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by hinaseno
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カテゴリ:音楽と文学( 22 )



そもそも今回の話を、こんなタイトルで書こうと思ったのは、毎週日曜日の朝に放送されているパナソニック・メロディアス・ライブラリーの7月7日の放送を聴いたからでした。

番組のパーソナリティは作家の小川洋子さん。毎回小川さんが一冊の本を紹介するんですが、この日小川さんが取り上げたのが永井荷風の『断腸亭日乗』でした。で、ゲストは、なんとなんと川本三郎さん。最高でした。

川本さんもすごくうれしそうで、途中でこんな言葉も。


今回小川さんにお会いできるのは本当にうれしくて。というのは、どうしても荷風の読者っていうのは中高年男性に限られるんですね。女性っていうのは少なくて。近年ようやく女性の読者も増えてきて、論ずる人も増えてきて。だから、ほんとにね、小川さんのように素敵な作家がね、荷風を読んでくださるっていうのはうれしいことなんですよ。


で、川本さんのこの言葉の後にかかったのがジャック・ルヴィエの弾くドビュッシーの「Jardins sous la pluie」だったんですね。

番組のホームページにはこの曲についてこう紹介されていました。


雨の中の庭/ドビュッシー作曲、ジャック・ルビエ(ピアノ)
永井荷風は、日本にドビュッシーを紹介した人でもあります。「ふらんす物語」の付録として書いた「西洋音楽最近の傾向」で、たっぷりドビュッシーを論じています。ピアノ曲『版画』の3曲目「雨の中の庭」は、荷風がその中で訳したタイトルです。


番組のホームページに貼られていた写真は1999年に『ドビュッシー : ピアノ作品全集 4』という邦題で出た作品集。このときのアーティスト表記はルヴィエではなくルビエ。でも、このアルバムに収録された曲目の邦題を調べたら「雨の庭」。「雨の中の庭」ではないんですね。


ところで荷風の『ふらんす物語』に付録として収録された「西洋音楽最近の傾向」にはこう記されています。


 ドビュッシーは前述したオペラ及サンフォニー等、形式の大なるものゝ外に、無数のピアノ独奏曲と声楽を作っているが、何れも印象派の画に見るべき情景、表象派の詩篇にのみ味はれべき情緒の発現である事は例えば「歓楽の島」L'Isle Joyeuseとか「雨中の庭」Jardins sous la pluieとか、「水鏡」Reflets dans l’eauなどと云ふ巧な名題の文字を見ても想像せられるであろう。


ということで正確に言えば荷風の訳した題は「雨の中の庭」ではなく「雨中の庭」。

メロディアス・ライブラリーの曲は小川洋子さんが選曲しているので、ここであえて「雨の中の庭」としたのは小川さんの意向がはたらいているのかなと。小川さんは学生時代からの村上春樹の大ファンで、『ノルウェイの森』が当初「雨の中の庭」という題で書かれていたことは当然知っていたはずなので。


まあ、そんな小さなことどうでもいいじゃん、って言われそうな話かもしれませんが、個人的にはこの番組のホームページに「雨の中の庭」と書かれていたことから、いろいろと思いを巡らせることができました。今後は「雨の中の庭」という邦題になればいいなと。


ところで「雨の中の庭」とともに邦題が気になっていたニール・セダカの「Laughter in The Rain」。今朝、ふと「Laughter in The Rain」のカバーを調べてみたんですが、驚くほどいっぱいあるんですね。いくつか紹介しておきます。

まずは大好きなギタリストの村治佳織さんが演奏したもの。途中で「Over The Rainbow」が入ります。




次はDavid Osborneというピアニストが演奏したもの。曲の収録されたアルバムのジャケットも素敵です。




それからAiza Seguerraというたぶんフィリピンの女の子が歌ったこのカバーもゆるくていいです。




で、個人的にはブライアン・ウィルソン・バンドで活躍していたジェフリー・フォスケットの、この思いっきりビーチ・ボーイズ風のコーラスを入れたカバーが一番かなと。




南佳孝さんの素晴らしいカバーもありますが、残念ながらYouTubeにはありませんでした。

でも、「Laughter in The Rain」で一番いいのはやはり小西さんの「これからの人生。」でかかった曲作りのコメント入りバージョンですね。


小川洋子さんのメロディアス・ライブラリーは翌週の7月14日も川本三郎さんがゲストでした。小川さんが岡山出身で、荷風は岡山空襲の日に小川さんの実家のあるあたりまで逃げていたので、川本さんと小川さんで荷風の岡山の日々を語ってくれることを期待していたんですが、残念ながらその話は出ませんでした。

改めてお二人で荷風について対談してもらってそれを本に出してくれたら最高ですね。

この日の放送が収録された千葉県の市川市文学ミュージアムさんが川本さんと小川さんの一緒に写った写真を公開していたのでお借りしました。ああうれしい。

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by hinaseno | 2019-08-08 14:16 | 音楽と文学 | Comments(0)

今朝からずっと聴いているのはClairoという女性シンガーの「Bubble Gum」という曲。たまたま目に止まって聴いたらいい曲だったんですね。ウクレレだけというのもいいです。ペット・サウンズ・レコードの東尾さんが好きそうな感じ。




さて、「雨の中の庭、雨の中の笑い声」というタイトルでいろいろと書き始めた時に、武蔵小山のペット・サウンズ・レコードから杉真理さんの『MUSIC LIFE』といっしょに届いたいっぱいのおまけにあったのが、今年の5月に6回に分けて東京新聞に掲載された村上春樹のインタビュー記事の切り抜きのコピーでした。僕が村上春樹ファンであることはご存知、なのかな。

その記事の中に村上さんの小説の題名をめぐるやりとりがあったんですね。村上さんが小説を書く場合、たいていは題名が先にあるけれど、という話。聞き手は湯川豊さん。


村上:先に題名が決まらなかったのは『ノルウェイの森』ぐらいかな。あれは最後まで、題名が決まらなかった。
湯川:確か「雨の中の庭」も題の候補だった…。


『ノルウェイの森』が最初「雨の中の庭」というタイトルで書かれていたことは、村上春樹ファンであればよく知っているはず。この日のブログでもそれについて書いていますが、改めて村上さんの言葉を引用しておきます。『ひとつ。村上さんでやってみるか』に収録されています。


