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by hinaseno
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A Case of You


今月13日に発売される高橋和枝さんの新しい絵本『トコトコバス』の表紙の画像がついにアップされました。

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いや、いいですね~。講談社のサイトの内容紹介では「読み聞かせ3歳から ひとり読み5歳から」となっていますが、いい年をした大人の僕が読んでもおもしろいこと間違いなしだと思います。もともと高橋さんの描かれるバスの絵が大好きですし。


ところでその高橋さんが「楕円の夢」とともに、とりわけその歌詞に心惹かれたと言われていたのがこの「A Case of You」という曲でした。




これはジョニ・ミッチェルの名盤『Blue』に収められた曲のカバー。




『Blue』はもちろん持っていてこの曲もよく聴いていましたが(実は一番よく聴いたのはジョニ・ミッチェルではなくジミー・ウェッブの妹のスーザン・ウェッブのカバー)、これが画家の歌だったとは知りませんでした。まあ、ジョニ・ミッチェルさんは画家でもあるけど。

この歌詞を訳されたのは紗穂さんでしょうか。ジョニ・ミッチェルの書いた歌詞を忠実に訳しています(YouTubeの紗穂さんのビデオの下にどなたかがたぶん聞き取りした歌詞を載せていますが「悪(devil)」が「枠」になっていますね)。

ということで、ここ数日、ジョニ・ミッチェルとスーザン・ウェッブと紗穂さんが歌った「A Case of You」の聴き比べをずっとしていました。どれもすばらしいのですが、紗穂さんのバージョンは日本語だけに一つ一つの言葉が突き刺さってきますね。


さて、「A Case of You」を毎日聴いていたら、昨日、ネット上にあふれている情報の中で、ぱっと「A Case of You」に目が止まったですね。それはこちらに載っているインタビュー記事。

あの佐藤泰志の『きみの鳥はうたえる』という小説が映画化されて、この9月に公開されたのですが、そのヒロイン佐知子を演じた石橋静河さんがこんなことを語っていたんですね。ちょっとその部分を。


石橋:…佐知子の気持ちについて現場で感じることが沢山あったんです。でも佐知子は理由があって好きになったわけじゃないとも思っていて、逆に理由が無くていいというか。かといって単にフラフラしている女の子ってわけでもなくて。これをどうやったら誠実に伝えられるのかずっと考えていて、ちょうど撮影中に聴いていた曲が佐知子の心情とリンクすることがあって、それで腑に落ちるところがあって。
―――差し支えなければ、曲を聞いてもいいですか?
石橋:ジョニ・ミッチェルの「A Case Of You」って曲なんですけど、その曲を聴いて、理由や理屈は要らないと思ったというか、目の前に素敵な人がいたからその人と一生懸命向き合って、その次にまた素敵な人が現れて、その人と一生懸命向き合った結果、この映画で描かれる形になったけど、それは誰かに対して誠実じゃなかったということではなくて、ただただ目の前にいる人と向き合って、自分とも向き合った結果なんだなって。それでいいな。そう思ったんです。

佐藤泰志といえば、このブログでも何度か書いてきましたが、とりわけ好きなのが映画にもなった『海炭市叙景』。その『海炭市叙景』について最近、ちょっとした勘違いがあったのでその話を。

紗穂さんの『愛し、日々』を読み終えて、最後のページを見た時に、「編集:北沢夏音」が目に止まったんですね。

おお、北沢夏音さん。

北沢さんって、ときどき名前を見かけるんですが、音楽や文学に関する趣味が僕とよく合うので、ある時期から北沢さんの文章を見かけるたびにチェックしていました。

その北沢さんを意識するようになったのは夏葉社から出た『冬の本』に載っていたエッセイでした。確か、その『冬の本』で佐藤泰志の『海炭市叙景』を取り上げていたはずだと。

でも、記憶違い。『海炭市叙景』を取り上げていたのは吉本由美さん。で、北沢さんが取り上げていたのは山川方夫の「待っている女」でした。

もちろん僕は山川方夫が好きですが、その北沢さんのエッセイにも書かれているように山川方夫といえば「夏」のイメージ。荒井良二さんが表紙のイラストを描かれた『夏の葬列』は大好きな本です。ちなみに巻末には川本三郎さんが書かれた「鑑賞」というエッセイが載っているんですが、これがまたすばらしいんだ。

その北沢夏音さん。寺尾紗穂さんの初期のいくつかの作品のクレジットに名前が載っていました。


さて、「A Case of You」のこと。紗穂さんがこの曲をカバーしたいきさつはわかりませんが、先日紹介した紗穂さんのインタビューでこんなやりとりがありました。


寺尾:気に入るとそればかり聴いているというか。あまり触手を他に伸ばせないというか、音楽を普段あまり聴かないんですよね。自分に似ているとか、影響をうけたんでしょうって言われると聴くようにはしているんですけど。
―――たとえば?
寺尾:ジョニ・ミッチェルとかローラ・ニーロとか。ファンの方に頂いて一番好きだったのはジュディ・シルですね。

ローラ・ニーロ! ジュディ・シル!

僕はジョニ・ミッチェルのアルバムは数枚しか持っていませんが、ローラ・ニーロは全部持っています。女性のシンガー・ソングライターでは一番好きなので。ジュディ・シルも出ているCDは全部持っているはず。

そういえば昨日、紗穂さんの『風はびゅうびゅう』の「答え」を聴いていたら、ローラ・ニーロっぽさを感じてにっこり。好きな曲がどんどん増えていきます。

というわけで結局今日も寺尾紗穂さんの話を続けてしまいました。


ところで紗穂さんが「冬の本」を一つ選ぶとしたら、一体誰の何という本(作品)を選ぶんだろう。

島田さん、次に『冬の本』のようなものを出すときには、ぜひ紗穂さんにエッセイを書いてもらってください。世田谷ピンポンズさんに書いてもらうのは言うまでもないけど。


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by hinaseno | 2018-09-10 13:04 | 音楽 | Comments(0)