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by hinaseno

朝妻一郎さんが大瀧さんから依頼されていたこと(その2)


大瀧さんが『アメリカン・ポップス伝』のために可能な限り当事者、あるいは当事者に近い人物からの証言を得ようとしていたことは知っていましたが、朝妻さんをつてにしていたこと、そして朝妻さんによってその具体的なやりとりの内容が紹介されていたのは驚きでした。


とりわけいちばん驚いたのはスティーヴ・バリに連絡を取ろうとして、朝妻さんが可能性のある人としてメールした人の奥さんが、あのキャロル&シェリルのシェリルのだったという話。

年明け、久しぶりに「Sunny Winter」を聴いた日か、その次くらいにその名前が大瀧さん経由の話で出てくるとは思いもよりませんでした。今年最初のセレンディピティでした。


朝妻さんの記事、消えちゃうといけないのでここに貼っておきます。2017年12月30日にアップされたもの。


「大瀧詠一から亡くなる前に依頼されたこと」

大瀧詠一君が亡くなってもう4年になる。
亡くなる少し前に大瀧君はNHK-FMで放送していた『大瀧詠一のアメリカン・ポップス伝』の次の回の為の資料集めをしていて、リバティー・レコードでA&Rとプロモーションを担当し、一時はジャッキー・デシャノンと結婚していたバド・デイン(ジャッキー・デシャノンの「ウエイト」はバドがプロデュースしていた)や、リッキー・ネルソンやレターメンのアレンジャーとして数多くのヒットを出していたジミー・ハスケルに連絡を取って欲しいと頼まれた。
バド・デインとは彼がリバティーの後A&Mに移っていて、その時知り合いになっていたし、ジミー・ハスケルとは業界のパーティーで人に紹介されて連絡先を聞いていたのでそれぞれすぐに大瀧君から頼まれた質問をぶつけた。どちらも確か、ジャン&ディーン(か、スナッフ・ギャレット)に関する質問だった気がする。ジミー・ハスケルはわざわざミュージシャン・ユニオンに問い合わせてくれて古い記録を取り寄せてくれるほどの協力ぶりを見せてくれた。
その後少し経って、今度は”スティーヴ・バリの連絡先を知りませんか?“とまた大瀧君から連絡があった。彼は昔、P.F.スローンと組んでいくつものヒット曲を書いたほかにプロデューサーとしてもグラスルーツやトミー・ロウのヒットを出していた。僕は1970年に一カ月、毎日スティーヴ・バリのスタジオに通っていたのだが、当時はメールアドレスもなく、彼の所属していたダンヒル・レコードも跡形もなくなっていて、どうやってスティーヴの現在の連絡先を探したら良いか考えた。
そこで思いついたのがエヴァン・メドウという男だ。彼にはウインドスエプトという僕がアメリカでやっていた音楽出版社の社長/会長を務めて貰っていたが、そのずっと前にABCレコードに居たことがあるのを知っていたので、”スティーヴ・バリの連絡先を知りたいんだけど・・”とメールした。すると”うちの奥さんのシェリルとスティーヴは昔何曲かレコードを出したことがあるし、今でも連絡は取れるよ・・”と言う返事と共に今のスティーヴのメールアドレスが送られてきた。シェリルのお姉さんは作詞家のキャロル・コナーズで、フィル・スペクターと一緒に「To Know Him Is To Love Him」を歌っていた、テディー・ベアーズのメンバーであったことは知っていたが、シェリルがスティーヴとレコードを出したことはその時初めて聞いてびっくりした。
大瀧君のスティーヴに対する質問が何だったのかもう覚えていないが、大瀧君の質問に対する答えの中に”高校の頃、学校が終わると「ノーティーズ」というレコード店でアルバイトをしていたんだけど、このお店はジェリー・リーバーも働いていたことのあるお店だったんだ“というところを大瀧君は、とても面白がって、”これは良い話題だ、次の番組の中で使おう!”と喜んでいた。確かにプレスリーの数多くのヒットを書いている、リーバー・ストラー・コンビの一人ジェリー・リーバーとその後のヒット・ライター/プロデューサーのスティーヴ・バリが同じレコード店で働いたことがあると言うのは、何か因縁を感じさせる。
残念ながら、大瀧君がこの事柄をどういう風に番組の中で取り上げようと思っていたのかを知る術はないが、大瀧君の事だからきっと面白い話を聞かせてくれたに違いない。このこと一つだけをとっても大瀧君のあまりにも早い旅立ちが悔やまれてならない。

リバティがらみの話で大瀧さんが質問していたのはおそらくスナッフ・ギャレットのことではないかと思います。ああ、聴いてみたかった。

それからスティーヴ・バリに質問した答えの中で、スティーヴ・バリが高校時代にジェリー・リーバーと同じレコード店でアルバイトしていたという話も面白いし、大瀧さんがその話に「これは良い話題だ、次の番組の中で使おう!」と喜んでいたっていうのもいいですね。いったいどんなストーリーを組み立てていたんでしょうか。


さて、次回はそのレコード店つながりの話をしようかと思っています。ある女の子が、あるレコード店でちょっと働いたという話。この話が飛び込んできたときにはびっくりやらうれしいやらで、で、何かできないかと僕が考えたことは…。


それから今日はとっても楽しみにしていた日。外はいい天気でよかった。


by hinaseno | 2018-01-21 10:43 | ナイアガラ | Comments(0)