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カテゴリ:ナイアガラ( 270 )


Put Your Head On My Shoulder


ほぼ1週間ブログが空いてしまいましたね。いろいろとあって、ゆっくりとパソコンの前に座ることができない日々が続いていました。

今、聴いているのは先月の初めに発売されたビーチボーイズの『1967: Sunshine Tomorrow』。未発表音源満載のアルバムですね。いちばんのお気に入りはDisc 2の「Smiley Smile Sessions」と題された未発表音源の一つ「Wind Chimes [Alternate Tag Section]」。1分足らずのとても美しくてチャーミングなアカペラ。こればっかりリピートしています。


さて、家にいないときにはずっと車で移動していたわけですが、そこで聴き続けていたのがこの2枚。

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1枚は佐野元春の新作『MANIJU』のDisc 3「元春レイディオ・ショー特別盤」。

「元春レイディオ・ショー」というのは佐野さんがずっとDJをやっていたラジオ番組のこと。僕がリアルタイムで最も楽しんでいたのは佐野さんがDJをやっていたものでした。当時の番組タイトルは「サウンドストリート」。

その「元春レイディオ・ショー」のスタイルで新作を紹介したのが「元春レイディオ・ショー特別盤」。オリジナル曲を収録したDisc 1よりもこっちの方を多く聴きました。これ、実際にラジオでオン・エアーされたのかな。


それにしてもDJ番組というのは不思議です。曲の前に、あるいは曲の後にちょっと言葉が入るだけで、それまでただ音楽だけを耳にしていたときとはぜんぜん違う響き方をするんですから。聞き流していた曲が驚くほど魅力的な曲に変化するんですね。


まあ、こういうDJは僕にとっては佐野さんと大瀧さんだけ。

というわけで「元春レイディオ・ショー特別盤」に少し飽きてから聴いたのはもちろん大瀧さんの「ゴー!ゴー!ナイアガラ」の数年前に作った編集盤。波の音をバックにバラードをかけた特集を2つつなげたものですが毎年夏になると何度も聴いています。

一応内容を紹介すると(以前紹介したような気がするけど)まずはじめに1978年8月28日に放送された「バラード」特集。かかるのはドゥーワップのバラードばかり。

で、次が1977年8月29日に放送された女性シンガー特集。これもかかるのはすべてバラードばかり。大瀧さんも言っている通り、波の音にバラードがとても合っているんですね。この日の特集でかかった曲はどれもとにかくすばらしくてこのブログでも何度も書いていますが、とりわけ今回特に気に入ったのがナンシー・シナトラの「Put Your Head On My Shoulder」。




曲がかかる前に大瀧さんのこんな言葉が入ります。


「男性歌手の曲を女の人がカバーした曲というのを次にかけてみようと思うんですけどね。その男性歌手はポール・アンカなんです。とすると、ふふふ(笑)、アネットだとお思いでしょうが、残念ながら、ちょと違います」

もし達郎さんがDJであれば、きっとレターメンがカバーしたものがかかって、竹内まりやさんとの結婚式のときに使いましたと紹介するんでしょうね。ちなみにこちらがレターメンが歌ったもの。




僕もずっとレターメンのバージョンで親しんできましたが、今はナンシー・シナトラのほうがお気に入り。

ナンシー・シナトラの「Put Your Head On My Shoulder」は「肩にもたれて」という邦題で日本盤のシングルが出ていたんですね。ただしB面。A面は例の「フルーツカラーのお月さま(I See The Moon)」。ますますこのシングルが欲しくなりました。


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by hinaseno | 2017-08-05 12:41 | ナイアガラ | Comments(0)

佐野元春さんの新作『MANIJU』が発売されました。オリジナルアルバムのしては2年ぶり。まだ4~5回しか聴いていませんがとてもいいアルバムです。なによりも60歳を超えた佐野さんが今なおロックンロールをやっていることに心から励まされます。

本当は伊藤銀次さんの『POP FILE RETURNS』での対談で、次はランディ・ニューマンみたいな感じのものをやりたいと言っていたので、そういうのを期待する気持ちもあったんですが、佐野さんはこんな時代だからこそロックンロールを選んだようです。ただ、ロックンロールといえば何かを壊すイメージがありますが、このアルバムで佐野さんが出しているメッセージは寄り添うこと。無力だと感じながらも声を上げている人たちに寄り添って、手を差し伸べてあげること。

今のクレージーとしか言いようのない時代がいつまで続くかわからないけど、それが終わって(必ず終わりは来ます)、やすらぎのときが訪れたときに、きっと佐野さんはピアノだけでランディ・ニューマンのようなやさしい、ユーモアあふれた曲を歌ってくれるんだろうと思います。


ところで、『MANIJU』のブックレットを見ていたらおっと思う文字が。


Recorded at Onkio Haus Studio

佐野さん、あの音響ハウスでレコーディングをしていたんですね。ひょっとしたら僕が5月の初めに音響ハウスのそばを通ったときに、そこのスタジオで佐野さんが新しいアルバムに向けてレコーディングをしていたかもしれません。


さて、今日で大村雅朗さんの話は最後。大村雅朗に関して忘れてはならないのが佐野元春さんのデビュー当時の楽曲ことです。

『ナイアガラ・トライアングルVOL.2』で佐野元春さんのことを知って、佐野さんの『SOMEDAY』を聴いてノックアウトされて、それから後追いで佐野さんのそれ以前の2枚のアルバム『BACK TO THE STREET』と『HEART BEAT』を聴きました。その時期には大瀧さんの『ロンバケ』以前のアルバムも後追いで聴いていたわけですが、実は佐野さんの2枚のアルバムの方ばかり聴いていました。そちらの方がはるかに共感を覚えるものが多かったので。大瀧さんのはハードルが高すぎました。

