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by hinaseno

Harry Warren Songbook vol.1


昨日、Harry Warren(ハリー・ウォーレン)のことを書いたら、アゲインの石川さんが今朝のブログで反応して下さっていました。こういうのは本当にうれしいです。しかも取りあげられている曲が思わずにこにこしてしまうものばかり。ただボビー・ダーリンの曲は知りませんでした。

ということですので、今日は予定を変更してハリー・ウォーレンの特集を。といっても、好きな曲を紹介するだけなのですが。

ハリー・ウォーレンは、たぶんガーシュインやコール・ポーターやアーヴィン・バーリンなんかと比べたらちょっと知名度が劣るのでしょうか。でも、それらの作曲家に勝るとも劣らないくらいの質の高い楽曲を映画やミュージカルのために数多く作っている人なんです。

僕が最初にハリー・ウォーレンの名前を覚えたのは、昨日紹介した「I Only Have Eyes For You」という曲をカバーした山下達郎の『ON THE STREET CORNER 2』の解説を読んでのことでした。ロックン・ロールの原初的な形態のひとつであるドゥーワップの曲が、実はスタンダード・ソングだと知って驚いたものでした。

で、月日は相当流れて、昨年のことですが、石川さんから大瀧さんの『ゴー!ゴー!ナイアガラ』のCD-ROMを送っていただくようになって、たぶんそのいちばん最初の頃に送っていただいた「クリス・モンテス特集」で、大瀧さんの口からハリー・ウォーレンの名前が出たんですね。
昨日紹介した「The More I See you」をかけたときに歌の部分が出る寸前に「Music By Harry Warren」。そしてその次に同じくハリー・ウォーレンが曲を書いた「There Will Never Be Another You」をかけた後、大瀧さんはかなり詳しくハリー・ウォーレンの説明をされ、最後に
「非常に(実際の言い方は"ひっじょうに"でした)いい曲を書きますね。『The More I See you』は最高です」との言葉。わおって思って、すぐに石川さんに連絡したことを覚えています。
そのあと自分の持っているCDなどからハリー・ウォーレンの曲を集めてすぐに「Harry Warren Songbook」というプレイリストを作ったりしました。

ハリー・ウォーレンは、アップテンポな曲から遊び心あふれるコミカルな曲、さらにはとってもロマンチックな曲までさまざまに作れるのですが、ガーシュインやコール・ポーターやアーヴィン・バーリンとちがうのはポップな曲が多いことでしょうか。そのためか、僕の好きなアーティスト、例えばチェット・ベイカーやフォー・フレッシュメンやジャッキー&ロイなどが数多くハリー・ウォーレンの曲を取りあげています(クリス・モンテスが歌った2曲はいずれもチェット・ベイカーとフォー・フレッシュメンが取りあげています)。

では、僕の好きな曲をいくつか。
まずはジャッキー&ロイの「Cheerful Little Earful」。この曲、本当に好きなんです。
このYouTubeの音源には2曲入っていますが、1曲目に入っている曲です。

この曲が入っている『Storyville presents Jackie & Roy』というアルバムは、村上春樹が翻訳したビル・クロウの『さよならバードランド』の最後に収められた村上春樹の「私的レコード・ガイド」で知りました。この曲のベースをビル・クロウが弾いているんですね。ジャッキー&ロイは村上春樹も大好きみたいで、特にこのストーリーヴィルのアルバムはお気に入りのようです。
ところで、今見たら、僕の持っている日本盤のCDの作曲者の名前がWarrenではなくWisemanとなっています。CDを挿入してもその名前が出てきますね。でも、これは間違いなくハリー・ウォーレンの曲。ちなみに作詞はアイラ・ガーシュインとビリー・ローズ。

ところで、石川さんも書かれていますがハリー・ウォーレンの曲は作詞家のマック・ゴードンとのコンビにいい曲が多いのですが、アル・ダビン(Al Dubin デュビンと発音するのかもしれません)とのコンビもいい曲が結構あります。

一曲目は「I'll String Along with You」という曲。
いろんな人が歌っているのですが、石川さんも好きなクリフ・リチャードの歌うものを。アレンジがなんとなくクリスマスっぽいですね。

それからもう一つ アル・ダビンとのコンビの「You're Getting to Be a Habit With Me」という曲。この曲も最高に好きな曲。ペトゥラ・クラークの歌っているのもいいですが、このジュリー・ロンドンの方が少しだけいいです。

この曲の収められたアルバムのジャケットも素敵なので、ジャッキー&ロイのと並べて貼っておきます。
Harry Warren Songbook vol.1_a0285828_1145982.jpg


最後に日本人がカバーしているハリー・ウォーレンの曲を。歌っているのは細野晴臣。
タイトルは「Chattanooga Choo Choo」。言葉遊びみたいなタイトルですね。ハリー・ウォーレンの曲にはこういう感じのタイトルの曲が多いのも特徴でしょうか。ちなみにこの曲の詞を書いているのはマック・ゴードン。

細野さんといえば、つい最近『Heavenly Music』というアルバムが出たのですが、その中で特によかったのが「Tip Toe Thru The Tulips with Me」。先日石川さんのブログでも紹介されていました。
この曲のタイトルも言葉遊びみたいですね。この詞を書いているのが先程のアル・ダビンさん。曲はハリー・ウォーレンではなくジョセフ・バーク。
とっても素敵な曲なので貼っておきます。細野さんも解説しているタイニー・ティムの歌うものにしようかと思いましたが、ちょっと気持ちが悪いので、ニック・ルーカスの歌っているものにします。


最後に余談になりますが、先日、古いレコードの内袋を見ていたらこんな記事が。
Harry Warren Songbook vol.1_a0285828_11433274.jpg

詞のついていない曲に詞を付けるコンテストの紹介。ここにあげられている作曲者の中にハリー・ウォーレンの名前があってびっくりしました。そのとなりのロックン・ロール部門のバリー・デヴォーゾンの名前を見てさらにびっくり。バリー・デヴォーゾンの話もいつかしたいと思っています。いつになるやら。
でも、このコンテストのタイトルがいいですね。

WRITE-A-LONG

思わず反応してしまいます。
by hinaseno | 2013-05-28 11:45 | 音楽 | Comments(0)