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Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno
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2019年 05月 04日 ( 1 )



『漱石全集を買った日』の善行さんとゆずぽんさんの対談で一番おおっとなったのは、この本のタイトルにもつながる全集の話。ここ爆笑でした。いろんな意味で。


ゆ:やはり全集でしか味わえない良さというものがありますね。
善:で、ここからは古本屋としての意見なんやけど、一部の作家を除いて、全集というのは昔に比べてかなり安くなっていて、今がちょうど買いどきでもある。だから自分が「これ!」と思うような作家がいれば、ぜひみんなに買ってほしいと思うなぁ。だからゆずぽんも、ちょうど善行堂に『木山捷平全集』が置いてあるけど、どない?
ゆ:急に商売が始まりましたね(笑)。
善:一応営業しとかんとな(笑)。
ゆ:さっきの話でいえば、『木山捷平全集』は値下がりしてないほうの全集じゃないですか。
善:まあそれはそうと、ゆずぽんは他に全集で読んでみたい人はいる?
ゆ:考えればいろいろとキリがないですが、たとえばチェーホフなんかはいつか全集で読みたいと思います。
善:チェーホフいいね。外国文学なら”誰の翻訳で読むか”を選ぶ楽しみもある。『チェーホフ全集』なら中央公論社や筑摩書房から出てる。中央公論社版は神西清訳も含まれてて良い全集。
ゆ:チェーホフといえば神西清という印象が強いですね。
(中略)
ゆ:あと全集で読みたいのは井伏鱒二とか。
善:井伏鱒二かぁ。井伏は今はほんとうに買いどきやと思う。昔に比べてかなり安くなってる。普通全集といえば太宰にしろ三島にしろ、旧版ならともかく、一番新しいものは古書価も下がりにくい。だけどなぜか井伏鱒二に関しては例外で、今一番新しい筑摩書房の『井伏鱒二全集』(全二八巻+別冊二巻)が意外と安い。で、こんな話をすると人間性が出てしまうんやけど、だからこそ井伏鱒二に関しては、古書価が上がる前に、自分で買っておきたい。古本屋やから本を売る立場なんやけど、買う側の人間として『井伏鱒二全集』は自分用としても持っておきたいなぁと思ってる。


善行さんの「どない?」が最高。で、その「どない?」の話、もう一回出てくるんですね。それはゆずぽんさんの好きな作家の話。


善:あと、漱石以外に好きになった作家とかはいる?
ゆ:先ほど名前が挙がった中では木山捷平が特に好きですね。戦後の作品は全部集めましたが、戦前の詩集などはなかなか手が出ません。第一詩集『野』(抒情詩社)とか、第二詩集『メクラとチンバ』(天平書院)は仮に出会っても買えないでしょうね。最初は「蟲文庫」の田中美穂さんの著作で名前を知って、初めて読んだのが『耳学問・尋三の春』で、この本は善行堂で買いました。今も好きな作品です。木山捷平といえば、それこそ昔であれば古本屋で探さないと読めない作家だったでしょうが、今は講談社文庫でほとんどの作品が読めるので、良い時代になりました。
善:まあ文庫もいいけど、全集で読むとまた違った味わいがある。好きな作家なら、なおさらや、ちょうど今店に『木山捷平全集』があるけど……。
ゆ:何回言うんですか(笑)。
善:そりゃ、僕もこれが仕事やからな。
ゆ:ちょっと帰って奧さんに相談します。いや、しないほうがいいか(笑)。


このあと小山清の話になって、で、おひさまゆうびん舎のことが出てくるんですね。ニコニコでした。

ところでこの話に出てくる善行堂さんにあった『木山捷平全集』、先日のおひさまゆうびん舎でのイベントに来られていた方が買ったと聞いてびっくり。値段も一応訊きましたが、そんなに高くなかった。


by hinaseno | 2019-05-04 11:01 | 文学 | Comments(0)