだけど。これですね。




ちなみに2曲目に入れたのはドクター・フィールグッド&インターンズの「Mister Moonlight」。




この2曲を初めて聴いたのは記念すべき第1回目の新春放談の2日目の放送。大瀧さんが喜ぶだろうと思って達郎さんがかけたんですね。曲がかかったときの大瀧さんのちょっとしたコメントがよかったな。


さて、僕が作ったアルバム、曲順も含めて全曲紹介したいんですが、そういうわけにもいかないので最後、つまり2枚目のラストに収録した曲の話を少し。

それはこの「Act Naturally」。歌っているのはバック・オーウェンズ・アンド・バッカルー。




で、ビートルズがカバーしたバージョンがこれ。

リード・ボーカルはリンゴ・スター。




並べて聴いてわかったんですが、リンゴの声も歌い方もバック・オーウェンズそっくり。区別つかない。

ところでビートルズの「Act Naturally」といえば、大瀧さんを交えた面白い論争があったんですね。

「Act Naturally」は「イエスタデイ」のA面かB面か論争。

論争の火種を作ったのはアゲインの石川さん。そこに参加していたのは大瀧さんと内田樹先生、そして平川克美さん。最高だったのは最後に放った平川さんの「それ、パチモンじゃねえのか」って言葉。


実はこの話にはとびっきり素敵な後日談があるんですが、それはアゲインの石川さんに訊いてください。


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by hinaseno | 2018-10-26 14:31 | 音楽 | Comments(0)

この前の日曜日のこと。ブログのアクセス数がいつもよりもかなり多くなったので、ちょっと気になって翌日、記事別アクセスをチェック。すると昨年の初め頃に書いた「Beats There A Heart So True」に関する話と、今年の夏のはじめに書いた『ジャック・ケラー・ソングブック』というCDの話へのアクセスが多くなっていることがわかりました。ジャック・ケラー周辺に何か動きがあったのかなと思いつつ、理由はわかりませんでした。

でも、2日後くらいにその理由がわかりました。これでした。



9月30日(日)に放送された「サンデーソングブック」で、達郎さんが最近買ったCDの一つとして『ジャック・ケラー・ソングブック』を紹介したんですね。で、そこでかけたのがそのCDに収録されたペリー・コモの「Beats There A Heart So True」。

(上に貼った音源、実際には「サンソン」を聴いていなかったので、radikoのタイムフリーで聴いて録音しました。ラジオからは音は出てません。あしからず)


「Beats There A Heart So True」をかける前に達郎さんがジャック・ケラーで一番好きな作品と言ったのが大きかったんでしょうね(ただし、初CD化ではありません)。

さすがサンソン、さすが達郎さん、やっぱり影響力あります。この余勢を駆って日本独自に編集した『ジャック・ケラー作品集』を出してほしいと思います。


ただ、はっきり言っておくけどNot Now Musicから出た『ジャック・ケラー・ソングブック』に適当な日本語解説をつけて出すのはだめです。達郎さんも「私の特集の方が勝っている感じがしますが」と言った通り、Not Now Musicから出た『ジャック・ケラー・ソングブック』は3枚組のわりにはいい曲がいくつも抜け落ちているんです。ジュリー・ロンドンの「We Proved Them Wrong」、ルイ・アームストロングの「I Like This Kind of Party」、ナット・キング・コールの「My First and Only Lover」、アネットの「Crystal Ball」、サファイアーズの「Gotta Have Your Love」…、あの達郎さんの特集で初めて聴いて感動したこれらの曲が収録されていないんですね。リトル・エヴァの「The Trouble With Boys」やジーン・マクダニエルズ(あるいはボビー・ヴィー)の「Anyone Else」、ボビー・シャーマン(あるいはキャス・エリオット)の「Easy Come, Easy Go」が入っていないのも信じられない。


そして、日本独自に編集した『ジャック・ケラー作品集』を出すならばなんといってもこの2曲を入れなければいけません。

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ケニー・カレンの「Sixteen Years Ago Tonight」とリトル・エヴァの「Let's Turkey Trot」。

