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by hinaseno
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That’s All


「アメリカン・ポップス伝パート3 第2夜」の最後に、ボビー・ダーリンをどこまでもフォローし続けるコニー・フランシスの姿として大瀧さんが紹介したのが「ザッツ・オール」という曲。僕は昔からこの「ザッツ・オール」という曲が大好きだったので、コニー・フランシスの「ザッツ・オール」が流れる場面は心が震えました。ということで以前に予告しましたが「ザッツ・オール」の話を。


この曲を知ったのは、アメリカン・ポップス伝で事実上最後の曲となった「ワン・ボーイ」を歌ったジョニー・ソマーズのバージョンでした。


曲が収録されているのは「ワン・ボーイ」から4年後の1964年に発売された『SOFTLY, THE BRAZILIAN SOUND(ソフトリー、ブラジリアン・サウンド)』というアルバム。このアルバムがとにかく素晴らしいんですね。何が素晴らしいかというと、このアルバムでギターを演奏しているのが僕の最も好きなブラジルのギタリストであるローリンド・アルメイダなんですね。ということで、もともとボサノヴァの曲もありますが、それ以外の曲もボサノヴァ調にアレンジされて演奏されています。それに大好きなジョニー・ソマーズの声が乗るわけですから悪かろうはずがありません。

全曲素晴らしいんですが、その最後に収録されているのが「ザッツ・オール」。


次にこの曲の素晴らしさを再認識したのは、女性ジャズ・ボーカルの中では最も好きなビヴァリー・ケニーが歌ったのを聴いたときですが、それを紹介する前に「ザッツ・オール」という曲のことを少し。


「ザッツ・オール」が書かれたのは1952年。曲はアラン・ブラント(Alan Brandt)とボブ・ヘイムズ(Bob Haymes)の共作。おそらくは作詞がアラン・ブラントで作曲がボブ・ヘイムズ。

ボブ・ヘイムズはディック・ヘイムズ(Dick Haymes)という歌手の弟ですが、作詞も作曲もできるみたいで、そのほかに歌手や俳優していたようでなかなか多才な人だったみたいですね。僕のライブラリーをチェックするとブロッサム・ディアリーが彼の書いた曲をいくつも歌っていました。

アラン・ブラントは全く不明。僕のライブラリーではアストラッド・ジルベルトの『いそしぎ』というアルバムに収録された「Funny World (Theme From “Malamondo”)」という曲で彼の名前を見つけることができました。エンニオ・モリコーネの曲なので、やはり作詞を担当しているんでしょうね。ネットでもほとんど彼の情報を見つけることができず、彼が共作した曲が1曲みつかっただけ。きっとあまり作品を残すことなく業界を去ったんでしょうね。でも、彼の書いたはずの「ザッツ・オール」の歌詞は本当にロマンチックで素晴らしいもの。

一応その歌詞を紹介しておきます。


I can only give you love that lasts forever
And a promise to be near each time you call
And the only heart I own for you and you alone
That's all, that's all

I can only give you country walks in springtime
And a hand to hold when leaves begin to fall
And a love whose burning light
Will warm the winter night
That's all, that's all

There are those, I am sure, who have told you
They would give you the world for a toy
All I have are these arms to enfold you
And a love time can never destroy

If you're wondering what I'm asking in return, dear
You'll be glad to know that my demands are small
Say it's me that you adore, for now and evermore
That's all, that's all

この曲を最初に録音したのがだれかはわかりませんが、曲が書かれた翌年の1953年にナット・キング・コールが歌って、それによってこの曲がスタンダードナンバーになったようです。


で、ビヴァリー・ケニーが「ザッツ・オール」を吹き込んだのはナット・キング・コールが歌った翌年の1954年。まだ、スタンダード・ナンバーとして十分に認識されていなかった時かもしれません。


この曲は本来は上に載せた歌詞のように1番、2番、ブリッジ、3番という構成になっているのですが、ビヴァリー・ケニーはブリッジの部分から、それをヴァースのように歌い始めています。歌詞もかなり変えています。


ビヴァリー・ケニーの歌った「ザッツ・オール」は、公式のものではなくてデモ。デモ音源を集めた驚愕のアルバム『Snuggled on your Shoulder』に収録されていました。このアルバム、ジェケットが素敵なんですね。


ジョニー・ソマーズとビヴァリー・ケニーという大好きな女性シンガーが歌っているということで、この曲は女性によって歌われる方が好みなのですが、男性シンガーが歌ったもので一番好きなのはこのリッキー・ネルソンのバージョン。


リッキー・ネルソンが「ザッツ・オール」を録音したのは1959年6月。ちなみにボビー・ダーリンが録音したのは1958年12月(ただし曲が収録されたアルバムがチャートに入ったのは59年10月)、コニー・フランシスが録音したのは1959年2月。1959年にはほかにもジョニー・マティスやヘンリー・マンシーニも「ザッツ・オール」を取り上げています。


もういくつか僕の好きな「ザッツ・オール」を紹介します。

まずはニーナ・シモンが歌ったもの。ニーナ・シモンはビヴァリー・ケニーとはいろんな意味で対照的なシンガーですが、最も好きな女性シンガーの一人です。1966年に発売されたアルバム『Nina Simone with Strings』に収録されています。


このニーナ・シモンのバージョンは、なんと2番から歌っているんですね。僕は「ザッツ・オール」の2番の歌詞がとりわけ好きなので、その意味でもこれはお気に入りのバージョン。


それから今年亡くなったボビー・ヴィーも歌っています。1961年の『With Strings And Things』に収録。


これは普通に歌っていますね。せっかくだからあの独特のリバティ・サウンドでアレンジしたものを聴いてみたかったけど。


さて、面白いことに「ザッツ・オール」は近年、僕が好んで聴いている女性シンガーが取り上げているんですね。

まずはルーマー。これの16曲めに収録されています。2014年のライブで歌われたものですが素晴らしいの一語。


それからこの日紹介したハリー・ウォーレンの「A Little Girl, A Little Boy, A Little Moon」という曲など、いつもその選曲の素晴らしさに驚かされているダイアナ・パントンも歌っています。2013年発売のアルバム『レッド』に収録されています。この人の声は本当に魅力的です。


それからやはり大好きなステイシー・ケントも昨年発売された『Tenderly』に収録していました。YouTubeにはアルバムに収録されたものがなかったのでこのライブで歌っているものを。


最後に、YouTubeをチェックしていたときに見つけたこのエディ・アダムスという女優が、おそらくテレビ番組の中で歌っているものを。これがとってもかわいくてよかったです。


一応、歌詞を訳してみました。女性シンガーが歌ったものが好きなので女性の立場で。


私があなたに与えられるのは
永遠に続く愛と
あなたが呼べばどんなときでもそばにいてあげるという約束
それからあなたのために、あなた一人のためだけに持っている心
それだけ、それがすべて

私があなたに与えられるのは
春に郊外を散歩することと
木の葉が落ち始めたときにつなぐ手
それから冬の夜を暖かくする燃えるような光をもった愛
それだけ、それがすべて

そんなつまらないものとはかけはなれた世界をあなたに与えるわって
あなたに話してる人もきっといるはず
私にはあなたを抱きしめることのできるこの腕と
どんなに時が経っても決して壊れることのない愛があるだけ

私が何か見返りを求めているんじゃないかとあなたが思っているとしたら
私が望んでいるものはささやかなものだと知って喜ぶでしょう
あなたが心から愛しているのは私だと言ってくれたらそれでいいの
今も、そして永遠に
それだけ、それがすべて

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by hinaseno | 2016-12-06 13:16 | 音楽 | Comments(0)