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by hinaseno
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牛窓暮色(最終回)


想田和弘さんの『港町』の岡山での上映も今日が最終日。できたら2、3度は見に行こうと思っていましたが、結局1度しか行けませんでした。でも、6月末から大好きな海街の一つである尾道で上映されるので、そちらでぜひ見たいと思っています。

ということで長く続いたこの話も今日が最終回ということにします。牛窓のことになるといつまでも書き続けたくなるので、そろそろきりをつけないといけないので。


今日最初に紹介するのは、映画を見るひと月前(3月末)に牛窓に行ったときに撮った写真を。牛窓で撮った写真の中では個人的にはお気に入りの1枚です。

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映画を改めて見直してきちんと確認しようと思っていたんですが、『港町』にはたぶん子供の姿が1度も映っていなかったはず。出てくるのは老人ばかり。過疎、そして高齢化という日本の地方のどこにでも見られる姿が映し出されています。

確かに牛窓に行くと、海沿いにいる観光客は別にして、一歩路地に入るとめったに子供の姿を見ることはありません。ましてや何人かの子供達が遊んでいるところには今まで出くわしたことがなかったけど、この日、この場所で、5、6人の子供が遊びまわっていたんですね。本当にめずらしい風景。


向こうの正面に見える3階建ての家はこのブログでも何度か紹介していますね。窓に映画俳優を描いた絵が貼られたものが残っている例の建物です。個人的には現在牛窓に残っている中で最も貴重だと思っています。いつ取り壊されてもおかしくない状態ですが、とにかくこの建物は失われないでほしい。

で、右手にあるのが、この写真を撮った数日前に放送された『鶴瓶の家族に乾杯』で、鶴瓶と蛭子さんが立ち寄った正本写真館。遊んでいる子供の何人かはそこの子供かな。


この正本写真館は何代にもわたって写真館を営んでいるのですが、その先代か先々代の人が撮った写真を集めたのが以前も紹介したことのある『あるく みる きく 231号』(1986年5月)。そこには、昔の牛窓の貴重な写真が満載。で、このページに掲載されている左の写真はまさにこの場所を撮っているんですね。

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これは昭和25年ごろに撮影された写真とのこと。もしかしたらこの写真、あの3階建ての建物の3階の部屋から撮ったものかもしれません。

それにしても子供の数の多いこと。ちなみに右の写真はニコニコ食堂のある広場で行われている盆踊りを写したものなのですが、遊女屋であった建物の2階にまで子供が上がりこんでいます。

その遊女屋の建物に新しくできた匙屋さんの2階から見えるのがこの風景。こんな風景が見られるなんて思ってもみませんでした。

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さて、一番上に紹介した子供たちを撮った場所から、少しだけ歩いて反対側を撮ったのがこの写真。

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右に見える白い建物は正本写真館の旧館。正面には昔牛窓で撮影された『カンゾー先生』のポスターが貼られたままです。

で、この正面に見える階段を上ったところにあるのが『港町』のクミさんが想田さんたちを連れて行った丘の上の病院。以前は国民宿舎で、あの井伏鱒二が昔療養を兼ねて泊まったところ(「備前牛窓」)。

ということでこちらの階段からは何度か丘に上がっていましたが、あんな裏道があったとは知りませんでした。


知らなかったと言えば『港町』ではこんな路地も映りました。

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白い猫が歩いていますが、この猫は『港町』に何度も映るシロではありません。

この路地、どこだろうと調べたら、以前紹介した地図からは外れた場所にありました。

ここですね。猫もいっぱいいました。

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ちなみにこの路地、実は牛窓に1軒だけある本屋さんの裏側にあったんですね。本屋さんの正面にはホテル・リマーニの真っ白な建物があるんですが、まさか裏にこんな路地があるとは知りませんでした。

実は去年、この本屋さんに行ったときに店内に猫が何匹かいてびっくりしたんですね。本の間で平気でごろごろしている。

で、何枚か写真を撮っていたんですが、想田さんの『港町』に映ったのはこの猫じゃないかな。

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写真を撮るときに、猫の後ろに飾られている『kotoba』という雑誌の表紙の池澤夏樹、山極寿一の名前が並んでいるのが目に入ったので買いました。


さて、最後に『港町』のパンフレットのことを。これがまた最高に素晴らしいんですね。映画のいろんなシーンをとらえた写真も素晴らしいし、多方面から寄せられたコメントも素晴らしい。

是枝監督、内田樹先生、平川さん、そして寺尾紗穂さん…。

で、このパンフレットには大好きな詩人である小池昌代さんと想田さんの対談まで掲載されています。

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牛窓を舞台にしたこんな素晴らしい映画が作られて、さらにそのパンフレットに大好きな人たちの名前が並ぶ日がやってこようとは、このブログに牛窓を書き始めたときには予想すらできませんでした。本当に信じられない。ただただ驚いています。


牛窓のことはこれからも何度も書いていくだろうと思います。


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by hinaseno | 2018-05-11 15:56 | 映画 | Comments(0)