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by hinaseno
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  過去を歴史のなかに封印することなく、つねに活性化させ続けること


内田(樹)先生の本の書評に目を留めて、内田先生、平川さんに関心をもちはじめた翌年の2004年から事態は驚くような方向へ動いていきます。僕にとっては嘘みたいとしか言いようがないのですが。

僕が気にとめ始めてからでも内田先生は大瀧さんに関してたくさんの文章をあちこちで書かれました。それらはそれまでに大瀧さんの音楽について書かれたものとは全く異なる、はっとさせられるようなものばかりでした。特に大瀧さんの音楽と村上春樹の文学を「倍音」というキーワードでつなげたところは見事というほかありませんでした。

a0285828_14574771.jpgそんな中で白眉だったのが、『ユリイカ』2004年9月号の「はっぴいえんど特集」に載った内田先生の文章でした。内容もさることながら、この本での内田先生の文章の位置づけですね。「はっぴいえんど特集」ということでしたから、まず、そのメンバーの最新の対談が順に載っています。

まずは松本隆さんと町田康さんの対談。次に細野晴臣さんと大里俊晴さんの対談。そして鈴木茂さんと安田謙一さんとの対談。

さあいよいよ次は大瀧さんの対談が...と思ってみると、ないんですね。他の3人のメンバーの最新の言葉が並んでいるのに、大瀧さんのだけがありません。で、そこに載っているのが内田先生の「大瀧詠一の系譜学」という文章。何、それって思った人は多かったでしょうね、きっと。

僕は内田先生のブログを読んでいて、たぶん内田先生が何度も告知されていたのでよくわかっていましたが、はっぴいえんどファン、大瀧ファンでこの本を手にとった人は、だれだ内田って? ってことで、もしかしたら怒りすら抱いた人がいたかもしれません。お前の文章なんか読みたくないよ、ってことで読まなかった人も多いのではないかと思います。でも、この文章、達郎さんとの新春放談ネタも含まれていて、めちゃくちゃに面白いんです。

で、言うまでもありませんが、大瀧さんもこれを読まれて内田先生という人に関心を持たれたはず。そして同時に大瀧さんは内田先生の文章の最後に書かれた次の言葉に目を留められたにちがいありません。そして、おおっと思わず言葉を出されたはずです。

「ナイアガラ関連の資料提供につきまして、30年来のナイアガラー・フレンドである石川茂樹くんのご協力に深く感謝します」


大瀧さんにとっては石川さんはすでによく知った人でしたから、おそらくこのつながりに驚くと同時に運命的なものを感じられたのではないかと思います。そのような「縁」をだれよりも大切に考える人ですから。

ちなみに僕はこの文章を読んだ時点では、まだ"あの"石川さんだとは気づいていませんでした。僕はその頃までは石川さんのことを個人的には「ウゴウゴの人(またはニーチ・ショウタキ)」という名前で心に留めていましたから。僕の中でつながったのはもう少し後でした。

さて、内田先生の「大瀧詠一の系譜学」は次のような言葉で締めくくっています。

「過去を歴史のなかに封印することなく、つねに活性化させ続けること。大瀧さんのこの方法論的自覚こそ、系譜学的思考の核心をひとことで言い切っていることばだと私は思います」


「過去を歴史のなかに封印することなく、つねに活性化させ続けること」

そう、大瀧さんは今もそれを実践され続けています。
Commented by 39nemon at 2012-12-28 00:28 x
内田先生の「大瀧詠一の系譜学」は何かで知って、おもしろそうと思ってました。"ユリイカ"だったんですね。内田先生のことは少し知っていたので、大瀧さんとつながったときはとてもうれしかったですし、こんなつながりがあるんだなぁと思いました。内田先生から平川さんや石川さん、"ラジオデイズ"自体を知りました。おもしろいですね。
by hinaseno | 2012-12-27 15:01 | 全体 | Comments(1)