いずれも大瀧さんの「ゴー!ゴー!ナイアガラ」でかかった曲。どちらも日本盤のシングルが出ていて結構ヒットしたようです。ケニー・カレンの「Sixteen Years Ago Tonight」がかかったあとには大瀧さん「ヤッホー! 実に良かったですね~。この曲は大好きでね」と。「Venus In Blue Jeans」と同じくらいに好きなんですね。

でも、この曲、アメリカでは全くヒットしていない。だから「Sixteen Years Ago Tonight」はいまだに正式な形でCD化されていません。


それから、ちょっとコミカルな「Let's Turkey Trot」もいかにも大瀧さん好みの曲。でまた、その邦題が最高。「ガヤガヤ・ノロノロ・ヨチヨチ・ウーウー ターキー・ダンス」。邦題を紹介するときに大瀧さんも笑ってました。


さて、ジャック・ケラーといえばやっぱり僕は大瀧さんと同じで「Venus In Blue Jeans」。それを知るきっかけとなった松田聖子の「風立ちぬ」のシングル盤をようやく手に入れることができました。

もし僕が『ジャック・ケラー作品集』を編集するならば、最後にボーナス・トラックとして「風立ちぬ」を収録するんだけどな。

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by hinaseno | 2018-10-06 14:05 | 音楽 | Comments(0)

Country Shade and Lemonade


ときどき無性にパティ・ペイジを聴きたくなる。

パティ・ペイジといえばなんといっても「テネシー・ワルツ」。でも、僕が一番好きなのはこの「オールド・ケイプ・コッド(Old Cape Cod)」という曲。1957年に発表され、この年に大ヒット。




話はちょっと逸れるけど、大瀧さんの『ゴー!ゴー!ナイアガラ』でパティ・ペイジの曲が1曲だけかかっています。それは「Don't Read the Letter」という曲。




なかなかいい曲ですね。曲がかかったのはあのジャック・ケラー特集。作曲者がジャック・ケラーなんですね。ジャック・ケラーは「Don't Read the Letter」のほかにパティ・ペイジのために2曲、「I Wish I'd Never Been Born」と「Maybe He'll Come Back to Me」という曲を書いています。いずれも1960年代初頭のアメリカン・ポップスの全盛期。どれもあまりヒットしなかったけど。


この「Old Cape Cod」を耳にするたびに、この曲に強く惹かれたきっかけがなんだったんだろうといつも考え、でも、理由がわからないまま「Old Cape Cod」は再び僕の中で忘れられるということを繰り返していました。

「Old Cape Cod」は1993年にライノから出た『Sentimental Journey: Pop Vocal Classics』という4枚シリーズのCDのDisc 4に収録されていて、そのCDを手に入れたときに初めて聴いたと思いますが、そのときは他の似たような雰囲気の曲の1曲としてただ聴き流していただけでした。


でも、それから何年か後に、あることがきっかけでその曲を強く意識して、『Sentimental Journey: Pop Vocal Classics』に収録されていることがわかって何度も繰り返して聴いているうちに、この曲にすっかりはまってしまってしまいました。で、タイトルのケープ・コッドという場所のこともいろいろと調べました。

ところがそこまでやったのに、その小さくはないきっかけをすっかり忘れてしまったんですね。


でも、思わぬことがきっかけでそれを思い出させてもらいました。そのきっかけを与えてくれたのは、またまたアゲインの店主。ほんとに不思議な方です。

まず、最初のきっかけは今週の月曜日、24日の夜のこと。

寝ようとした時に、ふとキャス・エリオットのこの2005年に出たこのCDのことを思い出して、無性に聴きたくなってしまったんですね。

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明日になったら聴こうと思って眠りにつきました。ちなみにこの2枚組CDのDisc 1の1曲目に収録されているのはこの「Dream a Little Dream of Me」。




翌朝、目覚めて、例によって枕元の携帯でいつも朝起きて最初にチェックするアゲインの石川さんのブログを見たら、石川さんが【今日はこの曲】で紹介していたのがまさにこのキャス・エリオットの「Dream a Little Dream of Me」。これにはびっくり。どうやら前日にアゲインで行われたイベントに登場した人がそれをカヴァーしたのがきっかけだったようです。たまたまですね。

