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by hinaseno
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Berry(ベリー)のことを書こうと思っていたら、チャック・ベリーが亡くなりました。つい先日、イギリスのACEから彼の作品集が出たばかり。もし、ジャック・ケラーの作品集が出されるとしたら、やっぱりACEのようなちゃんとしたところから出してもらいたいと思い続けています。


さて、ジャック・ケラー自身が作った作品リストを見ると「(I Play The) Part of a Fool」という曲はロッキー・ハート(Rocky Hart)、ロビン・ルーク(Robin Luke)、サル・ミネオ(Sal Mineo)、メロー・キングズ(Mello-Kings)の4人のアーティストに歌われています。このうち知っているのは最後のメロー・キングスだけ。「Tonite, Tonite」だけですが。

最初に「(I Play The) Part of a Fool」を録音したのはおそらくロビン・ルーク。これがロビン・ルークのレコード。ネットの記載を見ると発売は1961年5月。

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レーベルにははっきりと(Keller - Hunter)と記載されていますね。Kellerはもちろんジャック・ケラー。Hunterはハンク・ハンター。ところでこのときの曲のタイトルは「Part of a Fool」となっています。これがその曲。




ところで、同じ年か翌年に出たのがロッキー・ハート(Rocky Hart)のこのレコード。

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曲名は「I Play The Part Of A Fool」となっていて、なんとレーベルには(Hank Hunter, Barry Mann)の名前がクレジットされています。曲は全く同じなのに。




で、前回紹介したNot Now Musicから出た『The Songs of Mann & Weil - 60 Original Classics』というCDでは、いずれもタイトルを「I Play The Part Of A Fool」にしてバリー・マン作曲の曲として収録しています。

さらに確認するとアーティスト名はRocky Hart & The Passionsなんて名前になっていますが、そんな記載のあるレコードはどこにも見当たりません。いい加減。廉価版のCDというのはそういうのはおかまいなしなんですね。

で、これを書きながら改めてネット上にアップされているロッキー・ハートのシングル盤の画像のいいもののレーベルを拡大してよくみたらなんとBarry Mann(バリー・マン)ではなくてBerry Mann(ベリー・マン)となっています。

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これをみてもこのシングルがいい加減な形で作られていることがわかります。

ちなみにサル・ミネオとメロー・キングズの歌ったものはシングル盤としては出ていなくて、CDのボーナストラックとして収録されているみたいですね。サル・ミネオのCDの方は確認できなかったんですが、メロー・キングスのほうの作曲者のクレジットは驚いたことにLevister。これ、メロー・キングスの曲をいくつも書いているマネージャーのDick Levisterのことのようです。曲としてはこのバージョンがいちばんいいですね。




ちなみにこの曲のタイトルは「I Played The Part Of A Fool」! なんと動詞が過去形になっています。


ところで、この曲について調べていたら、なんとアゲインの石川さんのサイトにぶつかりました。石川さんがアゲインを始める前にやられていた青空音楽会の第3回目の記事。これですね。イベントが行われたのは2002年10月5日。

このときのテーマは「バリー・マンVSキャロル・キング」。

そこでかかった曲のリストが掲載されているのですが、「(I Play The) Part of a Fool」に触れられているのはこの部分。


Section 6: Mystery Train
I Play the Part of a Fool/ Rocky Hart (Barry Mann-Hank Hunter, GLO 216, 1961)
N.B. The song title cannot be found on BMI song list of Barry Mann.
Part of a Fool/ Robin Luke (Jack Keller-Hank Hunter, Dot 45-16229, 1961)
N.B. The song title cannot be found on BMI song list of Barry Mann.
I Played the Part of a Fool/ the Mellokings (-, Relic 7008, 1991)
N.B. Printed only “Unreleased” on the back cover of the reissue CD album.
Part of a Fool/ Sal Mineo (-, Taragon TARCD-1092, 2002)
N.B. Printed “Unknown” at the item of composers on the liner notes of the reissue CD album.


