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by hinaseno

Reconsidering The Parade (3)


「ゴー!ゴー!ナイアガラ」でかかったロジャー・ニコルズ&スモール・サークル・オブ・フレンズの曲は2曲。いずれも「さわやかサウンド特集」でかかっています。1つは先日紹介した「Kinda Wasted Without You」、パレードの3人が作った曲ですね。そしてもう1つが「I Can See Only You」。
ロジャー・ニコルズといえばポール・ウィリアムズとのコンビが有名ですが『ロジャー・ニコルズ&スモール・サークル・オブ・フレンズ』のアルバムには彼らのコンビの曲は1曲もありません。アルバムは全部で12曲収録されていて、このうちロジャー・ニコルズが曲を書いたのは5曲。うち4曲はあの『ペット・サウンズ』でブライアン・ウィルソンの曲に詞をつけたトニー・アッシャーとの共作。唯一の例外が「I Can See Only You」で、その共作者がパレードのスモーキー・ロバーズと第4のパレードであるスチュアート・マーゴリン。
つまり大瀧さんが「ゴー!ゴー!ナイアガラ」でかけたロジャー・ニコルズ&スモール・サークル・オブ・フレンズの曲はいずれもパレードと関係の深い曲ばかりでした。

「I Can See Only You」はCapo1でコードを確認してみましたが、イントロで繰り返されるFmaj7とCmaj7の繰り返しはたまらないですね。で、曲が始まる直前での転調も素晴らしすぎます。
曲が始まってからもメジャー・セブンス・コードを多用していることから、まちがいなく曲を書いたのはロジャー・ニコルズですね。スモーキー・ロバーズとスチュアート・マーゴリンが詞を書いたことは間違いがありません。
ロジャー・ニコルズとスモーキー・ロバーズは一時期、共同生活をしながら曲を書いていたようで、例えばヴォーグスの「Just What I've Been Looking For」、あるいはマリアン・ラヴや後に再結成されたロジャー・ニコルズ&スモール・サークル・オブ・フレンズによっても歌われた「Watching you」はこのコンビの曲。いすれも素晴らしい曲ですね。特に「Watching you」は数あるロジャー・ニコルズが書いた曲で5本の指には入る大好きな曲。

パレードの「I Can See Love」という曲で詞を書いたのはスモーキー・ロバーツのはず。つまり彼はほぼ同時期に2つの「I Can See...」というタイトルの曲の詞を書いていたわけです。しかも曲中での歌詞は「Now I Can See...」。このあたり、偶然なのか、あるいは何らかの意図があったのか。

ところでスモーキー・ロバーズはフレディ・アレンという名でカーペンターズで有名な「We've Only Just Begun」を歌っていました。こちらがオリジナルなんですね。曲はロジャー・ニコルズとポール・ウィリアムズのコンビ。
この声やジェリー・リオペルの声を聞くと、パレードのあの爽やかな声の中心にいたのはマレイ・マクレオドなんだなと改めて思います(ジェリー・リオペル作曲の「A.C./D.C.」や「Laughin' Lady」はたぶんジェリー・リオペルがリード・ボーカルのはず)。ロジャー・ニコルズ&スモール・サークル・オブ・フレンズもやはりマクレオド兄妹のあの声があってこそですね。

ということで、今回、パレードの曲を聞き返して、マレイ・マクレオドという人の作曲能力とボーカリストとしての素晴らしさに気づかせれることになりました。
最後におそらくはそのマレイ・マクレオドが作曲したはずの「How Can I Thank You」という曲を。歌っているのはゲイリー・ルイス&プレイボーイズ。歌詞はやはりスモーキー・ロバーツが中心に書いたはず。「Now I Can...」ではなく「How Can I…」。彼は大瀧さんと同じく「ア」行の響きが好きだったのかもしれません。「Sunshine Girl」も「ア」行で始まるフレーズが多いですね。


by hinaseno | 2016-01-29 12:57 | 音楽 | Comments(0)