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by hinaseno
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「きみの肩のうえでやさしさが、小さく小さくふるえてる」(その1)


今朝はとてもいい天気で、水色の光が差し込んでいます。

という書き出しで、昨日書いていたんですが、アップができませんでした。今朝は雨。


ところで今年の元日の朝はとてもいい天気で、窓からは水色の光が差し込んでいたので、自然にある曲のメロディが流れてきました。


 水いろの光 さし込む 
 部屋に君は ひとりぽつん

いや、「部屋」ではなく「窓」だったっけ。

曲はもちろん大瀧さんの「外はいい天気」、いや「外はいい天気だよ」、いや正確には「外はいい天気だよ ’78」…。

何を言ってんだかって感じですが、実はこの大好きな曲のことをこれまでずっとあいまいなままにしていたのでここでちょっと整理しておこうと思います。

この曲が作られたのははっぴいえんど時代。1973年2月に発売されたはっぴいえんどの3枚目のアルバム『HAPPY END』に収録されました。曲のタイトルは「外はいい天気」。

YouTubeに『HAPPY END』の全曲の音源があったので貼っておきます。「外はいい天気」は23:14から。




作詞はもちろん松本隆さん。歌詞はこうなっています。


外はいい天気

 水いろのひかりさしこむ窓に
 きみはひとりぽつん
 風にきみの顔がにじんで
 水いろの陽に濡れる机(テーブル)に
 きみはほほづえついて
 今朝の夢のつづき思い出す
 さあ
 あたまに帽子のせて
 でかけなさいな
 ほら外はいい天気だよ
 水いろのひかりあふれる部屋に
 朝は悲しすぎる
 風にきみの夢がにじんで

で、1978年8月に発売されたアルバム『DEBUT』で、オリジナルのメロディと歌詞を少し変えてこの曲をカバーするんですね。タイトルは「外はいい天気だよ ’78」。78年発売のアルバム用にカバーしたので「’78」が付けられていますが(『DEBUT』には他にも何曲か「’78」が付けられています)、オリジナルは「外はいい天気」だったのに「だよ」という言葉が添えられているんですね。クレジットは作詞松本隆となっています。


外はいい天気だよ ’78

 水いろの光 さし込む
 部屋にきみは ひとりぽつん
 風にきみの 顔がにじんで
 水いろの陽に ぬれてるテーブルに
 きみにほゝづえつき 今朝の
 夢のつづき おもい出す
 さあ 頭に帽子のせて
 出かけなさいな
 ほら 外はあんなにいい天気だよ

 水いろの光 あふれる
 部屋に朝は 悲しすぎる
 風にきみの 夢がにじんで
 きみの肩のうえで やさしさが
 小さく 小さく ふるえてる
 小さく 小さく ふるえてる

一応「外はいい天気」も「外はいい天気だよ ’78」も歌詞カードをそのまま写しています。漢字・ひらがな表記だけでなくいくつか言葉も変えられていますね。ただ「外はいい天気」では歌詞カードでは「ほほづえついて」となっていますが、大瀧さんは「ほほづえつき」と歌っていたりもします。大瀧さんが松本さんの書いた通りに歌わないことがときどきあるのは以前も指摘した通り。


2つの歌詞でまず違っているのは「外はいい天気」では水色の光がさしこんでいるのは「窓」なのに「外はいい天気だよ ’78」では「部屋」になっていること。

それから「外はいい天気」では「風にきみの夢がにじんで」で終わるのに、「外はいい天気だよ ’78」ではそのあとにこんな言葉が続くんですね。


 きみの肩のうえで やさしさが
 小さく 小さく ふるえてる
 小さく 小さく ふるえてる

ちなみに僕は「外はいい天気だよ ’78」を最初に聴いて、はっぴいえんどの『HAPPY END』を手に入れたのはずいぶんあとだったので、「窓」にも「風にきみの夢がにじんで」で終わることにもずいぶん戸惑いました。その後も聴いていたのは「外はいい天気だよ ’78」の方で、耳に馴染んでいるのは断然こちらの再録音バージョン。


さてさて、タイトルも含めていろいろと気になることが多いので、いくつか確認を。まずは松本隆さんの詞(詩)を収めた『風のくわるてつと』(1972年11月刊行)を見てみました。『風のくわるてつと』は『HAPPY END』が発売される前年に出ているんですね。ということはまだ曲になる前の詞ということになります。で、タイトルはなんと「外はいい天気だよ」。「だよ」が付いているんですね。

詞はこうなっています。改行等、そのまま。


外はいい天気だよ

 水いろのひかりさしこむ窓に
 きみはひとりぽつん

 風にきみの顔がにじんで……

 水いろの陽に濡れる机に
 きみはほおづえついて
 今朝の夢のつづき思い出す

 さあ
 あたまに帽子のせて
 でかけなさいな
 ほら外はいい天気だよ

 水いろのひかりあふれる部屋に
 朝は悲しすぎる

 風にきみの夢がにじんで

 さあ
 あたまに帽子のせて
 でかけなさいな
 ほら外はあんなにいい天気だよ


詞に関していえば、ほぼ『HAPPY END』と同じ。水色の光が差し込むのは「窓」。どうやらそこは大瀧さんが(たぶん歌いやすさも考えて)変えたようです。

それから注目すべきは「外はいい天気だよ ’78」の最後に出てくる「きみの肩のうえで やさしさが…」の部分がないこと。どうやらそこは大瀧さんが書き足した可能性が高そうです。そしてこの曲の魅力の秘密もそのあたりに隠されていることがわかってきました。


Commented by FUSSA59 at 2018-01-08 16:01 x
いつも楽しみ拝見させて頂いてます。

定本はっぴいえんどの本に
外はいい天気だよの
ロスレコーディング歌詞メモ
が写真で載ってます。

そこには歌詞の上にバツ印が
してありますが下の歌詞が書いてます。

水いろの陽に 溶けだした朝
きみの肩のうえで 
やさしさが 小さく ふるえてる

はっぴいえんどバージョンで省いてたものの
’78バージョンでは復活させたようです。
省くには確かにもったいない歌詞ですね。

年代通りに聞いた私は新録バージョンに
思わずニンマリしたものでした。
Commented by hinaseno at 2018-01-08 22:51
> FUSSA59さん
貴重な情報感謝します。

実ははっぴいえんど関係のものはあまり持っておらず、
『定本はっぴいえんど』も持っていませんでした。
そんな貴重なものが掲載されていたとは驚きです。
歌詞はやはり松本さんの文字でしょうか。

ちょっと予定していたストーリーを変えなくてはならなくなりました(笑)。
Commented by FUSSA59 at 2018-01-08 23:54 x
断言できませんが他の写真を比べ筆跡が似て
個人的には、たぶん松本さんだと思われます。
Commented by hinaseno at 2018-01-09 09:14
> FUSSA59さん
とりあえず『定本はっぴいえんど』を手に入れて確認してみます。

それにしても最初はただなんとなく、って感じで書いていたんですが、
思わぬ発見につながったようで、とてもうれしく思っています。
by hinaseno | 2018-01-08 10:08 | ナイアガラ | Comments(4)