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2017年5月7日。時刻は午後6時半ごろ。場所は東京神田の岩本町にあるライブハウスTOKYO TUC。その時間、外にどれくらいの明るさが残っていたのか地下だったのでわからない。

BREEZEの4人のメンバーがこの日2度目のステージに登場。第1部で野口さんによって振られていた小さなネタを受けた話を磯貝さんがされて観客の笑いを誘う。その笑いが収まって、会場は静謐な空気に。

その瞬間、僕も、そしておそらく石川さんも”そのとき”がやってきたことを知る。このブログでぽろっと書いた夢が実現するときが。


BREEZEのメンバーの小菅けいこさんが次に歌う曲の紹介を始める。「あまり知られてはいない曲で、私たちも知らなかった曲だった」。と。曲のタイトルは言わないまま。

ここで野口さんがBREEZEによってその曲が歌われることになったいきさつを語り始める。ジャック・ケラーという作曲家によって書かれて、ペリー・コモに歌われた曲だと。その場にいた観客のどれくらいの人に届いたかはわからないけど、たくさんの人を前にしてジャック・ケラーの名前が語られたことに心から感動する。「ジャック、聴いてる? これから君の書いた素晴らしい曲がここで演奏されることになるんだよ」と心で叫ぶ。

そしてその知られていない曲を野口さんに教えた「ある方」の話が始まる。「ある方」という表現で通されるかと思ったけど、野口さんはその人の紹介を始める。「武蔵小山のアゲインというライブカフェのオーナーの石川さん」と。なんだか自分のことのようにうれしくなる。そして野口さんが呼びかける。

「その石川さん、今日、来てくださっているんですね。石川さん、どこにいらしゃいますか?」

目の前に座っている石川さんがテーブルの下に潜り込もうとするが、逆にその動きが目立ってしまう。僕も後ろから石川さんの背中をたたく。全員の視線が石川さんに集まり、石川さんが恥ずかしそうにおじぎをする。たまらないくらいに幸せな気持ちになる。

野口さんは石川さんがいかにポピュラー音楽に造詣が深いかを説明し、大瀧さんや山下達郎さんの話を交えながら今回5年ぶりにこの曲が演奏されることになった経緯を紹介。石川さんとの具体的なやりとりも話されていました。で、石川さんの友達(僕のことですね)も今日のライブに来ていると言われ、このときに初めてBREEZEのメンバーと目が合う。

野口さんは「知られていないけどこんなにいい曲があるんだということを知ってほしい」と話されて小菅さんにバトンタッチ。


ここで小菅さんはペリー・コモにまつわる興味深い話を披露。それはペリー・コモの最後の来日公演の時の話。調べたら1993年3月。

この公演、NHKで放送されたということがわかったのでもしやと思って調べたら、なんとYouTubeにありました。




実はこの来日公演ときにドラムを叩いていたのが今回の野口久和 THE BIG BANDのドラムを演奏していた稲垣貴庸さんだったことがわかりみんなびっくり。そしてそのあと、さらにびっくりするようなとびっきり素敵なエピソードが紹介されます。

それはペリー・コモの歓迎パーティーのときのこと。上の貼ったYouTubeの最初の方にそのパーティーの様子がちらっと映っていますね。加山雄三さんもいることからもわかるように会場はかなり騒然とした雰囲気に包まれていました。そんな中、一人の女性がステージに呼ばれ歌を歌うことになります。後藤芳子というジャズシンガー。騒然とした会場で、きっと自分の歌が誰の耳にも届いていないことを感じながら後藤さんは歌を歌ったにちがいありません。

ところが後藤さんが歌い終えたときに、彼女のところに一人の男性がやってくる。ペリー・コモ。そして彼は彼女にこう言う。「僕は聴いていたよ」と。この後藤芳子さんというのがBREEZEの師匠に当たる人。

