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by hinaseno
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Little Small Town Girl(小さな町の小さな女の子)- その2-


いつもチェックしている写真投稿サイトで、今朝貼られていた写真。たぶんどこかの田舎の小さな町の朝の風景。
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本であれ、映画であれ、写真であれ「小さな町」には反応してしまいます。『Street Corner Symphonies: The Complete Story of DOO WOP』に収録されたThe Blendersというグループの「Little Small Town Girl」という曲に惹かれるきっかけとなったのも、そこに「Small Town」という言葉があったから。

話は少しそれてしまいますが、僕は「小さな町」というものに対して二通りのイメージを持っています。
ひとつは文字通りの小さな町。アメリカではそれをスモールタウンといいます。人口が1万にも満たない小さな町がアメリカには星の数ほどあるんですね。僕が「スモールタウン」という言葉を強く意識するようになったのは駒沢敏器の『語るに足る、ささやかな人生』という本。単行本の副題には「アメリカの小さな町で」という言葉がついています。
スモールタウンを舞台にした最も代表的な小説と言えば、なんといってもシャーウッド・アンダスンの『ワインズバーグ・オハイオ』。この小説には「A Group of Tales of Ohio Small Town Life」という副題がついています。「オハイオ州のスモールタウンの生活についての物語の集まり」という意味ですね。講談社文芸文庫から出ている文庫本では「オハイオの田舎町についての一群の物語」と訳されています。
ちなみに講談社文芸文庫の『ワインズバーグ・オハイオ』を翻訳しているのは小島信夫と浜本武雄。小島信夫と浜本武雄といえば夏葉社から復刻されたバーナード・マラマッドの『レンブラントの帽子』の翻訳者でもあります(『レンブラントの帽子』にはもう一人、井上譲治が翻訳者に加わっています)。『レンブラントの帽子』は僕が夏葉社という出版者と出会った記念すべき本。この本によってバーナード・マラマッドという素晴らしい作家を知りました。
実は最近、マラマッドにどっぷりとはまっていて、日本で翻訳されたマラマッドの小説を集めている最中。でも、なかなか見つからない。
今、読んでいるのは『アシスタント』。夏葉社の『冬の本』で柴田元幸さんが冬の本として紹介、絶賛していたのがこの『アシスタント』でした。
『アシスタント』の舞台はニューヨーク。大都市ではあるけれども、この小説に描かれているのは大都市の中の小さな町。
そう、僕が「小さな町」というものに対してもっているもう一つのイメージがこの大都市の中の小さな町。
このイメージを持ったのは以前にも紹介した川本三郎さんの『それぞれの東京』という本の中でのこの言葉でした。

大都市である東京も、よく見れば小さな町、歩いて暮らすことの出来る「わが町」の集積である。大きな東京の中の小さな東京にこそ惹かれる。

小山清の『小さな町』に描かれた作品の舞台は、まさに大きな東京の中の小さな町。

川本三郎さんはもちろん「スモールタウン」を舞台にした小説が好きで、その代表的な作品として必ず挙げられていたのがシャーウッド・アンダスンの『ワインズバーグ・オハイオ』とソーントン・ワイルダーの『わが町』でした。

そういえば世田谷ピンポンズさんの『紅い花』の最後に収められている曲のタイトルは「わが町」。このタイトルを見たときに思ったのは、ああ、きっと世田谷ピンポンズさんも僕の考えるような小さな町が好きなんだろうなということでした。

美しく生きていきたいな 美しく生きていきたいな
身の丈に合った幸せ抱えて
美しく生きていきたいな 美しく生きていきたいな
身の丈以上の幸せ噛みしめて
(世田谷ピンポンズ「わが町」より)

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by hinaseno | 2015-12-15 14:50 | 音楽 | Comments(0)