で、佐野さんのインタビュー記事の載った雑誌なんかもいろいろと買ったんですが、それを読んで気がついたことがあったんですね。僕が好きな佐野さんの曲を佐野さん自身はあまり好きではないということを。佐野さんが好きではない理由の最も大きな要因はアレンジのようでした。実はそのアレンジをしていたのが大村雅朗だったんですね。

大村さんをアレンジャーとして起用したのはEPICソニーのディレクターの小坂洋二さん。佐野さんは小坂さんがEPICで手がけた最初のアーティスト。その後、大沢誉志幸、大江千里、小室哲哉、渡辺美里と、彼が手がけたアーティストのほぼすべてアレンジは大村雅朗に任せます。

大村さんは佐野さんのアレンジをする際、おそらくディレクターからの指示があったんだろうとは思いますが、当時、洋楽でヒットしていた曲っぽいアレンジをしたんですね。ロックンロールを現代にと考えていた佐野さんにはそういうのが耐えられなかったもののようです。で、佐野さんはいくつかの曲のアレンジをロックンロールのことをよくわかっている伊藤銀次さんに任せることにします。

というわけで佐野さんの最初の2枚のアルバムには大村雅朗アレンジの曲と伊藤銀次アレンジの曲が混在することになります。で、実は僕の好きな曲の多くは大村雅朗アレンジの方だったんですね。そちらの方がポップでメランコリックな曲が多かったので。「アンジェリーナ」「情けない週末」「グッドタイムス&バッドタイムス」「さよならベイブ」「バッド・ガール」「バルセロナの夜」「彼女」「GOOD VIBRATION」。

佐野さんはこれらの曲について、後のライブではアレンジを大幅に変えて演奏するようになるんですが、僕はやはりオリジナルの、大村雅朗によってアレンジされたバージョンを愛しています。とりわけデビューシングルの「アンジェリーナ」は絶対にこれじゃないとダメです。


「アンジェリーナ」といえば、大瀧さんが佐野元春というアーティストに目をとめたのがまさにこの曲でした。『ナイアガラ・トライアングルVOL.2』の30周年記念盤が出たときの、大瀧さん、佐野さん、杉真理さんのインタビュー(2012年2月)で、この「アンジェリーナ」に関してちょっと興味深いやりとりが大瀧さんと佐野さんの間で交わされています。聞き手は萩原健太さん。


大瀧:そうこうする中、佐野くんの「アンジェリーナ」が出た。林美雄さんの番組でじゃんじゃんかかる。『ユア・ヒットしないパレード』で。いや、これはいい曲だなと思ったわけ。特に追っかけのリフね。あの曲、アレンジは…。
佐野:僕のアイデアを大村雅朗さんがまとめてくれました。ただ、大村さんは編曲家としてもちろん素晴らしいのですが、僕がやろうとしていたラフなロックンロール・サウンドには向かなかった。そこで小坂ディレクターから紹介されたのが伊藤銀次だったんです。
大瀧:で、「アンジェリーナ」のリフは? 佐野くんのアイデアですか?
佐野:あれは僕です。
大瀧:あれを聞いて思い出した曲があるの。ジャニー・グラント。
萩原:あ、ずばり「トライアングル」ですか。61年の。
大瀧:うん。僕もシリア・ポールの「こんな時」で同じリフを使っているんだけど、この曲に通じるものを感じて。当然、佐野くんは「トライアングル」にもシリア・ポールにも深い影響を受けているわけじゃないだろうけども、このリフを想起させてくれる人だから共通項があるに違いないと注目してたの。まさに”トライアングル”つながり。

大瀧さんが佐野さんの曲に注目するポイントとなった「アンジェリーナ」のリフってどこの部分のことなんでしょうか。

ちなみにジャニー・グラントの「トライアングル」というのはこの曲。




この曲の特にイントロの部分を大瀧さんは「こんな時」でほぼそのまま引用しているんですが、でも、その部分が佐野さんの「アンジェリーナ」にはなかなかつながりませんね。

いろいろ考えてどうやら大瀧さんが言っているのは「今夜も愛をさがして」が繰り返されるところでしょうか。「今夜も愛をさがして」と歌った後に出てくるフレーズ。

ちなみに佐野さんは後年ライブで歌う時も、そこのフレーズは変えていないですね。


さて、佐野さんは自分の意思に反して用意された大村さんのアレンジにかなり不満を抱いていたような話がいくつか残っているので、佐野さんは大村さんと確執があったかのような内容の話がネット上にもあります。でも、佐野さんは自らプロデュースするようになってからも、アレンジャーに大村さんを使っているんですね。かの名作『SOMEDAY』のアルバムに収録されたいくつもの曲のストリングス・アレンジのところに大村雅朗の名を見ることができます。その事実からも佐野さんが大村さんのアレンジを高く評価していたことがわかります。「麗しのドンナ・アンナ」や「真夜中に清めて」でのロマンチックな弦はたまらないですね。

気になるのは「サムデイ」。これはクレジットされていないけど、やはり大村さんがストリングス・アレンジをしているんでしょうか。


そのアルバム『SOMEDAY』と並行してレコーディングしていたのが『ナイアガラ・トライアングルVOL.2』。このアルバムのクレジットを見るとSANO’s sideのところに大村雅朗の名前を見ることができます。やはりストリングス・アレンジ。

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『ナイアガラ・トライアングルVOL.2』に収録されている佐野さんの曲でストリングスを最もよく聴くことができるのはB面2曲目の「週末の恋人たち」ですね。大好きな曲です。

エンディングで長くひっぱられるストリングスの音をバックにしてピアノの同じフレーズが繰り返されて曲がフェードアウトして、次の大瀧さんの「オリーブの午后」が始まるところは何度聴いても鳥肌が立ちます。僕にとっては「週末の恋人たち」は「オリーブの午后」の前になくてはならない曲になっているんですね。