さらに興味深いのはBREEZEが結成されたのはまさにこのペリー・コモの最後の来日公演があった1993年。いや、縁というのはなんて不思議なんだろう。

いくつもの”たまたま”がきっかけで今回野口久和 THE BIG BAND with “BREEZE”で演奏されることになったペリー・コモの「Beats There A Heart So True」。もちろん、演奏した野口さんも、歌を歌ったBREEZEも素晴らしい曲であると判断したからこそだろうとは思いますが(磯貝さんは例のeBayでこのレコードを手にいれて聴いたそうです。磯貝さんはレコードマニアなんですね)、ペリー・コモとのこんな素敵な繋がりがかくされていたとは。歌われる前から胸がいっぱいになってしまいました。

こうなったらBREEZEには絶対に『Sings Perry Como』というアルバムを出してもらわないと。もちろん演奏は野口久和 THE BIG BANDで。


さて素敵なエピソードが披露された後、小菅さんによって曲のタイトルが告げられついに「Beats There A Heart So True」の演奏が始まる。すぐに石川さんの背中が激しく震え出すのがわかる。手で顔をおおい、しばらくは顔を上げることができないでいる。僕もすぐに涙が溢れてくる。願いが叶ってうれしいということもあるけど、何よりも目の前で演奏されている曲の素晴らしさに感動して。なんとなく歌っているBREEZEのメンバーの目も潤んでいるように見える。

曲の素晴らしさにについて説明する言葉はない。哀しみを表現するような金管楽器とその哀しみを優しく包み込むような木管楽器の織りなす演奏にBREEZEの4人のハーモニーが見事に重なっていく。哀しみにつつまれ曲だけど、なんて希望に満ち溢れた曲なんだろうと思う。

永遠に曲が終わってほしくないと願いながら、最後のエンディングが近づく。音が完全に消えるまでは誰も拍手をしないでほしいと願い続ける。

そして音が消え、一瞬の間があって盛大な拍手。石川さんは「すごい!すごい!」と叫び続ける。BREEZEサポーターの席に座られていた人が「BREEZEにぴったりの曲」とさけぶ。僕と石川さんだけでなく、演奏していたバンドやBREEZEのメンバーも含めてみんながこの曲のすごさに心を打たれていることがひしひしと伝わってくる。まちがいなくこの日のライブのハイライト。

少しだけ正気に戻ってきたときに石川さんが振り返って、ふたりでがっちりと握手。この素晴らしい瞬間をひとりではなくふたりで共有できたことは喜びを何倍にもする。ああ、いっしょに来てよかった。石川さんに、そして野口久和 THE BIG BANDとBREEZEのメンバーに心から感謝する。


これはこの日のライブの写真ではないけど、TOKYO TUCのサイトに貼られていた少し前に行われた野口久和 THE BIG BAND with “BREEZE”のライブの様子を撮ったもの。お借りしておきます。

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# by hinaseno | 2017-05-23 13:27 | 雑記 | Comments(0)

唐突ですが、これから「地下」の時代がやって来そうな予感。

東京に行って以来(というか実際には行く少し前から)「地下」がなんだかキーワードになってしまいました。

アゲインも地下。先日のライブがあったTOKYO TUCも地下。できれば恐る恐るとかこそこそではなく、スキップしながら階段を駆け下りて行けるような地下が身近にあってほしいなと。別にそこでレジスタンスをするわけではありません。でも、きっと未来は地下から始まるだろうと。

そういえばライブ会場でも言われていましたが、来週土曜日の「出没!アド街ック天国は神田の岩本町編。なんとTOKYO TUCのある場所なんですね。で、TOKYO TUCも映るそうです。

