今年最初に読んだのは昨年暮れに出た内田先生の『ローカリズム宣言』でしたが、その本と同じ日に買ったのが小泉今日子さんの『小泉放談』でした。『小泉放談』のことはこの日のブログに書いていますね。本が出るのを楽しみにしていたらようやく。こちらは年末から少しずつ読んでいます。
対談相手はすべて女性。50歳を迎える小泉さんが、一足先に50歳を迎えた女性に50歳を迎えた時の話を聞くという趣向ですね。全部で25人。今は8人目を読み終えたところ。
読んだ中で一番面白かったのは樹木希林さんとの対談でしょうか。樹木希林さん、改めてすごい人だなと思いました。
江國香織さんとの対談では小泉さんと江國さんのちょっとした縁の話が。
小泉さんが飼っていた猫に「小雨」という名前をつけていたのは有名ですが、実は江國さんの飼っていた犬の名前がなんと「雨」。江國さんがその犬を店で見つけた日がちょうど雨の日だったので「雨」にしたと。
小泉さんもやはりペットショップに行った帰りに、パラパラっと優しい小雨が降ってきたので小雨にしたそうです。こういうのっていいですね。
雨といえば。
最近は本が本当に読めなくなってきて、まあ原因はいろいろ考えられるけど、一番の原因がネットであることはまちがいがありません。そろそろどうにかしなければと考えているんですが、何か調べようと思ったらネットって便利なんですね。本を読んでいたときに気になる言葉や、とりわけ知らない地名なんかが出てくると、読むのを中断してネットでググったりしてしまうんですね。便利といえば便利ですが、そのついでにいろいろと読んでしまったりするうちにあっという間に時間が経ってしまう。想像の世界だけでとどめておくほうが正しい読み方なんだろうと思いつつ、ついつい。
そういえば河野さんのトークイベントがきっかけで久しぶりに池澤夏樹の『スティル・ライフ』を読み返したんですが、わからない言葉が出てくるとついつい調べてしまいました。たとえばチェレンコフ光とか。こんな光だったんだと初めて知りました。
それから主人公が毎年春になると行っていた雨崎という場所。小説では主人公がある日、たまたま地図を見ていたときにこの地名を見つけて興味を持ったのがきっかけ。県名は書かれていなくて、海に沿って南の方に走る電車に乗って、で、電車を降りてバスに乗ってしばらく行ったところから海に沿って歩いた場所にあると。
想像上の場所かもしれないと思って調べたら、雨崎は実在したんですね。神奈川県の三浦半島の先の方。電車は京急久里浜線のようです。
残念ながらGoogleマップで海岸をバーチャルウォークすることはできなかったけど、写真を見たら『スティル・ライフ』で描写しているとおりでした。池澤さん、雨崎に行ったことがあるんでしょうね。
というわけで、こういうのを調べるだけで30分はかけてしまうことになりました。う~ん、どっちがいいんだろう。