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by hinaseno
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その作曲家の名はハリー・ウォーレン、ではなくハリー・レヴェル(その3)


ついに『ゴー!ゴー!ナイアガラ』を172回、最初から通して全部聴きました。聴き始めたのが今年の初めだったのでほぼ1年。いろんなことを学ばせてもらいました。自分自身が一番変わったことといえば、それまでどちらかといえば低く見ていたカバーというものを心から楽しめるようになったこと。優れたカバーというのはオリジナルと同等以上のものだと思えるようになったことでした。きっとそれが大瀧さんの最も伝えたかったことではないかと。
たとえば最終回から3回前に放送されたディオンの特集。ディオンのヒット曲、すぐれた曲は山ほどあって、とても30分、1回限りの放送ではかけきれないのですが、でも、かけた10曲のうちディオンの曲をカバーした曲が2曲、カバーではないけどディオンの曲に影響を受けた曲を2曲かけています。つまり、ディオンの曲はたった6曲しかかけていないんですね。このあたりにも大瀧さんらしさがよく出ています。

さて、カバーにもいろいろとありますが、今、一番関心があるのは1930年代あたりに作られたスタンダード・ソングを新しい感覚で1950年代から60代初頭に蘇らせた曲。アメリカン・ポップスにはそんな曲がいかに多かったかというのを思い知らされる日々です。
そういうのを積極的にやっていた最も代表的なプロデューサー、アレンジャーがステュ・フィリップスですね。ジャズにも造詣が深く、新しいジャンルの音楽にも貪欲だったからこそなし得たことだろうと思います。
で、もうひとりの優れた人物がリンダ・スコットの曲のプロデューサー、アレンジャーであるハッチ・デイヴィー。
リンダ・スコットといえば何といっても「I've Told Ev'ry Little Star」。



アレンジはハッチ・デイヴィー。これがスタンダードソングと知ったのはわりと最近のことでした。本来はこんな感じの曲。



そのリンダ・スコットの「Never In A Million Years」。ハッチ・デイヴィーのプロデュース、アレンジ。基本的には「I've Told Ev'ry Little Star」のアレンジを踏襲していますが斬新なアレンジ。本当にいい曲です。作曲ハリー・レヴェル、作詞マック・ゴードン。



ちなみに「Never In A Million Years」というのは「百万年たっても絶対にありえない」ってこと。
歌詞を見ると”Never in a million years / Could there be another you”という言葉で始まります。「あなたの代りになるような人は絶対にあらわれるはずがない」ということですね。
この歌詞をみてすぐに思い浮かべたのはこの「There Will Never Be Another You」。この曲はなんといってもクリス・モンテスのカバーですね。これまた本当に素晴らしいカバーです。



作詞は同じマック・ゴードン。作曲はハリー・レヴェルではなくハリー・ウォーレン。「There Will Never Be Another You」の歌詞の中には”I may dream a million dreams”なんて言葉も出てきます。もしかしたら同じ時期に書かれた詞なのかもしれません。

「Never In A Million Years」という曲がスタンダード・ソングだとわかっていろいろと調べたところ、僕がこの曲を最もよく聴いたのはジューン・ハットンという女性シンガーの『アフターグロウ』というアルバムの1曲目に収められたものでした。
このアルバムはとってもロマンチックでよく聴いていましたが、どうもCDが見当たらない。たしかジャケ買いしたはず。ここで全曲聴けますね。



1曲目が「Never In A Million Years」。これが本来の曲の雰囲気で、たいていは女性シンガーにこんな感じで歌われています。
最初期に歌われたもので一番ヒットしたのは、1937年にミルドレッド・ベイリーによって歌われたもののようです。



「Never In A Million Years」のドゥーワップ・タイプの曲のカバーはないかと調べたらありました。The Blendersというグループが1952年にカバーしたもの。



The Blendersというグループはドゥーワップ前夜に活動していたグループのようですが、他の曲を聴いてもかなり実力があることがわかります。リード・シンガーの声も素晴らしいなと思ったら、どうやらあのレイヴンズのオリジナルのメンバーのひとりだったようです。どおりで。

で、これはリンダ・スコットの曲が出たすぐ後にカバーされたものようです。そのまんまですね。


by hinaseno | 2015-12-05 13:04 | 音楽 | Comments(0)