もしこのライブに行かなければ岩本町ってどこ?だったんですが、岩本町は遠く離れていてもすごく身近に思える場所になりました。

この番組、昨日こちらでも見れることがわかったので予約録画しました。石川さんがスキップをしながら駆け下りた岩本駅の地下鉄の階段が映るのかな。楽しみですね。

テレビの話ついでですが、昨日の『ブラタモリ』は僕の愛する町の一つ、尾道でした。いろいろ書きたいけど、今はやめておきます。で、驚いたことに来週のブラタモリは倉敷。ついにタモリさんが岡山へ。「出没!アド街ック天国とともに来週の土曜日が待ち遠しい。


ところで昨日ブログを書き終えた後、『One Night Stand!』のライナーノーツに野口さんが書かれた解説を読んでいたら興味深いことがいろいろと。

ビッグバンドを結成するにいたったのは今回ライブをしたTOKYO TUCの方の進言と強い後押しのおかげだったと。で、こんな言葉。


「どうせやるならメチャクチャ楽しいバンドに・・・音楽だけでなく、エンターテインメントの部分もしっかり確立したかったので、まずバンドシンガーは絶対必要だと。幸いすぐ側に「BREEZE」という仲間達がいたので、コーラスグループ付き総勢21人というビッグバンドが誕生!これは現在の日本のバンドシーンの中ではとても贅沢なことではないでしょうか?そしてモットーとしては「ジャンルにこだわらずメロディの良い曲を演奏する」「長いアドリブは演らない」「譜面はすべて手書きで!(この点については自分が超アナログ人間だということもありますが、ビッグバンドに限らず最近のコンテンポラリージャズ色の強い、いかにもコンピューターを使って作ったようなサウンドに対するアンチテーゼでもあります)」

なるほど、でした。今回のライブはエンターテインメントとしても最高に楽しめるものでしたが、なによりも野口さんの演奏された曲はどれもメロディの良い曲だったというのがいちばんの感想。僕は基本的には音楽をメロディ(とアレンジ)で聴く人間なので。

そういう野口さんですから、ただ石川さんに頼まれたからとか石川さんが好きだからということだけで曲を演奏するはずがないんですね。


思わず笑ってしまったのが「Cradle Song」についてのこんなコメント。


「どこか外国の避暑地の昼下がり、ハンモックに揺られて・・・というイメージ」


昨日僕が書いていた通りですね。まさに野口さんがイメージしていた通りに受け取っていたんですね。


前置きが長くなりましたが、ライブは第2部へ。時刻は夕方の6時。

まずは野口久和 THE BIG BANDによる演奏が3曲。1曲目は超アップテンポの「Dizzy Fingers」という曲。野口さんが超高速で演奏するピアノがすごかったです。ここにLiberaceというピアニストの演奏シーンがありますがこんな感じ。




で、野口さんの凄いのは合間合間にバンドの指揮もするんですね。昔、ビデオでグレン・グールドが指揮をしながらピアノを弾いているのを見てびっくりしたことがありましたが、そういうのを生で見たのははじめて。というかめったに見れるものではないですね。一旦ピアノから離れて指揮をして、で、ピアノに戻ってすぐに弾き始める。言葉で言うのは簡単だけどすごいことです。


2曲目は野口さんのファースト・アルバム『How About A Drink?』に収録された「Cat Walk」。明らかにヘンリー・マンシーニのこの「ピンク・マンサーのテーマ」を下敷きにして作られた曲ですね。これもいい曲でした。

この日のライブではヘンリー・マンシーニの「Mr. Lucky」も演奏されていたので、きっと野口さん、ヘンリー・マンシーニがお好きなんでしょうね。僕もヘンリー・マンシーニは大好きです。


大好きといえば、この「Cat Walk」を演奏した後に野口さんの好きなアレンジャーの話をされたんですが、この話のあたりから僕のワクワク度合いはさらに高まっていくことに。で、野口さんが好きだというアレンジャーの名前を聞いて、野口さんのバンドで演奏した曲がそのアレンジも含めて僕の好みにぴったりだと感じた理由もよくわかりました。

