Nearest Faraway Place nearestfar.exblog.jp

好きなリンク先を入れてください

Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno
プロフィールを見る
画像一覧
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

わたし空っぽだって君は言ったけど(その5)


a0285828_1249968.jpg

こちらのページで、作曲者の佐藤さんが「My Baby」にまつわる曲としてあげていたのがブロッサム・ディアリーの『1975』というアルバムに収められた「Hey John」。大好きな曲です。



佐藤さんのコメント。

ブロッサム・ディアリーの作品の中でも特に好きなアルバムなんですが、「My Baby」のアレンジを考える際になんとなくこのアルバムのイメージがありました。スウィングしたリズムにキラキラしたローズが乗っかる感じ。

これは「制作時にイメージした曲、アレンジの参考に聴いていた曲、出来上がったあとに想起した曲」という分類では「アレンジの参考に聴いていた曲」ということになるでしょうか。ブロッサム・ディアリーは僕の最も好きな女性ジャズ・シンガーのひとりで、この『1975』というアルバムは大の愛聴盤。やはりレコードで持っています。
へえ〜、と思いながらコメントを読んでいたら最後にこんな言葉が。

間奏以降出て来るホーンはパイザノ&ラフの『Under The Blanket』のイメージ。

パイザノ&ラフの『Under The Blanket』!
これを読んで、僕が「My Baby」を一回聴いただけで引きつけられた理由がわかりました。そうか、そうだったんだと。
佐藤さんはここでは、アレンジを参考にしたことだけを指摘していますが、パイザノ&ラフの『Under The Blanket』といえばだれがなんといっても「ドリフター」。間違いなく佐藤さんがそれを「制作時にイメージした」はず。

ところでパイザノ&ラフの「ドリフター」はいくつかあるバージョンでも独特のものがあります。
オリジナル(といっていいのかどうかはわかりませんが)のロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズの「ドリフター」の曲の構成はこうなっています。

前奏→Aメロ→Bメロ→サビ→間奏→Aメロ→Bメロ→サビ→サビ

で、パイザノ&ラフのバージョンはというと、

前奏→サビ→Aメロ→Bメロ→サビ→サビ→間奏→サビ→サビ→サビ

というわけで、例の”Cause there's places”からはじまるサビだらけなんですね。しかもAメロは基本的にパイザノさんのギターだけ、Bメロはラフさんのフレンチホーンだけの演奏で、歌わるのはサビの部分だけ。つまりオリジナルを知らないと一度だけ出てくるAメロ→Bメロは間奏に聞こえてしまいます。
サビの歌はスキャットだけのときと、ひとりで歌うのと、子供たちと一緒に歌うのと3パターンあるんですね。サビを歌っているのはクレジットを見るとラフさんのようです。

マイクロスターの「My Baby」はまさにこの「ドリフター」のサビの部分だけが繰り返されるような曲になっているんですね。いいと思わないはずがありません。でも佐藤さんのコメントを読むまでは気がつきませんでした。

で、このパイザノ&ラフの不思議な空気感に包まれた曲をイメージして作られた曲に、飯泉さんの『空気人形』をモチーフにした浮遊感溢れる歌詞がぴったりすぎるくらいはまっているんですね。見事というほかありません。

ところで、パイザノ&ラフのパイザノさんことジョン・パイザノは『Under The Blanket』のプロディーサー&アレンジャーでもあるハーブ・アルパートのティファナ・ブラスの奏者のひとりでしたが、もともとラフさんことウィリー・ラフさんもジャズ畑の人で、彼らがサイドメンとして参加した作品を見ていたらなかなか興味深いものがありました。
とりわけ驚いたのはウィリー・ラフがマイルス・デイヴィスの『Miles Ahead』に参加していたこと。
このアルバム、小西康陽さんが『無人島レコード』に選んだものですね。
a0285828_12513464.jpg

『Under The Blanket』のジャケットの表はかわいらしいイラストですが、裏はジャズの雰囲気がたっぷり。上がジョン・パイザノ、下がウィリー・ラフ。
a0285828_12515097.jpg

というわけで、マイクロスターの新しいアルバムの2曲だけを取り上げましたが、佐藤さんが優れたメロディ・メイカーであることを再認識すたと同時に、飯泉さんの作詞家としての魅力をいくつも知ることができました。
それから久しぶりにマイクロスターのファーストアルバムを取り出して聴いてみたら、飯泉さんがボーカリストとして格段に進歩していることもよくわかりました。

で、来月、なんとアゲインにマイクロスターのお二人とデザイナーの高瀬さんが来られての『She Got The Blues』発売記念イベントがあるんですね。行きたくて仕方がありません。来場した人へのおみあげも超(!)気になります。「My Baby」のインスト・バージョンだったら死ぬほど欲しいです。
[PR]
by hinaseno | 2016-08-25 12:52 | 音楽 | Comments(0)