この「Mystery Train」というタイトルで紹介されている曲はどうやらバリー・マンの作曲リストには載っていない曲を集めたようで、「(I Play The) Part of a Fool」もロッキー・ハートのシングルにはバリー・マン(実際にはベリー・マンですが)と記載されているけれども、リストには見当たらないとの但し書きが付けられています。

バリー・マンの作品リストがどういうものなのかわかりませんが、それに載っていないのは当然。なぜならばこの曲は間違いなくジャック・ケラーが書いたものだから。


ところで、以前、ジャック・ケラーの「Beats There A Heart So True」という曲にまつわる話をしたときに紹介したRich Podolsky 著『Don Kirshner: The Man with the Golden Ear』には章のタイトルとしてジャック・ケラーの曲が3曲使われていると以前書きました。ボビー・ヴィーの「Run To Him」、ペリー・コモの「Beats There A Heart So True」、そしてもう1曲が「The Part of a Fool」。実は章のタイトルとして使われた全部で28曲の中で、知らなかったのはこの曲だけ。

自分のパソコンにある曲をチェックしたら『Barry Mann Masterpiece Vol. 1』に収録されたロビン・ルークの歌った曲があったので、バリー・マンの曲かとそのままスルーしていました。

で、ジャック・ケラー自身が作った自作の曲目リストを細かくチェックしていた時に「The Part of a Fool」があって、あっと気がついたんですね。その章に書かれていることをかいつまんで紹介します。ジャック・ケラーの証言をはさみながらの話。


1961年頃、ジャック・ケラーは「One Way Ticket (To The Blues)」などの曲を共作したハンク・ハンターと「The Part of a Fool」という曲を作ります。ジャック・ケラーにとっては自信作だったようできっと大ヒットするだろうと考えていました。そのデモを歌っていたのがバリー・マン。バリー・マンは「Venus In Blue Jeans」をはじめとしてジャック・ケラーのデモをいくつも歌っていて、中にはそのままシングルにしてもいいような素晴らしいものがいくつもあります。

「The Part of a Fool」のデモを聞いた”黄金の耳を持つ男”ドン・カーシュナーはジャック・ケラーを連れて、いちばん高く買ってくれそうな人のところに曲の売り込みに向かいます。

会いに行ったのはアトランティック・レコードのジェリー・ウェクスラーとアーメット・アーティガン。ウェクスラーとアーティガンはドン・カーシュナーのことを友人というよりも競争相手と考えていたので、もともとあんまりいい関係ではなかったようです。でも、曲を聴くや、ウェクスラーとアーティガンはその曲にはヒットする可能性があることを認めます。ただ、そこで生じたのがお金の問題。どうやらカーシュナーはそれがヒットするはずだと考えてかなり高い値段をふっかけたみたいです。ウェクスラーとアーティガンは拒否。するとカーシュナーはじゃあ売らないとそのデモテープを持って立ち上がって帰ろうとすると、ウェクスラーとアーティガンがそのデモを奪い取ろうとして、なんとジャック・ケラーの前で3人がデモテープの奪い合いを始めたとのこと。結局カーシュナーがデモテープを奪い返して、結局ドット・レコードに所属していたロビン・ルークというシンガーによってレコーディングされます。でもチャートには入ることはありませんでした。


実は「The Part of a Fool」についての話はここまで。この話は基本的にはジャック・ケラーの証言をもとにして書かれていますが、ジャック・ケラーが嘘を言うはずもなく、このインタビューが行われていた時には「The Part of a Fool」がバリー・マンの曲としてCDに収録されているなんて知る由もありません。きっとこの本の著者も。


ここで僕なりに推測すると、「The Part of a Fool」は一応正式な形としてはドット・レコードが買い取ってロビン・ルークに歌わせたんだろうと思います。ところが何らかの形でこのデモが散逸して、それが出回ったのではないかと。ロビン・ルークの歌ったもののカバーだったらこんな混乱はおきなかったはず。ロッキー・ハートのシングルのクレジットがバリー・マン(ベリー・マンだけど)となっているのは、歌っているシンガーがバリー・マンと知っている人がいたんでしょうね。

もしバリー・マンの歌ったデモがきちんと保管されていたら、「Venus In Blue Jeans」などジャック・ケラーが書いた曲のデモがいくつか収録された『Inside the Brill Building - Complete Recordings 1959-1964』に収められたはずだから。

ということで長くなりましたが最後にジャック・ケラー(右)とバリー・マン(左)の写真を。二人はもちろん仲良しです。

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by hinaseno | 2017-03-19 12:48 | 音楽 | Comments(0)

昨日は素晴らしい時間を過ごさせていただきました。あの方にも、あの方にも、そしてあの方にもお会いでき、いろんなサプライズもあり、しかもジャンケン大会に優勝するという、日頃ジャンケンにはめっぽう弱い僕には考えられないことも起きたりと(たいていいつも1回目でアウト)、まあいろんなことがありました。また落ち着いてゆっくりと書きます。