まず最初に名前を挙げたのがクインシー・ジョーンズ。クインシー・ジョーンズといえば僕にとってはなんといってもレスリー・ゴーアの楽曲のアレンジですね。

で、次がこの日のブログで紹介したネルソン・リドル。

そして3人目がニール・ヘフティ。

ニール・ヘフティはジャズ畑では最も好きなアレンジャーだったので、昔、中古レコード屋さんを回ってはニール・ヘフティのレコードを集めていました。カウント・ベイシーの『Basie Plays Hefti』なんて死ぬほど好きです。

そういえばニール・ヘフティのものでいちばん探したのがこのレコード。

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ジョニー・ソマーズの『The "Voice" Of The Sixties!』。

知り合いがこれを持っていて、ジャケットを含めて最高だったので、どうしても欲しくて大阪あたりまで探しに行きました(もちろんまだネットを利用していない頃の話)。でも、結局、見つからなかった。

で、ネットを利用するようになって知ったのが海外のオークションサイトeBay。初めてeBayを利用して買ったのがこのレコードでした。結構高かったけどどうしても欲しかったので。

そういえばそのeBayの話もこのライブの時にちらっと出てきましたね。


さて、野口さんがとりわけ好きなアレンジャーとして最後に語られたのがギル・エヴァンス。

ギル・エヴァンスといえばなんといってもあれだなと僕が頭に描いていたら、「もし、無人島にもっていくレコードがあるとすれば」という話がでてきてびっくり。僕がそのレコードを知ったきっかけはまさに『無人島レコード』という本だったので。

で、野口さんの口から語られたのはまさにその『無人島レコード』という本で知ったレコード、マイルス・デイヴィスの『マイルス・アヘッド』。そのアルバムはこの日のブログで紹介していたもの(マイクロスターの「My Baby」の話のつながりでしたね)。ピチカート・ファイヴの小西康陽さんが『無人島レコード』という本で選んでいたものでした。こんな写真も載せていますね。僕もこれを読んで『マイルス・アヘッド』を買いました。

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というわけで野口さんのこの話が出た瞬間から僕の頭の中ではこのアルバムの1曲目の曲が流れ始めてきて、東京にいる間中ずっと脳内再生を続けていました。本当は実際の曲を聴きたくて仕方がなかったけど僕のスマホにはその曲を入れてなかったので、東京から戻ってきたとき、いろいろと買ったりもらったりしたCDをおいといて、まず最初に『マイルス・アヘッド』に針を落としました(持っているのはCDなので、あくまで比喩)。

大好きなその1曲目の曲。タイトルは「Springsville(スプリングズヴィル)」。




野口さんがライブで実際に演奏されたのは『マイルス・アヘッド』とは別のアルバムに収録された「Jambangle」という曲。でも、僕の頭の中には「Springsville」がとめどなく流れてきて、それとビッグバンドが演奏する曲が重なってちょっと夢心地な気分になっていたときにBREEZEが再登場。

ついにそのときがやってきました。


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# by hinaseno | 2017-05-21 12:44 | 雑記 | Comments(0)

前回紹介した野口久和 THE BIG BANDの『One Night Stand!』を手に入れました。よく利用しているAmazonが品切れ状態だったのでちょっと苦労したけど。

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ジャケットを開いたらビッグバンドのメンバーとBREEZEの写真。BREEZEはこのときはアルトが現在の松室さんではなかったんですね。

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先日のライブで聴けた曲も何曲か。「Cradle Song」は何度聴いてもたまらない。海辺の木につるしたハンモックに寝そべってこの曲を聴きながらうとうとできたら最高だろうな。

ハリー・ウォーレンの「Jeepers Creepers」も最高。早速iTunesのプレイリストの「Harry Warren Songbook」に入れました。「Jeepers Creepers」はこれで6曲目。


