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by hinaseno

木山捷平の50年前の日記から


いろんな本を読みつつ思ったのは、東北本線で青森まで行き、船で津軽海峡を渡り、函館から函館本線に乗って小樽まで行くというのが一番理想的な旅だなと。
その意味から、やはり木山さんがそのルートで北海道を旅したことを書いている『日本の旅あちこち』こそが最も読んでみたいものでした。

そういえば、木山さんが北海道に何度か行っていた昭和41(1966)年から42年にかけての日記(『酔いざめ日記』)を読んでいたら、興味深い記述がありました。昭和42年4月26日の日記。
関口良雄氏来訪、『日本の旅あちこち』を贈呈。

この日『昔日の客』の著者、関口良雄さんが木山さんの家(練馬区立野町)を訪ねてたんですね。で、木山さんは発売されたばかりの(発行は昭和42年4月20日)『日本の旅あちこち』を関口さんに「贈呈」していたわけです。
関口さんにはいつも思わぬところで出会ってしまうから不思議です。

このあたりの日記をぱらぱらと読んでいたら、木山さんと親しかった人が何人か亡くなっていることが書かれていました。いずれも僕にとっても大切な人になっています。
昭和41年11月14日の日記。
亀井勝一郎氏死去59歳。夜通夜。通知があっておどろいた。

そして、その前年の昭和40年3月7日の日記にはこの記述。
小田嶽夫氏来訪。小山清弔問の帰途なり。今晩通夜ときく。六日午後四時十分急性心不全のため、関町病院にて死去。葬儀は八日午前十時から。先年夫人自殺以後、失語症?に苦しんでいた由きく。二人の男女の小学生をのこして死んだ。通夜七時より出席した。

ちょっと日が経ってしまいましたが、6日まえの3月6日が小山清の亡くなった日でした。ちょうど50年前のこと。

これは昭和30年に撮影された小山清(左)と亀井勝一郎(右)の写真。
木山捷平の50年前の日記から_a0285828_11255422.jpg

by hinaseno | 2015-03-12 11:30 | 木山捷平 | Comments(0)