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Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno

  ナイアガラでデュエット(その1)


いつもと違う時間のアップになります。
実は今朝、かなり長いものをほぼ完成させて、最後に写真を貼り付けようとしたら(自分の撮ったものなので何の問題もなかったはずですが)、パソコンの上の方から突然黒い影が降りて来て、パソコンを一旦終了して再起動するようにとの強制的な指令が。で、再起動したら書いていたものがすべて消えていました。
こういうのさすがにへこみますね。
というわけで、書いたことの記憶を辿りつつ、今晩と明日の2回に分けて書くことにしました。

さて、本と文学の話が続いていましたが、今日は音楽の話。
実は最近、男女のデュエットになぜか突然、めざめ始めています。
これまで3人以上のコーラス、あるいは男性のデュエットはよく聴いてきましたが、男女2人のデュエットは正直あまり惹かれることがありませんでした。理由はよくわからないのですが。
つまんない演歌のデュエットをテレビなんかでたくさん見てきたせいでしょうか。

と言いつつ、大好きな大瀧さんにはいくつかの素敵なデュエット曲があります。で、先日、ふと思い立って大瀧さんのデュエット曲ばかりを集めたCDを自分で作って聴いてたら、これがよかったんです。正直、それらの曲は(というかデュエットの曲の多くは)お遊び、あるいは余興でやってみました、というぼんやりとした印象を持っていたのですが(申し訳ありません)、一口にデュエットと言ってもいろんなスタイルがあるんだなと気づいてきて、ちょっと面白くなってきたんですね。
で、じゃあ一度きちんと男女のデュエットにスポットを当てて聴いてみようと思いました。でも、あくまで60年代のアメリカン・ポップスに限ってですが。

  ナイアガラでデュエット(その1)_a0285828_21383537.jpgとりあえず今日は大瀧さんのデュエット曲を。最初は、シリア・ポールとのデュエット。
大瀧さんとシリアとのデュエット曲は2曲あります。
まずは、大、大、大好きな「The Very Thought Of You」を。


これ、曲もいいですが、アレンジが最高なんですね。僕の大好きな(スナッフ・ギャレットの)リバティ・サウンドなんです。山下達郎さんのアレンジしたストリングスもとってもさわやか。
もともとはレイ・ノーブルという人が作曲したジャズのスタンダードナンバー。いろんな人が歌っています。僕もビリー・ホリデイ、ナット・キング・コール、フォー・フレッシュメン、クリス・モンテス、リック・ネルソンの歌うものなどを持っています。
大瀧さんはリック・ネルソンのバージョンを参考にされたとのこと。でも、それはデュエットではなくリック・ネルソンが一人で歌っています。
こちらのデュエットは、大瀧さん、シリア、大瀧さん、シリア、と交互に歌って、最後に二人でハモるという形。でも、歌うパートの分け方が奇数になっているので、2度目に同じメロディが出て来たときには担当するパートが替わっているという仕掛け。面白いですね。
そういえば、大瀧さんは山下達郎さんと伊藤銀次さんと一緒に歌った「幸せにさよなら」でも、かなり手の込んだパート分けをしています。

大瀧さんとシリア・ポールとのデュエットの2曲目は「Whispering」。でも、残念ながらこれはYouTubeにありません。駒沢裕城さんのスティール・ギターの音色と、大瀧さんの随所に聴かれる裏声がとってもいいです。
元歌はニノ・テンポとエイプリル・スティーブンスの姉弟の歌ったもの。アレンジはかなり違いますが、歌の部分に関しては裏声の使うところもほぼそのままカバーしているようです。でも大瀧さんの裏声はヨーデルっぽく聴こえるところがあります。
この曲は途中のシリアの語り以外は、ほぼすべて2人で一緒に歌われます。所々遊びが入っていますが、基本的に主旋律は大瀧さんが歌っています。ですから、シリアのアルバムの中の1曲なのに、まるで大瀧さんがメインみたいな曲になっています。

次は先日も触れた、小泉今日子とデュエットした「快盗ルビイ」。
これは大瀧さんの歌ったデモテープと小泉今日子の歌ったものを混ぜたものなので、2人がハモる部分はないですね。でも、やはりパート分けはとても凝っています。


最後は竹内まりやさんとデュエットした「Something Stupid(恋のひとこと)」。
まりやさんがダメもとで大瀧さんにデュエットを依頼したら、大瀧さんから即答で「Yes」が返ってきたとのこと。これはキョンキョンのとは違ってスタジオで2人並んで歌ったそうです。


この曲、オリジナルはCarson & Gailleの歌っているものみたいですが、何といってもナンシー・シナトラとフランク・シナトラの父娘の歌ってるものが有名です。大瀧さんとまりやさんの歌ったものはアレンジも含めてナンシー・シナトラとフランク・シナトラをほぼ完全にコピーしています。キーも同じですね。
これも最初から最後まで2人で一緒に歌われます。主旋律を歌ってるのは大瀧さん。
歌詞の途中で出てくる"Night Before"と"Right Before"の、Beforeの部分を歌うときの大瀧さんの息の抜き方がたまらなくいいですね。やはりエルヴィス?
ちなみに大瀧さんとまりやさんの「Something Stupid」のアレンジはまりやさんの旦那さんの山下達郎さん、ストリングスのアレンジは服部克久さんです。
現時点で、大瀧さんの歌った最も新しい曲ですね。

男女のデュエットは基本的には女性のキーに合わせることになるんでしょうね。すると男性にとっては(1オクターブ下げると)声が低くなりすぎて、響きの良い声が出ないことになりがちです。でも、大瀧さんは女性キーで歌うと声にいつもとは違う艶が出てきて別の魅力が出るんですね。それは達郎さんに指摘されて大瀧さん自身も気づいたのだったかな。
ですから、大瀧さんが自分一人で歌うために作った曲でも、あえて女性キーにして歌うことがあります。たしか『オリーブの午后』がそうでしたね。
もちろん、高い声、裏声も魅力的であることは言うまでもないのですが。

一応、ナンシー・シナトラとフランク・シナトラの歌うものも貼っておきます。こちらももちろんいいですね(オリジナルのCarson & Gailleも素敵です)。

by hinaseno | 2012-10-13 21:48 | 音楽 | Comments(0)