さて、新曲「Pick Yourself Up」のあとにBREEZEが歌ったのはラテンの曲が2曲。有名な「ベサメ・ムーチョ」と「Cielito Lindo」。ラテンなのでいずれもスペイン語。日本人としては英語以上に発音が難しいのではと思いますが、見事に歌いこなされていました。実はラテンの曲はちょっと苦手なんだけど、こうやって聴くとやっぱりちがいますね。印象がすっかりかわりました、特に初めて聴いた「Cielito Lindo」というのはとてもいい曲。

こんな曲です。




ソロで歌われていた磯貝さんの声質によく合っていました。

そういえば磯貝さんのMCって最高ですね。何度も笑わせてもらいました。


第一部でのBREEZEはこの3曲。「Beats There A Heart So True」は2部に持ち越し。でも、コーラスグループとしてのBREEZEの実力を十分に知ることができたので、期待はさらに高まりました。

で、BREEZEが退場した後、ビッグバンドによる演奏が2曲。まずはクラリネットのソロによって演奏されるベニー・グッドマンの「Memories of You」。いやあ、これも素晴らしかった。

これがオリジナルですね。




で、1部の最後に演奏されたのが「Ol' Man River」。作曲は「Pick Yourself Up」と同じジュローム・カーン。ただし作詞はドロシー・フィールズではなく有名なオスカー・ハマースタイン。ミュージカル『ショウ・ボート』で歌われた曲だったんですね。

ここで野口さんはジュローム・カーンの作曲した曲を何曲か紹介。石川さんの好きな「The Way You Look Tonight」や『有頂天時代』の話をされて、ようやく僕はいろんなつながりに気がつきました。


ところで僕が「Ol' Man River」という曲を知ったのはビーチ・ボーイズが歌ったこれでした。




この曲はたいていこんな風にゆっくりと歌われるんですが、野口さんはこの曲を軽快なアレンジで演奏します。ウェストコーストって感じで。

ちなみに先日紹介したビル・ホールマンもこの曲をこんな感じで軽快に演奏しています。




この曲で1部は終了して30分間の休憩に。この休憩のときに石川さんの顔の広さをまざまざと知ることになりました。あちこちでいろんな人から声をかけられていたんですね。

でも2部が終了したときにはさらに多くの人が次々に石川さんのもとへやってくることになります。石川さんの肩を強く叩いて握手する人がいたりと。

その理由についてはまた次回以降に。


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# by hinaseno | 2017-05-20 15:20 | 雑記 | Comments(0)

さて、場面はBREEZE登場から。ですがその前に先日アゲインの石川さんから野口久和さんが野口久和 THE BIG BAND名義で2010年に出した『One Night Stand!』のCDを送っていただいたのですが、なんとBREEZEが歌っている曲の一つがハリー・ウォーレン作曲の「Jeepers Creepers」。いや、びっくりでした。

ハリー・ウォーレンというのは「Beats There A Heart So True」と同様に僕と石川さんがそれぞれに騒ぎ続けている作曲家。このブログでも彼のことを何度書いたかわかりません。

きっかけはやはり大瀧さん。「ゴー!ゴー!ナイアガラ」のクリス・モンテス特集のときに大瀧さんがハリー・ウォーレンのことを語っていたんですね。「ハリー・ウォーレン、非常にいい曲を書きますね」と。

クリス・モンテスは昔から大好きなアーティストですが、とりわけ好きだった「The More I See You」が古いポピュラー音楽で、その作曲家がハリー・ウォーレンという人だなんて全く知らなかったのでちょっとびっくりしてしまって、ハリー・ウォーレンに注目するようになったんですね。

探しはじめたらいい曲がいっぱい。それから僕と石川さんの間でそれぞれが見つけた音源や情報を交換し合っていました。石川さんから送られてきたCDは10枚を超えていたような気がします。


ハリー・ウォーレンといえば、3年ほど前のこの日のブログで紹介したこの『イージー・トゥ・リメンバー:アメリカン・ポピュラー・ミュージックの黄金時代』という本のこと。たまたま書店で見つけたものですが、この本を手にとって何よりも嬉しかったのはハリー・ウォーレンという作曲家のことをかなりのページ数を割いて取り上げられていたこと。しかもハリー・ウォーレンがピアノを弾いているこんな写真まであって。

