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by hinaseno
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冬がまた来る


昨日、この秋(というか一気に冬になってしまったという感じですが)はじめて蜜柑を食べました。
蜜柑を口にすると、この短歌のことを思い浮かべます。
街をゆき子供の傍を通る時蜜柑の香せり冬がまた来る

作者は木下利玄。
中学校の教科書に載っているので、以前からぼんやりとはその名前を見ていたのですが、今年の夏の初め頃に、ふと気になって木下利玄を調べてみたら、岡山出身の人だったんですね。しかも足守。ちょうど荷風がらみで足守のことをこのブログに書いていた頃だったので、ちょっとだけ運命的に感じました。物事はたいていそういうのをきっかけにして始まります。

先月、岡山の古書五車堂さんに立ち寄って、店内に流れるバカラックの曲を聴きながら店長さんと木下利玄の話をしていたら、木下利玄の全集がありますよ、とのこと。見た目のわりに値段はそんなに高くなかったので、2冊あったうちの「散文篇」を買ってきました。
冬がまた来る_a0285828_9263146.jpg

まだほとんど読んでいないのですが、ぱらぱらと日記なんかに目を通していたら、志賀直哉とかの名前が出てくる。白樺派の人なんですね。それでネットで検索していたら木下利玄と志賀直哉と里見弴の3人は若き日にいっしょに関西を旅して、その時のことが『寺の瓦―旅中日記』という本になっていることを知りました。へえ〜です。
なにせ志賀直哉と里見弴といったら小津安二郎との関係が深い人たちですから。

こんなふうにしてまた新たに気になる人が一人増えたわけです。
by hinaseno | 2013-11-15 09:26 | 文学 | Comments(0)