人気ブログランキング |

Nearest Faraway Place nearestfar.exblog.jp

好きなリンク先を入れてください

Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno
プロフィールを見る
画像一覧
更新通知を受け取る

2018年 02月 01日 ( 1 )



平川克美さんの『21世紀の楕円幻想論』、読了。

最後の方ではちょっと目が潤みそうになったところもありました。平川さんという焙煎機によって、最後には温かな膨らみをもった楕円が心の中にできあがった感じです。


ところで読み終えた後、なぜか聴きたくなったのがこの曲でした。




ジェシー・ヒルの「Ooh Poo Pah Doo Part 1」。

R&Bの、なんとも泥くさい曲です。この曲を知ったのは1985年1月24日に放送された新春放談でした。この日の2曲目にかかったのがこの曲。大瀧さんの趣味を考えて達郎さんがかけたんですね。新春放談では通常の放送ではかけられないような曲を大瀧さんにかこつけてかけていました。

曲がかかった後、大瀧さんはこんなことを言っていました。


”呼べば応える山のこだま”というあれもありますけどね、これがコミュニケーションの基本のような気がしますね。

そう、この曲の最大の魅力は最初の部分(大瀧さんはその部分を「呆阿津怒哀声音頭」という曲に取り入れています)。

一人が「ヨ~」と呼びかけると何人かが同じことばで応える。次にちょっと音程を変えて「ヨ~」と呼びかけると同じ音程で応える。で、次は「オー・イエ~」というとやはり同じように「オー・イエ~」と返す。言葉の通じないもの同士の原初的なコミュニケーションを見るような感じですね。でも、これは1960年にアメリカのニューオーリンズで生まれたアメリカン・ポップス。

なんでこれを聴きたくなったかと言えば『21世紀の楕円幻想論』に「呼びかけ」と「応答」の話が出てきたからです。いい話なんだ。


そういえば昨夜は月食。気づくのが遅れて見ることができなかったんですが、なんと『21世紀の楕円幻想論』の最後の方で月食の話も出てきてびっくり。こんな話。


 日蝕、あるいは月蝕のように、二つの焦点が重なってしまい、「贈与のモラル」が「等価交換のモラル」の背後に隠されてしまって見えなくなっているということに過ぎません。隠されているだけであって、「贈与のモラル」は現代社会においても存在しており、それが時折、顔を覗かせているということは、まえに書いたとおりです。
(中略)
 わたしたち現代人が陥っている陥穽は、こうした楕円的で両義的な構造をもつ、異なる経済・社会システムや、モラルの体系というものを、二者択一の問題であるかのように、錯覚してしまうということです。現代社会を覆っているのは、むしろ、この「これだけしかない」という見方の硬直性であると言えるかもしれません。それは、一種の強迫神経症のようなものかもしれません。わたしは、もう一度、日蝕の裏側に隠されている太陽の光を取り戻す必要があります。あるいは、月蝕の後ろにある闇の暗さを取り戻す必要があります。現代社会のなかに、もう一つのやり方、全体給付のモラルを取り戻すということです。

昨夜は月食を見ていた人はかなり寒い思いをしていたようですが、平川さんのこういう文章を読むとじわ~っとあったかくなってくるんですね。


さて、今朝、本を読んで温かい気持ちでいたときに郵便配達の人が到着。余白珈琲さんたちからの手紙入りの封筒が入っていました。大石くんとユイちゃんそれぞれの手紙を読んでさらに暖かい気持ちに。

手紙って最高の贈り物の一つです。


封筒の中には出来たばかりの「余白通信」第2号が入っていました。


コーヒー豆は、不揃いだけれど温かな膨らみをもった楕円形をしています。

っていう一文を見てにっこり。最後には「〆の無駄話」として「イエロー・サブマリン」の話が書かれていました。潜水艦のロゴマークが生まれるきっかけになったエピソードなど興味深い話ばかり。

最後に書かれていたビートルズの「イエロー・サブマリン」が入ったレコードを手に入れた神戸のレコード屋というのはハックル・ベリーなんでしょうか。


さて、余白珈琲さんが岡山のはずれのうどん屋さんに来たときに密かに一番期待していたことというのは、実は大石くんができればビートルズのイラストの入ったトレーナーを着て来てくれて、で、うどん屋さんの席に着いたときに店のスピーカーから「イエロー・サブマリン」が流れてくるということでした。

ほんとはあらかじめ大石くんに連絡してビートルズのトレーナー着て来てね、って言おうかとも思ったんですが、まあ、これはたまたまの方が面白そうだったんで、言わないでおきました。

結果的な話をすれば、大石くんは今回の旅にビートルズのトレーナー(『HELP』のもの)を持って来ていたみたいですが、そのときは残念ながら着てなかったんですね。

それからうどん屋さんのスピーカーからも、この日はその後のイベントの準備の必要からかビートルズが流れていませんでした。

残念。

まあ、物事はそんなには上手くいくものではありません。

でも、やっぱりビートルズが呼んだんですね。この場所に。それに応えることができたのは余白珈琲さんの才能というか運というか、やはり「縁」というしかないのですが。


by hinaseno | 2018-02-01 16:07 | 雑記 | Comments(0)