で、話は相変わらずジャック・ケラー。これだけは書いておかなければという話で、昨日アップする予定でしたが間に合いませんでした。


先日、ネットをチェックしていたら、たまたま目に留まったのがこのCD。

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なんとフィリップ・スプリンガー(Philip Springer)の作品集。昨年の4月に出たようです。このレーベルからはデヴィッド・ゲイツやバート・バカラック、エリー・グリニッチなどのすばらしい作品集が出ているのですが、まさかフィリップ・スプリンガーの作品集が出ていたとは驚きました。

フィリップ・スプリンガーといえば、アゲインの石川さんに教えていただいたクリフ・リチャードの「Next Time」の作曲者。これが最高に素晴らしい曲だったので「Next Time」以外にどんな曲を書いているのか調べてPhilip Springer Songbookというプレイリストを作って10曲ほど集めていましたが、今度の作品集にはなんと31曲も収録。もちろんクリフ・リチャードの「Next Time」も。

これは入手せねばと思いつつ、こういうのを見るとなんでジャック・ケラーの作品集が出ないんだろうと改めてため息をつきたい気持ちになってしまいます。ヒット曲の数から言っても、ジャック・ケラーの方が比較にならないくらい多いのに。


そういえば今月末にバリー・マンの作品集が出るそうでこちらも心が動いています。昨年暮れに海外で発売されていたものの国内仕様盤。バリー・マンの作品集は国内編集のものも含めてよく出ますね。大瀧さんの表現を使えばバリー・マンの、特に大作の曲の「歌謡」は日本人に響くものがあるんでしょうね。それに対してほとんどが小品のジャック・ケラーの曲は大瀧さんが言うように「日本文化の何かに移植しようとしても、ない」。といいつつ、ジャック・ケラーに最も大きな影響を受けた大瀧さんの曲はすでに日本の音楽文化の中に定着しているはずなので、もしかしたら海外よりも日本の方がジャック・ケラーの音楽に親しみを持てる「何か」が確かな形で育まれているような気がします。僕のように。


ところで、バリー・マンの作品集といえば廉価版の作品集をいっぱい出しているNot Now Musicというレーベルから3年前にこんなのが出ました。持ってないけど。

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3枚組、全60曲。すごいですね。実はこの中に「I Play the Part of a Fool」というタイトルの曲が2曲収録されています。Robin Lukeというシンガーが歌ったものと、Rocky Hart & the Passionsが歌ったもの。実は昔、日本で発売された『Barry Mann Masterpiece Vol. 1』というCDにもRobin Lukeというシンガーが歌ったものが収録されていました。

でも、ここではっきりと断言しておきます。この曲の作曲者はバリー・マンではなくジャック・ケラーだと。

ということでこの曲にまつわる話をもう少し。


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by hinaseno | 2017-03-17 13:16 | 音楽 | Comments(0)

待ってたこの日


今日はかなり前から楽しみにしていた日。行けるかどうか心配していたけど、どうやら大丈夫。
きっと幸せな時間を過ごさせてもらえるだろうと思っています。

詳細についてはまた後日。

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by hinaseno | 2017-03-16 14:40 | 雑記 | Comments(0)

家内制手工業で作り続けているジャック・ケラー・ボックスも7枚中6枚が作り上がりました。残すところあと1枚。

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一応内容を紹介すると、CD-1〜3は『Music for All Occasions』と題してジャック・ケラーが生前に自ら選曲して親しい知人に配ったという4枚組のCDボックスに収められた全80曲のうちの72曲を収録。ジャンルごとに振り分けるのは難しかったので年代順に並べることにしました。

CD-4は大瀧さんの「GO! GO! NIAGARA」のジャック・ケラー特集でかかった曲と、曲はかからなかったけど大瀧さんが紹介した曲を集めたもの。CD-5は山下達郎さんの「SUNDAY SONGBOOK」で3回に分けて放送されたジャック・ケラー特集でかかった曲。

で、CD-6とCD-7はCD-1〜5には収録されなかった曲の中から僕のお気に入りの曲を男性シンガー編と女性シンガー編に分けて収録しました。曲数は一応25曲ということに。いうまでもなくこれが大変。CD-1〜5に収録されていないものでもいい曲がいっぱいあるんですね。ホント。

女性編は昨日完成。ってことで、これをずっとリピート中。最高です。

今は注文している2枚のレコードを待ちながら男性編を選曲中。全部で50曲を超える曲の中から25曲にする作業はとにかく大変。前にも書きましたが、ジャック・ケラーの曲は一聴してくだらない曲だと思っていても何度か聴いているうちに必ずいい部分、あるいは面白い部分を発見してしまうんですね。

