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by hinaseno
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東京でオリンピックをやらなくったって古関裕而の時代は続いている(2)


暇を見つけて(見つけなくても)、大瀧さんが出演したラジオ番組をいろいろと聞いていました。改めていうまでもなく聞くたびに新たな発見があります。

一番よく聞いたのは成瀬巳喜男の映画研究のことが語られた「大瀧詠一的2009」(収録はたぶん2009年12月)。内容は多岐にわたっていて聞きどころ満載。大瀧さんの名言、至言も随所に出てきますが、この年の放送で最も衝撃を受けたのはなんといっても古関裕而の(「ひるのいこいのテーマ」曲の)話でした。

この放送で古関裕而という作曲家のことを初めて知り、自分の中で古関裕而という存在が大きくなり始めていたときに起こったのが東日本大震災と福島での原発事故。福島は古関裕而の故郷。

「大瀧詠一的2009」の中での大瀧さんの予言めいた言葉に畏れすら抱いたものでした。これについては以前書きましたね。


「大瀧詠一的2009」を何度か聞いたあと、今度は大瀧さんが成瀬研究を始めた2007年あたりからの新春放談を聞いていたら、2008年1月6日放送(収録はたぶん2007年の12月)の新春放談で、『ナイアガラ・カレンダー』の30周年記念盤について達郎さんといろいろと話していたときに古関裕而の話が出てきてびっくり。「五月雨」の弦アレンジを聞いていたときに古関裕而の「ひるのいこいのテーマ」に通じるものを感じたと。

「大瀧詠一的2009」を収録した2年も前から大瀧さんの中で古関裕而の「ひるのいこいのテーマ」が重要な位置を占めるようになっていたようです。


で、次に聞いたのは1995年の夏に放送された「日本ポップス伝」。その第一回目に古関裕而の曲が4曲続けてかかっています。いずれも超有名なマーチばかり。

1曲目は早稲田大学応援歌「紺碧の空」。この曲がきっかけで古関裕而の元に依頼が殺到。野球を中心とした応援歌をいっぱい作るんですね。で、かかるのが「六甲おろし」という俗称で有名な「阪神タイガースの歌」(もともとは「大阪タイガースの歌」)。次が阪神のライバルチームである「巨人軍の歌」、俗称は「闘魂こめて」。

そして4曲目にかかったのがこれ。




「オリンピック・マーチ」。作られたのはもちろん東京オリンピックの年、1964年。

ちなみにこの次にかかるのが翌65年に作られたクレージー・キャッツの「ホンダラ行進曲」。いかにも大瀧さんらしい流れ。


さて、少し前のこと、古関裕而についてちょっと調べようと思って検索しかけたら、トップに「古関裕而 朝ドラ」なんて項目が出てきて何だろう?と思ったら、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを盛り上げるために、古関裕而の出身地の福島市と妻の金子の出身地の豊橋市が朝の連続テレビ小説放映の実現に向けて、「古関裕而・金子夫妻NHK朝の連続テレビ小説実現協議会」を設立して署名活動を開始したとのことが。

福島市のサイトによると「「長崎の鐘」「栄冠は君に輝く」など生涯約5,000曲を作曲した本市名誉市民・古関裕而氏の作曲活動を支えた妻・金子氏の個性豊かな姿、そして1964年東京オリンピックに沸き立つ日本の姿と古関裕而氏による「オリンピック・マーチ」作曲までを描く」ドラマを考えているようです。


いや、びっくりでした。でも、なんとなく実現する可能性は高そう。

でも、朝ドラの主人公(といっても朝ドラの主人公は女性なのでヒロインは妻の金子になるようですが)なんかになると、関連する本やらCDやらがどどっと出るんでしょうね。個人的には東京オリンピックなんて今からでもやめるべきだと心の底から強く思っている人間ですが(先日作られたとんでもない法律のように、オリンピックのためにとか、オリンピックに向けてということの中で行われることはろくなものがないので)、古関裕而がドラマになるというのはちょっと期待する部分もあります。さて、どうなるんでしょう。

ただ、あまり悪いことは考えたくありませんが、日本という国は、あるいは東京は、オリンピックまで大丈夫なんでしょうか。かりにオリンピックができたとしてもその後にかなり悲惨な反動が来ることは十分予想されることだけど。


「大瀧詠一的2009」で、大瀧さんはこんなことを言っていました。


「一回廃墟になったときに古関裕而のあの(「ひるのいこいのテーマ」の)メロディーを流して、みんながどんな反応をするのか俺は見てみたい」

と。

さらにこんなことも。


「そんなときは、これは誰が作ったとか考える余裕がないわけ」

大瀧さんは自分の曲についても「”あの”大瀧詠一が作った」とかではなく、匿名性の中で聴かれるのを理想と考えているところがあって、その意味では古関裕而という人はあまりにも有名な曲がありながら、ほとんど名前は知られていなくて、「”あの”古関裕而が作った」なんて語られることがないので、その意味でも古関裕而の曲こそが音楽としての理想の形と考えていたのかもしれません。

でも、朝ドラの主人公になったりすると、当然、「”あの”古関裕而」という形で語られることが多くなりますね。


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by hinaseno | 2017-06-21 14:43 | 音楽 | Comments(0)