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by hinaseno

「風立ちぬ」の〈20分の1の神話〉(その3)


T島、トライアングル島といえば『ナイアガラ・トライアングル』。
といきたいところですが、ここでの主役は『ティーンエイジ・トライアングル』。
これですね。
「風立ちぬ」の〈20分の1の神話〉(その3)_a0285828_9314325.png

コルピックス(COLPIX)というレーベルに所属していた3人のアイドルの代表曲ばかりを集めたベスト盤ですね。大瀧さんの「ぼくの愛聴盤10」にも入っています。
3人の名前はジェームス・ダーレン、ポール・ピーターセン、そしてこのブログでは何度も名前が出ている紅一点のシェリー・フェブレー。

今日の話の中心は、またまたシェリー・フェブレーです。
シェリー・フェブレーは「ゴー!ゴー!ナイアガラ」では常連中の常連。彼女単独の特集はされていませんが、ガール・シンガーものの特集のときには必ず彼女の曲がかかっています。
ちなみに4回行われた「ガール・シンガー特集」、および好きなガール・シンガーの曲ばかりを集めた「My Juke Box特集」全てで曲がかかっているのはシェリー・フェブレーとジョニー・ソマーズの2人だけ。その次に多いのがダイアン・レネイ、ロビン・ワード、ナンシー・シナトラ、リトル・ペギー・マーチでしょうか。麻丘めぐみの曲も結構かかっています。

さて、先日聴いたのは、1977年8月29日に放送された「ガール・シンガー特集(その4)」。波の音をバックにして夏に放送されたものを続けて聴いていました。「波の音はバラードに合いますね」という言葉もこの日の放送で語られました。
「ガール・シンガー特集」では有名な曲もかかれば、あまり有名でない曲、全く知らない曲もかかります。先ほど書いたガール・シンガーのCDやレコードはいくつも持っているのですが、正直、その収録曲をきちんと全部聴いたことは一度しかありません。たいていはまずお目当ての曲を聴いて、他に有名なソングライターの曲はないか探して、あればそれを聴くという聴き方。1回も聴いていない曲もいくつもあるはず。で、「ゴー!ゴー!ナイアガラ」では、そんな僕の持っているCDの中には入っているのに一度聴いたかどうかわからないような曲がよくかかります。有名(あくまで僕の貧しい音楽経験の中でのということですが)とは言えない曲やら、あるいはスタンダードソングのカバーとか。いずれも軽視、あるいは無視してきた音楽ばかり。
でも「ゴー!ゴー!ナイアガラ」を聴いていると、いかに僕が偏った音楽の聴き方をしてきたかを反省させられます。単純に言えば「いいものはいい」ということですね。

「ガール・シンガー特集(その4)」の1曲目にかかるのはコニー・フランシスの「Where The Boys Are」。もちろんこれはニール・セダカの作った有名な曲。でも大瀧さんはニール・セダカが曲をかいたことを言いません。自明のことだからでしょうか。で、2曲目にジョニー・ソマーズの「Since Randy Moved Away」がかかります。これは有名とはいえない曲のはず。僕にとっては聴きとばしてきた曲です。大瀧さんの紹介によれば「メモリーズ・メモリーズ」のB面の曲とのこと。アメリカでは「Since Randy Moved Away」のほうがA面だったみたいですね。改めてよく聴くと「メモリーズ・メモリーズ」よりも「Since Randy Moved Away」のほうがずっといいですね。
「Since Randy Moved Away」を何度か聴いていたらどこかで聴いたことがあるメロディだなと思えてきます。なんだろうとしばらく考えて思いあたりました。エルヴィス・プレスリーの「エンジェル」。調べてみたら曲を書いた人が同じなんですね。Tepper& Bennett。まあ同じ人だから曲が似ているのは当たり前。でも、大瀧さんはそのあたりの説明は一切しません。
この日の5曲目にかかるロビン・ワードの「I Will Love You」はバリー・デヴォーゾンの作った曲だと紹介しています(実際にはシェルビー・フリントが作った曲のようですが)。
説明をしたり、しなかったり。とっても興味深いです。

さて、驚いたのはこの日の3曲目にかかったシェリー・フェブレーの「Big Star」という曲。やはり、僕が聴き流してきたか、聴き飛ばしてきた曲です。聴いてびっくりでした。

「風立ちぬ」のサビの後に出てくるAメロと似たようなメロディが聴かれます。
「涙顔 見せたくなくて すみれ・ひまわり・フリージア」の部分ですね。特に「見せたくなくて すみれ・ひまわり」の部分は全く同じといってもいいかもしれません。びっくりしました。
わおっ、と思いましたがネットをチェックしたら何人かの人が書いていました。う〜ん残念。でも自分で発見できたからうれしいです。まあ、「風立ちぬ」の曲を知っていて「Big Star」を耳に入れたらきっとだれでも気づくことだと思います。

ちなみにこの日の放送は「ガール・シンガー特集」なのですが8月の最後の放送ということで、エンディングにハプニングスの「See You In September」がかかります。

ところで「ゴー!ゴー!ナイアガラ」でかかったシェリー・フェブレーの別の、やはり僕が聴き流していた曲で、もう一つの驚きの〈20分の1の神話〉が発見がありました。
それはまた、後日。

Today’s Song:I Didn't Have Any Summer Romance / Carole King
この日の放送でかかった曲。有名な曲ではありませんが、死ぬほど好きな曲です。
Commented by white parasol at 2018-11-16 21:02 x
はじめまして。大瀧ファンというより聖子ファンですが、「風立ちぬ」の元歌についてウェブ検索すると、貴サイトの記述も含め、洋楽では次の6曲が挙げられているようです。新たに発見されたシェリー・フェブレーのもう一曲というのはなんでしょう?

出だしのドラム? The Cascades / “For Your Sweet Love”
イントロ Diane Renay / “Kiss Me Sailor”
歌い出しのストリングス Diane Renay / “Navy Blue”
今日から私は〜 Jimmy Clanton / “Venus in Blue Jeans”
Aメロ Shelley Fabares / “Big Star”
コーラス Frankie Avalon / “Venus”
Commented by hinaseno at 2018-11-16 22:44
> white parasolさん
ずいぶん昔に書いたので、えっと何だっけでしたが、
3日後くらいに書いた「The Things We Did Last Summer」のことでしょうか。
「カナリア諸島にて」のサビに使われているかなと。
たまたま似ているだけかもしれないけど。
Commented by white parasol at 2018-11-17 09:59 x
> hinasenoさん
さっそくのお返事、ありがとうございます。
新発見は「風立ちぬ」ではなくて「カナリア諸島にて」の方でしたか。確かに似ていますね。
せっかくなので、シェリー・フェブレーを何曲か聴いてみたところ、”Telephone”のセリフの後の三連符と”Johnny Loves Me”のAメロに、なんとなく「風立ちぬ」の面影がちらりと見えたような気がしました、1/20と言うほどではありませんが。なかなか20曲への道は遠いです。
Commented by hinaseno at 2018-11-17 12:22
> white parasolさん
シェリー・フェブレーは大瀧さんの書いた曲のあちこちに散りばめられています。別の日のブログに書いていますが「Telephone」や「Johnny Loves Me」は小泉今日子さんの「快盗ルビイ」にかなり取り入れられています。大瀧さんが女性アイドルのことを考えた時、最初にぱっと頭に浮かんでいたのがシェリー・フェブレーだったんですね。確か一番好きだと言っていました。
by hinaseno | 2013-08-07 09:34 | ナイアガラ | Comments(4)