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Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno

”Hi. Love”、そして「日本の長嶋、世界の王、日本のマキノ、世界のクロサワ」のこと


最初にご報告。
諸々の事情により、ほぼ毎日更新していたブログですが、明日より断続的な更新になります。しばらくの間停止する可能性も。別に入院とかそういうのではありません。
また、そのあたりの事情は後日話すことになるかもしれません。

さて、昨日触れた1989年1月12日放送の新春放談のことをもう少しだけ。
達郎さんの思い出話の中で、クリス・ノエルという女性のDJのラジオ番組のことが語られていました。「Hi, Love」って可憐な声で始まるという。そのクリス・ノエルさんがスパンキー&アワ・ギャングの「Like To Get To Know You」が好きで番組で何度もかけたとのこと。

YouTubeで探してみたら、彼女のラジオ番組、ひとつだけありました。なんと最初に「Hi, Love」って言っています。ちょっと感動。この音源です。1967年に放送されたものですね。達郎さんがまさに高校生のとき。



クリス・ノエルさんの声、とっても魅力的です。番組もいい雰囲気。かかる曲も好みのものばかり。趣味が僕と合います。
途中で昔、達郎さんが新春放談で唄った「プッシン・トゥ・ハ〜」と歌われる曲がかかってますね。これ、誰の何という曲? ちょっと調べたけどわかりませんでした。
終わり頃には先日触れたロジャー・ミラーさんの「Walkin' In The Sunshine」もかかってます。

画像がなぜベトナム戦争なんだろうと思ったら、どうやらベトナム戦争のための米軍の駐屯基地のあった地域で放送されていたみたいですね。で、日本でも聴けたようです。
ある人たちにとっては彼女の”声”はベトナム戦争に直結しているようですね。でも、番組は最高。今、こんな番組が聴けたらなと。というか、この番組、もっと他にも聴いてみたい。今後、音源がアップされるのを待ちましょう。

話はかわって昨日、『レコード・コレクターズ』4月号を少し読みました。大瀧さんの追悼特集が組まれています。まだ全部読んだわけではありませんが、紙幅のためとはいえ、それぞれの人が書き足りない、言い足りない感じが出ています。

最初に読んだのは佐藤利明さんの文章。佐藤さんは大瀧さんが成瀬研究をするきっかけを与えた人で、大瀧さんといっしょに何度も築地を歩かれてるんですね。成瀬研究を始めるいきさつから川本三郎さんとの対談に至る過程まで興味深い話が多いです。

最後の方で、先日触れた『鴛鴦歌合戦』の監督であるマキノ正博(雅弘)に関する話も出てきます。これが面白い。ちょっと引用しておきます。
 大瀧さんと話をしていて、映画や文学、音楽について”野球”に見立てることがよくあった。あるとき、マキノ雅弘監督と黒澤明監督の位置づけについて、やりとりをしていると、突然《マキノって、長嶋(茂雄)なんですね》と来る。長嶋は《ストライク・ゾーンは?》と聞かれたら《自分の打てる球》と答えた。
 どんな題材でも面白く演出するマキノは長嶋と同じ。一方の王貞治は《とにかく初球は打たない。ジックリと待ちます。イライラするくらい》。寡作で芸術家肌の黒澤はそれゆえに王であり、《長嶋は理論にしづらいのですが、王さんは理論にしやすい》と。マキノのよさは日本でしか通用しないが、クロサワは世界で評価される。そして、《日本の長嶋、世界の王、日本のマキノ、世界のクロサワ》という結果に至った。

いかにも大瀧さんらしい分析。なるほど、なるほど、ですね。
ところでそのマキノの『鴛鴦歌合戦』ですが、先日書いた通り歌の部分だけを取り出したもの(一部、音楽的な会話も入れていますが)をCDに落としてここ一週間ほど聴き続けています。音楽だけを取り出したら30分足らずのものですが、何度聴いても聴き飽きないし、とにかく楽しくて仕方がありません。
で、音楽だけをずっと聴いた後で、昨夜久しぶりに映画の方を観返したら、またいろんな発見があったり。当分、『鴛鴦歌合戦』ブームは続きそうです。

今、一番のお気に入りの曲は、殿様の家来達が順番に歌う「拙者は松田〜」。ずっと音だけ聴いて、昨日映像を観直したら爆笑。だれかその部分の映像作ってくれないかな。
”Hi. Love”、そして「日本の長嶋、世界の王、日本のマキノ、世界のクロサワ」のこと_a0285828_10131422.jpg

Commented by sugarmountainn at 2014-03-17 02:55 x
>達郎さんが新春放談で唄った「プッシン・トゥ・ハ〜」と歌われる
曲がかかってますね。これ、誰の何という曲?

SEEDSのPUSHIN' TOO HARDという曲ですね。

http://youtu.be/pNZwCNSSWlI

達郎さんて「ワイルドで行こう」とかガレージ・パンクっぽいのけっこう好きみたいですよね。大瀧さんから「若さの暴走」みたいにからかわれていたような。

Commented by hinaseno at 2014-03-18 15:37
sugarmountain様
連絡ありがとうございました。'Pussin' Too Hard'だったんですね。達郎さんて、メロウな曲が好きな一方で、こういう単純にガッツのある曲も好きですね。
Commented by Ryujin at 2014-03-19 15:13 x
いつも欠かさず拝読しております。
大滝詠一さんが検証の鬼であったように、あなたも大滝さんが検証されたことをまた違う視点から検証しておられるのだと思い、興味深く読ませて頂いております。
私もいちミュージシャンで、特に大滝詠一さんを深く崇拝しておりました。師匠なきあと、このブログを心の拠り所としておりましたので、どうかできる限り更新して頂ければ幸いです。
Commented by hinaseno at 2014-03-20 23:14
Ryujin様
これ以上ないようなお褒めの言葉をいただき胸が熱くなってしまいました。本当にありがとうございます。
by hinaseno | 2014-03-16 10:21 | ナイアガラ | Comments(4)