 僕はドビュッシーの「雨の中の庭」というピアノ曲が昔から好きで、そういう雰囲気を持った、こぢんまりして綺麗でメランコリックな小説を書きたいと思っていました。この小説を書きはじめたとき、そういう題が内容的にぴったりしているかなと思っていたのですが、最初に予定していたよりどんどん長い話になってきて、とても「こぢんまりした」とは言えなくなってきました。だから別の題にしたわけです。そのうちにまた『雨の中の庭』という短い小説を書くかもしれません。
 『ノルウェイの森』という題をつけるのは、僕は正直なところあまり気が進まなかったんです。ビートルズの曲の題をそのまま本の題にしちゃうのはどんなものかと。でも読んだ人がみんな「この題はもう『ノルウェイの森』しかないじゃん」と言うので、結局自然にそうなりました。僕の大好きな曲ではあるんですが。


『ノルウェイの森』のもとの題が「雨の中の庭」で、それがドビュッシーのピアノ曲であることを知ったときに、あることに気がついたんですね。あの曲の邦題に「雨の中の庭」となっているのはひとつもないことを。先日紹介したジャック・ルヴィエもギーゼキングもベロフも、日本盤に収録された邦題はすべて「雨の庭」。村上さんは外盤を買うことが多いので、ドビュシーの『版画』ももしかしたら外盤で持っていて、で、邦題が「雨の庭」になっているのを知らないで英題の「Gardens in the rain」を日本語に訳したのかもしれません。まあ、『ノルウェイの森』という作品の雰囲気のことを考えると「雨の庭」よりも「雨の中の庭」のほうがずっと似つかわしい気がします。


ところが7月初旬のある日に聴いたラジオ番組からジャック・ルヴィエの弾くドビュッシーの「Jardins sous la pluie」が流れてきたんですが、翌日、その番組のホームページを見たら、なんと曲の邦題が「雨の中の庭」。演奏はジャック・ルヴィエなのに。どういうことだろうと曲のコメントを読んだら、へえ〜っと。




by hinaseno | 2019-08-06 15:34 | 音楽と文学 | Comments(0)

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 今朝のマグノリア
 夏の葉のまぶしさ


林哲夫さんから贈っていただいた(たまたま本に書かれていただけですが、でもこの上ない贈り物でした)「一昨日のマグノリア ページのまぶしさ」という俳句をちょっといじってみました。


一気に酷暑の夏がやってきて雨など降る気配もない今朝の木蓮。光をいっぱいに浴びて、たくさんの養分を作っているはず。来年の春、一つでもいいから花が咲いてくれないかなと。


ところで、林さんの『ふるほんのほこり』を読んだ影響はいくつもあったんですが、その一つがこれ。

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持っていた古本にはじめてグラシン紙をかけたんですね。かけたのは荷風の『ふらんす物語』の復刻本。復刻本ですが、かなりの希少本です。この本にははじめパラフィン紙がかけられていました。

古本屋通いをするようになっての一番の難敵はパラフィン紙でした。特に函入りの古い本はハードルがかなり高い。パラフィン紙が劣化していて既に破れている場合が多いので取り出すのも大変。そして、しまうのはさらに大変。店主の刺すような視線(実際には別のところを見ているかもしれないけど)を感じながら、破れが一層ひどくなって函に入れるのにあたふたしているときの居心地の悪さといったらないですよね。


ということで劣化したパラフィン紙をかけた本は買ったらたいていすぐに外します。でも、荷風の『ふらんす物語』の復刻本のパラフィン紙はあちこち破れていたけどそのままにしていました。

理由はアンカット本だったこと。

最初はカッターナイフで切っていました。カッターだと裁断面はきれいですが、注意しないとカッターの刃が折り目じゃないところに入ることもしばしば。ってことで20ページほどで中断。

その後、切れ味がいいというペーパーナイフを買ってみたものの、切り口が思ったほどきれいじゃないこともあってこれまた中断。

で、そのままにしてたんですが、先日、ちょっと読みたいところがあって、せっかくだから一大決心をしてペーパーナイフで全部カットしました。切り口はかなり毛羽立っていますが、まあそれもまたよし、です。

かなり劣化して一部破れていたパラフィン紙は外していました。そんなときに林さんの本を読んでパラフィン紙よりもグラシン紙のほうがいいことがわかって、試しに買ってみようと。いろいろとかけ方について書かれていたけどが結局は適当にかけました。


ところで僕の手に入れた『ふらんす物語』の復刻版ですが、正確には発売禁止版を復刻したもの。林さんのこの日のブログに『ふらんす物語』の発禁本の話が書かれています。

僕が買った復刻本(博文館版)に挟んであった紙には復刻した出版社の編集部のこんな言葉が書かれていました。


『ふらんす物語』は、製本に入る刷本の段階で押収されましたことは、解説にあるとおりですが、ひそかに、ほんの少部数だけ、粗末な仮表紙で伝えられました。この本の表紙も、もっぱら便宜上のものです。題字・署名も、名前の方は、当時の筆跡にいくらもありますが、署名の方は見当たりません。かりに、晩年のおなじ時期のもので統一しました。書名は『断腸亭日乗』から、著者名は葉書からえらびました。


ということでこの復刻本の書名は『断腸亭日乗』に記載されていた「ふらんす物語」という字を取っているんですね。でも中身は発売禁止版の『ふらんす物語』そのままのよう。

発売禁止版の『ふらんす物語』で何よりも好きなのはところどころに添えられているイラスト。このイラスト、すごく洒落てるんですね。

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隣のページには「放蕩」と題された話の最後のこんな言葉が記されています。


