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by hinaseno

僕の「海街diary」in 尾道(その2)


小津安二郎監督の『東京物語』、是枝裕和監督の『海街diary』に続いて今観ているのは小津の『晩春』。原節子主演の紀子三部作の第一作目ですね。舞台は『海街diary』と同じ鎌倉。ちょっと面白いシーンがあったので紹介します。
『海街diary』では子供たちがサッカーをしている場面が何度か出てきますが、『晩春』では子供たちが野球をしているシーンが映ります。でも紀子の甥の青木放屁くんは何をやったのかわからないけど野球に行かせてもらえなくて縁側ですねています。その後ろ向きの背中に小さく書かれている背番号は16。
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この時期の背番号16といえばもちろん川上哲治。当時、川上はまぎれもなくプロ野球のスーパースターでした。

さて、尾道の話。
小津の『東京物語』を観て尾道に行った人は、まずこのシーンが撮られた場所を確認するはず。
僕の「海街diary」in 尾道(その2)_a0285828_14205413.png

原節子と笠智衆が朝日に向かって立っていた場所。ほとんどの人はこの場所さえ確認できたらとりあえずはオーケーということになるんでしょうね。
ただ、僕は別のシーンを確認するために、浄土寺の山門に登って行く石段の途中、山陽線の下をくぐったあたりで横道に逸れて行きました。

でも、やはり最初に一番有名なシーンの場所のことから。
その前にこの写真を。
僕の「海街diary」in 尾道(その2)_a0285828_14211193.jpg

浄土寺でのロケの様子をとらえたもの。
原節子と笠智衆のふたりは上のシーンと同じ場所に立っています。そして右で指を指して、二人の立ち位置を指示しているのが小津。背後に見える本堂の前にはたくさんの見物人。
これが現在のその場所。実はここには鐘楼が建っているんですね。
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『東京物語』を撮影していたときには手前に石段があったようですが、現在はそこには塀ができていて石段もなくなっています。
というわけでかの有名なシーンを撮った場所は現在こうなっています。手前には邪魔くさい車が何台も停まっていました。
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これが原節子が笠智衆のもとに向かうシーン。
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右に見えるお堂はそのまま。ただ笠智衆と原節子をはさむように立っているいい雰囲気の石灯籠は右に見えるお堂の正面に移されていました。
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もう1枚、ロケ中の3人の写真を。左の阿弥陀堂も右の多宝塔も人がいっぱい。子供の姿もたくさん。
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「撮影日程表」を見ると、「浄土寺」と書かれているのは昭和28年6月30日。この日は火曜日。子供たちは学校に行く前にやってきたんでしょうね。
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by hinaseno | 2016-04-19 14:24 | 映画 | Comments(0)