で、夜、いろんな作業が終わった頃を見計らって石川さんに電話。確認事項がいくつかあってその話をして、まあ、キャス・エリオットの「Dream a Little Dream of Me」のことは石川さんには伝えないでブログにでも書けばいいかと思って電話を切りかけたんですが、ちょっとした話のきっかけで結局そのキャス・エリオットのことを話したんですね。すると今度は石川さんがなぜか激しく動揺。


どういうことだろうと思って翌日のブログを見たら、なんとキャス・エリオットのことをいろいろと書かれていたんですね。僕が電話したのはそれを書き終えた直後のことだったようです。まあ、石川さんにしてみれば先日、たまたま紹介する形になったキャス・エリオットの「Dream a Little Dream of Me」の流れでキャス・エリオットのアルバムを翌日に聴いてそれについて書こうとされただけなんですが、でも、僕が驚いた話が結果的に石川さんを驚かせることになったようです。それにしても、いつもながら本当に不思議なことがよく起こります(石川さんには逆に「君は不思議だ」と言われたけど)。


ところでこの話はこれで終わりませんでした。

石川さんが翌日、つまり昨日のブログで紹介されていたのはキャス・エリオットの『Cass Elliot』というアルバムでした。このアルバム、ランディ・ニューマンやジュディ・シルなどいい曲をカバーしていて僕も愛聴盤なんですが、石川さんはブログで1曲1曲紹介されていたんですね。その中で僕がぴくっと反応したのはこの曲のコメントでした。




曲のタイトルは「ディズニー・ガールズ(Disney Girls)」。

ビーチ・ボーイズに途中から加入したブルース・ジョンストンが書いた名曲のカバー。キャス・エリオットの歌ったものでブルースはバックコーラスをしています。ちなみにこの曲、ビーチ・ボーイズの『Surf’s Up』に収録された曲では「Disney Girls (1957)」と、タイトルに括弧付きで1957とつけられているんですね。


さて、僕が反応したのは石川さんのこの言葉でした。


「Country Shade and lemonadeという歌詞が出てくるところが好きです」


そうそう、僕も韻を踏んだあのフレーズ大好き。

で、久しぶりにこの「ディズニー・ガールズ」の歌詞を見ました。

すると。

なんと、その「Country Shade and lemonade」のちょっと上にパティ・ペイジの「オールド・ケイプ・コッド」が出てきてたんですね。


Patti Page and summer days
On old Cape Cod
Happy times, making wine
In my garage
Country shade and lemonade
Guess I'm slowing down
It's a turned back world
With a local boy in a smaller town

これだったんだ!

で、僕がこの「ディズニー・ガールズ」の歌詞を詳しく読んだきっかけもわかりました。

村上春樹の『村上ソングズ』。

この中で「ディズニー・ガールズ」を取り上げていたんですね。タイトルは「1957年のディズニー・ガールズ」。パティ・ペイジが「オールド・ケイプ・コッド」をヒットさせたのがまさに1957年でした。


上の歌詞の村上訳を。ちなみにオリジナルは「local boy」ではなく「local girl」。


パティー・ペイジと夏の日々、
懐かしのケープ・コッド。
うちのガレージでワインを作った
幸福な思い出。
静かな木陰で飲んだレモネード。
なんだか心のねじが緩んでいくようだ。
小さな町と、近所の女の子たち。
そんな世界に僕は連れ戻される。

村上さんは曲の解説でこんなことを書いています。


 この時期(この曲が作られた時)にはブライアンの創作力は極端に落ちていたので、アルバムを作るにはバンドのほかのメンバーがそれぞれに曲を持ちよらなくてはならず、そういう事情もあって、ブルースのこの「1957年のディズニー・ガールズ」も日の目を見ることができた。もしブライアンが意気軒昂であったなら、この曲はたぶん「ちょっと雰囲気が違うんだよなあ」ということで、ラインアップからはじき出されていたのではなかろうか。(中略)こう言ってはなんだが、よくもまあこんな真っ正面な曲をビーチ・ボーイズがLPに入れたよなと思って、かすかに冷や汗が出てくる。
 というわけで、実に真っ正面に懐古的で感傷的な曲である。でも、いいんだよね。50年代のアメリカの小さな町の風景。人々は教会に通い、子供たちはディズニー映画に夢中で、自動車はあくまでも大きく、コンバーチブルの屋根をあけるとそこには満天の星があった。ラジオからはパティー・ペイジの「オールド・ケープ・コッド」が流れている。それはもう幻想の世界だ。そんなものはもうどこにも存在しない。しかし彼が見つけた恋人は、彼をもう一度そんな世界に連れ戻してくれる。