蓄音機が再び流行唄(はやりうた)を歌い出した。長閑(のどか)な夏の日はいつ暮れるのだろう。長閑な夏の日。


岩波文庫から出ている『ふらんす物語』は発売禁止版を元にして作られていて、イラストもすべて掲載されていますが、残念ながら表紙以外はすべて白黒。でも、博文館から復刻された方はすべてカラー。これだけでも買いです。


荷風の『ふらんす物語』が発禁処分となったのは1909(明治42)年3月25日のこと。理由は色々と考えられているようですが、結局はロクでもない人間のロクでもない判断のはず。今回のあの出来事と同様に。

でも、時代は少しずつ、ロクでもない人間の気に入らないものは排除するという方向に向かっているようです。気分が滅入ります。


さて、ドビュッシーの「版画」の3曲目の「Jardins sous la pluie」という曲のこと、その原題に最初に「雨の中の庭」と邦題をつけたのは荷風だったということを先日知りました。それはまさにこの発売禁止版の『ふらんす物語』の中に出てくるんですね。

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by hinaseno | 2019-08-05 15:01 | 音楽と文学 | Comments(0)

夏の朝はドビュッシー。

5月の末頃から「牧神の午後への前奏曲」を聴き始め、7月くらいから9月の半ばにかけてピアノ曲を聴く。もう何年も続いていること。

今年聴いているのは「牧神の午後への前奏曲」はエマニュエル・クリヴィヌ指揮のもの、で、ピアノ曲はジャック・ルヴィエ。


ドビュッシーで最初に好きになった曲は「月の光」なので、昔はずっと月の光が綺麗な秋にドビュッシーを聴いていました。昔、一番よく聴いていたのはミケランジェリの前奏曲集。定番ですね。それから「月の光」はワイセンベルク。


夏にドビュッシーを聴くようになったきっかけは2001年に公開された岩井俊二監督の『リリイ・シュシュのすべて』でした。映画のいろんな場面でドビュッシーのピアノ曲が使われているんですが、あの夏の風景にドビュッシーの音楽がすごく合ってたんですね。映画のサウンドトラックは、『打ち上げ花火…』と並んで夏の愛聴盤。

この10年ほどを考えるとドビュッシーのピアノ曲で一番よく聴いているのは「版画」でしょうか。これは向田邦子さんの影響。『眠る盆』の中の「水羊羹」というエッセイにドビュッシーの「版画(エスタンプ)」のことが出てくるんですね。水羊羹を食べるときに流す音楽の話です。


 ムードミュージックは何にしましょうか。
 私は、ミリー・ヴァーノンの「スプリング・イズ・ヒア」が一番合うように思います。この人は1950年代に、たった一枚のレコードを残して、それ以来、生きているのか死んだのか全く消息の判らない美人の歌手ですが、冷たいような甘いような、けだるいような、なまぬくいような歌は、水羊羹にピッタリに思えます。クラシックにいきたい時は、ベロフの弾くドビュッシーのエスタンプ「版画」も悪くないかも知れませんね。


これを読んだきっかけは、たぶんミリー・ヴァーノンの「スプリング・イズ・ヒア」が収録されたCDが出たとき。帯か解説かに向田邦子がエッセイで取り上げていると書いていて、で、『眠る盆』を買って読みました。この影響で、夏になると水羊羹を食べながらミリー・ヴァーノンのCDを聴くという日々を送っていました。で、そのあとにドビュッシーの「版画」を聴くようになったんですね。

当時はドビュッシーの「版画」はギーゼキングのものしか持っていなくて(音はかなりひどい)、しばらくしてベロフのレコードを手に入れて夏になると聴くようになりました。いつしか水羊羹よりはくず餅を食べながら聴くようになったけど。岡山の敷島堂の季節限定のくず餅が美味しいんだ。


さて、ドビュッシーといえば荷風。夏の間、昭和20年の荷風の『断腸亭日乗』を毎年読んでいるんですが、その6月3日の日記にこんな記述が出てくるんですね。場所は岡山に来る前に滞在した明石の海辺にある西林寺。6月3日は荷風がまさに明石にやってきた日でした。


書院の縁先より淡路を望む。海波洋〻マラルメが牧神の午後の一詩を思起せしむ、江湾一帯の風景古来人の絶賞する処に背かず、殊に余の目をよろこばすものは西林寺の墓地の波打寄する石垣の上に在ることなり


明石の海を眺めながらマラルメが牧神の午後の詩を思い浮かべる。もちろん荷風はその詩をもとにしてドビュッシーが「牧神の午後への前奏曲」を書いていることを知っているので、詩とともにメロディが流れていたはず。

ということで毎年、荷風が明石にやってきた6月3日から岡山を去る8月31日までの3ヶ月、まさに夏の間の朝にドビュッシーのピアノ曲を聴きながら『断腸亭日乗』を読むという日々が続いています。

今年聴いているのはジャック・ルヴィエの『ドビュッシー:ピアノ作品全集』。去年の9月に買ったんですが夏に聴くのは初めて。これがすごくいい。

7月のある日、あるラジオ番組を聴いていたら聴き覚えのある音楽が流れてきたんですね。

演奏は間違いなくジャック・ルヴィエ。曲はドビュッシーの「版画」の3曲目「Jardins sous la pluie」。英題は「Gardens in the rain」、邦題は…。


by hinaseno | 2019-08-03 13:17 | 音楽と文学 | Comments(0)

長かった梅雨もようやく開けて、いよいよ夏本番。真夏の日々がやってきました。

「真夏」といってすぐに思い浮かべるのは松田聖子さんの「ピーチ・シャーベット」という曲。こんな歌詞が出てくるんですね。


 真夏のプールの帰りに
 ピーチ・シャーベット挟んで見つめる
 時さえ溶け出しそうなの
 八月


作詞はもちろん松本隆さん、そして作曲は杉真理さん。1983年に出た松田聖子さんのアルバム『ユートピア』のA面1曲目に収録。このアルバム、なにからなにまで夏にあふれています。アルバムのメインはA面のラストに収録された細野晴臣さん作曲の「天国のキッス」。でも、僕が特に好きなのはこの「ピーチ・シャーベット」と、A面3曲目に収録された「セイシェルの夕陽」。作曲・編曲は大村雅朗さん。その大村さん、今年、また動きがありそうです。楽しみです。


