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Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno

「世界中がゆきすぎても 君の耳もとにずっといるよ」


今朝起きてラジオのスイッチを入れて
サーフィンに行けるかどうか波の状態をチェックしていた
DJが波乗りするには最高だよって教えてくれれば
あの娘と楽しめるってことがわかるんだ

これはビーチ・ボーイズのデビュー曲「Surfin’」の最初の部分。日常にラジオがある風景って最高ですね。そしてラジオの向こう側にいるDJとも身近な友人以上の関係でつながっている。

ビーチ・ボーイズに限らずラジオのことを歌った曲はたくさんありました、と過去形で書くべきなんでしょうね。大瀧さんのや佐野さんの、あの曲この曲がすぐに頭に浮かびます。南佳孝さんの「憧れのラジオ・ガール」も大好きな曲。

そういえば一昨年再結成したビーチ・ボーイズが出したアルバムのタイトルは「That's Why God Made The Radio」。そう、前にも言いましたが、やはりラジオは神が作ったものなのかなと思ってしまいます。

さて、杉真理さんにもラジオがらみの曲がいくつかあります。中でもとりわけ好きなのが、昨日紹介した僕の作ったCDのA面6曲目に入れた「Key Station」。実はA面3曲目はこの「Key Station」にするか「七番街の雨の朝」にするかでかなり悩みました。「Key Station」はアルバム『SYMPHONY #10』のA面3曲目。いかにもA面3曲目にぴったりの曲なので。でも、最終的には「七番街の雨の朝」を選びました。この曲はもう少し前に出るべき曲だと思って。ちなみに「七番街の雨の朝」は『Mistone』のA面5曲目に収められています。

「Key Station」は曲もいいけど、何よりも歌詞が素敵すぎるんですね。大好きなミュージシャンが何人も出てきて杉さんの遊び心満載。こんな曲が作れるのは杉さんしかいません。

一応歌詞を載せておきます。ネット上に流れている歌詞はユーミン(Yuming)がヨーミン(Yoming)になっています。
すべてのstoryは ここから生まれた
机の上の小さな箱から
もう何もかもが ただ むなしい夜
そのradio まだ消さないでおくれ

夏の扉の鍵を探して
逆光線をさまよう dreamers
聞かせてあげる 達郎のハーモニー

(淋しくないかい) 一人で
(愛してるの?) 誰かを
何故うまくゆかないの
(Think about your good time) 心が
(こごえそうに) なったら
僕は 一晩中 ここにいるよ

聞こえているかい まだ僕の声が
何かに流されそうな夜
言葉が足りなくて 助けられないなら
友達の歌を聞いておくれよ

二人で聞いたあの日の Yuming
ナイアガラのひびきは Forever
そして銀次の夢を分けてあげるさ

(悲しくないかい) 一人で
(言いだせないの) 誰かに
いつも うまくゆかない
(信じるかい) 魔法を
(忘れられた) そのradio
部屋の片隅に みんないるよ

熱いビートを失くした時
浜田省吾の Danceはどうだい
佐野元春は いつだって味方だよ

(淋しくないかい) 一人で
(世界中が) ゆきすぎても
君の耳もとに ずっといるよ

いくつかの遊びについて少しだけ。
「ナイアガラのひびきは Forever」と歌われるときには、深いエコーのナイアガラ・サウンドが、「そして銀次の夢を分けてあげるさ」のあとには銀次さん自身の「Oh, Baby」のコーラスが、で「佐野元春は いつだって味方だよ」のあとには「I wanna be with you tonight, baby!」という佐野さんのDJの決まり文句が入ります。

余談ですが、杉さんとしては「聞かせてあげる 達郎のハーモニー」のあとには達郎さん自身のハーモニーを入れる予定だったんではないかと、当時少し思いました。

歌詞の最後の「世界中がゆきすぎても 君の耳もとにずっといるよ」という言葉がいいですね。杉さんらしい小さなプロテスト。
争いごとをなくすための小さいけれども確かな手段として、音楽を通じて人がつながることを杉さんは考え続られているんですね。
by hinaseno | 2014-08-23 12:05 | 音楽 | Comments(0)