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by hinaseno
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ペリー・ボトキン・ジュニアを聴く冬


ちょっと間が空いてしまいました。
原因はトランプ・ショック。
というのは嘘、と言えないのが悲しいです。

それにしてもとんでもない人が大統領になったものです。オバマのような、人間として信頼できる人があの国にいたからこそ、わが国にどんなにとんでもない人たちが登場しても最終的には安心できる部分があったのですが。
日本は、世界はどうなってしまうんでしょう。世界はこれから極寒の時代に入っていきそうです。

そういえばオバマという人は音楽に対してもとても優れた耳を持っているようで、今年の夏に紹介されたこの「President Obama's Summer Playlist」の曲の素晴らしさといったら本当に驚いてしまいました。
知らないミュージシャンも何人もいますが、ビーチ・ボーイズからジャズ、ソウルまで様々なジャンルの音楽が並んでいて、彼がいかに優れた感性の持ち主かがわかります。個人的に特に嬉しかったのは大好きなCorinne Bailey Raeのこの曲が入っていたこと。



それに比べて、と言ってはなんですが、トランプさんというのはたぶん死ぬほどに退屈なレベルのカントリー・ミュージック(村上春樹が中西部を車で走っていた時に、ラジオのどの局からも同じようなものが流れてきていて頭が痛くなってしまったというような音楽)を一日中、あるいは一生聴いても平気なような人で、絶対に黒人の音楽なんかは聴かないはず。
いや、ただ聴かないだけならいいんだけど、あの方には気に入らないものは排除しようとする傾向があるので困ったものです。
前回マッカーシズムのことを書きましたが、それに似たようなこと、あるいはそれ以上のことをやってしまう可能性が十分あります。いったいこれからの4年間、何が起こるやら。明るい未来を想像することができなくなりました。

というようなことを考えながらここ数日ずっとやっていたのはペリー・ボトキン・ジュニア(Perry Botkin Jr.)という人がアレンジした曲を調べる作業。なにやってんだかですが、ずいぶんはまってしまって今もその作業は続いています。こういうの本当に楽しいですね。
きっかけは待望のこのロビン・ワードの『ワンダフル・サマー』がついに再発されたことですね。
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このアルバムのアレンジとタイトル曲の「Wonderful Summer」はじめいくつかの曲を作曲していたのがペリー・ボトキン・ジュニアでした。

ロビン・ワードの『ワンダフル・サマー』のことはこのブログでも何度も何度も書いてきましたが、今回最高に満足する形で再発してもらうことができました。関係者の方々には心から感謝です。
『ワンダフル・サマー』全曲のステレオ・バージョンとモノラル・バージョン、さらにボーナス・トラックとして「Wonderful Summer」のシングル・バージョン、それに続くシングル「Winter’s Here」とそのB面の「Bobby」、さらに「In His Car」(タイトルも曲もビーチ・ボーイズっぽい)。そして何よりも嬉しかったのがこの日のブログでお願いしていた「In His Car」のB面の「Wishing」も収録されたこと。全部で29曲。
すばらしい。

そして解説も希望していた通り長門芳郎さん。言うことなしですね。
今から約30年前の1985年に日本で初めてロビン・ワードの『ワンダフル・サマー』が日本で発売された時(ジャケットは大瀧さんが持っていたLPを写したもの)、長門さんはロビン・ワードについても『ワンダフル・サマー』についてもほとんど情報がない中で書かれていたのですが(それでもすごいエピソードが書かれていました)、現在はネット上にも彼女の情報はあふれていて、その情報を基にして新たに解説を書かれています。ラリー・レヴィンさんが施した究極の”魔法”の話も。

ところでペリー・ボトキン・ジュニアがアレンジしたものを調べていて知ったのがこのレターメンの『Warm』というアルバム。
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このアレンジ&指揮をしていたのがペリー・ボトキン・ジュニアだったんですね。
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これは冬になったら聴きたくなるアルバムなのですが、これを買うきっかけになったのがA面の1曲目に入っているこの「Our Winter Love」という曲。



この曲はクリスマスのオムニバスのCDに入っていて知りました。実際にはクリスマスの曲というわけではありませんが、とにかくこれ以上ないロマンチックな曲で僕にとっては極上のクリスマスソングになりました。それがペリー・ボトキン・ジュニアのアレンジだったと知って驚きと納得。

ペリー・ボトキン・ジュニアのアレンジした曲といえば、やはりヴァリアント・レコードのカタログにすばらしいものがありすぎます。まだ未CDの曲も多い。この日のブログでも書きましたが、宮治淳一さんにぜひヴァリアント・レコードのボックスを出してもらいたいです。
そういえばそのヴァリアントから出ていたペリー・ボトキン・ジュニアのアレンジしたインガーズ・インクの『ボサ・ノバ』というアルバムが昨年に暮れにCD化されていたことを今頃になって知りました。すでに品切れ。ショック。

ところでその宮治さんが昨日アゲインでイベントをされていたんですね。今日の石川さんのブログでこの曲が紹介されていてびっくり。



ザ・ピーナッツの「情熱の花」のオリジナルですが、この「Passion Flower」という曲を書いたのがまさに「Wonderful Summer」を書いたペリー・ボトキン・ジュニアとギル・ガーフィールド。といってもメロディはもろ「エリーゼのために」ですが。アメリカでは全然売れなかったみたいですが、イタリアではヒットしたようです。
この曲の存在は先日知ったばかりだったんですがこんな映像があったとは。
びっくりしたのはこれを歌っているThe Fraternity Brothersというグループのこと。この3人はまさにヴァリアント・レコードの中心人物のバリー・デヴォーゾンとペリー・ボトキン・ジュニアとギル・ガーフィールドなんですね。たぶんリード・シンガーがバリー・デヴォーゾンのはず。後ろで歌っているバックコーラスのどちらかがペリー・ボトキン・ジュニアですね。いや、びっくりでした。

ということでロビン・ワードの『ワンダフル・サマー』の話を書くつもりでいましたが、次回もペリー・ボトキン・ジュニアがアレンジした曲の話をしようかと思います。
僕の個人的な感覚をいえば、ペリー・ボトキン・ジュニアのアレンジした曲というのは秋から冬にかけて聴くのに似合っているような気がします。
というわけで今回のロビン・ワードのCDにも収録されている「Winter's Here」を。曲は「Wonderful Summer」と同じくペリー・ボトキン・ジュニアとギル・ガーフィールドの共作。



もう1曲、同じような風の音が聞こえるカスケーズの「The Last Leaf」を。邦題は「悲しき北風」。



ペリー・ボトキン・ジュニアがアレンジした曲で一番有名なのはおそらくカスケーズの「悲しき雨音」だと思いますが、これはその次のシングル。実はこのシングルにはアレンジャーの名前がなぜかクレジットされていないのですが、まずまちがいなくペリー・ボトキン・ジュニアのアレンジのはず。

うちの庭にも少しずつ冬がやってきています。
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by hinaseno | 2016-11-12 14:39 | 音楽 | Comments(0)