それから「真夏」といえばやはり大瀧さんの「真夏の昼の夢」。今年よく聴いているのは『NIAGARA CD BOOKⅡ』のDisc-12『Niagara Rarities Special』に収録された「真夏の昼の夢 (Promotion Version)」。『NIAGARA SONG BOOK 2』に入っているオーケストラバージョンの後に、大瀧さんの歌声だけが出てくるもの。この歌は『ナイアガラ・カレンダー』のものではなく、『EACH TIME』を出した後に入れたものなのかな。

で、これを聴きながら先日から読んでいるのがシェイクスピアの『真夏の夜の夢』(文庫本のタイトルは『夏の夜の夢』だけど)。『真夏の夜の夢』を読むのはたぶん初めて。この話はまた後日。


さて、長かった梅雨の日々、ときどき目の前の雨の中の庭を眺めていました。気にかけていたのはこの春に植えた木蓮。

雨の中のマグノリア、あまり成長しなかったんですね。5月の初めくらいまではすくすくと伸びていたのに、1m10~20cmあたりでピタッと成長が止まってしまいました。枝のようなものが出始めていたので、枝もグングン伸びていくのかと思ったら、こちらも枝とはいえない状態でストップ。まあ、でも枯れるわけでなく、葉っぱは青々として、力強いものになっているけど。成長する時期は3月から4月にかけてなんでしょうか。

そんな木蓮を見つめながら、何度もつぶやいていたのが林哲夫さんの『ふるほんのほこり』に添えられていた俳句の言葉。


 一昨日のマグノリア ページのまぶしさ


本当にいい俳句です。


さて、「雨の中の庭、雨の中の笑い声」という通しタイトルで書いていた話。まだ、「雨の中の庭」の話を書いていなかったので、次回はその話を。林哲夫さんの『ふるほんのほこり』つながりの話から。


by hinaseno | 2019-07-30 14:57 | 音楽と文学 | Comments(0)

昨日は母親を連れてちょっと遠出。車の中でずっと流れていたのは杉真理さんの『MUSIC LIFE』。その最後に収録された「コロンブス」という曲に母親が反応する。

「何が大丈夫かって言うとるんじゃ?」


このとき杉さんが歌っていたのは曲のエンディングのこの部分。


 大丈夫さ 大丈夫さ
 ダメな僕や君でも
 大丈夫さ 大丈夫さ
 自分らしいなら大丈夫さ

 大丈夫さ 大丈夫さ
 大丈夫じゃなくても
 大丈夫さ 大丈夫さ
 信じ合えば 大丈夫さ
 愛し合えば 大丈夫さ


どうやら母親は「大丈夫さ」を「大丈夫か」と聞き間違えていたよう。でも、曲に母の体が反応していたことは確か。そう、この曲は世代を超えて人の心を動かす力があります。いや、世代の違いだけじゃないですね。杉さんが解説で書いているようにとてもシンプルな曲なんですが、シンプルだからこそ人を励ます力を持っている。僕もこの曲を初めて聴いて以来、知らず知らずのうちに♫大丈夫さ 大丈夫さ~♫と口ずさんでいます。できればみんなと一緒に歌いたい。


ところでまた話は逸れますが、昨夜石川さんから電話がかかってきて、こちらのブログの話になったんですね。石川さんがフランス・ギャルのことを調べていたときにたまたま見つけたサイトのようですが、一目見て、これは僕が(これとは別に)書いているブログではないかと思ったそうです。で、その確認をしたくて電話をしたと。もちろん僕ではありませんと。

ただ、今朝そのブログを見て、確かに一瞬僕のブログかと思いました。僕と同じexciteブログの同じテンプレートを使ってYouTubeを貼ったりして音楽を紹介しているところなんかそっくり。で、読んでみると言葉遣いや言葉のリズムも似ているんですね。石川さんが、僕かもと思ったのは無理ないかもしれません。僕よりも数年前にブログを始めていますね。

ちなみにそのブログはブログのタイトルを見てもわかるようにフランス・ギャルの話がいっぱい書かれているんですが、僕もフランス・ギャルは好きでCDとかレアなレコードも何枚か持っています。でも今調べたら一度もブログで取り上げていなかったですね。何度か彼女のこと書いていた気がしたんですが。

このあたりのレコード、ジャケットも最高でしょ。宝物です。

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昨日、石川さんと話題になったのは左のEPレコード(これ4曲とも最高)のA面1曲目に収録された「La Cloche」という曲。邦題は「ギターとバンジョーと鐘」。これですね。




この曲が大瀧さんの『ロンバケ』に収録された「FUN×4」に似ているという。まあ、聴くとすぐに気づきます。


宝物のレコードといえば、アゲインでのライブで杉さんが登場した時に石川さんが宝物として紹介していたのがこの『Niagara Triangle Vol.2』のシングル盤ボックスでした。

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この写真は『All About Niagara』に掲載されているものなんですが、これ激レアなんですね。石川さんが紹介した瞬間、おおっ!となりました。

ただ、石川さんがそれを紹介したら、杉さんが「僕は3人のサイン入りのものを持っています」と。うらやましすぎる話。


さて杉さんが登場してからのこと。

まずは『Niagara Triangle Vol.2』に収録された杉さんの曲を4曲続けて。間に村田和人さんやいろんな人の愉快な話が紹介されていました。ただ、時間がかなり押していたので石川さんはあせっていたのかな。

で、大瀧さんの話があって『Niagara Triangle Vol.2』の大瀧さんの曲を1曲ということで僕の大好きな「オリーブの午后」を。これはうれしかった。杉さんによると、かなり歌うのが相当に難しい曲なんだそうです。