そういえばと思って『ナイアガラ・トライアングルVOL.2』30周年記念盤のボーナストラックに収められたカラオケを聴いたら、大村さんの弦をさらにはっきりと聴くことができました。ということで今日の文章はそれを延々とリピートしながら書いています。

大村さんの弦のアレンジは奇をてらうことなくとてもオーソドックス。でも最高にロマンチックなんですね。次の「オリーブの午后」の後の「白い港」の、井上鑑さんの華麗なアレンジとは対照的です。井上さんのアレンジももちろんロマンチックだけど。


今となってはという話になりますが、1曲だけでも大瀧さんの作曲した曲を大瀧さんのプロデュースのもとで大村雅朗さんがストリングスアレンジした曲を聴いてみたかったですね。


ということで長かった大村雅朗さんの話も今日で終わり。明日からちょっとバタバタとした日が続くので、しばらくブログを休むことになりそうです。また気持ちのゆとりができたら書きます。


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by hinaseno | 2017-07-30 14:45 | ナイアガラ | Comments(0)

今日は大瀧さんの誕生日。ということで、話題の中心は大瀧さんになりますが話は大村雅朗さんがらみののこと。

『作編曲家 大村雅朗の軌跡 1951-1997』の巻末の大村雅朗 編曲作品一覧には大瀧詠一作曲の曲が載っているんですね。1979年の最後のところに、たった1曲だけ。

正直それが載っていたのにはびっくりしました。なぜならそれは録音されたものの日の目を見ることなかった作品だったので。

でも、実はその曲は大瀧さんのヒストリーを考えるときに極めて重要な曲なんですね。変な話ですが、もしもその曲が日の目を見て大ヒットしていたら『ロンバケ』は今とは違うものになっていた可能性があるという話。

その作品の題名は「愛は行方不明」。歌っているのはニュー・ホリデー・ガールズという4人組の女性ダンスグループ。

一応依頼としては「夢で逢えたら」のような曲を書いてくれということだったようです。というわけで大瀧さんはとてもメロディの綺麗な曲を書きます。作詞は山川啓介さん。今、調べたら山川啓介さん、一昨日に亡くなられていたんですね。

こんな歌詞で始まります。


扉には鍵をかけ
電話には知らん顔

日の目を見ていないのになんで曲を知っているんだってことになりますが、どういうわけだかその音源が手元にあるんですね。

この曲に大村雅朗さんが施したアレンジは当時流行っていたディスコ。おそらくはアバなんかを意識したもの。大村さんも好きでやったんではなくて、そのように依頼されてやったんでしょうね。大村さんならそんなダンサブルなアレンジができるだろうと判断されてのこと。

ちなみにこの頃、大瀧さんに一番多く曲の依頼をしていたのはCBSソニーのディレクターの人達で、ニュー・ホリデー・ガールズの曲を依頼したのもCBSソニーの小柳さんというディレクター。

で、それ以前から清水健太郎の曲などを大瀧さんに依頼していたCBSソニーの川端ディレクターがある女性シンガーを担当することになります。それが須藤薫さん。

川端さんは”となりにいた”小柳さんがボツにした「愛は行方不明」を気に入って、ぜひその曲を須藤薫に、ということになったようです。須藤薫さん用にアレンジし直してほしいと(ちなみにストリングスのアレンジをしたのはユーミンの旦那さんの松任谷正隆さん)。さらに川端さんは大瀧さんが「夢で逢えたら」の詞を書いたのを知っていたので詞も大瀧さんにと。で、仕上げたのが名曲「あなただけ I LOVE YOU」ですね。


で、これが大成功したので、川端ディレクターは第2弾を書いてくれと大瀧さんに次の曲を依頼。大瀧さんは、さらに素晴らしい曲を仕上げます。

ところがその素晴らしい曲を今度は川端ディレクターが不採用にするんですね。これは女性が歌うものではなく男性が歌うものだと。

で、大瀧さんはそのボツになった曲を自ら歌うことにします。それが『ロングバケーション』の1曲目に収録された「君は天然色」でした。


さて、最後に少しだけ気になっていたことを書いておきます。これはかなりシークレットすぎる話ですが。

実は大瀧さんがニュー・ホリデー・ガールズのために書いた曲のデモと、実際にニュー・ホリデー・ガールズが歌ったものとではメロディが違う部分があるんですね。それはサビに行く前の、曲としてはかなり重要な部分。

大村さんはアレンジをするときにメロディに納得しない部分があれば作曲者にメロディを変更するように頼んだりすることがあったようでした。ただし耳を貸す人もいれば、絶対に耳を貸さないばかりか、怒り出す人もいたようです。

で、この曲に関しては大村さんの意見を大瀧さんが聞き入れたのかなと。そして、須藤薫さんが歌ったのはまさに大村さんがアレンジしたニュー・ホリデー・ガールズによって歌われたメロディの方でした。

果たして真相はどうなんでしょう。今となっては知る由もありません。


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by hinaseno | 2017-07-28 13:02 | ナイアガラ | Comments(2)

ここで「青空のように」のシングル盤の歌詞カードに掲載された歌詞を。作詞はもちろん大瀧さん。


ニコニコ顔 しかめっ面 きみはお天気屋さん
笑顔が欲しい ぼくの心 いつでもきみのもの

猫の目 きみの顔  くるくる変るたび
ぼくの目は 風車 ぐるぐる回るよ

不機嫌な時を 御機嫌な時に
変えるために ほほえみかけておくれ

ニコニコ顔 しかめっ面 きみはお天気屋さん
笑顔が欲しい ぼくの心 いつでもきみのもの

気まぐれ お日様 雲の隙間から
片目をつぶって ごあいさつ

青空のように さわやかな気分に
させてくれる ほほえみ投げておくれ

ニコニコ顔 しかめっ面 きみはお天気屋さん
笑顔が欲しい ぼくの心 いつでもきみのもの

この「きみ」を「恋人」ととるならばこれはラブソングということになりますが(もちろんそうとっても全然構わない)、シングル盤のジャケットに大瀧さんの子供が写っていることを考えると、この「きみ」は大瀧さんの子供(写真に写っている息子さん。下の娘さんはこの時には生まれていたっけ?)と考えた方が自然でしょうか。ということで歌詞は子供が喜びそうな絵本っぽいというかマンガっぽいものになっていますね。

