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Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno
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2017年 11月 01日 ( 1 )


海辺の小さな町の物語




僕には大好きな「海街」が3つあります。
牛窓、神戸、そして尾道。
もしも鎌倉に行けばきっと大好きな「海街」のひとつに加わることはまちがいありません。行っていないけれどもきっと好きになるはずの海街といえば…


なんてことを書いていたのは昨年の春のことでした。昨年は尾道に3回くらい行ったんですね。神戸は暮れに1回。松本隆さん関連のイベントに行ったんですが、例によってハックルベリーという中古レコード店に行き、そしてM&Mというジャズ喫茶へと足を運びました。本当は海文堂にも立ち寄るというのが10年近く続いたおきまりのルート。でも、今はもうなくなってしまったのでそのかわりに1003という素敵な書店に行きました。神戸とはいっても本当に好きなのは元町近辺のほんの限られた辺り。神戸という大きな街の中にある小さな町です。


さて、行けばきっと大好きな「海街」のひとつになるなるにちがいない茅ヶ崎という海辺の小さな町を舞台にした宮治淳一さんの『MY LITTLE HOMETOWN 茅ヶ崎音楽物語』をようやく(あっという間だったけど)読み終えました。

こんなにワクワクしながら本を読んだのは久しぶり。8章から最終章にかけてはたまらない話のオンパレード。茅ヶ崎には(たぶん)縁はないはずだけど大瀧さんの名前も何度か登場します。


ところでこの本の副題は「MY LITTLE HOMETOWN」。実は僕はずっと「MY LITTLE TOWN」と記載していました。宮治さん、すみませんでした。「Small town」や「Little Town」という言葉が好きで、つい宮治さんにとっては大切な「Home」を外してしまいました。

外すといえばこの本、カバーを外したら結構おしゃれなんですね。

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バート・ゴールドブラットがデザインしたレコードのジャケットのような雰囲気があります。写真に写っているのは茅ヶ崎のシンボルともいうべき烏帽子岩。烏帽子岩のことも最後の最後に出てきました。「烏帽子岩は、ただの岩ではない」というタイトルで人類学者の中沢新一さんが登場して(映画に出演されているようです)、「海民」の話まで出てきたのには驚きました。

で、巻末に載っていたのが茅ヶ崎の地図。副題の通り茅ヶ崎って本当に小さな町なんですね。小津のいた茅ヶ崎館と上原謙、加山雄三親子が暮らしていた家は目と鼻の先。その中間あたりにはこの作品において重要な建物でもある「ブレッド&バター」というカフェがあって、そこで南佳孝がライブをしたのを宮治さんが見に行ったらアンコールでランディ・ニューマンの「セイル・アウェイ」を歌ったとか、桑田佳祐がここで生放送でラジオ番組をしたとか、すごい話ばかり。

それから茅ヶ崎駅のすぐそばには大瀧さんと高田渡をつないだ添田唖蝉坊の家もあったというのもびっくりでした。やはり茅ヶ崎という土地の何かの力があるとしか思えないですね。


ところで「縁」の話をしたらきりがない小津の『早春』にも茅ヶ崎が出てきます。池部良と岸恵子が接近するきっかけとなったピクニックのシーンがここで撮影されているんですね。

これはそのロケの時の写真。

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すごい格好でカメラを覗いているのが小津監督です。ここはいったい茅ヶ崎のどのあたりになるんだろう。茅ヶ崎についてもいろいろと調べたくなりました。いや、なによりも今すぐにでも行ってみたい。もちろん宮治さんのブランディンに。


とはいっても茅ヶ崎まで行くのはやはり大変。

でも、茅ヶ崎とは別の海辺の小さな町に、今月行く予定にしています。きっかけはやはり「縁」。その町も行ったらきっと大好きになるでしょうね。


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by hinaseno | 2017-11-01 15:12 | 音楽 | Comments(0)