次に新しいアルバムから1曲。歌ったのが「コロンブス」でした。これは初めて聴くけど懐かしい曲なんですね。最高に素敵な曲。山本太郎くんに教えてあげたい。


で、アンコール。石川さんが登場して杉さんにリクエストという形になります。

それが「うれしい予感」。大瀧さんが渡辺満里奈さんに書いた曲ですね。

ここで杉さんから秘話の紹介。杉さん、ある日、大瀧さんからメールをもらったんですが、そこにこの「うれしい予感」にまつわる隠された話が書かれていたと。

実はこの「うれしい予感」は本当は須藤薫さんに歌ってもらいたいと思っていたと書かれていたんですね。曲を作る過程で大瀧さんの頭の中で聴こえていたのは須藤薫さんの声だったと。

ただ、残念ながら時間が押した中での駆け足の紹介になっていたので、この秘話はまたどこかで聞いてください。

「うれしい予感」は前回のモメカルのライブで(たぶん)初披露され、その素晴らしさに感動したんですが、今回は杉さんが歌を歌ったわけです。ああ、その場にいたかった。


by hinaseno | 2019-07-26 15:17 | 音楽と文学 | Comments(0)

杉真理さんの新作『MUSIC LIFE』を聴く日々。




どれもいい曲ばかりです。何よりもいいのは、初めて聴くのになつかしいこと。これ大事なポイントです。

でも、いくつか、おっと思わせる曲があったんですね。最初に驚いたのが3曲目の「君を想って ~I think of you」。これ、すごくいい曲で、ここ数日こればっかり聴いています。

曲はボサノヴァ調。どこかで聴いたことがある感じ、と思ってしばし考える。ああ、「ワン・ノート・サンバ(One Note Samba)」。この曲と同じように杉さんの曲も同じ音符(one note)を使ったメロディになっています。

「One Note Samba」というのは英語のタイトルで原題は「Samba de uma Nota Só」。曲を書いたのはアントニオ・カルロス・ジョビン。で、最初にこの曲をレコーディングしたのは先日亡くなったジョアン・ジルベルト。




ということで、杉さんの「君を想って ~I think of you」は結果的にジョアン・ジルベルトに捧げる形になりました。ボサノヴァ調のアコースティクギターを弾いているのは杉さん自身。この曲、どこかで生で聴いてみたいな。バックはもちろんモメカルで。

そう、この曲にはすごくいい感じのストリングスが入っているんですが、それを演奏しているのはモメカルなんですね。クレジットを見るとこの曲の弦アレンジのところにモメカルでヴィオラを担当している飯田香さん(カオリン)の名前がありました。飯田香さんは先日のアゲインのライブで演奏されていました。石川さんの言葉で言えばチェロの郷田さんと並ぶ「重鎮」。


ということで、そのアゲインでのライブのこと。

先日来、ファミリー、という言葉がいろいろと物議をかもしていますが、アゲインでのモメカルのライブを見ると、ファミリーという感じを強く覚えます。杉真理さんがゲストに来たときはとりわけ。圧力をかけるような人は見当たりません。

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いや、今回、最初のモメカルだけで演奏されるところでは、本来登場するはずの人がなかなか登場しないので(あとでうかがうといろいろと大変だったそうです)、最初の方では妙な間が何度か。無言の圧力?


今回のライブは7月の開催ということで前半は主に夏向きの曲を演奏。

「あつさのせい」「サイダー73 '74 ’75」「泳げカナヅチ君」「真夏の昼の夢」…。

「真夏の昼の夢」は弦楽四重奏に合いますね~。ピチカートの響きもたまりません。


最初に映ったシーンを見て、すぐに気がついたのは、バイオリンの大串怜子さんが復帰していたこと。

大串さん、初登場の時の石川さんとのやりとりですごく好感を持ったんですね。まあ、石川さんが緊張を解きほぐそうとして、いろいろといじってたのが好印象につながったんだと思います。今回も少しいじっていたら、真面目な言葉でカウンターを返されていました(笑)。


それから今回初登場されていたのが谷口いづみさん。谷口さんもバイオリン担当。調べたら谷口さん、杉さんの『MUSIC LIFE』でバイオリンを演奏していました。

その谷口さんのバイオリンで印象に残ったのは「カナリア諸島にて」。

昔の日のブログで僕はこんなことを書いていました。


「カナリア諸島にて」でずっと気になっているのは、「夏の影が砂浜を急ぎ足に横切ると…」のあたりで流れ始めるストリングスによって奏でられる別のメロディ。このストリングスのアレンジは前田憲男さんですが、前田さんのアドリブなのか大瀧さんが指示したものなのか。

この部分のメロディ(勝手に「夏の影が砂浜を急ぎ足に横切るメロディ」と呼んでいます。そのまんまです。)を弾いていたのが谷口さん。『ロング・バケイション』に収録された音源ではこのメロディはかなりオフなんですが、今回のライブではこのメロディがはっきりと聴こえたので、おっと思ったんですね。

大瀧さんは「カナリア諸島にて」の前田さんの弦のアレンジについてこんなことを言ってました(『Sound & Recording 2011年6月号』)。たぶんこの部分のメロディのはず。


前田さんの弦なのですが、僕がイメージしていた世界より若干きらびやかすぎたかなと(笑)。なので当初はカットする選択肢も視野に入れていたのですけど、最終的にはものすごくオフでなっているようにミックスすることにしました。

ということで、今回のライブではそのオフになっているメロディをかなりオンで聴けたのが収穫でした。


ところでそのメロディを弾いていたアゲイン初登場の谷口さん、結婚されたばかりとのこと。石川さんが訊いたら谷口さん、「レイワコンなんです」と。

レイワコン? 

ああ、令和婚。そんな言葉があるんですね。後日、姫路に行って姫路城に近い総社の前を通ったら、看板に大きく「令和婚」との文字。ふ~ん、でした。

で、谷口さんは「大串さん新婚ですよと」。すると大串さん、「私はヘイセイカケコミコンです」と。

ヘイセイカケコミコン? 