ちなみに『ナイアガラ・カレンダー』のオリジナルアルバムに入っていたプロダクション・ノートを見るとこの曲の「Dedication」としてこんな名前が記されています。


P、チビ、チイタン、ミスター・長島


「チビ」とはおそらくジャケットに写っている息子さん。確か「ゴー!ゴー!ナイアガラ」でも「うちのチビが」みたいな話をしていたような気がします。「チイタン」は娘さん、かな? 最初の「P」ってだれでしょう。スペクター・サウンドの曲を作ったということでフィル・スペクター(Phil Spector)のことでしょうか。最後には長島さんが入っていますね。このアルバムを作った1977年には長島監督率いる巨人はリーグ優勝しているみたいだけど、なんでここに長島さんの名が入っているんでしょうね。

まあ、長島さんはだれがみてもお日様のような人ですが。


さて、「青空」つながりの話。2008年2月に行われた『ナイアガラ・カレンダー』のインタビューで大瀧さんはこんなことを語っていました。聞き手は湯浅学さん。


湯浅:途中で入っている手拍子はどういう意図ですか。
大瀧:あれは「いつも青空(I Could Easily Fall)」(クリフ・リチャード)を入れなきゃまずいと思って」
湯浅:青空つながりで。
大瀧:千夜一夜も入れりゃよかったかな。(青空)球児・好児は入っているけど(笑)。デイヴ・クラーク・ファイヴも入ってる。いつも言うけど、世界中でデイヴ・クラーク・ファイヴと球児・好児を一緒にできるのはナイアガラだけだ(笑)。だから「いつも青空」のパチーンっていうのを入れないと三題噺として完結しないから。

「千夜一夜も入れりゃよかったかな」というのは青空千夜・一夜という漫才コンビのこと。青空一門というのがあったんですね。で、「(青空)球児・好児は入っている」と。

青空球児・好児といえば「ゲロゲ~ロ」が有名ですが、さすがにそこまでのおふざけはしていない。どういう形で青空球児・好児を入れているのか考えていたけど、結局わかりませんでした。

それからデイヴ・クラーク・ファイヴ。

デイヴ・クラーク・ファイヴには邦題に「青空」が入っているものがいくつかあるんですね。「You Got What It Takes(邦題:青空の恋)」、「Everybody Knows(邦題:青空が知っている)」、そして「A Little Bit Now(邦題:青空がちょっぴり)」。

正直言えばこれっていうのが見つかりませんでしたが、あえて探せばこの「Everybody Knows」でしょうか。この曲、1976年12月に放送された「ゴー!ゴー!ナイアガラ」のデイヴ・クラーク・ファイヴ特集でかかったもの。正確なタイトルは「Everybody Knows (I Still Love You)」。




この曲で効果的に使われている「ダ・ダ・ダ」というドラム。これが「青空のように」のイントロの最初に使われているのではないかと。


ところが、それをちょっと自慢げに書こうかと思ったらとんでもないことがわかりました。デイヴ・クラーク・ファイヴには「Everybody Knows」という曲が2曲あって「青空が知っている」という邦題がついている「Everybody Knows」はこちらの方だということがわかったんですね。




「青空のように」との接点はなさそうですね。

もしかしたら大瀧さんも「Everybody Knows (I Still Love You)」を「青空が知っている」だと勘違いして取り入れたのかもしれません。


いずれにしても結局、「青空のように」についてはなんら新しい発見というべきものはありませんでした。まあ、それもよしです。


それにしてもナイアガラの世界は奥が深い。


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by hinaseno | 2017-07-14 13:08 | ナイアガラ | Comments(0)

「青空のように」という曲を初めて聴いたのはアルバム『ナイアガラ・カレンダー』。手元には1981年にソニーから出たLPがあるので、『EACH TIME』が出る前くらいに買ったんでしょうね。ジャケットはオリジナルとは違ってカレンダーではありません。

そう、オリジナルの1977年12月25日(クリスマスですね)に出たアルバムは翌78年のカレンダーがジャケットになっていました。「青空のように」は6月の曲として収録されていて、家の近所で子供と一緒にいる大瀧さんの写真がつけられていました。その写真は1977年7月1日に発売されたシングルレコードのジャケットと同じもの。

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そういえば写真に写っているのは大瀧さんの息子さん。でも、女の子と間違えられることが多かったようですね。「ゴー!ゴー!ナイアガラ」でも何度かそのことが話題になっていました。「すみませ~ん、女の子じゃないんです~」と。


で、これがジャケットの裏側にのっている7月から12月のカレンダー。

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考えたらこの年のカレンダー、今年使えるんですね。祝日はかなり違うけど。ちなみに7月28日に赤丸が付いているのは大瀧さんの誕生日。もうすぐですね。

オリジナル版のライナーノーツの最後に「P.S.」としてこんな言葉が。


尚このカレンダーは1989、1995、2006、2017、2023、2034、2045、2051、2062、2073、2079年……………にも使用出来ますので捨てないで、とっておかれた方がよろしいと思います。


というわけで今年は11年ぶりにオリジナルのカレンダーを使うことができる年でした。しかも今年、2017年は『ナイアガラ・カレンダー』の40周年でもあったし。


さて、僕は「青空のように」のシングル盤なんか持っていなかったので、長い間、「青空のように」は6月の曲というふうにとらえていました。でも、やはりこれは6月というよりも7月の曲ですね。

