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by hinaseno
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Go Away little Girl(Boy)


寺尾紗穂さんのライブを見終えて加古川から電車に乗り、向かったのは塩屋。汗びっしょりかきながら坂を上ってジャンクションカフェに。そこで開かれていたのは夏限定の喫茶余白。

余白珈琲さんが淹れたアイスコーヒーと紫都香さんが作ってくれたガーリックピラフがテーブルに並んだ頃に、美しいピアノ・トリオの曲が流れ出す。

曲は「Go Away little Girl」。

大瀧さんがこよなく愛する曲。もちろん僕も大瀧さん経由で大好きになった曲。作曲はキャロル・キング。

ジャンクションカフェで流れていた「Go Away little Girl」でピアノを弾いていたのはルイス・ヴァン・ダイク。2005年に発売されたアルバム『BALLADS IN BLUE』に収録。

実はルイス・ヴァン・ダイクは40年近く前の1968年に、アン・バートンの名作『BLUE BURTON』で同じ曲を演奏している。ただし、その時は女性が歌っていたのでタイトルは「Go Away little Boy」。アン・バートンの『BLUE BURTON』を手に入れたのはたぶん20年くらい前。当時CDで出ていたような気がするけど買ったのはLP。




ルイス・ヴァン・ダイクが「Go Away little Girl(Boy)」を再演しているのを知ったのは喫茶余白のためのCDを作っていたとき。見つけたのはやはりたまたま。


「Go Away little Girl」といえば村上春樹の「アフター・ダーク」の最初の方にも登場します。きっとその場面を読んで「おっ」と思う人間はそんなにはいないはずだけど。

場所はデニーズ。ボストン・レッドソックスのBのマークのはいった帽子をかぶった女の子が熱心に本を読んでいる。で、こんな言葉。


小さな音で店内に流れている音楽はパーシー・フェイス楽団の『ゴー・アウェイ・リトル・ガール』。もちろん誰もそんなものは聴いていない。

ジャンクションカフェにはそのとき10人くらい客がいたけど、やはり「Go Away little Girl」を聴いていた人はだれもいない。たぶん。


ところで話は変わって、先日紹介した夏葉社の『冬の本』と寺尾紗穂さんが編集した『音楽のまわり』の両方にエッセイを寄稿している人のこと。

浜田真理子さん。

浜田さんが『音楽のまわり』に書いたのは、大学生の時に、ナイトクラブでこの「お別れ公衆電話」という曲を弾き語りしたときの話。浜田さんもいい文章書きますね。

ちなみに「お別れ公衆電話」というのはこの曲。歌っていたのは松山恵子。




いわゆる演歌ですね。浜田さん、こんな曲を20歳のときに歌ってたなんてすごい。

で、エッセイの後に添えられた紗穂さんのコメント。


あったかな心
人と繋がって学ぶこと
浜田さんからはプラスの
エネルギーが伝わってくる

浜田さんの文章はそれとはまた違う魅力

過ぎた時間、いなくなった人々を
見つめる感傷は甘過ぎず、
淡々と静かに胸を刺す

文章とご本人
そのギャップに
何だかメロメロになってしまうのです

さて、話はまた「Go Away little Girl」のことに。

ルイス・ヴァン・ダイクの「Go Away little Girl」を見つけたついでに何年かぶりに「Go Away little Girl」のカバーをチェックしたら驚くくらいたくさんアップされていることがわかりました。とりわけ「Go Away little Boy」というタイトルで女性シンガーが歌ったものが特に2000年代以降に多くなっていることに驚きました。きっかけがなんだったのかはわかりませんが、完全に女性シンガーにとってのスタンダード・ソングになっています。ちなみに僕が以前から持っていたのはナンシー・ウィルソンとアン・バートンが歌ったものだけ。iTunes Storeを見たら女性シンガーが歌った「Go Away little Boy」がずらりと並んでいます。

で、YouTubeでチェックしていたらこれが目に飛び込んできたんですね。




なんと浜田真理子さんが「Go Away little Boy」をカバーしていたんです。しかも素晴らしいカバー。

浜田さんはこの「Go Away little Boy」を、浜田さん自身の曲である「のこされし者のうた」とメドレーで歌っているんですが、メロディ的にもその2曲、似た雰囲気があるんですね。「Go Away little Boy」を下敷きにして「のこされし者のうた」が作られたのか、あるいは偶然似たのか。

すごいのはそのエンディング。

「Go Away…」と「ゆかないで」を繰り返しながら2つの曲が融合していく。蛇足ですが詞に関して説明すると「Go Away…」は「出て行って」という意味で、「のこされし者のうた」で繰り返される言葉は「ゆかないで」。

もちろん「Go Away…」はそのあとに「Before I beg you to stay」と続いていて、その意味は「わたしがあなたにいてほしいと請い願う前に出て行って」ということで、本心としては本当は出て行って欲しくはない。浜田さんはそのことはよく知った上でエンディングで「Go Away…」と「ゆかないで」という反する言葉を繰り返す。

これ、目の前で聴いたら絶対に泣きますね。

紗穂さんの「A Case of You」のカバーと同時に聴けたらどれだけ素晴らしいだろうと思ってしまいました。できれば「I Think It's Gonna Rain Today」のカバーも聴けたら最高。


で、ちょっと調べたら3年前の12月に神戸で浜田さんと紗穂さんのジョイントライブが行われていたんですね。悔しいなあ。

いつかお二人のジョイントライブを見れる日を夢見ています。


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by hinaseno | 2018-09-12 14:50 | 音楽 | Comments(0)