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Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno

「後で他のものが出せるって思う人は大きくなれない」


『ナイアガラ・ソングブック』についてのインタビューのあとに読んだのは『ナイアガラ・トライアングルVOL.2』のインタビューのロング・ヴァージョン。雑誌掲載時には何度も読んでいましたが、こんな話あったっけ、というとこだらけ。雑誌掲載時にはカットされた部分ですね。ちょっと多すぎ。しかも、そのカットされていた部分ほど興味のあることばかりなんだからたまりません。

さて、昨日の智ノ花の話につながってくるのは伊藤銀次さんのこと。例の”鬼の特訓”の話です。
大瀧さんが銀次さん率いるごまのはえに対して行なった”鬼の特訓”の、たった一日の休日に銀次さんが行った高円寺の喫茶店ムーヴィンで達郎さんの自主制作盤を聴くことになるという、ナイアガラ史には忘れられないエピソードの一つ。その”鬼の特訓”について大瀧さんが話されたこともばっさりとカットされてたんですね。その先につながる話も含めて僕にとっては面白くてしかたがないのですが。とりあえずそこを引用します。
ごまのはえ改めココナツ・バンクは9・21のコンサートでデビューして、その日に解散してしまったという。彼らの場合、そのときに4曲で終わったんだけども、4曲しかないっていうのではなく、この4曲でお前たちは将来も判断されるんだから1曲たりとも気を抜いてはいかん、と。この4曲が永遠に残ると思ったから、それが特訓の一番の理由なの。

大瀧さんの話はもう少し続きます。すごい作曲家の名前が出てきますが、大瀧さんの言わんとするところは昨日の智ノ花の話と同じ。
実は筒美京平さんにしろ、バート・バカラックにしろ、ベートーヴェンでもモーツァルトでも、曲の根幹っていうのはだいたい三つか四つなんだよ。分類すれば。あとはそのヴァリエーションでしかない。その根幹を四つ見せられるかどうかがポイントなの。四つしか与えられていない、でも、後で他のものが出せるって思う人は大きくなれない。今ここで、四つに自分を全部入れて提示できる人っていうのは将来大きくなれる。それが僕の考え方なの。まあ、その読み通り、彼らはその4曲しか残らなかったんだけど。

「その人はたいてい”これからだ”と思ってるんだけど、これからと思ったときが終わりのときなんだっていうような体験」を中3のときにしたからこその”鬼の特訓”。

実はこの話の途中で、大瀧さんの口からこんな言葉が出てきます。
4曲を気を抜いてはいけない…っていうのは後でも出てくるからよく覚えておいて(笑)。

これがだれの何の話につながるかが、また面白いのですが、そこも雑誌掲載時にはカットされていました。その話はまた次回ということで。
by hinaseno | 2014-05-10 09:55 | ナイアガラ | Comments(0)