ああ、平成駆け込み婚。そんな言葉もあるんだ。なんで「駆け込み」するんだろう。

レイワコン、ヘイセイカケコミコン、…いろんなコンがあるんですね。コンといえば僕は大瀧さんがカバーした「雪やコンコン」が好きです。


ところで「カナリア諸島にて」といえば、杉さんの新作アルバムの「君といた夏 ~I Feel Your Love」という曲、「カナリア諸島にて」で聴かれるあのコードが出てくるんですね。あれが出てくるととろけそうになります。いい曲なんだ、これも。

この曲の杉さんのコメント。


たくさんの思い出を共有した仲間、たとえここに居なくても…

この仲間の中にはきっと、大瀧さんや須藤薫さんや村田和人さんがいるんでしょうね。


by hinaseno | 2019-07-25 10:14 | 音楽と文学 | Comments(0)


きっとsomewhere 愛したものたちに
また会える時が来る someday again

ごらん君の未来は輝いているから
このギターを聴いたら そっとおやすみ


 *    *    *


今日も雨。

雨の中、ぼんやりと未来のことを考えています。


吉田保さんがリマスターした「未来世紀の恋人へ」を聴いて感動し、すぐにダウンロードして何度もリピートして聴いていたんですが、昨日は久しぶりに『MADE IN HEAVEN』を全曲通して聴きました。

ほとんどが杉真理さんの作詞作曲。でも、1曲だけ松本隆さんが作詞した曲が入ってるんですね。「Do You Feel Me」。松本さんが原作の映画『微熱少年』の挿入歌です。たぶん映画のために作られた曲。あの、サントラ、手放してしまったよう。大瀧さんの「雨のウェンズデイ」は入っていなかったんだ。小説には「雨のウェンズデイ」のモチーフとなったエピソードが入っているのにね。

考えたら映画は見ていません。雨の中、女の子が壊れかけたワーゲンのボンネットに腰掛けているシーンはあったのかな。


話が逸れてしまいました。

久しぶりに聴いた『MADE IN HEAVEN』で、ああ、いい曲だなと思ったのは「君にギターを教えよう」。

歌詞の最後に「未来」が出てくるんですね(今日の最初に紹介した歌詞)。

この曲はまだ生まれたばかりの未来くんにギターを教えている話、だったんだなということを伊藤銀次さんのPOP FILE RETURNSを聞いて初めてわかりました。

でも、未来くんはギターよりもドラムを演奏する人間になります。杉さんはそんな未来くんのことを「ドラムスコ」だと言ってました。さすが杉さん、うまい。


この「君にギターを教えよう」も、やはりモメカルと一緒に出したカバー集『STRINGS OF GOLD』に収録されています。こちらは完コピって感じですね。杉さんの声も全然変わらない。

で、しばらく2つを聴き比べしていたら、今度は久しぶりに『STRINGS OF GOLD』を聴きたくなって、全曲聴きました。一番好きなのは「街で見かけた君」かな。

歌詞に「珈琲屋」が出てきてニッコリなんですが、最後の「Somewhere and someday you’re someone」という歌詞がたまらなく好きなんですね。昔から”someday”、”someone”、”somewhere”という言葉に惹かれるものがあって、この言葉がタイトルに入っているだけで好きになった曲がいっぱいあります。きっと杉さんもこの言葉が好きなんでしょうね。

「君にギターを教えよう」にも”someday”と”somewhere”という言葉が出てきます。特に最後、僕のもう一つ好きな単語である”again”とくっついて”someday again”と歌われるところはたまらない。

someday again”って、どこか”懐かしい未来”が感じられる言葉。いい言葉です。


“again”といえばニール・セダカのロイヤル・アルバート・ホールのライブのDVDを見ていたら「Never Again」という曲が歌われたんですがこれが素晴らしかったんですね。ニール・セダカがまだ全然売れてない頃に書いたドゥーワップ調の曲ですが、この曲をダイナ・ワシントンが取り上げていたと。知らなかった。

で、ライブではそのダイナ・ワシントンのバージョンを流しながら彼女とデュエットする形で歌うんですね。YouTubeにそれがあったので貼っておきます。




さて、アゲインでのモメカルのライブのこと。

5年前に出た杉真理 with Moment String Quartet『STRINGS OF GOLD』のブックレットには杉さんと一緒にモメカルの4人のメンバーが写っています。

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でも、左のお二人は抜けたのかな。

昨年か一昨年、久しぶりにアゲインで行われたモメカルのライブのメンバーを見たとき、新しいメンバーが二人入っていて、えっと思ったんですが、でもまた新しい若い人に大瀧さんの曲を演奏してもらえることは嬉しかったので続けて欲しいなと思っていました。そしたら前回、その二人が抜けていて、あれっと思って少し残念な気持ちでいたら、今回そのうちの一人が復帰されていてうれしかった、というところから次回の話をすることになりそうです。


by hinaseno | 2019-07-22 13:32 | 音楽と文学 | Comments(0)


ある晴れた午後 空の青さに懐かしさを感じたら
きっとそれは僕が見た空


昨日、小雨の中、車のスピーカーから流れてきた曲(聴くのは30年ぶりくらい)のこのフレーズに、思わずうるっとしてしまう。こんなにいい曲だったとは…。


  *     *     *


相変わらずニール・セダカと杉真理さんの日々を送っています。

昨日の午後、郵便が2つ届きました。ひとつはニール・セダカ、もうひとつは杉真理さんに関するもの。

ニール・セダカのほうはLP。そう、小西さんの『これからの人生。』でかかった「Laughter In The Rain」のライブバージョンが収録されている可能性があると考えたもの。

当たりでした。

どうやって探したかというと……、という話を一度書いたんですが、長くなったんでカットします。われながらよく見つけました。それは1977年にリリースされた『Neil Sedaka And Songs - A Solo Concert』という2枚組のLP。同じサイトに2013年にCDで発売されたという情報が載っていましたが、どこを探しても見当たらない。ebayを覗いたらたくさん出品されていて値段も1000円程度。300円くらいなものもあって全然高くない。さて、どれを注文しようかと考えて、いろいろ当たっていたらなんと日本盤で出ていたことがわかったんですね。日本盤だと歌詞カード&解説がついているはずなので、そちらを買うことにしました。