例えばこの曲。タイトルは「Everybody Loves a Guy Named Johnny」。




はっきりいって、最初に聴いた時には即アウトにしていました。でも、何度か聴いているうちに、これは大瀧さんが大好きな織り込みソングだとわかったんですね。「ジョニー(Johnny)」という名前がついた曲が次々に出てきます。ジョニー・ソマーズの「Johnny Get Angry」、シェリー・フェブレーの「Johnny Angel」、「Johnny Loves Me」。歌詞の中にはジョニー・ソマーズやシェリー・フェブレーも出てきます。

歌っているのはThe Cardigan Brothersというわけのわからないグループですが、調べたらこの曲のプロデューサーはジャック・ケラー(ちなみに作詞家はバリー・マンとの共作が多いMike Anthony)。もしかしたらジャック・ケラーが作った覆面グループかもしれません。

さらに面白いことに、ジャック・ケラーはこの曲が発売される3ヶ月前に「A Heartache Named Johnny」という曲を作っているんですね。歌っているのはJaye P. Morgan。作詞はハワード・グリーンフィールド。




これはとてもしっとりした素敵なバラード。当然、女性編に入れています。ジョニーという名前の男について真面目な曲を書いたので、ちょっと茶化した曲を書いてみたくなって「Everybody Loves a Guy Named Johnny」という曲を作ったんでしょうね。こういうところって大瀧さんにそっくり。ってことで、これは外せない一曲になってしまいました。

という感じで男性編は超難航していますが、なんとも楽しい作業が続いています。


というわけでまもなく完成のジャック・ケラー・ボックス。自分で言うのもアレですが、天国にいるジャック・ケラーにもきっと喜んでもらえる内容になっていると思っています。でも、何よりも喜んでいただきたいのはジャック・ケラーという素晴らしい作曲家のことを教えてくれた大瀧さん。海外に発注しているレコードがいつ届くかにもよりますが、ナイアガラ・デイの3月21日完成を目指しています。


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by hinaseno | 2017-03-15 12:26 | 音楽 | Comments(0)

アゲインの石川さんから、アゲイン10周年を記念して作られたCDを送っていただきました。今日はそのCDの話。近いうちにアゲインに行かれる予定のある方はCDを手にされた後で読んでください。


収録されているのは全部で19曲。最初は曲のリストを見ないで聴きました。僕のよく知っている話につながる曲もあれば、そうでない曲もあって、おっと思ったり、へえ〜と思ったり。

いつものテーマソングの次は大瀧さんかと石川さんをつなぐきっかけとなったデイヴ・クラーク・ファイヴの「I Miss You」。そして次はもちろん大瀧さんの曲。そこで選ばれていたのが前回紹介した大瀧さんの「私の天竺(私の青空)」でした。いかにあの日のイベントが石川さんにとって重要なものであったかがわかります。

その後も、ジャック・ケラー作曲の「Beats There A Heart So True」(野口久和ビッグバンドの演奏したもの!)やハリー・ウォーレン作曲の「The More I See You」など、嬉しい曲がいくつも続きます。アゲインで収録された伊藤銀次さんの「ウキウキWatching」も最高。

そんな中、とりわけおっと思ったのはマイクロスターの「My Baby」。この曲の開放感ったらないですね。聴いたのは久しぶりだったんですが、とにかく天国的に素晴らしい曲ですね。

そして、最後から2曲目に収録されたのが村田和人さんの「Hello Again」の替え歌の「Cafe Again」。これはもう涙なくして聴けません。2年前にアゲインが8周年を迎えた時に、アゲインで定期的にライヴをされていた村田さんが石川さんのために歌ったもの。貴重すぎる音源です。この曲のことは知っていましたが、聴けたのははじめて。村田さんはその翌年、アゲインが9周年を迎える前に亡くなられたので、余計にこの曲を聴くと心が震えてしまいます。

さて、その曲。原曲はこれです。




で、その替え歌である「Cafe Again」の歌詞はこうなっています。どんなふうに歌詞が変えられているか、原曲を聴きながら読んでみてください。


想い出だけは今でも この店にある 
いつも出てた ライブカフェ 今年8年目
時の流れより早く変わるのは 
店のメニューと街の景色 
あの頃のお客さん 懐かしい顔がある 
古ぼけた 蓄音機 抱えて鳴らせば
 
徹夜して準備した New Badge 君だけに
あげたくて Telephone Call 覚えているかい 
違う時を過ごしている二人でも 
同じライブを観に行ったね 懐かしいフレーズが休憩を告げてくる 
少しだけお菓子買おう 笑顔にCafe Again
 
