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by hinaseno
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スロウな本屋へ(1/2)


初めての本屋に足を運ぶのはいつになっても心がワクワクします。もちろん何度も足を運んでいる本屋に行くのもやはりワクワクするけど、その1.5倍くらいのワクワク感がありますね。


先日、スロウな本屋という本屋さんに行ってきました。場所は岡山市内の中心部の、ちょっとややこしいところ。2年前にオープンしていたそうですが知りませんでした。きっかけはこの『せとうち暮らし』という雑誌。

スロウな本屋へ(1/2)_a0285828_14372886.jpg

そういえば結局書くことができなかったけど、昨年の暮れに久しぶりに神戸の元町に行った時に立ち寄ったのが1003という書店。近くに住んでいればきっと何度も通いたくなるようなとっても素敵な本屋でした。そこで買った本の一つが『瀬戸内海のスケッチ 黒島伝治作品集』。出版社はサウダージ・ブックス。この出版社、以前、原民喜の『幼年画』を倉敷の蟲文庫さんで買ったときから目をつけていました。サウダージ・ブックスは夏葉社と同じひとり出版社。でも、サウダージ・ブックスの本、なかなか普通の書店ではみかけないんですね。ちなみに『瀬戸内海のスケッチ 黒島伝治作品集』の選者は夏葉社から出版された上林暁の2冊の本と同じ山本善行さん。ということで悪かろうはずがありません。

1003には普通の書店には置かれていない、あるいは置かれていてもなかなか気づかないような本が並べられていましたが、真ん中のカウンターに近い長机に並べられていたのが『せとうち暮らし』という雑誌でした。たぶん創刊号から全部あったはず。ちょっと手にとってパラパラと見たらとてもいい本であることがわかりました。本当はゆっくり見たかったのですが時間がなかったのと、その前に立ち寄ったいくつかの本屋&レコード店でかなりの買い物をしていたので、また改めてということにしました。

で、戻って近くの書店に行ったら雑誌のコーナーに『せとうち暮らし』があったので購入。出版社は瀬戸内人。どうやらサウダージブックスという一人出版社をされていた方はこの瀬戸内人という出版社に入られたようで、絶版になっていた原民喜の『幼年画』も瀬戸内人から再版されています。

さて、この『せとうち暮らし』の最新号で紹介されていたのがスロウな本屋さんでした。場所は吉備路文学館の近く。ちょっと気になってサイトを覗いたらこれがびっくりだったんですね。こちらです。

まず目に飛び込んだ写真がこれ。

スロウな本屋へ(1/2)_a0285828_14380881.png
下の段のいちばん向こう側に置かれているのは昨年度に僕が読んだ本の中でいちばんよかったと思っている平川克美さんの『言葉が鍛えられる場所』。その上には昨年復刊されたメイ・サートンの『独り居の日記』。そして手前には『須賀敦子の手紙』。

実は昨年暮れに姫路のおひさまゆうびん舎さんで開かれていた「私の本棚」展に僕の本棚の写真も貼っていただいていたのですが、どちらかといえば古い本を並べている中に、須賀敦子、高峰秀子とならべてメイ・サートンの『独り居の日記』を入れたんですね。その部分。

スロウな本屋へ(1/2)_a0285828_14383983.png

この本に気がついて、へ~って思ってくれる人が一人でもいてくれたらうれしいなと思って、あえてメイ・サートンの『独り居の日記』を入れました。ちなみに川本三郎さんのエッセイ集『ひとり居の記』はそこからとられているんですね。そのメイ・サートンの『独り居の日記』と平川克美さんの『言葉が鍛えられる場所』が上下に並んで置かれているわけですから、とにかく驚いてしまいました。これは行かないわけにはいきません。というわけで、先日、久しぶりに気持ちよく晴れた日に、店からは結構遠い場所に車を駐めて歩いて行ってきました。


ところでそのスロウな本屋さんのサイトのイベントのところを見たらメイ・サートンの『独り居の日記』を定期的にされるとのこと。素晴らしいですね。参加したいな。


by hinaseno | 2017-02-08 14:40 | 文学 | Comments(0)