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予想通り歌詞カードも。しかもうれしいことに、MCの部分の英語まで載っている。ラッキー。

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小西さんの番組で通訳が「はっとするようなコード」「心臓が止まりそうになるほどのコード」と訳したのは「drop-dead chord」だったんですね。


さて、封筒のもうひとつは武蔵小山のペット・サウンズ・レコードから届いたもの。中に入っていたのは杉真理さんの新作『MUSIC LIFE』&いっぱいのおまけ。

そういえばそのいっぱいのおまけに、ある新聞のインタビュー記事のコピーがあったんですが、その中に今回のブログのタイトルである「雨の中の庭」という言葉があったんですね。たまたま? 偶然といえばペット・サウンズ・レコードのサイトの「今日のこの1曲」で森勉さんが紹介していたのはニール・セダカが書いた曲。これもたまたま?


それはさておき、杉さんといえばこれなんです。

『伊藤銀次のPOP FILE RETURNS』。このゲストに杉さんが来てたんですね。といってもこの番組には杉さんは何度もゲストで来ていて、もちろん最多。

今回も、ああまた杉さんがゲストなんだな、きっと新作の話だろうなという感じで(杉さん、すみません)、いろいろと忙しかったこともあって聴くのは後回しにしてたんですね。そうしたら配信期間終了の日が近づいてきてるのがわかって、あわてて録音(今日見たら「その1」のほうは期間終了しましたね)。一昨日の「その1」を、そして昨日「その2」を聴きました。

これがいろいろと驚いたんですね。ポイントは杉さんの隣にいるもう一人のゲストの男性(銀次さんじゃないよ)。なんと大瀧さんの『ロンバケ』以降の作品のエンジニアである吉田保さん。

その吉田保さんが杉さんのソニー時代の作品をすべてリミックスしたと。びっくり。数年前から杉さんの30thアニバーサリーとして何枚かアルバムを出していたことは知ってたんですが、僕は10年ほど前に杉さんの作品が紙ジャケで再発された時に、かなりのものを買い換えたので、今回の30thシリーズはスルーしてたんですが、それをリミックスしていたのも吉田保さんだったと。知らなかった。チェックしたらどれも売り切れ。

で、昨日聞いた「その2」でかかったのが杉さんの1991年の作品『MADE IN HEAVEN』の1曲目の「未来世紀の恋人へ」。もちろん吉田保さんのリミックスなんですが、これがとにかく素晴らしかった。こんないい曲だったとは、でした。


この曲に感動したのは、その前の杉さんの話が原因でもあったんですね。このアルバムは杉さんの息子さんが生まれた時に作ったと。つまり作品には子供さんへのメッセージがいっぱいに入っていたわけです。とりわけこの「未来世紀の恋人へ」には。

この曲のポイントは杉さんの息子さんの名前。

「杉未来」

未来くんは今ミュージシャンとして活動していて、ドラムスを演奏してるんですね。で、杉さんはライブでその息子さんをバックにしてこの曲を歌って感慨深いものがあったと。

そんな話を聴いて曲を聴いたらたまらなくよかったんですね。うるっとします。特に最初に紹介した歌詞のフレーズに「懐かしさ」という言葉が出てきた時には。

そう、懐かしい未来です。

杉さんの新作『MUSIC LIFE』のクレジットを見たら、半分くらいの曲で未来くんがドラムを叩いていました。素敵ですね。


ってところまで書いて、食事がてらニール・セダカの2006年のライブを見たら、「Laughter In The Rain」の次の曲で、娘さんのダラさんとのデュエット。それから昨日届いたレコードにはそのダラさんの子供の頃の写真とたぶん幼い頃父にあてた手紙の写真がありました。

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ところで『MUSIC LIFE』というアルバムタイトルで、あることを思い出したんですね。それはニール・セダカが2010年に出したオリジナルアルバムのタイトル。

なんと『THE MUSIC OF MY LIFE』。

杉さんの新作のタイトルとかぶっています。もちろんたまたまのはず。でも、ニール・セダカと杉さんは似てる説の一つの大きな材料にはなりますね。

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銀次さんの番組でかかった「未来世紀の恋人へ」が収録された『MADE IN HEAVEN』は音楽配信だけのようなので、最近はあまりスマホで音楽聴かなくなったけれどダウンロードしました。

夏と海が似合う曲が多いので、来月、あの海街に行く時に電車の中で聴くことにしよう。「未来世紀の可愛い女の子」にも会えるはず。

楽しみだなあ。

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by hinaseno | 2019-07-20 14:01 | 音楽と文学 | Comments(0)

先日買ったニール・セダカのライブ盤というのはこれです。DVDもついているのに値段はびっくりするほど安いです。

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収録されているのは2006年7月4日にイギリスのロイヤル・アルバート・ホールで行われたライブ。このときセダカは67歳ですが、声はよく出ている、というか昔の声のまま。信じられない。驚きました。

で、昨日からDVDを見始めたんですがこれが素晴らしい。CDより曲数も多くMCもたっぷり入っています。半分ほど聴いた中ではコニー・フランシスに提供した「Where The Boys Are(邦題は「ボーイ・ハント」)」の自作カバーが最高に素晴らしかった。

興味深かったのは60年代初期の大ヒット曲「Oh Carol」「Happy Birthday Sweet Sixteen」「Where The Boys Are」「Calendar Girl」のを4曲続けて歌った後のMC。大ヒットを連発した直後に人生が変わる話。


「1963年にある新しいグループがデビューしました」

わかる人はわかりますね。

「彼らの名は、ビートルズ」

ここで大きな歓声。なぜならここはイギリス。

で、次にセダカがため息混じりに言ったのがこの言葉。

「Not Good」

観客は爆笑。

「私はリタイアして10年間歌うのをやめました」と。


実際には彼はリタイアせずに曲作りは続けていたんですが(その時期にもいい曲をいっぱい書いていました)さっぱり売れなくなってしまう。そのときに消えた優れたアーティストは数限りない。でも、単なるナツメロ歌手になることなく新しい曲を作り続け、歌い続けます。