時の流れは戻せないね
 
新しいドリンクに もう君は慣れた頃 
繰り返すオーダーと あの声にSay Goodbye
懐かしいフレーズが 休憩を告げてくる 
少しだけお菓子買おう 想い出にCafe Again
Say hello and say goodbye with love with regret…


この替え歌の歌詞を書かれたのは石川さん。石川さんらしいユーモアに溢れた歌詞になっていて、何度も笑い声が起こっていました。

特に一番大きな笑いが起こったのは「時の流れより早く変わるのは店のメニューと街の景色」の部分。でも、今、武蔵小山はアゲインのメニュー以上に街の景色が激変しているんですね。

ところで歌詞に「徹夜して準備した New Badge」というのが出てきますが、その10周年のニューバッジもいただきました。

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by hinaseno | 2017-03-13 13:30 | 音楽 | Comments(0)

私の青空


今日は3.11。3月は記憶すべき大事な日がたくさんありますね。3月15日はアゲインの開店記念日。そして3月21日はナイアガラ・デイ。

震災の起きた年のナイアガラ・デイ前日の2011年3月20日、武蔵小山のアゲインでは予定通りナイアガラ・デイを祝うイベントが行われました。自粛ムードが広がって、大瀧さんがらみのイベントもいくつかは中止される中での開催。

そのイベントがあった日はまだ、アゲインの石川さんとメールや電話のやりとりをできるようになる前のことでしたが、心はアゲインにとんでいました。その日のアゲインのイベントのゲストは平川克美さん。その頃平川さんは父親の介護の日々を送られていて数日前に父親の胃ろうの手術をされたばかり。その平川さんが父親の介護のことを記した『俺に似たひと』に、その日のアゲインでのイベントの話が出てきます。


 ……かれらが福島第一原子力発電所に入って大活躍した日の翌日、友人の石川茂樹が武蔵小山でやっているライブカフェ「アゲイン」で、ちょっとしたイベントがあった。
 石川は、俺が内田樹らと興した翻訳会社のほぼ創立メンバーで、最後までこの会社の専務として働いてくれた竹馬の友である。俺が会社を辞めると、しばらくして彼も会社を去り、武蔵小山駅前でライブカフェを開いた。この日は四周年記念日であり、大瀧詠一さんの「ロング・バケーション」三十周年記念アルバム発売日ということで、俺にも何かやってくれないかとの打診があった。会場には、大瀧詠一さんのファン(大瀧さんが1974年につくったレーベル、「ナイアガラ」にちなんで、ナイアガラーと呼ばれている)が全国から集まってきていた。全国からといっても二十名ほどなのだが、そのなかには福島原発から二十キロ圏内の相馬にご実家のある方が駆けつけてくれていて、現地の状況をスライドで見せてくれた。彼も熱烈なナイアガラーのひとりだった。
 俺は場違いな人間であったが、石川くんの求めに応じて、移行期的混乱のこと、進行中の原子力発電所の事故に関して、自分が日頃感じていることなどを話した。意外にも、ナイアガラーの諸君は熱心に俺の話を聴いてくれた。 
 俺の話が終わると、大瀧詠一さんゆかりの曲が、会場に流された。そのなかに大瀧さんが歌う「私の青空」があった。
 その歌は、俺にとっては特別な歌だった。
 もともとは、アメリカでつくられ、1920年代に大ヒットして以来スタンダードナンバーとなった「マイ・ブルー・ヘブン」という曲である。日本語にしたのは堀内敬三で、二村定一、天野喜久代の歌唱によりコロムビアから発売された。
 1920年代の発売であったが、以後時代を越えて多くの日本人歌手がこの歌をカヴァーしてきた。エノケンこと榎本健一が中心となって合唱する映像や、「上海バンスキング」での吉田日出子の歌声も印象的なものであった。特に、俺と同じ年の破天荒な酔っ払いである高田渡のライブ演奏を映画で見たときは、心が震えた。
 日本で歌い継がれた理由はその曲調にもあったが、なによりも堀内敬三の詞が、当時の日本人の生活にぴったりと合致したからだろう。小市民的な幸福を歌った歌詞だが、昭和初期の日本を生きてきたものなら誰もがこの歌が指し示す「家庭の幸福」に、痺れるような懐かしさを覚えるだろう。
 その理由は、今はもうそれが失われて久しいというところにあるのかもしれない。「日暮れて辿るは、我が家の細道」というところを聞くと、俺も父親と歩いた銭湯帰りの光景を思い浮かべてしまう。不思議なことに、この歌は状況が悪ければ悪いほど身に染みるのである。デスペレートな空気のなかで、なお湿度と温度を吹き込んでくれる。
 この日の大瀧さんの歌声は、この歌が最初に歌われたクルーナー唱法を思い起こさせてくれた。そして、感傷を排除して歌えば歌うほど、身に染みるということも。俺は手元の携帯電話からツイートした。