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もちろん即購入。で、このブログで紹介したら石川さんがすぐにそれに反応されて(すばらしい本だと電話をいただいたように思います)、石川さんのブログでも何度もこの本のことを紹介されたんですね。

そんなある日、石川さんは思いも寄らないポピュラー・ミュージックのソングライターに目を付けられます。このページの写真をブログに載せられて。

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ピアノを弾いているのは作曲家のジミー・マクヒュー。でも石川さんが惹きつけられたのはその傍らに立っている作詞家の女性でした。

その女性の名はドロシー・フィールズ。

石川さんはこの人の作詞した曲に心を奪われてしまわれたんですね。とりわけ心を奪われたのがジュローム・カーン作曲の「The Way You Look Tonight」で、その曲について折に触れてブログに書かれていました。

ちなみにこの本でジュローム・カーンとドロシー・フィールズのことを取り上げているのはフレッド・アステアの映画音楽について書かれた章。フレッド・アステアの曲は僕も大好きだったのでこの章はとても楽しく読んでいたのですが、でも、ドロシー・フィールズに関心を持つことはありませんでした。

恐るべし、石川アンテナです。


さて、ライブが始まって30分くらいたったところで待望のBREEZEが登場。「Beats There A Heart So True」がどういう形で歌われるのかドキドキしながらも、もともとコーラス好きなのでどんなコーラスを聴けるのか楽しみな気持ちでいっぱいでした。

そしてMCを担当された磯貝さんが1曲目の曲を紹介されます。


「BREEZEの新曲で野口さんがアレンジしました。フレッド・アステアが映画の中で歌った曲です。

『Pick Yourself Up』」


この瞬間、僕の前に座られていた石川さんが激しく反応。僕の方を振り返って「ジュローム・カーン、ジュローム・カーン」と興奮気味に言われました。そう、それはまさに石川さんが愛するドロシー・フィールズが作詞してジュローム・カーンが作曲した曲。石川さんがアゲインを出る直前に僕にくれたフレッド・アステアの映画のチラシでこれだけは見なければと指差していた『有頂天時代(Swing Time)』で歌われた曲でした。これが映画で歌われるシーン。




ちなみに石川さんがとりわけ好きな「The Way You Look Tonight」も同じ『有頂天時代』で歌われたもの。

どうやら野口さんとBREEZEは「Beats There A Heart So True」以外にサプライズの形で石川さんへのプレゼントを用意していたようでした(「たまたま」ではなかったはず)。

ただ、実は僕はこのときにはまだこの曲がドロシー・フィールズが作詞したもので、『有頂天時代(Swing Time)』で歌われた曲だとは気がついてはいませんでした。でも、あとで振り返ったらちょっと鳥肌が。

ちなみにこれは『イージー・トゥ・リメンバー』に載っていた『有頂天時代』のスコアを検討中のジュローム・カーンとドロシー・フィールズの写真。

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さて、野口さんのアレンジしたビッグバンドの軽快なサウンドに乗って歌っているBREEZEを見てこれは本物だなと感服。いっぺんにBREEZEファンになってしまいました。来て本当によかったなと。


ところで、今、BREEZEは野口さんとツアー中。静岡~名古屋~四日市~松阪と回られるようです。こちらに日程が載っていますね。静岡は昨日終わったようですが、もしお近くの人がいらっしゃったらぜひ行ってみてください。


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# by hinaseno | 2017-05-19 12:29 | 雑記 | Comments(3)