もともと6月はジューン・ブライドということで結婚の曲を考えたみたいですが、曲ができなくて結局は以前に作っていた「青空のように」を6月に入れたようです。


さて、「青空のように」はシリア・ポールの『夢で逢えたら』を制作する中でつかんだスペクター・サウンドをさらに発展、深化させる形で作られたわけですが、当然ながら大瀧さんなりの遊びを入れてるんですね。

キーワードは「青空」。

ということでまずはクリフ・リチャードのこの「I Could Easily Fall (In Love With You)」に使われた手拍子を入れました。邦題は「いつも青空」。




それから…


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by hinaseno | 2017-07-12 14:41 | ナイアガラ | Comments(0)

僕が大瀧さんの『ロング・バケーション』を初めて聴いたときにはすでに『ナイアガラ・トライアングル VOL.2』が発売されていました。当時はLPなんかそんなに何枚も買えないので『ナイアガラ・トライアングル VOL.2』はレンタル屋でレコードを借りてカセットテープに録音したものを聴いていました。というわけで『ロング・バケーション』も『ナイアガラ・トライアングル VOL.2』も後追いということになります。

大瀧さんのアルバムで初めて発売日に買ったのは『EACH TIME』。でも、改めて考えてみたら、発売日の当日ではなかったけれど、発売日の数日後にレコード店で見つけて新譜として最初に買ったのが『ナイアガラ・ソングブック』でした。目立つ所に置かれていたこのジャケットに目がとまったんですね。

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『ロンバケ』同様に夏にぴったりのジャケット(ちなみに発売日は1982年6月1日)。ジャケットのイラストを描いているのは『ロンバケ』と同じ永井博さん。オッと思いますね。ところがアーティスト名義が大瀧詠一ではなくNIAGARA FALL OF SOUND ORCHESTRAL。どうやら”歌のない”インストのレコードだとわかって、どうしようかなとしばらく考えて買ったように思います。


収録曲のほとんどは『ロング・バケーション』と『ナイアガラ・トライアングル VOL.2』からのものでしたが、知らない曲が3曲(正確には2曲)ありました。

まずはA面2曲目の「Summer Breeze」。でも、これは針を下ろしてすぐに『ロンバケ』に収録された「Velvet Motel」の同じ曲だとわかりました。あとの2曲が「夢で逢えたら」と「青空のように」。すでに録音されていた「白い港」を外して、あえてこの2曲を入れているんですね。この2曲が大瀧さんにとって重要な曲であることがわかります。といっても、当時はこの2曲が入っている意味がよくわからなかったけど。ちょっと違和感も覚えたかもしれない。


さて、今回のタイトルである「お日様」の曲というのはもちろん「青空のように」。♬気まぐれお日様~♬と出てくる曲ですね。この曲も最初の出会いは”歌のない”ストリングス・バージョンだったので、そこにお日様が出てくるなんて知ったのはかなり後のこと。

「青空のように」のようにはシリア・ポールの『夢で逢えたら』のアルバムとほぼ同時期にレコーディングされました。「夢で逢えたら」で”ガールズ版”の曲を作ったので、”ボーイズ版”の曲を作ろうということだったようです。

で、勝手な推測ですが「恋はメレンゲ」で「お月様」と「お星様」で遊んだので、「お日様」の曲にしようと思ったのではないかと。で、「お日様」ならば「青空」。ということでこの曲は「青空」をキーワードに遊ぶことにしたんですね。


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by hinaseno | 2017-07-11 12:28 | ナイアガラ | Comments(0)

「お月様」と「お星様」についての話を書いたので次は「お日様」のことを。

でも、その前に。

先週の「山下達郎サンデー・ソングブック」のことを。お題は「JET STREAMで棚からひとつかみ」。JET STREAMという深夜のラジオ番組が50周年を迎えたということで特集されたようです。JET STREAMは城達也さんがパーソナリティを務めていた頃にはときどき聴いていました。

先週の達郎さんの放送は聴けなかったんですが、かかった曲のリストを見ると、どうやら達郎さんがパーソナリティを務めていたならば、ということで選曲していたようです。それがかなり興味深い選曲。聴きたかったな。

(ちなみにこれはサンソンを聴きながら書いているのですが、途中で大瀧さんとシリア・ポールのデュエットしたヴァージョンのオリジナルであるリック・ネルソンの「The Very Thought Of You」がかかってびっくり。大瀧さんとシリアの話もちらっと出ました)

城達也さん時代のテーマソングであるFrank Pourcel Grand Orchestra の「Mr. Lonely (Jet Stream Version)」のあとにまずかかったのが、このLawrence Welkの「Calcutta」。




これは昔(30年前です)大瀧さんと達郎さんの新春放談で大瀧さんがかけた曲。大瀧さんのお気に入りの曲ですね。もちろん僕のお気に入りの曲の一つになりました。


そのあとジャッキー・グリースンやヘンリー・マンシーニのあとにかかったのがBill Pursellが演奏するこの「Our Winter Love」。




この曲、以前ブログで紹介したような気がするけど書いていなかったですね。「Our Winter Love」という曲はレターメンで歌ったものを聴いて大好きになって、で、何年か前にこの曲について調べていて、このBill Pursellが演奏するバージョンを知ってそれについて書いたはずですが、アップしないでほったらかしにしたかもしれません。そういうの結構あります。

たぶんこの日のブログの流れで調べたんですね。レターメンのバージョンのアレンジがとってもロマンチックで、そのアレンジャーのペリー・ボトキン・ジュニアはやっぱりすごいなって書いたんですが、調べてみたらそれ以前に発表されていたこのBill Pursellのバージョンのアレンジをほぼそのまま踏襲していることがわかったんですね。


それから達郎さんがかけた曲でちょっとびっくりしたのは、The Sounds of Sunshineというグループのこの「Love Means (You Never Have To Say You're Sorry)」。




