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Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno

「“その他”好きなんだよ、オレは」(3)


ヘレン・ミラーの曲探しを始めたといっても、はっきり言ってなかなか見つかりません。ネット上にも(海外も含めて)ほとんどヘレン・ミラーを取り上げた人を見つけることはできませんでした。
そんな中でただ一人だけ、ヘレン・ミラーのことを意識して書かれている人がいたんですね。それがこれまでも何度か取り上げているcircustown.netというサイトの富田さんという方。こことか、ここで書かれています。こういうのを見つけると本当にうれしくなります。
富田さんという方は、他に取り上げている曲も趣味が僕とあまりにもぴったりすぎて、知らない曲で富田さんが取り上げている曲を聴いてみたらツボだったというのはいくつもあります(Alzoに関する話はほんとうにびっくりでした)。

話が少しそれてしまいましたが、おそらくこのサイトのネーミングからもわかるように、基本的には山下達郎さんのラジオ番組で取り上げられた曲に反応して何人かの人がそれぞれの好みの中で文章を書かれています。で、富田さんは早くから達郎さんがヘレン・ミラーという作曲家のことを意識されて語られていることに気づかれていたんですね。
で、その達郎さんがついにヘレン・ミラーを特集する日がやってきます。2008年の暮れに、なんと3週間も。
この特集は衝撃でした。知らない曲だらけ。しかもドツボの曲ばかり。これを録音したMDは何度聴いたかわかりません。と、言いつつ、さっき調べたら第一週目のものがどこにも見当たりません。

さて、今日はその特集でかかった、それまで知らなかったヘレン・ミラーのドツボだった曲を3曲ほど。
まずはフランキー・アヴァロンの「Every Girl Should Get Married」。



それからThe Applejacksというグループの「Wishing Will Never Make It So」。ヘレン・ミラーの作った曲の中でも、最高に好きな一曲。



そしてもう一曲。スティーヴ・ローレンスの「Put Away Your Teardrops」。これがヘレン・ミラーの作った中で最も好きな曲。でも、残念ながらYouTubeにはありません。この曲、同じスティーヴ・ローレンスの歌った、あの「Go Away, Little Girl」に雰囲気がそっくりなんですね。いや、歌詞も、この「Put Away Your Teardrops」のあとに「Little Girl」という言葉が出てきたり(もしかしたらもともとのタイトルは「Put Away Your Teardrops, Little Girl」だったかもしれません)、タイトルの「Away」も重なっていますし、明らかに続編という形で作られたような気がします。
ヘレン・ミラーも、キャロル・キングの曲調を意識しているように思います。
いや、僕の個人的な意見ですが、ヘレン・ミラーはキャロル・キングよりもずっと年上なんですが、長い育児休暇の後に作家として復帰してアルドン・ミュージックと契約して若い人たちにたくさん曲を作るようになったとき、もっとも意識したのはキャロル・キングだったのではないかと。
ヘレン・ミラーの転機となったはずの「Foolish Little Girl」もどことなくキャロル・キングの作った「Crying In The Rain」に似ているような気がします。もちろん同じシュレルズの歌った「Will You Love Me Tomorrow」も聴いていたでしょうし。
アルドンの作家たちは、薄い壁で仕切られた小さな部屋に入れられて曲作りをしていたようですが、もしかしたらヘレン・ミラーとキャロル・キングは隣同士だったかもしれません。お互いに刺激し合い、そして影響をそれぞれに与え合っていたことは十分に考えられます。
それぞれが本来持っているものに、自分が持っていないものをじょうずに取り入れて行く。上の世代が下の世代に受け継ぐものもあれば、下の世代に刺激されることもある。そしてさらなる名曲が生まれる。想像するだけでわくわくします。

話がそれてしまいましたが、YouTube上にレターメンの歌った「Put Away Your Teardrops」がありますので、そちらを貼っておきます。



もう一つ、Daryl Questというシンガーの歌っているものもありましたので、それも貼っておきます。
残念ながらいずれもスティーヴ・ローレンスの情感には遠く及ばないのですが。


by hinaseno | 2013-12-07 14:10 | 音楽 | Comments(0)