3月20日(日)15:32
 大瀧さんの私の青空がかかっている。滲みる。

 その晩、自宅へ戻ってパソコンを開くと、くだんのナイアガラーくんから俺の話が的確で、意義のある会話ができたとの返信があった。そして「よかったですね。私の青空」と書き添えてられていた。
(中略)
「アゲイン」でのイベントが終了して、俺はその足で病院へ向かった。
 届かないことを承知で、「どうだい、顔色いいじゃないか」と声をかける。しばらく様子を見てから、おむつと尿とりパットを補給し、汚れ物を持って病院を後にした。
 家に戻る車中で、購入した大瀧詠一さんの「A LONG VACATION(ロンバケ)30th Edition」のCDを聴きながら、これからのことを漠然と考えていた。とはいえ、これからのことが何を意味しているのかよく分からなかった。それは、今のこの生活がいつまで続くのか、あるいはどこかで終止符が打たれるのかということしかないはずだった。それでも、俺はそのようには考えなかった。
 これからは来るのだろうか。それは、どんなこれからなんだろうかーー。
 ただそれだけを漠然と考えていたのである。


というわけで、僕は3.11がやってくると大瀧さんの「私の青空」を聴きたくなります。大瀧さんはあえて「私の天竺」というタイトルにして歌っています。




今日は青空が広がった一日。で、僕もいろいろと「これから」のことを考えていました。漠然としか考えることのできない「これから」のことを。


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by hinaseno | 2017-03-11 18:19 | 雑記 | Comments(0)

ちょっとバタバタと落ち着かない日々。読書もあまりできません。大好きな村上春樹の新刊『騎士団長殺し』を発売日に買ったものの、まだ上巻の半分あたり。まあ、久しぶりの長編小説、急ぐ必要は全くないのでゆっくりと味わっています。そのうちきっと途中でやめられなくなってペースがあがるはずだけど。


さて、ここのところの生活の中心はというと、相変わらずジャック・ケラー。空いた時間はジャック・ケラー絡みの作業をしています。かなりの数の音源を集めたので、とりあえず現段階で何か形にしておこうかと。といっても、集めた音源をただ単純にCDにするだけでは芸がないので、どうしたら面白いものになるかといろいろ考えて、結局7枚組のCDボックスを作ることにしました。ある程度構想が固まって今は選曲中。


そういえば一昨日発見したのがこの「I Miss My Surfer Boy Too」という曲。




歌っているThe Westwoodsというのはジャック・ニッチェの奥さんがリードシンガーをしているグループ。アレンジはもちろんジャック・ニッチェ。レコーディング・スタジオはあのゴールドスター。ということでウォール・オブ・サウンドのサーフィン・ソング。悪かろうはずがありません。只今制作中のCDには文句なしに入る曲。

ところでこの曲、YouTubeから結構手間をかけて取り込んだら、あとになってAceから出ていた『Hey, Beach Girls! Female Surf'n'Drag 1961-1966』というCDに収録されていて、すでにパソコンに取り込んでいたことがわかりました。なにやってんだか。


それにしても選曲って難しいですね。正直言えば、ジェック・ケラーに関してはいい曲の割合は3割前後。超A級と言えるような曲はあまりなくて、B級といってもいいような曲ばかり。さらに言えばいい曲とそうでない曲の線引きが難しいんですね。くだらない曲だと思っても、何度か聴いているうちにどこか愛すべきところを発見してしまう。聴けば聴くほど愛しくなる。

たとえばこのThe Cinderellasというグループの「Yum, Yum, Yum」という曲。




作詞はノエル・シャーマン。つまり「Beats There A Heart So True」と同じコンビによる曲。すごい違いですね。どうってことのない曲と言ったらそれまで。でもどこか捨てがたい魅力がある。大瀧さんの「FUNx4」にも似たところもあったりするので、もしかしたら下敷きのひとつになっているかもしれません(タイトルも「Fun, Fun, Fun」につながるものがあります)。

大瀧さんはジャック・ケラーが自分の体質にいちばん合っていると言ってましたが、こういう曲を聴くとそれがよくわかります。僕はもうすっかり大瀧さんによって体質改善(?)されてしまっているので、こういう曲がなんとも愛しく思えてくるんですね。これも当初は入れる予定はなかったけど、今では外せない曲になってしまいました。


