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by hinaseno
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And the Sweet Secret of A Summer Place(part 2)


パーシー・フェイスの「夏の日の恋」を何度も繰り返して聴いているときに(これほど意識して何度も聴いたのは初めて)ふと、ある曲が頭に浮かんできました。
大瀧さんの「真夏の昼の夢」。『ナイアガラ・カレンダー』に収められた8月の曲。

つながったのはあの印象的なイントロのストリングス。「タン・タン・タン・タン・タン」というピチカートの音ですね。
曲全体の空気感、曲から見えてくる風景も似ている気がします。メロディのどこかが似ているというわけではなく。

そういえばと思って、『ナイアガラ・カレンダー』30周年盤が発売された2008年の新春放談を聴き返してみました。
大瀧さん、何度も「イントロがいい」と繰り返しています。
もちろんこの曲のストリングス・アレンジをしているのは達郎さん。達郎さん自身も気に入っているようです。で、大瀧さんが達郎さんにこう訊ねます。
「これは何だったんですか。パーシー・フェイスですか?」

パーシー・フェイスの「夏の日の恋」のようなストリングス・アレンジは大瀧さんの指示ではなく、達郎さん独自のアイデアだったんですね。
この問いに達郎さんはこう答えます。
「いや、あの頃ピチカートが好きだっただけのことです」

この答えに大瀧さんは(そして僕自身も)「なんだい、そりゃ」と。
大瀧さんが書いたメロディを聴いて(歌詞はまだできていなかったはず)、そのときのインスピレーションであのイントロを作ったとのこと。意識したのではなく、結果的に似ているものがあったというのが興味深いですね。いずれも「夏」の曲ですし。

このあと「真夏の昼の夢」に関して、もう少し大瀧さんからの説明があります。これもまた興味深い内容なので引用しておきます。
あれによく似たメロディがあるのよ。その曲はよく言われるんだけど、僕はそのとき(曲を作ったとき)聴いてなくて。それから何年か経ったら、おお、似てるなと思って。それから最近、とある放送局のかかる曲のメロディが全く同じなんだよ。たぶん、おおもとに、どっかに、クラッシックにあるんだと思うんだよ。
で、それじゃないんだよ、おれが元ネタにしたのはまた別にあるんだけれども...意図的なものね、意図的なもの、あの、タイトル言ってもメロディとったわけじゃないから言うけど「In The Cool Of The Day」っていうタイトルの曲がナット・キング・コールにあるのよ。で、「In The Cool Of The Day」っていうのが僕の曲のアイデアなの、モチーフ。メロディじゃなくて。で、「In The Cool Of The Day」って「タン・タン・タン・タン・タン」っていうのが出て来るんだよ、言いもしないのに。さすがに君は当ててるなと思って。


ナット・キング・コールの「In The Cool Of The Day」という曲は、大瀧さんのこの話を聴くまでは知らなくて、いくつか持っているナット・キング・コールのアルバムには入っていないマイナーな曲だと思っていたのですが、今、調べたら有名な「Those Lazy, Hazy, Crazy Days Of Summer」のシングルのB面でした。発売は1963年。大瀧さんの最も多くの思い出がつまっている1963年の夏に、他のアメリカン・ポップスといっしょにこれを聴いていたんでしょうね。

ナット・キング・コールの「In The Cool Of The Day」のアレンジをしたラルフ・カーマイケルも夏の曲ということでパーシー・フェイス的なものを取り入れたのかもしれません。「ピチカートが好きだっただけ」と答えた達郎さんの頭の中にも、大瀧さんのメロディからインスパイアする形で間接的に、無意識にパーシー・フェイスの「夏の日の恋」が流れていたのかもしれません。
ひとつの曲の中に意図したものと、意図とは別の、偶然(たまたま)とか、無意識の領域で生み出されたものが重なり、つながっている。
昨日リンクした大瀧さんの言葉を使えば、パーシー・フェイスの「夏の日の恋」はまさに「火山灰」のように降り注いでいた気がします。

ところで、大瀧さんの話の中に出てくる、よく言われるという「あれによく似たメロディ」、あるいは最近聴いたという「とある放送局のかかる曲のメロディ」って何なんでしょうか。

最後にナット・キング・コールの「In The Cool Of The Day」を貼っておきます。この歌詞の「day」は「昼」の意味ですね。


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by hinaseno | 2014-04-22 10:26 | 音楽 | Comments(0)