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Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno

大瀧さんのジューク・ボックス


混沌状態に陥っていた部屋をようやく片付けました。買ったり送ってもらったりしたものがどこにいったかわけがわからなくなっていたのですが、とりあえず目が届きやすい状態になりました。
ああ、こんなところにこんなものがというのがいくつも。先月、倉敷の蟲文庫で見つけた『桑原甲子雄写真展:東京・昭和モダン』も埋もれてしまってすっかり忘れた存在になっていました。片付けの途中で思わず見入ってしまう。やはり昭和10年頃の東京の風景に引き込まれてしまいます。
今からちょうど30年前の1984年に撮影された「港区南青山5丁目」に長門芳郎さんのパイドパイパー・ハウスが写っている写真にはにっこりしてしまいました。『レコード・コレクターズ』に載っていたパイド・パイパー・ハウスの広告で、アマチュアの時期に山下達郎が友人たちと製作した『ADD SOME MUSIC TO YOUR DAY』(大瀧さんと達郎さんが出会うきっかけとなったレコード)が復刻されたのを知り、通販で買ったのが1985年のこと。
で、ピチカート・ファイヴというグループがデビューすることを知ったのもやはり『レコード・コレクターズ』に載っていたパイド・パイパー・ハウスの広告でした。小西さんと高浪さんがパイド・パイパー・ハウスで出会ったんでしたね。

その『レコード・コレクターズ』の最新号、久しぶりに買ってきました。はっぴいえんどの特集とあっては買わないわけにはいきません。それだけではなく大瀧さんの特集、そして長門芳郎さんが「マジカル・コネクション」という新連載も開始(第1回目はアルゾです。もちろんcircustown.netの話も出てきます)。
と、読みどころがいっぱいある中、最も驚いたのはこのページ。
大瀧さんのジューク・ボックス_a0285828_11102275.jpg

なんと大瀧さんの家にあったジューク・ボックスの写真と、それに収められていたすべてのレコードのリストが掲載されていました。

大瀧さんのジュークボックスは全部で120曲(シングル盤で60枚)収録できるもののようですが、大瀧さんはそれをA〜Fの6つに分類していたんですね。
A列には主にガール・シンガー、B列は男性シンガー、C列は主にアメリカン・ポップスのグループ、D列はディーン・マーチンとナット・キング・コールを最初に収めてそれ以外は主にブリティッシュ・ポップス、E列は全曲エルヴィス、F列は主に日本のポップス。
C列の最初の曲がカスケーズ(Cascades)でD列の最初の曲がディーン・マーチン(Dean Martin)、そしてE列がエルヴィスというのはどうやらアーティストの頭文字につなげているようです。
A列の1曲目はジョニー・ソマーズの「Johnny Get Angry(内気なジョニー)」。今からおよそ40年前の1975年9月22日に放送された「ゴー!ゴー!ナイアガラ」のマイ・ジュークボックス特集の1曲目でかかったのもジョニー・ソマーズの「Johnny Get Angry」。
おそらくは何度もの入れ替えがなされたはずですが、ジョニー・ソマーズの「Johnny Get Angry」のシングルはA列の1枚目に収まり続けていたようです。
その日の放送でかかったもので、今回掲載されていた曲は他にポール&ポーラの「Young Lovers」とダイアン・リネイの「Navy Blue」、そしてリトル・ペギー・マーチの「The Impossible Happened」の3曲。
1975年9月22日のマイ・ジュークボックス特集でかけた曲はどうやらガール・シンガーの曲を収めたA列の曲だったようです。

おっと目がとまったのはB列にあったテディ・ランダッツォの「One More Chance/Don't Go Away」のシングル。A面B面ともにこのシングルはちょっと意外でした。でも、このシングルもおそらく1970年代の初めに大瀧さんがこのジューク・ボックスを手に入れてからずっと入っていたような気がします。あまり語られることはありませんでしたが、大瀧さんにとってテディ・ランダッツォがどれだけ大切な存在であったか、改めて知ることに。
そういえば、つい先日気がついたことですが、1975年に発売された『ナイアガラ・ムーン』のエレック盤の裏ジャケを(持っていないのでネットの画像で)見ていたら、寝ころんだ大瀧さんの頭に立てかけられた4枚のLPレコードの一番左にあったのが以前紹介したテディ・ランダッツォのレコード。
大瀧さんのジューク・ボックス_a0285828_11115999.png

ちなみに僕の持っている1976年発売のコロンビア盤の裏ジャケの中にあるエレック盤の裏ジャケをよ〜く見たらうっすらとテディ・ランダッツォの顔が。
大瀧さんのジューク・ボックス_a0285828_11122462.jpg

それからF列には1枚目がシュガー・ベイヴの「ダウンタウン/いつも通り」、2枚目が「幸せにさよなら/ドリーミング・デイ」と大瀧さんが自らのレーベル、ナイアガラで出した2枚のシングルが並んでいます。これもおそらくず〜っと入れられたままだったんでしょうね。

さて、いうまでもないことですが、大瀧さんのジューク・ボックスに入っていた曲を列ごとに順番に入れたプレイリストを作りました。こんなことをやっている暇はないのですが。

というわけで大瀧さんのジューク・ボックスに収録されていた、まさに今日のような日にぴったりのこの曲を。
カスケーズの「The Last Leaf」。邦題は「悲しき北風」。風がぴゅ〜ぴゅ〜と吹き荒れています。



それからもう1曲、久しぶりにアルゾを聴いていたので「You Know Me, I Know You」という曲を貼ろうと思いましたが、残念ながらYouTubeにはありませんでした。ピチカート・ファイヴの「連載小説」という素敵な曲を思い起こさせてくれる大好きな曲です。
せっかくなのでその「連載小説」を貼っておきます。


by hinaseno | 2014-12-22 11:22 | 音楽 | Comments(0)