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Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno

たとえば、星を見るとかして(その4)


余白珈琲さんから「星々」が届く。

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袋の中には楕円の形をしたコーヒー豆たちが優しい光をはなっている。もしかしたらチェレンコフ光が見えるかもしれないと思ったり。

珈琲を飲みながら、僕の珈琲豆的楕縁の内側の世界のことを考え、それから外の世界のことを考える。山脈のこと、人のこと、染色工場のこと、大熊座のこと、あるいは川のせせらぎやセミ時雨のことなどを...。


余白珈琲さんの珈琲豆を買うきっかけを与えてくれたのはスロウな本屋で開かれた松村圭一郎さんのトークイベントでした。そのスロウな本屋で先日、夢のようなイベントが開かれました。『考える人』という雑誌の元編集長で、現在はほぼ日の学校長をされている河野通和さんのトークイベント。河野さんをお呼びしたのは岡山大学の松村先生。ということで松村さんが河野さんのトークのお相手をされました。


実は10月に開かれた松村さんのトークイベントの後で店主の小倉さんから、今度またすごい人が来てくれるかもしれないと聞いていて誰だろうと思っていて、で、次にスロウな本屋さんに行った時に、それが正式に決まったと聞いて「だれですか?」と尋ねても告知まで公にできないと言われて。ただ、松村さんと誰かが対談するということだったので、僕は咄嗟に「河野さんですか?」って言ったんですね。小倉さんは少し微笑まれたけど、「言えないんです」と。でもやっぱり河野さんでした。


僕が河野通和さんのことを知ったのは今年の初めにミシマ社から出版された『言葉はこうして生き残った』という本がきっかけでした。ミシマ社はもちろんずっと注目している出版社ですが、でもミシマ社の本だからといって必ず買っているわけではありません。僕がよく知っている人が書いたものでなければ、よほど何かピンとくるものがなければ手に取ることはありません。

河野さんの『言葉はこうして生き残った』に関しては、まずそのタイトルに惹かれました。昨年出た平川さんの『言葉が鍛えられた場所』につながったんですね。そして一時期最もよく買って読んでいた『考える人』の編集長を務められていることもわかったので、これは読まなくてはと思って書いました。読んでみたら本当に素晴らしい本でした。

本を読み終えてプロフィールをみたら岡山市出身と。これにもびっくり。縁ですね。


以前にも書いたようにスロウな本屋さんのことを知ってそこに行ってみようと強く思ったのは、そこのトップサイトに平川さんの『言葉が鍛えられた場所』が本棚に飾られた写真が貼られていたから。これも縁。

初めて行ったときに店主の小倉さんからミシマ社との縁のことを聞いていて、まさにその数日後に河野さんの『言葉はこうして生き残った』がミシマ社から出ることがわかったのでスロウな本屋さんにすぐに注文しました。


それから数ヶ月後に岡大の松村さんの『うしろめたさの人類学』が出ることになるんですが、これも平川さんの『言葉が鍛えられた場所』につながっています。「うしろめたさ」というのは平川さんの本の中でのキーワードでもあったんですね。ということで『うしろめたさの人類学』もスロウな本屋さんに注文して書いました。


改めて考えれば平川さんの『言葉が鍛えられた場所』と、それをサイトのトップに貼っていたスロウな本屋という場所がなければ河野さんの本も松村さんの本も手に取らなかったような気もします。まさにスロウな本屋でできあがったトライアングルなんですね。

ということなので僕は心の中でこの3人の方が対談をしてくれないかと密かに期待していました。それぞれに重なる部分はあると思っていたので。岡山、ミシマ社、あるいは贈与…。


そしてその夢の一つがまさにスロウな本屋で実現したんですね。それはもう夢のような時間でした。

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by hinaseno | 2017-12-23 13:52 | 雑記 | Comments(0)