ということでまだまだ選曲の試行錯誤は続きそうです。今月の、できれば3月21日のナイアガラ・デーまでにジャック・ケラー・ボックスを完成させることができるでしょうか。ただ、先日、YouTube、iTunes、アマゾン等でどうしても見つからないもので、でもきっといい曲に違いないという予感のある2枚のシングルを現在海外に注文したので、それがいつ届くかにもよりそうです。


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by hinaseno | 2017-03-10 15:03 | 音楽 | Comments(0)

「粗茶ですが……」


昨日、3月6日は小山清の命日ですね。おひさまゆうびん舎のブログには連翹の花の話が書かれていました。小山清が亡くなったとき庭には連翹の花が咲いていたということ、その連翹は木山捷平が小山清に贈ったという。ちょっと忘れていました。

前者は小沼丹の「連翹」(『埴輪の馬』に収録)というエッセイに、後者は井伏鱒二の「小山清の孤独」(『荻窪風土記』に収録)というエッセイに書かれています。で、久しぶりに、小沼丹の「連翹」を読みました。何度読んでもいい話です。

小山清が井の頭公園の近くに住んでいたときに、家を訪ねて行ったときの話が素敵なのでちょっと紹介します。そのとき小山清は古い家の二階の一部屋を借りていたようで、まだ独身。


その小さな部屋は綺麗に片附いてゐたような気がする。それから、小山さんが茶を出して呉れて、
ーー粗茶ですが……。
 と云つて、自分から可笑しさうに笑つたのを憶えてゐる。普段口数の尠い小山さんが、粗茶ですが、なんて云ふと一種の感じがあつた。
 もう一つ憶えてゐるのは、小さな本棚に本が並んでゐるが、その一冊一冊に小山さんの愛情が籠つてゐるやうに見えたことである。一冊一冊が、大事にされてゐる本と云う顔で並んでゐて、この感じは悪くなかつた。

なんでもないエピソードですが、どちらも小山清の人柄がくっきりと出ていて、なんとも微笑ましいですね。


それはそうと、木山さんが小山清に連翹の木を贈ったことは、木山捷平の何かのエッセイに書かれているんだったっけ? 木山さんのエッセイや小説には、人からいろんな木をもらったり、あげたりする話はよく出てきているけど。また調べてみよう。


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by hinaseno | 2017-03-07 14:32 | 文学 | Comments(0)

昨夜、アゲインの石川さんから電話。なんと例のジャック・ケラー作曲の「Beats There A Heart So True」に関する驚くような情報。石川さんの働きかけがあってこそのことですが、とにかくこれ以上ないうれしい話。僕もこのブログにだれも興味を持たないはずのジャック・ケラーや「Beats There A Heart So True」のことを書いてよかったなと、とにかく感動してしまいました。いや、感動するのはその日、その場所にいられたらのこと。さて、その日、僕は東京のその場所に行くことができるでしょうか。


ところでそのアゲインで、先日、恒例のイベント、出張ブランディンが行われて、どうやら石川さんからの強い働きかけもあって(?)ペリー・コモの「Beats There A Heart So True」がかかったそうです。で、なんとそのときに宮治淳一さんが「2017年はJKの時代」という発言をされたとか。JKというのはもちろんジャック・ケラー(Jack Keller)のこと。ぜひ、宮治さんの力で「JKの時代」をつくって欲しいと思います。僕も陰ながら最大限の応援をします。

さて、僕は例によってこつこつとジャック・ケラーの曲を集める日々を送っています。いちばん頼りにしているのはやはりYouTube。実は昨日も10曲くらいダウンロードしていました。3ヶ月に1度くらいチェックすると以前はなかった音源がアップされていたりするんですね。シングルで全部集めるなんててともできないので本当にありがたいです(音質はひどいものも多いけど)。

それからCDになっている音源があれば、ちょっと怪しいCDでも入手するようにしています。いちばん最近CDで手に入れた音源がホンデルズというサーフィン・ホッドロッド系のグループが歌っている「Winter A-Go-Go」。映画の主題歌として作られた曲ですね。作詞はハワード・グリーンフィールド、作曲がジャック・ケラー。

ここでその映画を前編見ることができますが、そのエンディングあたりで曲が流れます。




いかにもサーフィン・ホッドロッドって感じの曲ですが、途中で胸がキュンとするようなメロディーが出てきます。いい曲。さすがジャック・ケラー。作る曲の幅の広さには本当に驚かされます。

