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by hinaseno
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是枝裕和監督のこと、それからちょっと岡山の荷風のこと


今日は久しぶりに荷風がらみのことを書くつもりでいたんですが、やはりこれを書いておかないと。


今の日本で最も好きな映画監督の一人で、映画以外の活動でも敬意を払い続けている是枝裕和監督の最新作『万引き家族』がカンヌ映画祭の最高賞であるパルムドールを受賞されました。本当に素晴らしい。

このブログでも『海街diary』と『空気人形』の2つの作品のこと(ほかにも『歩いても 歩いても』とか『奇跡』とか『そして大人になる』とか好きな作品はいくつも)、『東京人』という雑誌での松本隆さんとの対談のこと、ミシマ社から出版された『映画を撮りながら考えたこと』という本のこと、そして最近では牛窓を舞台にした想田和弘監督の『港町』のパンフレットに寄稿されていることなど何度も是枝監督のことを取り上げてきただけに自分のことのようにうれしいです。

せっかくなので『港町』に寄せた是枝監督のコメントを載せておきます。いいコメントです。


想田監督自身が名付けた「観察」とは、対象に関与せず、客観的に傍観する、ということとは明らかに違う。そこには、発見しようとする眼と、聴き分けようとする耳と、待とうとする態度が、自覚的に選びとられているからだ。そのことが、一見偶然起きたかのように見える出来事を、作品内において必然に変えてしまうのである。この変成こそがドキュメンタリーにおける最も優れた「演出」だと、この『港町』を観て改めて気付かされた。

ところで『万引き家族』は映画自体もそうですが、音楽もいいんですね。実はその音楽を担当していたのが細野晴臣さん。ネットに上がっている予告編で少し流れる音楽を聴きましたが、とてもいい感じ。サウンドトラックも絶対に買わなくちゃ。




そういえば是枝監督と想田監督は先日対談をされたんですが、その対談が来月、日本映画専門チャンネルで放送されるのでこちらも楽しみです。

それにしても2年前、ほぼ同時期にミシマ社から出たそれぞれの監督のこの2冊の本を読んでいたときには、まさかこんな日(『港町』が公開され『万引き家族』がパルムドールを受賞する)がやって来るなんて想像だにできませんでした。

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ところで是枝監督といえば、僕は是枝監督のことを考えるとなぜだかよくわからないけどこのあたりの風景を思い浮かべてしまうんですね。その理由が気になって仕方がないけどどう考えてもわからない。

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場所は岡山の万成と呼ばれるあたり。歩いたのは2年前の8月。

ブログを確認したら、この日のこと、書いていないですね。書かない方がいいと判断したのかな。

その日、僕は荷風が岡山に疎開していたときに荷風の世話をした人のことを調べに荷風の疎開地である三門のあたりを歩いていました。あの妙林寺に車をとめて。

で、いろいろ探し歩いて、『断腸亭日乗』に登場するその人の息子さんに出会うことができたんです。話を聞くと、その人は子供の時に荷風と一緒に何度も散歩していたそうです。その歩いていったところが『断腸亭日乗』に書かれている万成のあたり。『日乗』では荷風一人で歩いたように書かれているけど、実はそうではなかったと。この話、川本三郎さんにお伝えしたいなあと思いながら、いまだその機会がありません。


ということで2人が歩いたという道を聞いて、そこを歩き始めたら急に雲行きが怪しくなってきて、雨がぽろぽろ降り出しました。困ったなと民家の軒下で雨宿りをしていたら、なんとその息子さん(といってももちろん今はかなりの高齢)が単車に乗って追いかけてきてくれて傘を貸してくれたんですね。その傘、実は今も借りたまま。返しに行かなくてはと思いつつ、もう2年も経ってしまいました。


ということでその傘をさしながら歩いたのが万成。考えていたのは荷風のことだったはずなのに、なぜか是枝監督の名前を見ると万成あたりの風景が頭に浮かんできます。不思議としか言いようがない。何かあの辺りに是枝監督がらみのポスターが貼られていたのかな。


ちなみに今日書こうと思っていた荷風の話というのはこのことではなく、上林暁がらみのことです。

ってことでそれはまた次回に。


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by hinaseno | 2018-05-21 14:31 | Comments(0)