で、ビートルズがアメリカに上陸した1964年のちょうど10年後の1974年に「Laughter In The Rain」が全米チャート1位になる。「ポップスの復権」

ですね。


ということでニール・セダカの話はここで終わって、中断したままになった杉真理&モーメント・ストリング・カルテットの話に戻るんですが、今朝、ふと、気づいたことがありました。

ニール・セダカと杉さんって似てるなと。


ニール・セダカはずっと胸がキュンとするようなポップスを書き続けてきたわけですが、日本でそんなソングライターを探したら杉さんしかいないなと。まあ、杉さんにはビートルズ、リバプールというイギリスのイディオムがあるけれども、メロディが綺麗でわくわくするようなアメリカンポップスを作り続けてきたのは、日本では杉さんくらいじゃないかと思ったんですね。

で、考えたら杉さんにとっての須藤薫さんはニール・セダカにとってのコニー・フランシスだなと。うん、これは次に杉さんがアゲインに来たら、ぜひ石川さんから杉さんに伝えてもらおう。なんて思っていたら須藤薫さんの『Paradise Tour』が紙ジャケで再発されたときのボーナストラックに、なんとニール・セダカがコニー・フランシスに書いた大ヒット曲「ボーイ・ハント(Where The Boys Are)」のカバーが収録されていることがわかりました。しかもアレンジは杉真理さん。


僕の中で杉さんとニール・セダカがつながったのは梅雨入りして何日か雨が降り続いた日のこと。久しぶりに「雨」の曲を集めたCDを作ろうかと思ったんですね。でも、「雨(rain)」だときりがないので、タイトルに縛りを入れることにしました。

それは「雨の日(rainy day)」。

そういえば昨日、「雨の中の(in the rain)」縛りで曲を探したんですが、思いのほか曲が少なかったのでやめました。

さて、「雨の日(rainy day)」がタイトルに付く曲ですが、いい曲がいっぱいあるんですね。大好きなスタンダードソングの「Here's That Rainy Day」もケニー・ランキンやアストラッド・ジルベルトとかいいのがいくつもあってとても一つには選べない。

絶対に外せないのがジェームス・テイラーの「Rainy Day Man」とケニー・ランキンの「Rainy Day Friend」とクリッターズの「Come Back On A Rainy Day」。

それから「Rainy Day」といえばクラシックスIVやラスカルズにはまさにそのタイトルの曲があって、どちらもいい曲。達郎さんの「Rainy Day」も最高だけど、吉田美奈子さんが歌ったのも捨てがたい。ロジャー・ニコルス作曲ポール・ウィリアムス作詞のカーペンターズで有名な「Rainy Days And Mondays」は一体誰の歌ったのを選べばいいんだろうというくらいあるけど、結局選んだのはアン・バートンの歌ったバージョン。


で、ニール・セダカにもとびっきり素敵な「雨の日(rainy day)」ソングがあるんですね。それがこの「Rainy Day Bells」。全く売れなかった時期に書いた曲ですが、この曲、最高なんですね。死ぬほど好き。




ところで「雨の日(rainy day)」ソングを集めたCDを作ろうと思ったときに最初に入れる曲は決めていました。須藤薫さんの「RAINY DAY HELLO」。作曲は杉真理さん。

ただこの曲、この村田和人さんとのこのデュエット・バージョンが最高なんですね。




ってことで、1曲目は須藤薫さんが一人で歌ったもの、最後に村田さんとのデュエット・バージョンを入れることにしました。


と、ここまでは英語の「rainy day」で探したものですが、日本語の「雨の日」がついたものでもいい曲があります。

まずは村田和人さんの「雨の日は」。




これは村田さんつながりで最後から2曲目に。

で、その前に入れたのが杉真理さんの「雨の日のバースデー」。これはアルバム『スインギー』に収録されたものではなく、モーメント・ストリング・カルテットをバックにして再録した『Strings of Gold』のバージョン。このバージョンでこの曲を好きになりました。


それにしても杉さんには素敵な雨の曲がいっぱいありますね。杉さんの最初のヒット曲は「バカンスはいつも雨」だし、僕が初めて聴いた杉さん作曲の曲は松田聖子さんが歌った「雨のリゾート」だし。

と、ちょっとYouTubeを見たらこんなのがあってびっくり。




なんと松田聖子さんとのデュエットバージョン。1番は杉さん自身が歌っています。いや、驚いた。こんな音源、あるんですね。

須藤薫さんに書いた杉さんの曲もいいけど、松田聖子さんに書いた杉さんの曲も素晴らしいものばかり。特に好きなのは「ピーチ・シャーベット」ですね。これは「真夏」ソングだけど。

杉さんの「雨」の曲で忘れてはならないのが『NIAGARA TRIANGLE Vol.2』に収録された「ガールフレンド」。タイトルには「雨」はないけれど、杉さんにはめずらしくマイナーな曲。雨の曲ということもあって、かなり湿り気があります。

でも、はっきりいえばこの曲があるから次の「夢見る渚」が素晴らしく感じられるんですね。この曲の静かなエンディングの後に「夢見る渚」のイントロが始まるときのワクワク感はたまらないものがあります。そう、梅雨があけて一気に真夏がやってきたような感じ。


ニール・セダカの「ポップスの復権」のあと、大瀧さんの『ロング・ヴァケイション』を皮切りに、日本でも80年代に新たなポップスの時代がやってくるんですが、2020年代になろうとする今、上質のポップスを作り続けている人はあまりにも少ない。その数少ないポップスの作り手、歌い手が杉真理さんなんですね。

ってことで次回から、杉さん&モメカル・ライブ@アゲインの話。アゲインの石川さんは杉さんに対して終始タメ口。なんともうらやましい限りです。


by hinaseno | 2019-07-19 15:21 | 音楽と文学 | Comments(0)