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Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno

「おっかさん、聴いたかな」


大瀧さんがはっぴいえんど時代にかいた曲と宮沢賢治とのつながりから話をはじめて、大瀧さんが生まれ育った岩手県の江刺あたりのことにからめていろんな心に移り行くよしなしごとを、そこはかとなく書きつくっているわけですが、はたして話はどこに向かうのやら。
いや、行き着くところは布谷文夫さんの歌った「深南部牛追唄」にする予定です。あくまで「仮」ですが。

そんな中で飛び込んできた「Feeling Jockey」はとっても興味深いもので、なんだか横道にそれてしまいそうになってしまったのですが、大瀧さんの物語というのは必ずナイアガラ双六のようにふりだしに戻ってしまうから不思議です。

「Feeling Jockey」の放送が予定されていたのは1976年4月5日。「事情があって放送しませんでした」とのことでしたが、この日、『ゴー!ゴー!ナイアガラ』はちゃんとOn Airされているんですね。それがなんとバッファロー・スプリングフィールドのスティーヴン・スティルス特集。「Feeling Jockey」の最後では、来週からしばらくフィル・スペクター特集を語っていたのに、実際にはこの日から4週にわたってバッファロー・スプリングフィールド特集をしています。バッファロー・スプリングフィールドはいうまでもなくはっぴいえんどがモデルにしたバンド。先日のBSのはっぴいえんど特集でも当然のようにバッファロー・スプリングフィールドの話が出てきました。
細野さんが番組の中で語っていた”something else”という言葉を言ったのがスティーヴン・スティルスでした。
この日の放送で最後にかかったのは「Uno Mundo」。これをかけるときに、なぜか大瀧さんが「アミ〜ゴ!」と絶叫します。「アミ〜ゴ!」はもちろん布谷文夫が「名月赤坂マンション」で絶叫していた言葉。
いったいなんで大瀧さんはこの曲を書けるときに「アミ〜ゴ」と叫んだんだろう? 「ウノ・ムンド」はスペイン語で「1つの世界」という意味。「アミーゴ」も「友達」を意味するスペイン語なので、そのつながり?
確か大瀧さんがはじめてバッファロー・スプリングフィールドの曲を耳にしたのは、布谷さんの家にあったバッファローの「For What It’s Worth」。これもやはりスティーヴン・スティルスの曲。『ゴー!ゴー!ナイアガラ』のスティーヴン特集はこの曲から始まっています。
ちなみに細野さんには宇野主水(うのもんど)というペンネームがあって、これはやはりこの「Uno Mundo」という曲のタイトルから来てるんでしょうね。ちなみに大瀧さんの『恋の汽車ポッポ』でドラムは宇野主水とイーハトヴ田五三九とクレジットされています。面白いですね。

もう一つ興味深いのは、前の週に放送された番組のこと。最後にかかったのは平野愛子の「君待てども」。曲をかけた後で大瀧さんはこんなことを。
話は私事になりましけれども「君待てども」というのは僕のおふくろの好きな歌でもございまして。おっかさん、聴いたかな、今日は(笑)。私的な番組だね。

今調べたら平野愛子の「君待てども」が発売されたのは昭和23(1948)年。まさに大瀧さんが生まれた年の曲でした。

ところで、この日の放送の最後は「来週は何も考えていません」とのこと。で、「Feeling Jockey」が録音されるも放送されず、結局、バッファロー・スプリングフィールドのスティーヴン・スティルスノ特集が放送されることになったんですね。
ちなみにそのバッファロー・スプリングフィールド特集が4週続いた後に(御葉書の特集を1回はさんで)放送されたのが布谷文夫さんの特集でした。
このあたりの流れも興味深いことばかり。
by hinaseno | 2015-01-11 12:48 | ナイアガラ | Comments(0)