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by hinaseno
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2017年 07月 23日 ( 1 )



7. 「SWEET MEMORIES」

発表順と言いながら、順序を間違えていることに気がつきました。昨日の最後に「WITH YOU」を6曲目の曲として紹介しましたが、実はそれは7曲目。6曲目はこの「SWEET MEMORIES」でした。


「SWEET MEMORIES」が発表されたのは1983年8月1日。細野晴臣さん作曲の「ガラスの林檎」のB面に収録されました。CMで流されたのはもう少し前だったでしょうか。


当時(というか今も)僕はちょっと天邪鬼なところがあって、この曲があまりにも評判を呼んだことに抵抗があって、ずっと遠ざけていたんですが、改めて聴いてみるとやはり素晴らしい曲です。

『作編曲家 大村雅朗の軌跡 1951-1997』でも「SWEET MEMORIES」についての話はあちこちで出てきます。

当時松田聖子のプロデューサーをしていた若松宗雄さんはこんなコメントを寄せています。


「SWEET MEMORIES」は、「ガラスの林檎」のB面を書かないかと大村くんにお願いしたのです。一週間経っても彼から連絡がなかったので、電話してみると返ってきた言葉は「なかなかできない」。僕はサウンドシティの1スタを押さえて、21時頃に彼を呼び出したのです。その段階で2小節しかできていませんでしたが、彼は1時間でフルコーラスを完成させました。サントリーと博報堂からは、2コーラス目の前半を英語にしたいと要望がありました。

それからの松本隆さんのインタビュー。「SWEET MEMORIES」についてこんなことを語っていました。

CMのスポンサーのサントリーからは「ジャズっぽい洋楽みたいな曲で、英語の詞のパートがほしい」と。それからCMでは松田聖子の名は伏せると。確かに最初にCMが流れた時には松田聖子さんの名は伏せられていた気がします。

大村さんの曲が出来上がってきて聴いてみたらものすごいジャズでびっくりしたそうです。聖子さんには難しすぎるんではないかとも思ったそうです。でも、とにかく詞をつけることにします。で、こんな話。


ひととおり日本語の詞を書いて、一部分を英訳の人に英語にしてもらって、そこからさらに僕が英語をカチッとはまるように調整したんです。

そうだったんだと思って、次のページをめくってみたらびっくり。なんと、その最初に書いた日本語詞の松本隆さん直筆の原稿が掲載されていたんですね。特に驚いたのはこの部分。

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「SWEET MEMORIES」の英語の部分の歌詞はこうなっています。


Don't kiss me baby we can never be
So don't add more pain 
Please don't hurt me again
I have spent so many nights
Thinking of you longing for your touch
I have once loved you so much

その部分の元の日本語詞はこうだったんですね。


キスしたら いけないわ
傷をひとつ 増やすだけよ
長い間あなたに
逢いたくて泣いていたくせに

言うまでもありませんが、松本さんの元の日本語詞はちゃんと歌えるようになっているんですね。で、英語詞は内容はほぼ同じで、ジャズのスタンダードのようにきちんと韻をふんでいます。

これが見れただけでもこの本を買った価値がありました。


ということで今日は「SWEET MEMORIES」の話だけで終わっちゃいました。


by hinaseno | 2017-07-23 14:13 | Comments(0)