昨日、「水彩画の町」の歌詞のことを考えて、すっと口ずさんだのはこんな歌詞でした。
水彩画の部屋に 花あんずが匂うと
で、「花あんず」の表記を確認するために歌詞カードを見たら…
違ってたんですね、歌詞が。
水彩画の町に 花あんずが匂うと
ちなみに2番は
水彩画の部屋に 花あんずがいちりん
どうやら2番の歌詞とごっちゃになっていたんだな…。
と思っていたら…。
大瀧ファンであればご存知の通り「水彩画の町」には2つのバージョンが存在します。1つは1972年に出たファースト・アルバム『大瀧詠一』に収録されたバージョン。で、もう1つは1978年に発売された『DEBUT』に収録されたバージョン。そちらは「水彩画の町 ’78」というタイトルが付けられています。
で、今朝、久しぶりにそちらの「水彩画の町 ’78」を聴いたら、なんと歌い出しが、
水彩画の部屋に 花あんずが匂うと
歌詞を変えて歌ってたんですね。でも、ちょっと確認のために『DEBUT』の歌詞カードを見たら、
水彩画の町に 花あんずが匂うと
ファースト・アルバムと同じ。大瀧さん、間違って歌ったんでしょうか。「町」より「部屋」と歌う方が気持ちよかったのかもしれません。まあ、でも歌詞カードくらい直せばいいのにね。
ところで、僕が「水彩画の町」という曲を知ったのはこちらの「水彩画の町 ’78」のバージョン。1984年に出た『NIAGARA BLACK VOX』に『DEBUT』が入っていてそれを何度も聴いていたんですね。ってことでそちらの「水彩画の部屋に 花あんずが匂うと」という歌詞が耳に染み付いていたようです。
ちなみに「水彩画の町 ’78」にはきらびやかなストリングスが入っているので(ストリングス・アレンジは山下達郎)、ファースト・アルバムのバージョンを初めて聴いた時にはなんだか物足りないような気がしたんですが、今はファースト・アルバムのバージョンの方がはるかにいいなと思います。大瀧さんのギターがとにかく素晴らしいんですね。
ところで今日、この2つのバージョンを聞き比べしていて気が付いたんですが、ストリングスが入っていることでなんとなく「水彩画の町 ’78」のほうは大作というイメージがあって、大瀧さんもゆったりと歌っているように感じられたので、ファースト・アルバムのバージョンよりも「水彩画の町 ’78」のほうが1分くらい時間が長いんじゃないかと思っていたら、なんと時間はほぼ同じ。これには驚いてしまいました。同時に流して聴いてみたら、部分部分でテンポ感が違っているところがあるものの、曲はほとんど同時に終了。
なんともすごい大瀧マジック。