このThe Sounds of Sunshineというグループのことはこの日のブログで紹介しています。おひさまゆうびん舎での『今日の人生』について語る会ために作ったCDの最後にこのグループが歌った曲を入れたんですね。その曲のタイトルは「Today Is The First Day (Of The Rest Of My Life)」。日本語に直したら「今日は残りの人生の最初の日」。CDを作ったのはこの曲のことを知ってもらいたかったため。

このグループ、長くて意味深なタイトルの曲をいくつも歌っているんですがその一つ、「Love Means (You Never Have To Say You're Sorry)」が達郎さんの番組でかかったんですね。日本語に直したら「愛は、ごめんなさいと謝る必要が決してないということを意味する」。「今日は残りの人生の最初の日」以上に哲学的なタイトルです。ちなみに邦題は「愛とは決して後悔しないこと」だそうです。


さて、サンソンの「JET STREAMで棚からひとつかみ」の最後にかかったのがこの曲でした。番組聴いてたらきっと感動しただろうな。




『ナイアガラ・ソングブック』の最後に収録された「夢で逢えたら」のインストルメンタル・バージョン。演奏はNIAGARA FALL OF SOUND ORCHESTRAL。


シリア・ポールの『夢で逢えたら』の前に僕がずっと聴いていたのはこの『ナイアガラ・ソングブック』でした。

ちょっと前に、大瀧さんが古関裕而の「ひるのいこい」について語った話をしましたね。こんな言葉。


「一回廃墟になったときに古関裕而のあの(「ひるのいこいのテーマ」の)メロディーを流して、みんながどんな反応をするのか俺は見てみたい」
「そんなときは、これは誰が作ったとか考える余裕がないわけ」

このとき大瀧さんは「歌がないからいいんだ」とも語っていました。

で、僕は、もしも大瀧さんの曲でこのような状況に当てはまる曲があるとすればなんだろうかと考えて、それは「夢で逢えたら」のインストルメンタル・バージョンしかないだろうと思ったんですね。歌の入っていないインストルメンタル・バージョンの「夢で逢えたら」こそ、まさに”あの大瀧詠一”の曲と語られることなく多くの人の耳に届く曲だと思うから。

きっと大瀧さんもその思いがあったから、震災の後に『ファースト』の40周年盤ではなく『ナイアガラ・ソングブック』の30周年盤を出したんですね。こんなことを言ってはあれですが、おそらくは未発表曲が満載されるはずだった『ファースト』の40周年盤を出していた方が『ナイアガラ・ソングブック』の30周年盤よりもはるかにたくさん売れたはず。でも、大瀧さんはそれをせず、あえて”歌の入っていない”『ナイアガラ・ソングブック』を出したんですね。

『レコードコレクターズ』という雑誌に掲載された『ナイアガラ・ソングブック』についてのインタビュー(インタビューが行われたのは大瀧さんが亡くなった2013年の2月8日)で大瀧さんは、古関裕而の「ひるのいこい」について触れた後、最後にこんなことを語っていました。


「まあ、古関裕而の「ひるのいこい」には逆立ちしてもまったくかなわないんだけれども、国破れて山河あり、の意味合いから、この『ナイアガラ・ソングブック』も鎮魂として捉えられてくれるとありがたいなと思ってる。そういう思いで発売を決めて。今回はいっぱい見本盤を仕入れてサインしてどこかに送ろう、と。鎮魂になってくれればいいんだけどね」


泣けます…。

というわけで、結局「お日様」の話にはいきませんでした。

いや、「お日様」つながりでおひさまゆうびん舎のことをちらっと書きましたね。次回はそのおひさまゆうびん舎の5周年のときのお祝いとして作ったCDに入れた「お日様」の曲の話をします。


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by hinaseno | 2017-07-09 15:39 | ナイアガラ | Comments(0)

お月様とお星様


今日は七夕ですね。というわけでもないけどお星様の話になります。今夜お星様が見えたらいいけど微妙かな。


シリア・ポールの「恋はメレンゲ」で興味をもったのは「お月様」と「お星様」の部分でした。

”原曲”の「恋はボサ・ノバ」のシングル盤の歌詞カードの日本語訳の詞では「お月様」と「お星様」はこんなふうに出てきます。


お月様のせいではなかったかしら
いヽえボサ・ノバよ
お星様のせいだったかしら
違うわ、ボサ・ノバよ

ここを大瀧さんはこんな歌詞にしています。


フルーツカラーのお月様も
キラキラ輝くお星様も
一緒に踊ったあのメレンゲ
二人は恋におちた

耳を止めたのはこの部分が歌われるときのバックコーラス。例の「快盗ルビイ」のときみたいに遊んでいるんですね。

「フルーツカラーのお月様も」と歌われるときのバックコーラスはすぐにわかりました。


♬I see the moon, I see the moon♬


大瀧さんの大好きなナンシー・シナトラが歌った「I See The Moon」からとっているんですね。「I See The Moon」の邦題は「フルーツカラーのお月さま」。これが日本盤のジャケット。このレコード探しています。

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そういえば『夢で逢えたら』のB面3曲目でカバーしている「Tonight You Belong To Me」もナンシー・シナトラが歌っています。その邦題は「いちごの片思い」。ほかにも「レモンのキッス」とか、ナンシー・シナトラの曲の邦題はいろんなフルーツがいっぱい。強引すぎるけど。


気になったのは♬I see the moon, I see the moon♬に続くコーラス。ちょうどシリアが「お星様も」と歌ったあとに出てきます。でも何度聞いても聞き取れない。最後はどうにか”Get Me”と聞き取れるくらいでなんと言っているかわからない。大瀧さんのことだからきっと「お星様」と関係のある曲を入れているに違いないと思いながらどうにも手がかりがつかめないでいました。


ところが思わぬところに解答が。それは「恋はメレンゲ」のオリジナルが収録されている『ナイアガラ・ムーン』の40周年記念盤に付けられていた写真集の中にありました。これです。

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「恋はメレンゲ」の楽譜、というか正確にいえばコーラス譜。

