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by hinaseno
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「Miss the Mississippi and You」


今、『ジャージー・ボーイズ』という映画が上映中。フォー・シーズンズの自伝的なミュージカルを映画化したもの。監督はクリント・イーストウッド。
フォー・シーズンズ好き、そしてイーストウッド好きとしては絶対に観たいところ。でも、近くで観れないんですね。DVDになるのを待っています。どうやら来年の2月。

イーストウッドの映画は好きなものばかりですが、とりわけ好きなのが『センチメンタル・アドベンチャー』という映画。このタイトル、実は邦題。原題は『Honkytonk Man(ホンキートンク・マン)』。原題のままでいいのに。
Bear Familyから出ているジミー・ロジャースのボックスを今年買って、そのブックレットを読んでいたら、どうもジミー・ロジャースと『Honkytonk Man』の主人公がかなり重なるものがあって調べてみたら、やはり『Honkytonk Man』はジミー・ロジャースをモデルにしていたようです。
『Honkytonk Man』の主役を演じているのはもちろんイーストウッド。ジミー・ロジャースによく似ています。
「Miss the Mississippi and You」_a0285828_12103042.png

ちなみにこの写真のイーストウッドの隣でギターを弾いていて、映画ではイーストウッドが歌を歌えなくなって、途中から歌を引き継いで歌う人が、あのマーティ・ロビンス。このシーンですね。



さて、ジミー・ロジャースが歌ったものに「Miss the Mississippi and You」という素晴らしい曲があります。この曲はアゲインの石川さん経由で知りました。石川さんもジミー・ロジャースが大好きなんですね。中でも石川さんの一番のお気に入りがこの「Miss the Mississippi and You」。僕が最初に買ったジミー・ロジャースのCDには収録されていませんでした。

実は一昨日書いた「謎」というのはこの曲の作者のこと。レコードのレーベルにはこう記載されています。
「Bill Halley」
「Miss the Mississippi and You」_a0285828_12122018.png

ビル・ホーリーと読むんでしょうか。
ネットでこの名前を検索してもそれらしい人は何も出てきません。ただし、画像をチェックすると横山ノックヘアーのあるミュージシャンの顔がずらーっと並びます。やってみてください。
あの有名な「ロック・アラウンド・ザ・クロック」を歌ったロカビリー歌手のビル・ヘイリー。でも、ビル・ヘイリーは英語ではBill Haley。エルがひとつ少ないんですね。
ただ、ネットではなんと「Miss the Mississippi and You」の作者がビル・ヘイリーになっていたりします。「Miss the Mississippi and You」がジミー・ロジャースに録音されたのは「Prairie Lullaby」と同じ1932年。このときビル・ヘイリーは7歳。いくらなんでもですね。
で、ネットでいろいろ調べたら、Bill Halleyのことが少し書かれているページが見つかりました。でも、書かれていたのは”little-remembered”、おそらく詳細不明ということなんでしょうね。それから「ロック・アラウンド・ザ・クロック」のビル・ヘイリーとは別人物であるとも。というわけでBill Halleyの情報はなにもなし。

さて、「Miss the Mississippi and You」という曲。実はジミー・ロジャースがこの曲を「Prairie Lullaby」と全く同じ日に録音しているんですね。1932年8月29日。録音データを詳しく見ると「Miss the Mississippi and You」は「Prairie Lullaby」の次に録音されています。
この2曲、とてもよく似てるんですね。そればかりか「Miss the Mississippi and You」の最後の”Mississippi and You”と歌われる部分のメロディは「Prairie Lullaby」の”Prairie Lullaby”と歌われる部分と全く同じ。聴いてみて下さい。



で、もう一度「Prairie Lullaby」を貼っておきます。



実はBear Familyのボックスに収められたブックレットに記載されている「Miss the Mississippi and You」の曲を書いた人に記載されているのはBillではなくBilly Halley。
「Prairie Lullaby」はクレジットはGeorge Brownとなっていますが、もちろんそれはBilly Hillのこと。
Billy HillとBilly(Bill)Halley。もしやという感じがします。Hillとエルが二つ重なったHalleyも似ています。

調べてみたらジミー・ロジャースはBill Halleyという人が作った曲をもう1曲歌っていました。「Roll Along, Kentucky Moon」という曲。録音されたのはやはり1932年の2月。



こちらはネットを見ると楽譜が何種類かあって、いろんなアーティストに歌われているようですが、どうやら作られたのは1932年頃のようです。ビリー・ヒルが曲を作り始めた時期と重なります。
そういえばビリー・ヒルが作った曲のリストの題名を見てすぐに気がついたのは、カントリーというかカウボーイ・ソングが多いこと、そして”Moon”がついた曲がいくつもあることでした。
となると「Roll Along, Kentucky Moon」は詳細不明なBill Halleyが曲をかいたということになっていますが、実はビリー・ヒルが曲を書いたのかもしれません。ただ、何らかの事情から、その時期にいろんな変名を使うことを余儀なくされたのかもしれません。

というわけで「Miss the Mississippi and You」の曲を書いたのは、「In the Chapel In the Moonlight」や「The Glory Of Love」、さらに「Prairie Lullaby」を書いたビリー・ヒルだったという仮説を立てておきます。何か情報があればご連絡を。
by hinaseno | 2014-12-07 12:20 | 音楽 | Comments(0)