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by hinaseno

これからの人生と冬の本


昨日、夏葉社という出版社のことに触れましたが、もう間もなく、その夏葉社から新刊が出ます。タイトルは『冬の本』。
これからの人生と冬の本_a0285828_92137.jpg

夏葉社のブログにはこんなふうに紹介されています。

冬と1冊の本について、弊社が書いてほしいと願う人たちに、
それぞれ約千字で、エッセイを書き下ろしてもらいました。
冬に読んだ本や、冬に出会った本。
冬になったら思い出す本や、まるで冬のような本。
そんな「本の話」が、84本。


装幀が何と和田誠さん。
僕と夏葉社との出会いも和田誠さんが装幀した夏葉社の1冊目の『レンブラントの帽子』でした。夏葉社としては、久しぶりの和田さんです。




楽しみなのは装幀だけでなく、その執筆者。僕にとって気になる人がずらっとならんでいます。誰から読もうかと悩んでしまいますが、でも、きっと僕はこの人のページから見るだろうなと思う人がいます。
小西康陽さんですね。元ピチカート・ファイヴ。
大瀧さんがレコードを出してくれなくなった後のある時期、一番良く聴いたのがピチカート・ファイヴでした。
小西さんには彼の作り出す音楽だけでなく、彼が紹介する音楽(ときどきは本や写真集)にも多大な影響を受けました。小西さんの出した本は大体持っていますし、小西さんが好きな音楽などを紹介した雑誌などもいくつも持っています。

小西さんと言えば、一番楽しみにしているのが、年末にレコード・ショップ(現在はハイ・ファイ・レコード)と提携してここ数年毎年作っている『これからの人生』というCD。数年前から同じタイトルで月1回のラジオ番組が始まっています。ラジオの方は番組のサイトから、その日かかった曲をすべてチェックすることができますが、CDの方は曲目を言わないでほとんどの曲がかかります。それがとびっきり素敵な曲だったりすると、どうしてもそれが、だれの何という曲なのかを知りたくなります。歌詞を聴いてタイトルの可能性のありそうな言葉から類推したり、あるいはわからないままでいた曲にある日突然であったりとか、楽しみがつきません。いまだにわからないままでいる曲もいくつかあるので、またいつかここに貼っておいて、わかった人に教えてもらいましょうか?
いずれにしても年末が近づくとハイ・ファイ・レコードのサイトを見る回数が増えてきます。あのレコードはその日まで売れないで残っていてほしいと考えながら、その日を待っています。

さて、そのCD盤『これからの人生』で知った、とっても素敵な曲をここに貼っておきます。ずっと前からYouTubeでチェックしていたけどなかったので、今朝、自分で作ろうかと思って今朝改めてチェックしたらありました。しかも、映像付きで!
残念ながら埋め込みができないのでリンクします。
「口笛とバレエ」

これは劇団四季の『壁抜け男』というミュージカルの一場面に使われた「口笛とバレエ」という曲です。曲を作ったのは、かのミッシェル・ルグラン。本当に気に入ってしまって、ずっとこの曲の最初の口笛を吹いていた時期もありました(今でも時々)。
CDが出ていることもわかったので購入して聴いてみたら、いい曲だらけ。
「口笛とバレエ」に続くこの「イザベルとデュティユルのデュエット」という曲もロマンティックです。
他にも好きな曲を。
「二人の警官」
「タイプを打つデュティユル」
「デュブール医師の診断」
「どうかしちゃった」
「イザベルのソロ」

言うまでもないことですがCDを聴いていたら当然、映像を見たくなります。でも、DVDは出ていなくて、以前に出たビデオがあったのですが当然廃盤。ネットで探すと、2本組みということもあってかなりの高額。でも、欲しかったので確かオークションかなんかで買いました。今、見たけどすごい値段がついていますね。そこまではしませんでしたが、たぶん僕がオークションで買ったものでは最高額でした。
劇団四季のミュージカルを見るのは初めてでしたが、最高に良かったです。YouTubeの画像はそのビデオからのものですね。うれしいです。
その後、テレビで放映された劇団四季の「思い出を売る男」なんかもすごく気に入りました。
でも、『壁抜け男』は本当に好きになってしまって原作のマルセル・エイメの本も買いました。

さて、その高い値段を出して買ったビデオ。しばらくしてビデオデッキ(DVD一体型)が故障して、時代はDVDからブルーレイへ。ビデオが再生できるデッキがほとんど市場から消えていたんですね。で、新しく買ったのはDVDだけが再生できるもの。というわけで、ビデオはそれ以来見えていません。DVDに買い替えたもの、あるいはもう絶対に見ないなと思ったビデオは全て処分しましたが、『壁抜け男』だけは残しています。

ところで、小西さんは間もなく出る『冬の本』でいったいどんな本を紹介しているのでしょうか。
今、手元に去年買った『IN THE CITY』という雑誌があります。小西さんを特集しているのですが、そこに特別付録として「小西康陽の本棚から」と題していくつか小西さんの愛読書を紹介しています。吉行淳之介が2冊。鏡明(知らない)という人の本。安藤鶴夫の『雪まろげ』(これはいつか探して読もうと思って忘れてました)。それから谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』(これは読みました)。
小西さんが『冬の本』で選んだ可能性のあるのは、『雪まろげ』か『陰翳礼讃』かなと思っています。
もう1冊、小西さんが最後に紹介している本があります。
石原慎太郎の『わが人生の時の人々』。びっくりでした。「嫌いな人こそ読んでもらいたい。僕も好きじゃないですけど」と書いています。残念ながら(ちっとも残念ではありませんが)、とても読む気になりません。まさか、先(?)を見越して、これを『冬の本』の1冊として選んでいなければいいのですが。

ところで、僕がもし『冬の本』を1冊選ぶとしたら、何にするだろうかと、今、考えています。
昨日、触れた新美南吉の『手ぶくろを買いに』なんか、まさに冬の本ですが。
これからの人生と冬の本_a0285828_9232529.jpg

Commented by 39nemon at 2012-11-23 00:01 x
劇団四季のミュージカルは二作品観ていますが、『壁抜け男』は観ていません。なんか、おもしろそう!『壁抜け男』のタイトルからとてもそんな風に思わなかったですよ。「口笛とバレエ」は私でも聴いたことがあるので、かなり有名な曲ですね。とても残るいい曲、口笛ってすきだな。
Commented by hinaseno at 2012-11-23 13:48
そう、口笛の入っている曲って素敵ですね。いつか特集してみます。「壁抜け男」は本物見たかったです。でも、いつも終わったあとに知るという...。
Commented by 39lulu at 2012-11-24 00:18 x
いいですね、是非に!
by hinaseno | 2012-11-22 09:44 | 全体 | Comments(3)