そうそう、って感じですね。

ということで、長年、喉に小骨が刺さったような状態が続いていたパティー・ペイジの「オールド・ケープ・コッド」問題もようやく氷解。またまたですが、石川さんに感謝です。


では最後にビーチ・ボーイズの、というかブルース・ジョンストンの「Disney Girls (1957)」を。




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by hinaseno | 2018-09-27 16:34 | 音楽 | Comments(0)

世田谷ピンポンズさんは歌っている途中でときどきこんなふうに外を見やることがあります。

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そこから見えていていたのはこんな風景(写真は別の日に撮ったもの)。

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松本穂香さんがどこかに見えていたかどうかはわかりませんが、ピンポンズさんが歌の途中で窓から外を見やるというのは姫路のおひさまゆうびん舎でもよく見られたこと。おひさまゆうびん舎から見えているのは大手前通りを行き交う車や人。そうやってその土地の風景を取り込むことで、同じ曲でも違って聴こえる。それがピンポンズさんのライブのいいところなんでしょうね。


さてジャンクションカフェでのライブで最高だったのはなんといっても「カーニヴァルの晩」でした。この曲は今回のアルバムにも収録されていて、こんなミュージックビデオも作られています。




このビデオでピンポンズさんと一緒に歌っているのがあゔぇまりなさん。二人ともお盆を持って歩いているかと思ったら、いきなり商店街で踊り出すんですね。この踊り、何度見ても笑ってしまう。

で、これをジャンクションカフェでのライブでやったわけです。これはもう腹を抱えて笑いました。

まずは店のお盆を借りて(そうくるだろうと店の方できちんと用意していました)、演技指導? が始まりました。

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でも、歌が始まると、お盆を持つわけにはいかないのでギターを弾きながらこんな踊り。

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飛び跳ねています。笑ったな〜。でも、さすがに歌い終えた後はがっくりきていました(笑)。

ピンポンズさん、これからあちこちでライブがあるはずなので、ぜひどこかで見てください。これホントに最高です。


そういえばミュージック・ビデオでピンポンズさんとデュエットしているあゔぇまりなさんって独特の声をしてますね。で、ピンポンズさん、それを何度も聴いていたせいか、あゔぇまりなさんのパートではなんとなくあゔぇまりなさんの声を真似た歌い方になっていました。


ところでCDではこの「カーニヴァルの晩」で見事なエレキギターを弾いているのがひらまつりょうたさん。たけとんぼというグループのメンバーとのこと。いつもはフォークギター1本で歌っているピンポンズさんが今回のアルバムではバンドで演奏ってことになったわけですが、特にこのひらまつりょうたさんのエレキギターの存在は大きいと思いました。

ひらまつさんがエレキギターを弾いているのはこの「カーニヴァルの晩」の他には「大陸」と「回転展望台」の2曲。いずれも姫路の曲ですね。とりわけ驚いたのは「回転展望台」のエレキ。サーフィンっぽいっというかヴェンチャーズっぽいというか、これまたご機嫌なサウンドに仕上がっていました。ひらまつさん、あのあたりの音楽、よくご存知のようです。


ってことで、まだまだ書きたいことはいっぱいありますが、とりあえずはこれくらいにしておきます。こんな素敵な1日を作ってくれた世田谷ピンポンズさんと余白珈琲さんに心から感謝します。

再見!再見!さらバイバイ。


ところで「カーニヴァルの晩」の「再見!再見!さらバイバイ」の「再見」ってピンポンズさん、どう発音しているんだろう。「サイチェン」とわりと言われているようですが、正しくは「ザイ・ジエン」になるとか。

