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by hinaseno
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2018年 06月 03日 ( 1 )



「楕円」と「楕円」がつながる。

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余白珈琲さんのお二人が手にしているのは楕円の形をした弁当箱。場所は今年の3月からお二人が住むようになった塩屋の家。

そう、ようやくお二人の塩屋の新居に行くことができました。本当は3月の末か4月の初めの桜が咲いている時期に行くつもりだったんですが、花粉症があまりにもひどくて。で、ゴールデン・ウィーク明けくらいには大丈夫かなと思っていたら、驚くようなタイミングであの旧グッゲンハイム邸である人のライブが行われることを知ったんですね。これは絶対に行かねばと。


それは後で話すとして例の楕円形の弁当箱のこと。「そういえば」と言って持ってきてくれたんですね。「たまたま」好きの僕がきっと喜ぶだろうと。もちろん喜びます。でも、びっくり。

実は右の大石くんが持っているのは僕がプレゼントした弁当箱。おひさまゆうびん舎で開かれた世田谷ピンポンズさんのライブの時に渡しました。数日前の引越し&前日の入籍という2つのお祝いを兼ねて。

この楕円の弁当箱を見つけたのにもいくつかの「たまたま」があったんですが、僕がプレゼントしたすぐ後くらいに別の人からプレゼントをもらったそうで、包みを開けて見たらなんと楕円の弁当箱。それが左の優衣ちゃんが持っているものですね。

きっとそれをプレゼントした人にもいくつもの「たまたま」があったはずで、合わせたら相当な数の「たまたま」がありそうです。でも、余白珈琲さんたちとは普通にそういうのがあるんですね。まあそれにしても縁というのは不思議なものです。


さて、「楕円」と「楕円」がつながるといえばこれです。

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右は平川克美さんの『21世紀の楕円幻想論』。僕が「楕円」を意識するきっかけを与えてくれた本ですね。そして左は以前このブログでも紹介した寺尾紗穂さんの『楕円の夢』というCD。平川さんの『21世紀の楕円幻想論』のことをブログに書いていた時に、「楕円」の画像を探そうとしていたら「たまたま」このジャケットが目に入ったんですね。

まあ、この2つは僕の部屋の中ではつながっていたし、以前も紹介した通り、想田和弘さんの牛窓を舞台にした『牡蠣工場』と『港町』という2つの映画のパンフレットでもつながってはいました。

が、今回はもっとすごいこと。

一昨日、東京にお住いのある方が、ってアゲインの石川さんですが、なんともうれしい情報を送ってくださったんですね。それは先月の29日の『東京新聞』に掲載された記事。もともとは「北海道新聞」で連載されている寺尾紗穂さんのコラムの転載らしいのですが、そこでなんと紗穂さんが平川さんの『21世紀の楕円幻想論』を取り上げていたんですね。せっかくなので紹介。コラムのタイトルは「愛し、読書」。


音楽ライターの知人が何度目かの入院をした。優秀な書き手もライター業のみで生きることは難しく、彼は去年から生活保護を受けている。しかし、そのことを周囲に打ち明けると二人の友人が去っていったという。二人は「貧乏人とは付き合えない」ということをそれぞれ彼に告げた。心身弱った人間にそんなこと言える人が一定数いるのだな、と驚いたが、おそらく彼らには、貧乏人と付き合うことに大きな恐怖心があるのだろう。関係を続けることによって自分の財産が目減りする可能性を考え、先手を打つのかもしれない。
『21世紀の楕円幻想論』の中で平川克美は、デヴィッド・グレーバーの『負債論』を引きながら、「『誰もが、自分が大事と思っている』と、思っているかもしれませんが、このこと自体が、ホッブズ以来の資本主義的な社会が生み出した、人類史的にみれば比較的新しい、偏見なのかもしれないと、疑ってみる必要がある」と書く。人間は欲によって行動する、という考えが出てきた当初、これは一つの仮定に過ぎなかった。当時のイギリスの知識人の多くがこの考え方を冷笑したらしいのだか、十八世紀までには社会の常識とされ、現在も資本主義社会においてはあたかもそれが人間の「真実」であるかのように思われている。自分と自分の金が大事、自分の身は自分で守るしかない。非情な言葉を投げた二人の脳内にはこんな資本主義社会の「真実」がしみ込んでいたのかもしれない。
平川は二者択一で語られがちな、田舎と都会、科学と信仰のように一見相反する二つの事象が、実は反発しあいながらお互いを求めるとする楕円的思考を説く。「楕円幻想」を花田清輝に倣い、何かを「真実」と思わされていないか、「信じながら疑い、疑いながら信ずる」ことがますます必要な時代のように思う。(2018年5月31日 東京新聞)

ネット上の記事で知ったんですが、寺尾さんが「楕円」に惹きつけられたのも平川さんと同じく花田清輝の『楕円幻想』を読んだのがきっかけだったそうです。お二人とも同時期に読まれたのかもしれませんね。


ところで、寺尾紗穂さんが『楕円の夢』を出した頃の、ネットに上がっているインタビュー記事をいくつか見ていたら、いろいろと興味深いものを発見。紗穂さん、アゲインでもライブをやられていたんですね。それからなんと塩屋の旧グッゲンハイム邸でも。紗穂さんが旧グッゲンハイム邸でライブをされたのは2015年9月21日。まさに『楕円の夢』ツアー。

僕が紗穂さんの『楕円の夢』のことを知ったときに、最初に見たのがこの「楕円の夢」のPV。すばらしいPVです。




このPVで踊っているソケリッサというグループ。ソケリッサは紗穂さんのライブの時に旧グッゲンハイム邸の前の庭で踊ったそうです。見たかったなあ。

ぜひ今度アゲインで紗穂さんのライブをしてもらって、そのあとに平川さんと紗穂さんとで「楕円対談」をやってもらいたいなと。


さて、僕が先日、旧グッゲンハイム邸で見たある人のライブでは客は立ち見が出るほどの人。開演前には庭に人が溢れていました。客の9割以上は僕よりも年配。そんな中にちらりと森本アリさんの姿が見えました。

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by hinaseno | 2018-06-03 14:22 | 塩屋 | Comments(0)