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Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno

1971年9月のはっぴいえんど


ネットでは、ときどき、わおっと思うような映像やら画像が流れてくることがあります。
最近のものを2つほど。
まずは、この写真。
1971年9月のはっぴいえんど_a0285828_943167.jpg

先日紹介した1959年6月9日のRCAスタジオでのキャロル・キングです。初めて見る写真。以前紹介したサイトにも載っていません。まだまだあるんですね。
それにしても、この日に撮られたキャロル・キングの写真はどれも本当に素晴らしい。この写真、自分で作ったコンピレーションCDのジャケットに使いたくなりました。

次はこれ。これもびっくりでした。電車の中のはっぴいえんど!
1971年9月のはっぴいえんど_a0285828_9433972.jpg

松本さんはレイバンのサングラスできめていますね。大瀧さんは細野さんの陰でニッコリです。

はっぴいえんどで電車となると「路面電車」かなと一瞬考えてしまったのですが、どうやらそうではなさそう。で、例によっていろいろと調べてみました。

すぐに気がついたのはこの日の4人の服装。
はっぴいえんどのメンバー4人がこの服装を着ている写真はいろんなもので見かけます。
もっとも有名なのは『風街ろまん』の裏ジャケのこの写真。大瀧さんだけカメラ目線じゃないけど。
1971年9月のはっぴいえんど_a0285828_9444343.jpg

それからこの写真は、はっぴいえんどの写真としていちばんよく使われているものだと思います。僕もこの写真が一番好きです。
1971年9月のはっぴいえんど_a0285828_9451259.jpg

大瀧さんはやはりカメラの方を向いていませんね(鈴木茂さんも)。

内田樹先生の「大瀧詠一の系譜学」が収録された『ユリイカ』の2004年9月号の表紙になったこの写真も同じ服装です。
1971年9月のはっぴいえんど_a0285828_9445072.jpg

大瀧さんはこの写真ではカメラの方を向いているみたいですね。鈴木茂さんは白いシャツを脱ぎ捨てています。

この写真を撮影したのは野上眞宏さん。野上さんは細野さんと大学時代に同級生だったこともあって、細野さんがらみの写真をたくさん撮っているんですね。もちろん、はっぴいえんどの写真も。
といっても、野上さんの撮られた写真はコンサートの風景とか、楽屋の風景とかが多くて、カメラ目線の4人(ときどきだれかが別の方を向いてたりしますが)が撮られているというのはこの服装のときしかありません。
つまりこれはレコードのジャケット用に撮影された写真だったんですね。ただ、おそらくもともと写真を撮られるのがあんまり好きではない人たち。気乗りしない感じが出ています。特に大瀧さんは。

調べてみたら写真が撮影された場所は埼玉県狭山の稲荷山公園のアメリカ村。撮影されたのは1971年9月。このあと間もなく細野さんがこの狭山のアメリカ村に住むようになって、そこの自宅で『HOSONO HOUSE』が録音されるんですね。細野さんの中で一番好きなアルバムです。

ところで最初に紹介した電車に乗ったはっぴいえんどの写真。この狭山の稲荷山公園に向かうときに乗った電車の中で撮った可能性が高いですね。とするならば西武池袋線の電車ということでしょうか。

とか、いろいろ調べているうちに、野上眞宏さんがはっぴいえんどを写した写真集が10年ほど前に出ていたことがわかりました。電車の中のはっぴいえんどもその中に収められているのかもしれません。そして、その写真には撮影した場所と撮影した日付も載っているのかもしれません。

というわけで、今日の最後は細野さんの『HOSONO HOUSE』に収録された「僕は一寸(ぼくはちょっと)」を。詞も細野さん。狭山での細野さんの暮らしぶりをそのまま歌にした素敵な作品。ペダル・スティール・ギターは、大瀧さんの「空色のくれよん」と同じ駒沢裕城さん。

by hinaseno | 2014-07-16 09:48 | 音楽 | Comments(0)