実は『ナイアガラ・ムーン』の「恋はメレンゲ」にはこんなコーラスはついていません。これはシリア・ポール・バージョンの「恋はメレンゲ」のコーラス譜なんですね。本来であればシリア・ポールの『夢で逢えたら』の40周年記念盤の付録に掲載されるべきもの。どうやら間違えて(?)掲載されたようです。『ナイアガラ・ムーン』の40周年記念盤は大瀧さんが亡くなった後に出たものなので、気付く人がいなかったのかもしれません。でも結果オーライ。気になっていた♬I see the moon, I see the moon♬のあとのコーラスがわかりました。

歌われていたのは♬Where's It Gonna Get Me?♬。

調べたらこれはやはり大瀧さんの大好きなシェリー・フェブレーの曲のタイトルでした。有名な「ジョニー・エンジェル」のB面。

で、邦題を調べたら、やはり推測した通り。「お星様」がついていました。

「お星さま教えてね」。これが日本盤のジャケットです。

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それにしてもナイアガラの世界は奥が深い。


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by hinaseno | 2017-07-07 13:10 | ナイアガラ | Comments(2)

シリア・ポールさんのことを書きながらずっと彼女のアルバム『夢で逢えたら』を聴いていました。

『夢で逢えたら』のアルバムで好きな曲はといえば、なんといっても「The Very Thought Of You」。それから「Tonight You Belong To Me」、「Walk With Me」と続きます。「夢で逢えたら」は別格。

今回何度も聴いていていて、なぜか一番引っかかったのは「恋はメレンゲ」でした。大瀧さんの『ナイアガラ・ムーン』に収録された曲のカバー。女性が歌うということで、少しだけ女性言葉に変えられています。

で、一番引っかかったのは、1番の最後と、エンディングに出てくる「つづりふしぎ」という言葉。

いちおう「綴り不思議」と聞き取れて歌詞カードを見てもそうなっていたんですが、でもはっきり言って意味不明。ちなみに「メレンゲ」の綴りは英語・スペイン語ともに”merengue”。ちっとも不思議な綴りではありません。

もしやと思って、この曲の下敷きになっているイーディ・ゴーメの歌った「恋はボサ・ノバ(Blame It On The Bossa Nova)」の歌詞を見たら”magic spell”という言葉を発見。これを「綴り不思議」と訳したんですね。でも”magic spell”は本来「魔法の呪文」という意味。

ちょっと気になったので『ナイアガラ・ムーン』の30周年盤が出た時のインタビューを見たら、「恋はメレンゲ」のこの「綴り不思議」という歌詞についての話が出ていました。聞き手は湯浅学さん。


湯浅:「綴り不思議」というのもありますね。”magic spell”。
大瀧:そうそう。「綴り不思議」とは普通は訳さない。そのまんまなんだよな(笑)。「魔法の呪文」じゃああんまり当たり前なので。

ということで意味なんてものを考えていてもしょうがないですね。


ところで「恋はメレンゲ」は曲だけでなく歌詞も「恋はボサ・ノバ」のパロディになっていることがわかったので、それをもう少し分析してみました。その前にシリア・ポール・バージョンの「恋はメレンゲ」の歌詞を。


あれはダンスパーティーの夜
あなたの目に魅きつけられ
一緒に踊ったあのメレンゲ
震えが止まらなかった

フルーツカラーのお月様も
キラキラ輝くお星様も
一緒に踊ったあのメレンゲ
二人は恋におちた

(恋はメレンゲ) 彼はとっても
(恋はメレンゲ) うまく踊ったの
たった一度のダンスで ロマンスの花が咲く
恋はメレンゲ 綴り不思議

いつの日か子供達に
二人のロマンス聞かれたら
一緒にきっとこう言うでしょう
メレンゲのせいよと

(恋はメレンゲ) 彼はとっても
(恋はメレンゲ) うまく踊ったの
たった一度のダンスで ロマンスの花が咲く
恋はメレンゲ リズム魔法
たった一度のダンスで ロマンスの花が咲く
恋はメレンゲ 綴り不思議 不思議

で、これを英語の歌詞と比べていたんですが、そういえばと思って東京に行く前に中古レコード店で見つけた「恋はボサ・ノバ」のシングル盤のレコードの歌詞カードの日本語訳を見たら、なんとなんと。大瀧さんはこの日本語訳をパロディにしていたことがわかりました。

これが「恋はボサ・ノバ」の日本語訳。表記はそのままにしています。


ダンスで彼に目をつけたの
悲しそうに、はづかしそうに一人ぼっち
踊りはじめてしばらくしたら
この人こそはと思ったの。

ボサ・ノバのせいよ
魔法のようなあのリズム
ボサ・ノバのせいなの
彼が上手に踊ったわ
たった一度のダンスに始って
直ぐに素敵なロマンスになった
みんなボサ・ノバのせいなのよ
恋の踊り、ボサ・ノバ。

お月様のせいではなかったかしら
いヽえボサ・ノバよ
お星様のせいだったかしら
違うわ、ボサ・ノバよ
それじゃ音楽のせいだったの?
そうなのボサ・ノバのせいなのよ。
恋の踊りのせいだったの。

彼と結婚の約束したわ。
そして子供も沢山つくるの
子供達にロマンスを聞かれたら
すぐに心からこう言うの。

ボサ・ノバのせいよ
魔法のようなあのリズム
ボサ・ノバのせいなの
彼が上手に踊ったわ
たった一度のダンスに始って
直ぐに素敵なロマンスになった
みんなボサ・ノバのせいなのよ
恋の踊り、ボサ・ノバ

「たった一度のダンスで ロマンスの花が咲く」や「いつの日か子供達に 二人のロマンス聞かれたら 一緒にきっとこう言うでしょう メレンゲのせいよと」なんて、ほぼそのままですね。

