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Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno
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毎朝のように東の窓には熊山はあり、


大好きな詩人である小池昌代さんが永瀬清子という岡山の旧熊山町出身の詩人の「あけがたにくる人よ」という詩を紹介しているのを知ったことがきっかけで、少しずつ永瀬清子に関するの本や詩集を読みはじめました。

そして先日熊山の彼女の生家にも行ってきました。ちなみにこのときに聴いていたのは世田谷ピンポンズさんの『僕は持て余した大きなそれを、』の特別盤。この特別盤のことについてはまた後日。
これが生家に向かう道。
毎朝のように東の窓には熊山はあり、_a0285828_12582298.jpg

このあたりを通るのは初めて。山沿いに集落があるほかは水田が広がっています。永瀬清子が生まれ育ち、戦後何年も過ごした熊山という町は、おそらく永瀬さんが過ごしていた当時とほとんど変わらない風景が残っているはず。
これが彼女の生家。
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かなり荒れた状態になっていたようですが、今は保存会の努力によって少しずつ修復が進められているようです。

ところで初めて訪れた日には、生家の中にたくさんの人。テレビカメラまで入っていていったいなんだろうと思ったら、この日は第一回永瀬清子現代詩賞の授賞式が行なわれていたんですね。授賞式のあとは普通は入ることのできない家の中と、少し離れた山の中にある墓の案内していただけたのでとてもラッキーでした。

これは台所。このあたりはまだ手つかずの状態のようです。
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そしてこれが二階。雨戸がないんですね。
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どの窓からも山を望むことができました。
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こちらは小さな窓がひとつあるだけの隠れ部屋。
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永瀬さんの生家の目と鼻の先には和気清麻呂の分骨が埋められているという(ということが伝えられている)墓がありました。和気に限らず熊山にも和気清麻呂関係の遺跡はたくさんあるようです。
毎朝のように東の窓には熊山はあり、_a0285828_131134.jpg

すぐそばには立派な土塀。ここには永瀬清子の母親の家があったそうです。
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で、墓のある山に入る道へ。
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「あけがたにくる人よ」の「ててっぽっぽうの声のする方」というのは、もしかしたらこの道の奥のことではないかと想像しながら入っていきました。

そして永瀬さんの墓。
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墓から永瀬さんの家に戻るときの風景。遠く向こうに見える山が熊山です。
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この日、もうひとつラッキーだったのは、永瀬清子が熊山に暮らしていたときの風景を描いた作品を集めた『詩人永瀬清子作品集 ――熊山橋を渡る――』という本をいただけたこと。熊山町永瀬清子の里づくり推進委員会が平成9年に発行したもので、一般の書店には売られていないもの。この中に先日紹介した「日輪と山」という作品が収められていました。
実はその「日輪と山」を引用したときに、気になる言葉があったんですね。

ある朝太陽が熊山をはなれるのを待って東の窓に立っていた

あるいはもうひとつ、

毎朝のように東の窓には熊山はあり、


東の窓に熊山? 
熊山は永瀬さんの家からは南の方角にあるはずなのに。
ちょっと気になったので、改めてもう一度永瀬清子の生家に行ってきました。
by hinaseno | 2016-07-31 13:06 | 文学 | Comments(0)