松本隆に最も接近した日


野口久和 THE BIG BANDのライブの話はいよいよBREEZE登場ということになりましたが、ここでちょっと別の最近の話を。

何か長い話を書き続けているとその間に起こった出来事を書けないまま、僕自身の賞味期限が切れてしまうことがしばしばあるのでそれを書いておこうと思います。

野口久和 THE BIG BAND with “BREEZE”のライブの賞味期限が切れることは絶対にないのでご心配なく。


最近、というか昨日すごいことが起こったんですね。と言っても例の皇室の方の、まだ正式決定はしていないはずのおめでたい話ではありません。こういうのがワイドショーで流されまくる状況を作って、それを隠れ蓑にして恐ろしい法案が通ってしまうようになるのはたまったものじゃないんですが、たいていそういうことが起こっています。

オリンピックという名目のために、僕のようにあまり人が通らないような路地に入りこんで、あまり人が撮らないようなものにカメラを向けたりしていたらすぐに通報されたり職務質問されたりしてしまうような法律ができるなんて冗談じゃないです。僕のささやかな楽しみの自由を奪って欲しくないです。ホントに。


話がそれてしまいました。

ところで僕のブログでこれまで書いた記事の中で最もアクセス数が多いのはダントツでこの話です。松本隆さんが大瀧詠一さんについて新聞に書いたコラムを載せたときのもの。おそらく松本さんがTwitterかFacebookにリンクして、さらにそれを見た人がリンクしていったんじゃないかと思いますが、まあとにかくすごいアクセス数でした。

ちなみにその次に多いのはこの記事。理由は、さて。


実は昨日、その松本隆さんに、あの内田樹先生と毎日放送の西靖アナウンサーが、たぶんプライベートに食事をされて、さらに内田先生と西さんは神戸にある松本さんの家に招かれたというんですね。関係のない人にとってはこういうのは「へえ~」で終わってしまうと思いますが、僕にとってはすごいこと。内田先生は大瀧さんの家にも行き、そして松本さんの家にも行ったことになります。すっごいな~、うらやましすぎる~。

確か来月、石川さんは内田先生や平川さんたちと一緒に恒例の箱根の温泉に行かれるそうなので、ぜひ松本さんとお会いしたときのことを聞いておいてほしいと思います。


ところで結局書かずじまいに終わってしまった話の一つに、僕が松本隆さんに最接近した日のことがありました。それは昨年暮れのこと。

神戸の元町にある音楽バーで(店の名前、なんて言ったっけ?)松本隆さんが作詞した曲をかけまくるというイベントがあったんですね。で、もしかしたらそこに松本さんが顔を出されるかもしれないということを松本さん自身がTwitterだかFacebookでつぶやかれていたのを見つけて、絶対に行かなくてはと思って速攻で予約して行きました。

でも、帰りの電車のぎりぎりの時間まで待っても松本さんは現れず。仕方なくその場所をあとにしました。店の下には松本さんが現れるのを待っている人も何人かいました。

で、帰る電車の中でチェックしたら、なんと僕が店を出てから間もなく松本さんが現れたという情報が。その場にいた人は嬉しそうに松本さんと並んで写真を撮ってました。くやしかったな。

でもまあ松本さんの作詞した曲を、もちろん大瀧さんが作曲したいくつもの曲を、レコードで爆音で聴くことができたのはうれしかったです。

この写真は僕が座ったカウンターの風景。

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目の前に並べられていたのは松本隆さんが作詞された曲のシングル・レコード。

右から太田裕美さんの「木綿のハンカチーフ」。で、次の2枚が大瀧さん作曲の曲ですね。まずは松田聖子の「風立ちぬ」、そして森進一の「冬のリヴィエラ」。「風立ちぬ」は僕がジャック・ケラーという素晴らしい作曲家を知るきっかけとなった永遠の名曲。でも、僕がいるときにはかからなかったけど。

さて、そのジャック・ケラー作曲の「Beats There A Herat So True」がBREEZEによって歌われたときの話は次回、かな?


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# by hinaseno | 2017-05-17 13:24 | 雑記 | Comments(0)