面白かったのはこの日本語訳をした人が”magic spell”を「魔法のようなあのリズム」と訳していたこと。「恋はメレンゲ」の「リズム魔法」はここからきてたんですね。同じ部分に使われていた「リズム魔法」と「綴り不思議」はいずれも”magic spell”からきていたとは。


もうひとつ面白かったのは「お月様」と「お星様」のこと。これについても大瀧さん、結構遊んでいるんですね。特に「お星様」のほうが、最初はなんのこっちゃでしたが、意外なところで答えを発見。気づけた自分は偉いなと自画自賛したくなりました。

それについてはまた次回に。


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by hinaseno | 2017-07-05 13:16 | ナイアガラ | Comments(0)

「ゴー!ゴー!ナイアガラ」の「シリア・ポール・ストーリー」で、関口さんの話が出てきたときにかかったCMソングのこと、作曲家が樋口康雄とわかったことで調べたら、ネット上にこんなデータがありました。


資生堂 「香り’77」(リアレンジ)
1977/4/6
作詞=資生堂 作曲=樋口康雄 歌=シリア・ポール

この曲ですね。シリアの歌詞の中にも「わたしの香り伝えたい」という言葉が出てくるので間違いなさそう。

1977/4/6というのはおそらく録音日。

気になったのは「リアレンジ」という言葉。確認したら、こんなデータを発見。


資生堂「香り’77」
1977/3/30  
作詞=資生堂 作曲=樋口康雄 歌=スザーナ・ウォーカー

どうやらこの「香り’77」は最初1977年3月30日にスザーナ・ウォーカーが歌って録音していたようです。でもその1週間後の4月6日に曲をリアレンジしてシリアが歌って録音しています。このあたりのいきさつ気になりますね。

気になるといえばシリアのバージョンを録音した4月6日いう日付。それはまさにシリアが『夢で逢えたら』を録音していた時か、歌入れがちょうどすんだ頃だった可能性が高い。

『Niagara Record Collecting Guide』によれば、シリア・ポールの『夢で逢えたら』が録音された時期は1977年4月。日付までは書かれていません。

でも、もう少し詳しい日付を推測する手がかりがありました。それは「シリア・ポール・ストーリー」のひと月前に3週にわたって放送された「ゴー!ゴー!ナイアガラ 100回記念DJパーティ」。

そのパーティが行われたのは4月25日。そこにシリア・ポールがゲストに呼ばれているんですが、そのときに「夢で逢えたら」をかけたあと、このレコードのミックス・ダウンが終わったのは2~3週間前だと言っていたんですね。ということは録音は4月5日頃。やはり、あのCMソングの録音、ミックス・ダウンは『夢で逢えたら』の直後と考えていいようです。


改めて考えてみると自分で作った曲でもないCMソングを番組でかけるというのは、いくら大瀧さんと親しい関口さんがその曲のディレクターを務めたとはいえ、やはり異例というか不自然なこと。音源はおそらくマスターテープからとられているはず。とするならば、大瀧さんが何らかの形でこのCMソングに関わっていたと考えたほうがいいように思います。1週間前にスザーナ・ウォーカーが歌ったバージョンがどんなものかはわからないけど、シリアの歌い方、特に語りに関して大瀧さんのアドバイスがあったのではないかと。あるいは大瀧さんがミックス・ダウン(トラック・ダウン)に関わっていたかもしれない。そういう関わりがなければ番組でかけることはないはず。

関口さんのいたONのCMソングのミックス・ダウン(トラック・ダウン)といえば例の三吉橋のそばの音響ハウス。実はその音響ハウスについてちょっと面白いことがわかりました。それは『レコード・コレクターズ増刊 大瀧詠一Talks About Niagara』に収録されているシリア・ポールの『夢で逢えたら』についてのインタビュー。ここで興味深い話が出てきます。聞き手は湯浅学さんと萩原健太さん。インタビューが行われたのは2011年2月。


湯浅:『夢で逢えたら』のときは録音はFUSSA45スタジオで。トラック・ダウンはどこで?
大瀧:最初は音響スタジオなんですよ。で、音響ミックス版というのもあって、今回(ボックスに)入れようかどうか非常に迷って。
萩原:違うんですか?
大瀧:雨の音がでかい(笑)。まるで台風。左右入れかえたり、前編、全く違った印象があると思う。音響の音はちょっと重たいから。重たくなったのでミックスをやり直そうとして遅くなった。録りはけっこう早めにやっていたにもかかわらず、ミックスで悩んで。で、サウンド・シティ(スタジオ)に行って軽い形になった。両方出すっていうのも一瞬考えたんだけども、二つ出すのも良くないからなかったことにして(笑)。出来が良くないからね。「The Very Thought Of You」は最初音響でやって、その後フリーダム(スタジオ)に行ってやって、それもうまくいかないからサウンド・シティに行ってやった。

こういう話にオッと思えるようになったのも、東京に行って音響ハウスのそばを通ったため。いや、正確に言えば、あとで通っていたことがわかったため。

というわけで大瀧さんの自宅のFUSSA45スタジオで録音して、最初は音響ハウスでトラック・ダウンをやったと。おそらくその前の『ナイアガラCMスペシャル』からの流れのはず。

で、そこできっと関口さんと会って、シリア・ポールの話になったときに関口さんから「海の底でうたう唄」のエピソードを聞き、縁を感じた大瀧さんは関口さんとの話でシリアをCMに、ってことになったんでしょうね。


それはさておき音響ミックス版は結局公にはならなかったみたいですが、もしも『夢で逢えたら』の40周年記念盤が出ていれば、きっとボーナス・トラックとして音響ミックス版が収録されたはず。で、同時にきっと音響でミックスされたはずの「香り’77」も入ったかもしれません。

ああ聴いてみたい。

50周年は先すぎるので、シリアの70歳の誕生日に間に合わないかな。『今日の人生』つながりでも最高なんだけど。


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by hinaseno | 2017-07-04 15:18 | ナイアガラ | Comments(0)