僕はライブの後、ずっと「サイチェン、サイチェン」って言ってました。


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by hinaseno | 2018-09-26 14:50 | 音楽 | Comments(0)

松本穂香さんが主演したテレビドラマ『この世界の片隅に』も先週の日曜日で終了。テレビドラマをリアルタイムで見たのは久しぶりのことでした。このテレビドラマ編、何度もうれしい驚きを用意してくれていたのですが、最後の最後にもありました。

『この世界の片隅に』の原作はどうなっているのか知らないけど、アニメでは最後にすずが母を失った幼い少女を連れて帰る場面でいつも泣けてしまっていたんですが、ドラマではその少女が年老いた女性になっている現在の場面が挿入されているんですね。

その女性を演じていたのがなんと香川京子さん。香川京子さんが登場した時から、うすうすとはそうじゃないかと思っていましたが。なんだか小津の『東京物語』とつなげてくれた感じがして、しかも香川京子さんが『東京物語』の東山千栄子さんと同じようなアクセントで「ありがとう」と言った瞬間は泣けそうになりました。

その香川京子さんが先日紹介した『岡田恵和 今宵、ロックバーで』の、次回9月30日の放送にゲストで出演されるとのこと。世田谷ピンポンズさんの「すみちゃん」なんかがかかったら最高ですね。


さて、ずいぶん日が経ってしまいましたが塩屋のジャンクションカフェで行われた世田谷ピンポンズさんのライブの話を。ライブが行われたのは余白珈琲さんがジャンクションカフェを夏の終わりの3週間を借りて開いていた喫茶余白の最終日前日。

入り口には余白珈琲さんのロゴの潜水艦がさりげなく飾られていました。

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さりげなくといえば玄関を入ってすぐ右手にある本棚に置かれていたこの本。


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池澤夏樹の『スティル・ライフ』。

おっ! でした。


店内にはよく知ったあの人この人。

さて、記念すべきライブの1曲目は…。こんな歌い出しでした。


「夜になったカラス 空になれぬウサギ…」

一瞬「???」。きっと来ていた人の多くも同じだったはず。

でも、すぐに気づきました。松本穂香さんが歌った『この世界の片隅に』の挿入歌「山の向こうへ」のカバーだったんですね。ピンポンズさん、ライブが始まるまで店内に流していた僕の作ったCDを控えの部屋で聴いていたようで、急遽、カバーしたみたいです。


この日のライブではこの曲を含めて松本穂香さんの話は何度も出て来ました。やはり松本さんに新作のコメントをもらったのはものすごくうれしかったようです。

笑ったのは、ちょうどライブの直前くらいにアップされた例の松本穂香さんのInstagram、Weekly Matsumotoのこの写真の話。

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坂を転がってくるキャリーケースを松本さんが受け止めているものなんですが、ピンポンズさん、生まれて初めてキャリーケースになりたいと思ったと言ってました。


さて、松本穂香さんといえば「すみちゃん」。今回のライブでももちろん歌われました。「すみちゃん」は『喫茶品品』の1曲目に収録されていて、予想通りバンドサウンドでご機嫌な曲に仕上がっているのですが、ライブの段階では僕はまだ聴いていません。

でも、前回、おひさまゆうびん舎でのライブで聴いた時よりも全然違った感じの曲になっていて、一言で言えばかっこいい曲だなあと。アルバムに収録した曲をピンポンズさん自身が何度も聴いた影響が出ているんでしょうね。

ってことで、「すみちゃん」を歌う前のMCと曲の最初の方だけ。


ところでライブ終了後、CDを買ったりサインをしてもらっているときにも松本穂香さんの話になりました。

ちょうど『この世界の片隅に』の最終回が放送された9月16日に松本穂香さんの1stフォトブック「negative pop」発売記念のお渡し会が開かれて、ピンポンズさんはそれに行くと言ってたんですね。ピンポンズさん、ただサインをもらって握手するだけでは満足しない。その先の段階のことも目指していると言ってました。果たしてどうなったんでしょうか。話、聞いてみたいですね~。


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by hinaseno | 2018-09-25 15:04 | 音楽 | Comments(1)