ちなみにジャック・ケラーが生前に自分で作って知人に配ったという4枚組のCDにはなんとこの曲のデモが収録されていたようです。聴いてみたい。


ついでにジャック・ケラーが書いた曲をいくつか紹介します。まずはリタ・パヴォーネというイタリアの女性シンガーが歌ったこの「I Can't Hold Back The Tears」という曲。「ゴー!ゴー!ナイアガラ」の女性ボーカル特集のときにかかっていた曲でした。




♫パイノ、パイノ、パイノ…♫の部分は一度聴いたら耳に残りますね。ジャック・ケラーのリストの載っている曲をYouTubeで調べていたときにこの曲を聴いてどこかで聴いたことがあるなと思ったら、「ゴー!ゴー!ナイアガラ」でかかっていた曲だったんですね。曲が終わった後に大瀧さんも♫パイノ、パイノ、パイノ…♫と歌っていました。

この曲、シングルにはなっていないようでおそらくアルバムのみに収録。CD化もされていないはず。かなりマイナーな曲のようですが、もちろん大瀧さんはジャック・ケラーが作曲した曲とわかった上で曲をかけたはず。ただし、この日の放送では作曲者のコメントはありませんでした。ちなみにこの曲はジャック・ケラー選曲の4枚組のCDには収録されていません。


次はジョージア・ギブズの「You Can Never Get Away from Me」。




これはナイアガラーならば必ず反応するはず。どこかで聴いたことのあるような感じ。とはいってもこの曲を下敷きにして大瀧さんが何かの曲を作ったというわけではなく、曲のテイストがとってもナイアガラ的なんですね。大好きな曲です。ちなみにこれはジャック・ケラー選曲の4枚組のCDに収録されています。


最後にもう一つ好きな曲を。デビー・ウッズ(Debby Woods)という女性シンガーが歌っている「Dream On, Little Fool」。




これ本当にいい曲ですね。大瀧さんがこの曲をご存知だったらきっと気に入られただろうと思います。

ちなみにこのデビー・ウッズというシンガーはたった3枚しかシングルをだしていないのですが、デビュー・シングルでハリー・ウォーレン作曲の「About A Quarter To Nine」という曲を歌っていました。初めて知った曲。




JKとともにHW(ハリー・ウォーレン)の時代が来ることも期待します。


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by hinaseno | 2017-03-06 14:39 | 音楽 | Comments(0)

池上線沿線にくま、ならぬ、くまくまちゃんが出没しているという情報を得たのは2週間ほど前のこと。まさかくまくまちゃんが池上線に乗ってたびをしているんだろうか。

ひと月ほど前に、ある人から池上線沿線のある店で、ちょっとしたくまくまちゃんブームが起こっているとは聞いていたけど。


噂の震源地は池上線「荏原中延」から歩いて5分くらいのところにある隣町珈琲。こんな写真がアップされていました。

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なんと『くまくまちゃん』『くまくまちゃんのいえ』『くまくまちゃん、たびにでる』の3冊がずらりと並べられています。下に貼られたポップにはこんな言葉。


隣町に遂に登場!!
一度癒されたら とまらない……!?
隣町書店に初の絵本が登場!!
一度出会ってしまったら好きになってしまう
くまくまちゃん、お店でひそかなブーム
ぜひお手におとりください。

隣町珈琲に、本を販売するコーナーがあることは知っていましたが、基本的にはマスターの平川克美さんと縁のある出版社の本が中心だと思っていたので、まさかポプラ社の絵本が! でした。

それからもう一つ目が止まったのはポップの横に貼られているくまくまちゃんの栞。これはまぎれもなくおひさまゆうびん舎の窪田さんが、現在おひさまで開催中のくまくまちゃんフェアのために作ったはずのもの。いったい何がおこっているんだろう。

いずれにしても、隣町珈琲で『くまくまちゃん』を手に取った人が、池上線に乗って電車の中で『くまくまちゃん』を読んでいる風景はたまらないものがあります。


さて、その隣町珈琲が今日、3月4日で3周年を迎えられました。おめでとうございます。このブログを読まれている東京近辺にお住いの男性の方で、『くまくまちゃん』には興味があるけれども絵本売り場に行くのはちょっとはずかしいという方は、ぜひ隣町珈琲に行って『くまくまちゃん』を買い求めてください。もしかしたらマスターがコーヒーをおごってくれるかもしれません。こんな感じのマスターが。

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そういえばかなり昔、平川さんが子供を主人公にした物語を書いているという話を聞いたことがあります。もしかしたら今年くらい、平川さんが書かれた「童話」がポプラ社から出版されるかもしれません。楽しみに待っていよう。


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by hinaseno | 2017-03-04 13:38 | 雑記 | Comments(0)